14 / 18
14 図書館の地下倉庫
しおりを挟む「どうでしょうシロウ、何か分かりましたか?」
「い、いえ……さっぱり……」
リブレリア中央図書館にて『ロクトソウル』なる物の情報探し。
今俺たちがいるのは図書館の館内地図には載っていない、地下。
ここはいわゆる倉庫らしく、未分類の書物や公開出来ないような本が収められているそう。
ネイシアの特権を使い国の規制がかけられている本を漁っているが、どれもこれも挿絵の一個も無いような物ばかり。
シングルベッドぐらいの大きさのテーブルに山と積まれた本……これ全部読まないとならんのか?
い、いや俺のピヨすけの命を救うためだ、頑張らないと……つか検索システムとかないの?
普通あんだろ、ああ、ここ異世界だった……。
「これはすごい……一般には公開されていない本の山ではないか! ああああ全部読みたい……な、なぁシロウ、一ヶ月ほどここに滞在するってのはどうかな。これほどの未公開資料、ぜひとも全てに目を通して知識の糧に……」
青い顔の俺とは対象的に、エレンディアさんが満面笑顔。
そういやこの人、召喚の歴史とか研究しているんだっけ。
「あまり時間はかけたくないですが……この蔵書の数を見ると、本当にそれぐらいかかりそうですね……」
「頑張りましょうシロウ! 私、速読は得意ですから!」
俺がうなだれながら応えると、俺の横にネイシアが座り、本を手に取り読み始める。
「は、はい! ぼ、僕の用事に付き合っていただきありがとうございます! 必ずやネイシア様のご期待にお応え出来るように頑張る所存でありま……」
「……なんですかそれ、シロウ。僕だのネイシア様だの」
俺が精一杯の王族様への応対をすると、ネイシアがジト目で睨んでくる。
え、いや、だってネイシアってこの国のお姫様なんでしょ。
「シロウはパーティーを結成するときに言いましたよね、それぞれの抱える身分や職業は考えず、と。それはパーティーの誰かを特別扱いしない、皆平等の仲間、ということではなかったのですか?」
「あ、う、うん……確かに言ったけど……」
そういや場を収めるために言ったような。
「私はシロウのその考えに賛同しパーティーに入ったのです。皆平等、これがシロウのパーティーなのでしょう? リーダーであるシロウがそれを破るのですか?」
「……わ、分かった。ネイシア、エレンディアさん、手分けして情報を集めよう!」
俺は息を吐き、改めて二人に協力をお願いする。パーティーの仲間として。
「ふふ、それでいいのですシロウ。これはシロウのパーティーなのですから!」
「私の『さん』付けもなくてもいいのだが……まぁ年上のお姉さんポジションは利用価値がありそうだしいいだろう」
ネイシアとエレンディアさんが応えてくれ、三人で本を漁り始める。
「──キリがねぇ……」
二時間後……真っ先に俺がギブアップ。
しゃあねぇだろ、俺勉強苦手なんだし……漫画で分かるロクトソウル、の本とかねぇの?
「基本、物語と想像の詰め合わせですね……」
「読み物としては面白いのだが、資料としては価値が無い物がほとんどだな……」
さすがに二人も意気消沈気味。
「……ん、この本の表紙、どこかで見たことあるような……」
山と積まれた本の一冊、赤い装丁の表紙に描かれた絵に俺は目が止まる。
描かれているのは森の絵。
別になんてことのない、どこにでもありそうな森の簡易的な絵なのだが、木の高さより大きなとんがった岩が見える。
いや、俺先月ここの異世界に来たばかりだし、最初に降り立った街から出るのすら今回が初めてな状況なんだぞ。
それなのに見覚えのある場所なんてあるわけがない。
でもなんかこの岩……妙に脳を刺激する。
「ほう、森の中にあるとんがった岩か。候補はいくつかあるが……行ってみるか?」
エレンディアさんが俺の見ている本を取り、自身の記憶の中と照らし合わせるような仕草をする。
「……はい、何か惹きつけられるというか……」
「行きましょうシロウ。結果を求めるのなら、行動あるのみです!」
ネイシアが笑顔で俺の肩を掴む。
何か引っかかる、ぐらいの動機としてはかなり薄い情報だが、行動しない限り答えは出ない。ネイシアの言う通りだ。
「よし、行こうみんな!」
0
あなたにおすすめの小説
【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。
夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる