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1.gift
白雪姫side.2
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「何よこれ!? おかしいじゃない!!」
白雪姫は誰にともなく思い切り怒鳴りつけた。
いや、誰にともなくというのは少々語弊がある。彼女は、自分の思い通りにいかないものすべてに対し、怒鳴りつけていた。
「私は白雪姫なのよ!? どうしてヒロインである私が、この森に入れないのよッ!!」
白雪姫は手近にあった木を叩き付けた。
「私はこれから妖精たちに会ってみんなに私を惚れさせてあげなきゃいけないのよ!! なのに何なのよ! どうして森が私を拒んでいるのよ!! もう十分に、私は待ったはずだわ!!」
「はいはい、あんまり甲高い声で騒がないでね。ご近所迷惑だから」
ヒステリックに喚き散らす白雪姫の目の前に現れたのは、派手な紅い衣装を纏った――例の、道化師である。まぁご近所も何もこの近くに家なんてないけどねー、と零す。
見覚えのあるその姿に、白雪姫は目を剥いた。
「またあんたなの!? 攻略キャラクターでもないのに私の目の前に出てこないでよ図々しいわ!!」
「はぁ、なんかこれの相手をしてる僕って割と可哀想かも……」
「はぁあ!? あんたねぇ、私は白雪姫なのよ!? この世の何より美しいのよ!?」
当然のごとく胸を張る白雪姫に、道化師はやや疲れた体で「はいはい」と頷いた。
「とりあえず外見はね。中身はあれだけどね」
「黙りなさい! 私は世界で一番美しいのよ! この世界は私を愛する運命にあるはずよ!!」
もうここまで飛んでると見てて滑稽かもね、と、道化師はかすかに乾いた笑い声をあげ、
「何でコレ転生させたのかな彼女は……おかげで僕がとばっちり食らってるじゃん……。いくらなんでも酷くない? もう少しましな性格の子を転生させればよかったのにさ……継母ちゃんくらいなら可愛いものなんだけどなー」
そんなことをつらつらと呟いた。その瞬間、
「……継母、ですって?」
白雪姫は大きな漆黒の双眸を見開いて道化師を見上げた。
「あんた、あの女が今どこにいるか知っているのね?」
「あぁ、うん知ってるよー。っていうかこれ、前にも言った気がするなぁ」
「知っているなら、答えなさい。あの女、役目も放り出して逃げやがったわ。今、どこで何をしているのよ!」
「何で聞いてるのにこんなに偉そうなんだろこの子。全然教える気にならない……」
まともに取り合おうとしない男に苛立ちを隠さず、白雪姫は彼の胸元に掴みかかった。
「御託はいいのよ!! 早く吐きなさいッ」
「うわぁ怖こわ。悪いこととかしてないんだから尋問しないでよ~」
男は白雪姫の手を取って胸元から外させる。皺になっちゃった、と胸元を叩きながら、
「仕方ないなぁ。とりあえず継母ちゃんは、この森の中にいます」
「何ですって!?」
薔薇のように赤い唇を歪め睨み付けてくる白雪姫を無視し、道化師は再び爆弾発言を落とした。
「で、妖精たちと現在同棲中」
予想だにしない事実に、白雪姫の顔は怒りで真っ赤になった。
「あんた……何てことしてくれたのよ!! 妖精はね、私に恋する運命なのよ!? それなのにあの女が妖精と同棲しているですって!? 冗談じゃないわ!! 止めなさいよ!!」
自信満々に告げられ、道化師は何とも言えない顔になった。
「……うん。そうだね。なら、何でそんなに怒るのさ。君に恋する運命なら、彼女が妖精の元にいたってさして困らないでしょ」
「ふざけないでよ! 悪役のくせに、図々しいにもほどがあるわ! あの女が妖精たちの顔を見られるのなんて、私を殺しに来た時だけのはずじゃない!! そもそも鏡以外の攻略対象に顔を合わせることさえ許されないはずだわ!!」
「あー、そう。何かもう君の理屈はどうでもいいから、僕の話を聞いてくれる?」
おざなりな態度に白雪姫はさらに顔を歪めたが、道化師の次の発言で顔色を変えた。
「君は現在、森に入ることができません」
「な、……何ですって?」
動揺する白雪姫に、道化師は口の端を吊り上げた。
「ちなみにそれをやったの僕ね。ほら、前に君に変な呪文掛けたでしょ。あれがそれー」
「あ、あの……天にも地にも私以上に美しい女の子は見たことがないっていう奴ね!?」
「…………うん? そんなことを言った覚えはないけど。でもまぁ多分君が言っている奴で合ってる……かな?」
凄まじい脳内変換に道化師はやや引いたが、一応頷いた。
「ふざけないでよ、何てことしてくれたの!? これじゃあ妖精たちは私に会えないじゃない!!」
