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第11話
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あれから説得すること十数分ようやくクロエをベットから降ろすことが出来た。
いつもはこんなにはしゃがない子なんだが、ご飯お代わり自由に加え、豪華な部屋に興奮してしまったのだろう。うん、仕方ないことだ。可愛いから仕方ない。
そんな言葉を胸にルークは今クロエを伴ってエイリヒから貰った紙を片手に部屋を回っていた。
「ここはトイレだな」
「すっごい綺麗だねー」
確かに綺麗だ。日本のトイレと遜色がない程にきれないなことを見ると予想以上に文明レベルが高いのかも知れない。
……なんだかトイレで文明レベルを計るって聞くとアホっぽいな。
「で隣にあるのは風呂と」
「おおーっ! ピカピカだよっ! あとで一緒にはいろっ! 」
「ああうん、そうだな」
クロエは終始上機嫌だ。目に入るものがすべてが新鮮で楽しくて仕方ないに違いない。
まあ孤児院のトイレとか風呂と比べたらハイテンションになるのは当たり前だと思うけど。
あそこお世辞にも綺麗とは言えなかったからなー 最初は眉を潜めてたものだ。
「よし、すべて見て回ったな。かなり広かったから時間かかったけど……」
部屋の1つ1つが大きく、しかも多かったので子供の足で回るのはかなり時間がかかってしまった。
しかし、書斎があったのは僥倖だ。
これでこの世界の情報を集めることができる。
今日の夜にでも本を読んでみるとしよう。
「おーいクロエ、すべて見て回ったからお腹もすいてきたし食堂に行かないか? 」
「わかったー どんなのが出るんだろうね? 」
風呂のピカピカ具合が相当物珍しいのか指でなぞってなぞって遊んでいたクロエに声をかけると直ぐに駆け寄ってきた。
相当ご飯が楽しみと見える。
「さあな、俺にもわからん。でもまあ……美味しいものが沢山出てくるんじゃないか? 」
「美味しいものかー お魚出てくるかな? 」
「行ってみてからのお楽しみだな」
クロエは大好物の魚を思い浮かべているのか頬が緩んでいる。ルークはもしあったら分けてやろうと心に決めて扉を開く。
「痛っ! ちょっとなによっ! 」
「エルちゃん大丈夫? 」
すると手に衝撃を感じるのと同時にそんな声が聞こえてきた。どうやら扉を開けた時運悪く前に人がいたらしい。
そのことに気づいたルークは慌てて謝る。
扉越しなのはなんとも格好がつかないが、今は開けて仕舞えば先ほどの二の舞になるので仕方ない。
「すいません大丈夫ですかっ!? 」
「大丈夫じゃないわよっ! 早く出て来ないさい! ぶっ殺してやるわ! 」
「言葉遣い悪いよエルちゃん! 」
ルークの謝罪に帰ってきたのはなんとも物騒な言葉だった。出て行ったらぶっ殺されるされるらしい。ならば……。
ガチャ
許されぬなら 鍵してにげよう 今すぐに 字余り。
ルークは綺麗に回れ右をしてた後、首を傾げていたクロエの肩に手渡した置いて部屋に戻るように促す。
「さてクロエ戻ろう、今は外に怖い鬼さんがいるからいなくなるまでご飯はお預けだ」
「えーー ご飯食べたいー」
クロエがブーたれるが仕方ないだろう。今は外にプンプンに怒った鬼さんがいるんだよ。ほら今も鬼の恐ろしき咆哮が聞こえてくる。
「え!? うそっ! 鍵閉めやがった! 出て来なさいよ卑怯者っ! 」
「エルちゃん落ち着いて! 靴なんか持ってどうすんの!? 」
「決まってるでしょ! ぶち破ってやるわ! 引きずり出してやる! 」
怖い、怖いよ。なんでそんな言葉がすらすらと出てくるんだ。扉の隙間から見えた姿は俺たちと同い年に見えた筈なんだが……。
しかし、放っておけば本当に扉をぶち破られそうな勢いなので扉越しに話しかけた。
