7 / 35
【5】侯爵閣下の献身
……想像してみてほしい。
死んだはずの自分が、想定外の目覚めを迎えたその先の日々を――。
と言っても、目覚めた直後の数日間のことはほとんど覚えていない。ひどくだるくて、頭がぼんやりしていることが多かった。それでも日が経つにつれて、意識がしっかりしてきた気がする。
「シスター・エルダ。今日はあなたの身の回りの世話をしている侍女たちを紹介しようと思います」
ある日、レイ――もとい、ラファエル・アルシュバーン侯爵閣下が私にそう伝えてきた。
彼が呼び鈴を鳴らすと、二十歳前後と思しき3人の侍女が入室してきた。――彼女たちの顔を見て、私はハッとした。
真ん中に立っているのは、しとやかに輝く栗毛を結い上げた、凛としたたたずまいの侍女。
右側は黒髪を肩の長さで揃えた、おっとりと愛らしい雰囲気の侍女。
左側は淡い藤色を帯びた銀髪の、艶のある面立ちの侍女。
(ミモザ!? それにアニスとローゼル!?)
間違いない。この3人は、かつてミリュレー修道院でともに暮らした子どもたちだ。
うやうやしく礼をしていた3人は、顔を上げるとキラキラと目を輝かせて笑顔を咲かせた。
「シスターが起きてくださるのを、私たち毎日ずっと楽しみにしていました!」
「目覚めてくれて嬉しいです、シスター・エルダ!!」
「これからもよろしくお願いします!」
私は「皆!」と叫ぼうとした。けれど喉に力が入らず、呻きみたいな声しか出ない。
そんな私を気遣うように、ラファエル様は優しい声で説明してくれた。
「驚きましたか、シスター。実はミリュレー修道院から、8年前にミモザ達を引き抜いていたんです。あなたが眠っている間、毎日の身の回りの世話を彼女達に頼んでいました。これからも引き続き、この3人が担当します。あなたも、なじみのある者に頼むほうが安心できるでしょう?」
「……あ、りぁ、……」
ありがとう。と言いたかった。上手に喋れないのがもどかしかったけれど、皆は理解してくれたようだ。嬉しすぎて涙が止まらなくなってしまった私の目尻を、ラファエル様がそっと拭ってくれた。
(本当にこれ、夢じゃないの……!? 子どもたちの立派に育った姿を見られるなんて!)
夢ならどうか、覚めないで――。祈るような気持ちで、私は小さく震えていた。そんな私の手をしっかり握り、ラファエル様が囁いた。
「シスター。これから少しずつリハビリをしていきましょう。訓練すれば、必ず元通りになれます。一緒にがんばりましょう」
私は彼を見つめ返し、微かな声で「は、い」と応えた。
*
こうして私のリハビリ生活が始まった。
「エルダ様は昏睡から快復されたばかりですので、無理なくリハビリを進めて参りましょう。まずは健康的な時間の流れに沿って生活し、体のリズムを整えることが大切です」
と、ドクター・ピーナが言っていた。
ということで規則正しい生活をすることになったのだが、私はまだ身動きさえ満足にできない状態だ。だから、朝はミモザ達が定刻に起床させて身だしなみを整えてくれ、夜には濡れたタオルで体を清めた後で寝衣に着替えさせてくれる。
お世話をされる暮らしは、まるで赤ちゃんのようで……あるいは介護を受けるお年寄りのようで、どうしても恥ずかしくなってしまう。
今もまた、朝の着替えを侍女3人がしてくれているところだ。私は顔を赤くしながら、されるがままになっていた。
「シスター、今日も顔が真っ赤ですよ? お熱はないみたいだし、……やっぱり恥ずかしいんですか?」
私がばつの悪い顔で小さく頷くと、侍女たちは笑っていた。
「恥ずかしがらなくていいのに」
「そうそう! もっと気楽にしてください」
まあ、すでに何年もお世話され続けていたわけだから、今さらといえば今さらなのかもしれないけれど。
(……それにしても、昏睡のままで10年も生きられたなんて。新大陸の新技術って、本当にすごいのね)
ふと、ベッドサイドに据え付けられている大きな機器――生命維持装置に視線を馳せつつ私は思った。
私の手足や体の各所には、チューブが接続されている。そのチューブは生命維持装置へとつながっており、この機器のおかげで私の命は保たれていたそうだ。新大陸の最新技術を搭載した超高性能装置だそうで、……お値段は知らないけれど国家予算レベルの代物なのではないかと私は予想している。
(昔は『機械を使っても5年が限界』と言われていたけれど。私が昏睡の間に、すごいものが開発されていたのね。……10年も寝ていた割には筋肉の衰えが少ないのも、この機械のおかげらしいし)
ちなみに筋肉だけではなく、容姿もそこまで衰えてはいない。
私は30代手前のはずだけれど、鏡に映る自分の顔は実年齢より5歳くらいは若く見える。この生命維持装置のおかげで、代謝が落ちて老化抑制効果が働いていたそうだ。クマの冬眠みたいなものだと、ドクター・ピーナが言っていた……。
(ほんと、時代って進むものなのねぇ。って、なにお年寄りみたいなこと考えているの、私ったら……)
私がげんなりしていると、
「おはようございます、シスター・エルダ」
男の人の美声が響いて、ハッとした。私の着替えを済ませた後、侍女たちがラファエル様を呼んだのだ。私が目覚めてから毎日、ラファエル様は一緒にいる時間をたくさん取ってくれている。
「顔色が良いですね。今日のあなたも、とても美しいですよ」
ラファエル様はベッドの脇に腰かけると、艶のある笑みを浮かべて私の頬を撫でてきた。
(またまた、そんなお上手なことを……)
ラファエル様は毎日、息をするのと同じくらいの頻度でこまめに褒めてくれる。きっと私を気遣って、元気づけてくれようとしているに違いない。親孝行な若者に育ってくれて、本当に感謝しかない。
(ラファエル様を心配させないためにも、しっかりリハビリをがんばらなきゃ!)
この人には、一生かけても返しきれない大きな借りを作ってしまった。侯爵家の莫大な資金を投じて目覚めさせてくれたというだけでも大変なことなのに、ラファエル様への借りは現在進行形で増大し続けている。
(これ以上ご迷惑をかけないためにも、一刻も早くこの状態から抜け出さなくちゃ。よし。リハビリ、がんばるぞ!)
死んだはずの自分が、想定外の目覚めを迎えたその先の日々を――。
と言っても、目覚めた直後の数日間のことはほとんど覚えていない。ひどくだるくて、頭がぼんやりしていることが多かった。それでも日が経つにつれて、意識がしっかりしてきた気がする。
「シスター・エルダ。今日はあなたの身の回りの世話をしている侍女たちを紹介しようと思います」
ある日、レイ――もとい、ラファエル・アルシュバーン侯爵閣下が私にそう伝えてきた。
彼が呼び鈴を鳴らすと、二十歳前後と思しき3人の侍女が入室してきた。――彼女たちの顔を見て、私はハッとした。
真ん中に立っているのは、しとやかに輝く栗毛を結い上げた、凛としたたたずまいの侍女。
右側は黒髪を肩の長さで揃えた、おっとりと愛らしい雰囲気の侍女。
左側は淡い藤色を帯びた銀髪の、艶のある面立ちの侍女。
(ミモザ!? それにアニスとローゼル!?)
間違いない。この3人は、かつてミリュレー修道院でともに暮らした子どもたちだ。
うやうやしく礼をしていた3人は、顔を上げるとキラキラと目を輝かせて笑顔を咲かせた。
「シスターが起きてくださるのを、私たち毎日ずっと楽しみにしていました!」
「目覚めてくれて嬉しいです、シスター・エルダ!!」
「これからもよろしくお願いします!」
私は「皆!」と叫ぼうとした。けれど喉に力が入らず、呻きみたいな声しか出ない。
そんな私を気遣うように、ラファエル様は優しい声で説明してくれた。
「驚きましたか、シスター。実はミリュレー修道院から、8年前にミモザ達を引き抜いていたんです。あなたが眠っている間、毎日の身の回りの世話を彼女達に頼んでいました。これからも引き続き、この3人が担当します。あなたも、なじみのある者に頼むほうが安心できるでしょう?」
「……あ、りぁ、……」
ありがとう。と言いたかった。上手に喋れないのがもどかしかったけれど、皆は理解してくれたようだ。嬉しすぎて涙が止まらなくなってしまった私の目尻を、ラファエル様がそっと拭ってくれた。
(本当にこれ、夢じゃないの……!? 子どもたちの立派に育った姿を見られるなんて!)
夢ならどうか、覚めないで――。祈るような気持ちで、私は小さく震えていた。そんな私の手をしっかり握り、ラファエル様が囁いた。
「シスター。これから少しずつリハビリをしていきましょう。訓練すれば、必ず元通りになれます。一緒にがんばりましょう」
私は彼を見つめ返し、微かな声で「は、い」と応えた。
*
こうして私のリハビリ生活が始まった。
「エルダ様は昏睡から快復されたばかりですので、無理なくリハビリを進めて参りましょう。まずは健康的な時間の流れに沿って生活し、体のリズムを整えることが大切です」
と、ドクター・ピーナが言っていた。
ということで規則正しい生活をすることになったのだが、私はまだ身動きさえ満足にできない状態だ。だから、朝はミモザ達が定刻に起床させて身だしなみを整えてくれ、夜には濡れたタオルで体を清めた後で寝衣に着替えさせてくれる。
お世話をされる暮らしは、まるで赤ちゃんのようで……あるいは介護を受けるお年寄りのようで、どうしても恥ずかしくなってしまう。
今もまた、朝の着替えを侍女3人がしてくれているところだ。私は顔を赤くしながら、されるがままになっていた。
「シスター、今日も顔が真っ赤ですよ? お熱はないみたいだし、……やっぱり恥ずかしいんですか?」
私がばつの悪い顔で小さく頷くと、侍女たちは笑っていた。
「恥ずかしがらなくていいのに」
「そうそう! もっと気楽にしてください」
まあ、すでに何年もお世話され続けていたわけだから、今さらといえば今さらなのかもしれないけれど。
(……それにしても、昏睡のままで10年も生きられたなんて。新大陸の新技術って、本当にすごいのね)
ふと、ベッドサイドに据え付けられている大きな機器――生命維持装置に視線を馳せつつ私は思った。
私の手足や体の各所には、チューブが接続されている。そのチューブは生命維持装置へとつながっており、この機器のおかげで私の命は保たれていたそうだ。新大陸の最新技術を搭載した超高性能装置だそうで、……お値段は知らないけれど国家予算レベルの代物なのではないかと私は予想している。
(昔は『機械を使っても5年が限界』と言われていたけれど。私が昏睡の間に、すごいものが開発されていたのね。……10年も寝ていた割には筋肉の衰えが少ないのも、この機械のおかげらしいし)
ちなみに筋肉だけではなく、容姿もそこまで衰えてはいない。
私は30代手前のはずだけれど、鏡に映る自分の顔は実年齢より5歳くらいは若く見える。この生命維持装置のおかげで、代謝が落ちて老化抑制効果が働いていたそうだ。クマの冬眠みたいなものだと、ドクター・ピーナが言っていた……。
(ほんと、時代って進むものなのねぇ。って、なにお年寄りみたいなこと考えているの、私ったら……)
私がげんなりしていると、
「おはようございます、シスター・エルダ」
男の人の美声が響いて、ハッとした。私の着替えを済ませた後、侍女たちがラファエル様を呼んだのだ。私が目覚めてから毎日、ラファエル様は一緒にいる時間をたくさん取ってくれている。
「顔色が良いですね。今日のあなたも、とても美しいですよ」
ラファエル様はベッドの脇に腰かけると、艶のある笑みを浮かべて私の頬を撫でてきた。
(またまた、そんなお上手なことを……)
ラファエル様は毎日、息をするのと同じくらいの頻度でこまめに褒めてくれる。きっと私を気遣って、元気づけてくれようとしているに違いない。親孝行な若者に育ってくれて、本当に感謝しかない。
(ラファエル様を心配させないためにも、しっかりリハビリをがんばらなきゃ!)
この人には、一生かけても返しきれない大きな借りを作ってしまった。侯爵家の莫大な資金を投じて目覚めさせてくれたというだけでも大変なことなのに、ラファエル様への借りは現在進行形で増大し続けている。
(これ以上ご迷惑をかけないためにも、一刻も早くこの状態から抜け出さなくちゃ。よし。リハビリ、がんばるぞ!)
あなたにおすすめの小説
姉の忘れ形見を育てたいだけなのに、公爵閣下の執着が重いんですが!?~まっすぐ突き進み系令嬢の公爵家再建計画
及川えり
ファンタジー
突然届いた双子の姉からの手紙。
【これをあなたが読んでいるころにはわたしはもう死んでいることでしょう。わたしのことは探さないでね。双子を引き取ってもらえないかしら?】
姉の遺言通り双子を育てようと姉の嫁ぎ先へと突入する。
双子を顧みなかったという元夫のウィルバート公爵に何とか双子を引き取れるよう掛け合うが、話の流れからそのまま公爵家に滞在して双子を育てる羽目に。
だが、この公爵家、何かおかしい?
異常に気付いたハンナは公爵家に巣くう膿をとりのぞくべく、奮闘しはじめる。
一方ハンナを最初は適当にあしらっていたウィルバートだったが、ハンナの魅力に気付き始め……。
2026.4.6 完結しました。
感想たくさんいただきとても嬉しく拝見しています。
ブックマーク登録、いいね❤️、エール📣、感想などたくさんいただきありがとうございます。
とてもとてもとても励みになります。
なろうにも掲載しています。
※続編書く予定です。
【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」
お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。
賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。
誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。
そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。
諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。
「何の取り柄もない姉より、妹をよこせ」と婚約破棄されましたが、妹を守るためなら私は「国一番の淑女」にでも這い上がってみせます
放浪人
恋愛
「何の取り柄もない姉はいらない。代わりに美しい妹をよこせ」
没落伯爵令嬢のアリアは、婚約者からそう告げられ、借金のカタに最愛の妹を奪われそうになる。 絶望の中、彼女が頼ったのは『氷の公爵』と恐れられる冷徹な男、クラウスだった。
「私の命、能力、生涯すべてを差し上げます。だから金を貸してください!」
妹を守るため、悪魔のような公爵と契約を結んだアリア。 彼女に課せられたのは、地獄のような淑女教育と、危険な陰謀が渦巻く社交界への潜入だった。 しかし、アリアは持ち前の『瞬間記憶能力』と『度胸』を武器に覚醒する。
自分を捨てた元婚約者を論破して地獄へ叩き落とし、意地悪なライバル令嬢を返り討ちにし、やがては国の危機さえも救う『国一番の淑女』へと駆け上がっていく!
一方、冷酷だと思われていた公爵は、泥の中でも強く咲くアリアの姿に心を奪われ――? 「お前がいない世界など不要だ」 契約から始まった関係が、やがて国中を巻き込む極上の溺愛へと変わる。
地味で無能と呼ばれた令嬢が、最強の旦那様と幸せを掴み取る、痛快・大逆転シンデレラストーリー!
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
学園首席の私は魔力を奪われて婚約破棄されたけど、借り物の魔力でいつまで調子に乗っているつもり?
今川幸乃
ファンタジー
下級貴族の生まれながら魔法の練習に励み、貴族の子女が集まるデルフィーラ学園に首席入学を果たしたレミリア。
しかし進級試験の際に彼女の実力を嫉妬したシルヴィアの呪いで魔力を奪われ、婚約者であったオルクには婚約破棄されてしまう。
が、そんな彼女を助けてくれたのはアルフというミステリアスなクラスメイトであった。
レミリアはアルフとともに呪いを解き、シルヴィアへの復讐を行うことを決意する。
レミリアの魔力を奪ったシルヴィアは調子に乗っていたが、全校生徒の前で魔法を披露する際に魔力を奪い返され、醜態を晒すことになってしまう。
※3/6~ プチ改稿中
兄にいらないと言われたので勝手に幸せになります
毒島醜女
恋愛
モラハラ兄に追い出された先で待っていたのは、甘く幸せな生活でした。
侯爵令嬢ライラ・コーデルは、実家が平民出の聖女ミミを養子に迎えてから実の兄デイヴィッドから冷遇されていた。
家でも学園でも、デビュタントでも、兄はいつもミミを最優先する。
友人である王太子たちと一緒にミミを持ち上げてはライラを貶めている始末だ。
「ミミみたいな可愛い妹が欲しかった」
挙句の果てには兄が婚約を破棄した辺境伯家の元へ代わりに嫁がされることになった。
ベミリオン辺境伯の一家はそんなライラを温かく迎えてくれた。
「あなたの笑顔は、どんな宝石や星よりも綺麗に輝いています!」
兄の元婚約者の弟、ヒューゴは不器用ながらも優しい愛情をライラに与え、甘いお菓子で癒してくれた。
ライラは次第に笑顔を取り戻し、ベミリオン家で幸せになっていく。
王都で聖女が起こした騒動も知らずに……
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
妹なんだから助けて? お断りします
たくわん
恋愛
美しく聡明な令嬢エリーゼ。だが、母の死後に迎えられた継母マルグリットによって、彼女の人生は一変する。実母が残した財産は継母に奪われ、華やかなドレスは義姉たちに着られ、エリーゼ自身は使用人同然の扱いを受ける。そんなある日――。