「あのぶっ殺されるのは勘弁願いたいんですが、そこんところどうなんでしょうか? 」
「決まってるでしょ! ぶっ殺んんー! 」
「あのエルちゃん、暴れている子は私が抑えておくので出て来て貰えませんか? 出て来てくれないと話が出来そうにないので」
「なんだか物騒な言葉が聞こえたのは……」
「気のせいです」
気のせいらしい。な訳ないんだが、会話を聞くにもう1人の子が暴れている子を抑えてくれているようだ。
それならと鍵を開けて隙間から外を伺うと確かに青い髪の子が赤い髪の子を押さえつけていた。危険はなさそうだ。
「安全確認おけー。じゃあ行ってくるか。クロエは危ないかもしれないからここで待っててくれ」
「やだ、面白そうなんだもん! 」
「よし、ついてきてもいいから俺の後ろに隠れてるんだぞ? わかったな? 」
「はーい」
クロエの意見にすぐに合わせるあたりルークのシスコン具合がうかがえる。
そんなルークはクロエを伴って外に出た。
そこにはスカイブルーの綺麗な髪をセミロングにした女の子と燃え盛る炎のような髪をした女の子がプロレスごっこをしていた。
扉の隙間からはよく見えず、ああ髪が青いなとか、赤いなとかしかわからなかったがこうしてしっかりと見ると両者ともに可愛い顔をしている。クロエには劣るがな。
ルークが結構失礼な感想を抱いていると抑えられていた女の子が拘束を解いて飛びかかってきた。
「ちょっとあんたどういうつもり!? 扉を開ける時は前に人がいるかいないか確認しなさいよね! それに鍵閉めて逃げるとはどういう了見よ! 男の風上におけないわ! 」
捲し立てるように怒鳴りつけた女の子にルークはタジタジになる。
言っていることはすべてが正論だし、怒る理由がしっかりとあって一方的に自分が悪いのは分かっているからだ。
しかし、ルークにも言い分がある。
それはぶっ殺す! ぶっ殺す! と連呼されれば逃げたくなるのは当たり前ではないだろうか?
しかも謝ったのにバカみたいにぶっ殺す!ぶっ殺す! 言いやがって……
少しは対話というものを……ああ、なんだか面倒くさくなってきた。最終手段を使ってやろう。
「ごめんなさい……悪いと思っていたんですけど怖くて……」
「あ、え? ちょっと泣かないでよ! 私も言い過ぎたわこれで仲直りしましょっ! 」
ニカッと笑い、手を差し出してくる女の子。あれ? かなりサバサバしている子だ。
泣き落としでダメだったらその先を考えていたんだが……その必要はなかったらしい。
「ああ、俺が前を確認してなかったから悪いんだ。ごめん」
「え、え? 」
女の子は急に泣きやんだルークに困惑しているようで、視線を青髪の女の子と行ったり来たりさせている。
ルークはそれをみて苦笑いを浮かべた。
「さっきのは嘘泣きだ。こうでもしないとまともに会話できないと思ってな、不快に感じたんだったら謝るよ」
「そ、そう。嘘泣きだったんだ……ううんっ! いいわ私も冷静じゃなかったし、汚い言葉を使ったものあいこよ! あいこ」
「ありがとう、じゃあ今回のことはこれでおしまいだ。名前を聞いていいか? 」
「いいわよ、私の名前はエル。こっちの髪が青いのがユリアっていうの。あんた達は? 」
赤い髪の女の子は胸を張って自分の名前を答えた後、青い髪の女の子を指差してそう言った。
赤いほうがエルで、青いほうがユリアだな。
エルは過激な性格をしていていつもユリアがストッパー役をしていると見える。
さっきもユリアがエルを押さえつけていたもんなー。ユリアは結構強いのかもしれない。
「俺はルークでこっちのは……」
「クロエです! 」
手を上げて可愛らしく答えるクロエに頬が緩むのを我慢しながらルークは向き直った。
「エル、ユリアもしご飯まだだったら一緒にどうかな? 俺たちこれから食堂に向かうつもりだったんだけど……」
ルークがこう提案したのには訳があった。それは簡単に言えば友達を作るためだ。
本来であれば一通り会話した後、人間性に問題がなさそうな人を選んで友達を作るつもりだたったが、今見たところユリアはわからないがエルは過激だが素直な真っ直ぐな心をしているように見える。
これはまたとない好機だ。人間関係が構築される入学前に理想的な子と友達にならない手はない。
それに友達を作っておけば下手に虐めを受けることはないだろう。
そんな打算を多分に含んだルークの誘いにエルは2つ返事で答えた。
「いいわよ! 私たちもこれから食堂に行くつもりだったし、ユリアもいい? 」
「いいですよ、ルークさん面白い人ですし、クロエちゃんものすごく可愛いです。お友達になりたいです」
よし、計画成功だ。
「ありがとう。あ、クロエもそれでいいか? 」
「いいよー クロエもエルちゃんとユリアちゃんとお話ししてみたいから! 」
「「可愛い……」」
天真爛漫なクロエにエルとユリアはそう言葉漏らした。目尻を下げているところを見ると既に落ちているようだ。ふふふ、うちのクロエにかかればこんなもんよ。
俺も最初の頃は事あるごとにそんな目をしたものだ。
さすがに7年一緒にいる今はそんなことはないが、時々そうなる時がある。
慣れた俺でもそうなのだ、初対面の2人には効果抜群だろう。
「ああもう可愛いわっ! お姉ちゃんと一緒に食堂行きましょっ! 」
「クロエちゃん知ってますか? ここの食堂で出るマケラーノっていう魚が絶品でもうほっぺた落ちそうになっちゃんですよ」
「それ本当!? そんなに美味しいお魚があるの!? 」
「ええ、確か今日も出た筈です人気なので……早く行かないと」
「すぐ行こう今すぐ行こう! さあ出発だー! ルークくんも早く来てねー」
初めは興奮した表情のエルとユリアに困惑していたが魚の話題が出た途端目の色を変えて、話に食いついた。
ユリアはどうやらそれだけでクロエの好物は魚と見やぶったようであれよあれよと言う間にクロエを連れて行ってしまった。
去り際に見せたユリアの勝ち誇った表情を見て思う。ああ、あいつは俺と同類だと。
……ていうか俺だけ置いてきぼりにされてしまった。
いつもはこんなにはしゃがない子なんだが、ご飯お代わり自由に加え、豪華な部屋に興奮してしまったのだろう。うん、仕方ないことだ。可愛いから仕方ない。
そんな言葉を胸にルークは今クロエを伴ってエイリヒから貰った紙を片手に部屋を回っていた。
「ここはトイレだな」
「すっごい綺麗だねー」
確かに綺麗だ。日本のトイレと遜色がない程にきれないなことを見ると予想以上に文明レベルが高いのかも知れない。
……なんだかトイレで文明レベルを計るって聞くとアホっぽいな。
「で隣にあるのは風呂と」
「おおーっ! ピカピカだよっ! あとで一緒にはいろっ! 」
「ああうん、そうだな」
クロエは終始上機嫌だ。目に入るものがすべてが新鮮で楽しくて仕方ないに違いない。
まあ孤児院のトイレとか風呂と比べたらハイテンションになるのは当たり前だと思うけど。
あそこお世辞にも綺麗とは言えなかったからなー 最初は眉を潜めてたものだ。
「よし、すべて見て回ったな。かなり広かったから時間かかったけど……」
部屋の1つ1つが大きく、しかも多かったので子供の足で回るのはかなり時間がかかってしまった。
しかし、書斎があったのは僥倖だ。
これでこの世界の情報を集めることができる。
今日の夜にでも本を読んでみるとしよう。
「おーいクロエ、すべて見て回ったからお腹もすいてきたし食堂に行かないか? 」
「わかったー どんなのが出るんだろうね? 」
風呂のピカピカ具合が相当物珍しいのか指でなぞってなぞって遊んでいたクロエに声をかけると直ぐに駆け寄ってきた。
相当ご飯が楽しみと見える。
「さあな、俺にもわからん。でもまあ……美味しいものが沢山出てくるんじゃないか? 」
「美味しいものかー お魚出てくるかな? 」
「行ってみてからのお楽しみだな」
クロエは大好物の魚を思い浮かべているのか頬が緩んでいる。ルークはもしあったら分けてやろうと心に決めて扉を開く。
「痛っ! ちょっとなによっ! 」
「エルちゃん大丈夫? 」
すると手に衝撃を感じるのと同時にそんな声が聞こえてきた。どうやら扉を開けた時運悪く前に人がいたらしい。
そのことに気づいたルークは慌てて謝る。
扉越しなのはなんとも格好がつかないが、今は開けて仕舞えば先ほどの二の舞になるので仕方ない。
「すいません大丈夫ですかっ!? 」
「大丈夫じゃないわよっ! 早く出て来ないさい! ぶっ殺してやるわ! 」
「言葉遣い悪いよエルちゃん! 」
ルークの謝罪に帰ってきたのはなんとも物騒な言葉だった。出て行ったらぶっ殺されるされるらしい。ならば……。
ガチャ
許されぬなら 鍵してにげよう 今すぐに 字余り。
ルークは綺麗に回れ右をしてた後、首を傾げていたクロエの肩に手渡した置いて部屋に戻るように促す。
「さてクロエ戻ろう、今は外に怖い鬼さんがいるからいなくなるまでご飯はお預けだ」
「えーー ご飯食べたいー」
クロエがブーたれるが仕方ないだろう。今は外にプンプンに怒った鬼さんがいるんだよ。ほら今も鬼の恐ろしき咆哮が聞こえてくる。
「え!? うそっ! 鍵閉めやがった! 出て来なさいよ卑怯者っ! 」
「エルちゃん落ち着いて! 靴なんか持ってどうすんの!? 」
「決まってるでしょ! ぶち破ってやるわ! 引きずり出してやる! 」
怖い、怖いよ。なんでそんな言葉がすらすらと出てくるんだ。扉の隙間から見えた姿は俺たちと同い年に見えた筈なんだが……。
しかし、放っておけば本当に扉をぶち破られそうな勢いなので扉越しに話しかけた。
「あのぶっ殺されるのは勘弁願いたいんですが、そこんところどうなんでしょうか? 」
「決まってるでしょ! ぶっ殺んんー! 」
「あのエルちゃん、暴れている子は私が抑えておくので出て来て貰えませんか? 出て来てくれないと話が出来そうにないので」
「なんだか物騒な言葉が聞こえたのは……」
「気のせいです」
気のせいらしい。な訳ないんだが、会話を聞くにもう1人の子が暴れている子を抑えてくれているようだ。
それならと鍵を開けて隙間から外を伺うと確かに青い髪の子が赤い髪の子を押さえつけていた。危険はなさそうだ。
「安全確認おけー。じゃあ行ってくるか。クロエは危ないかもしれないからここで待っててくれ」
「やだ、面白そうなんだもん! 」
「よし、ついてきてもいいから俺の後ろに隠れてるんだぞ? わかったな? 」
「はーい」
クロエの意見にすぐに合わせるあたりルークのシスコン具合がうかがえる。
そんなルークはクロエを伴って外に出た。
そこにはスカイブルーの綺麗な髪をセミロングにした女の子と燃え盛る炎のような髪をした女の子がプロレスごっこをしていた。
扉の隙間からはよく見えず、ああ髪が青いなとか、赤いなとかしかわからなかったがこうしてしっかりと見ると両者ともに可愛い顔をしている。クロエには劣るがな。
ルークが結構失礼な感想を抱いていると抑えられていた女の子が拘束を解いて飛びかかってきた。
「ちょっとあんたどういうつもり!? 扉を開ける時は前に人がいるかいないか確認しなさいよね! それに鍵閉めて逃げるとはどういう了見よ! 男の風上におけないわ! 」
捲し立てるように怒鳴りつけた女の子にルークはタジタジになる。
言っていることはすべてが正論だし、怒る理由がしっかりとあって一方的に自分が悪いのは分かっているからだ。
しかし、ルークにも言い分がある。
それはぶっ殺す! ぶっ殺す! と連呼されれば逃げたくなるのは当たり前ではないだろうか?
しかも謝ったのにバカみたいにぶっ殺す!ぶっ殺す! 言いやがって……
少しは対話というものを……ああ、なんだか面倒くさくなってきた。最終手段を使ってやろう。
「ごめんなさい……悪いと思っていたんですけど怖くて……」
「あ、え? ちょっと泣かないでよ! 私も言い過ぎたわこれで仲直りしましょっ! 」
ニカッと笑い、手を差し出してくる女の子。あれ? かなりサバサバしている子だ。
泣き落としでダメだったらその先を考えていたんだが……その必要はなかったらしい。
「ああ、俺が前を確認してなかったから悪いんだ。ごめん」
「え、え? 」
女の子は急に泣きやんだルークに困惑しているようで、視線を青髪の女の子と行ったり来たりさせている。
ルークはそれをみて苦笑いを浮かべた。
「さっきのは嘘泣きだ。こうでもしないとまともに会話できないと思ってな、不快に感じたんだったら謝るよ」
「そ、そう。嘘泣きだったんだ……ううんっ! いいわ私も冷静じゃなかったし、汚い言葉を使ったものあいこよ! あいこ」
「ありがとう、じゃあ今回のことはこれでおしまいだ。名前を聞いていいか? 」
「いいわよ、私の名前はエル。こっちの髪が青いのがユリアっていうの。あんた達は? 」
赤い髪の女の子は胸を張って自分の名前を答えた後、青い髪の女の子を指差してそう言った。
赤いほうがエルで、青いほうがユリアだな。
エルは過激な性格をしていていつもユリアがストッパー役をしていると見える。
さっきもユリアがエルを押さえつけていたもんなー。ユリアは結構強いのかもしれない。
「俺はルークでこっちのは……」
「クロエです! 」
手を上げて可愛らしく答えるクロエに頬が緩むのを我慢しながらルークは向き直った。
「エル、ユリアもしご飯まだだったら一緒にどうかな? 俺たちこれから食堂に向かうつもりだったんだけど……」
ルークがこう提案したのには訳があった。それは簡単に言えば友達を作るためだ。
本来であれば一通り会話した後、人間性に問題がなさそうな人を選んで友達を作るつもりだたったが、今見たところユリアはわからないがエルは過激だが素直な真っ直ぐな心をしているように見える。
これはまたとない好機だ。人間関係が構築される入学前に理想的な子と友達にならない手はない。
それに友達を作っておけば下手に虐めを受けることはないだろう。
そんな打算を多分に含んだルークの誘いにエルは2つ返事で答えた。
「いいわよ! 私たちもこれから食堂に行くつもりだったし、ユリアもいい? 」
「いいですよ、ルークさん面白い人ですし、クロエちゃんものすごく可愛いです。お友達になりたいです」
よし、計画成功だ。
「ありがとう。あ、クロエもそれでいいか? 」
「いいよー クロエもエルちゃんとユリアちゃんとお話ししてみたいから! 」
「「可愛い……」」
天真爛漫なクロエにエルとユリアはそう言葉漏らした。目尻を下げているところを見ると既に落ちているようだ。ふふふ、うちのクロエにかかればこんなもんよ。
俺も最初の頃は事あるごとにそんな目をしたものだ。
さすがに7年一緒にいる今はそんなことはないが、時々そうなる時がある。
慣れた俺でもそうなのだ、初対面の2人には効果抜群だろう。
「ああもう可愛いわっ! お姉ちゃんと一緒に食堂行きましょっ! 」
「クロエちゃん知ってますか? ここの食堂で出るマケラーノっていう魚が絶品でもうほっぺた落ちそうになっちゃんですよ」
「それ本当!? そんなに美味しいお魚があるの!? 」
「ええ、確か今日も出た筈です人気なので……早く行かないと」
「すぐ行こう今すぐ行こう! さあ出発だー! ルークくんも早く来てねー」
初めは興奮した表情のエルとユリアに困惑していたが魚の話題が出た途端目の色を変えて、話に食いついた。
ユリアはどうやらそれだけでクロエの好物は魚と見やぶったようであれよあれよと言う間にクロエを連れて行ってしまった。
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