「まぁ君に会えなくて妖精が困ることはないと思うけどねー」
「はぁあ!? あんた頭おかしいんじゃないの!? 妖精たちはね、私に出会って初めて救われるのよ!? 私がいなきゃ、彼らが可哀想じゃない!!」
「さぁねぇ。彼らが誰に救われようが、僕には関係ないし。まぁいいから、少しは落ち着いて僕の話を聞いてくれる? 今は、何月?」
「四月よ! 私の誕生月! 私がこの誕生日を迎えたら、物語は始まるはずでしょ!?」
苛立った様子で答える白雪姫に、道化師は笑った。
「そう。今年、君の望む「白雪姫」の世界が本格的に始まるわけだよね。そこは問題ないんだけど。ではここで質問です。白雪姫のトレードマークってなーんだ?」
「トレードマーク? 林檎のこと?」
望み通りの答えだったのだろう、道化師は笑みを深くした。
「そうそう。で、林檎って一体いつのものー?」
「秋……というか、冬の初め?」
「わかってるじゃん~。そういうこと。君は勘違いしてるみたいだけど、君がその年齢になったから始まるわけじゃないの。ちゃんとした時期にならないと、君は君の望む物語を展開できないわけ」
「じゃあ、秋の終わりまで待たなければならないの?」
「そゆこと。僕は君をこの世界に導いた人の友人なんだけど、「彼女」は説明が苦手……というか面倒くさがりだからろくに説明を挟まない。だから君に誤解を与えちゃったと思うんだけど、君は、あと約半年待たなきゃダメなんだよね」
ごめんね~、と謝罪の色を見せない謝罪を受け、白雪姫は不愉快そうに眉をひそめた。
「あぁそう。わかったわ。仕方ないわね、私は優しいから待ってあげるわ」
「まぁ待ちたくなくても待つ事になるだろうけど」
「うるさいわ黙りなさい。それで? それとあの女が妖精たちの元にいることに、何の関係があるのよ!」
たまりかねたように、再び道化師にどなりつける白雪姫。そんな彼女の甲高い声に道化師は眉を顰め、耳を両手で塞ぎながら渋々といった体で答えた。
「そのほうが、僕たちが楽しいから」
「な、何ですって?」
「僕たちも慈善事業じゃないんだよねぇ。君を転生させてあげたのは、僕たちにとっても意味のあることなわけ」
「はぁあ? あんたねぇ、ふざけるのも大概にしなさいよ! あたしはこの世界の主人公なのよ? その私に断りもなしに、あの女を妖精たちと同棲させるだなんて、冗談にしては度が過ぎているわ!」
「いやまったくもって冗談じゃないんだけど」
道化師の言葉に、今度こそ白雪姫は怒りでさながら林檎のように真っ赤になった。
「あんたねぇ……っ」
「何か君の相手してるの面倒くさくなってきたから、僕帰るね。じゃね~」
「はぁああ!? ちょっと待ちなさい、呪いを解きなさいよ!!」
しかし白雪姫の叫びを意に介することなく、道化師は笑ったまま掻き消えていったのだった。
白雪姫は誰にともなく思い切り怒鳴りつけた。
いや、誰にともなくというのは少々語弊がある。彼女は、自分の思い通りにいかないものすべてに対し、怒鳴りつけていた。
「私は白雪姫なのよ!? どうしてヒロインである私が、この森に入れないのよッ!!」
白雪姫は手近にあった木を叩き付けた。
「私はこれから妖精たちに会ってみんなに私を惚れさせてあげなきゃいけないのよ!! なのに何なのよ! どうして森が私を拒んでいるのよ!! もう十分に、私は待ったはずだわ!!」
「はいはい、あんまり甲高い声で騒がないでね。ご近所迷惑だから」
ヒステリックに喚き散らす白雪姫の目の前に現れたのは、派手な紅い衣装を纏った――例の、道化師である。まぁご近所も何もこの近くに家なんてないけどねー、と零す。
見覚えのあるその姿に、白雪姫は目を剥いた。
「またあんたなの!? 攻略キャラクターでもないのに私の目の前に出てこないでよ図々しいわ!!」
「はぁ、なんかこれの相手をしてる僕って割と可哀想かも……」
「はぁあ!? あんたねぇ、私は白雪姫なのよ!? この世の何より美しいのよ!?」
当然のごとく胸を張る白雪姫に、道化師はやや疲れた体で「はいはい」と頷いた。
「とりあえず外見はね。中身はあれだけどね」
「黙りなさい! 私は世界で一番美しいのよ! この世界は私を愛する運命にあるはずよ!!」
もうここまで飛んでると見てて滑稽かもね、と、道化師はかすかに乾いた笑い声をあげ、
「何でコレ転生させたのかな彼女は……おかげで僕がとばっちり食らってるじゃん……。いくらなんでも酷くない? もう少しましな性格の子を転生させればよかったのにさ……継母ちゃんくらいなら可愛いものなんだけどなー」
そんなことをつらつらと呟いた。その瞬間、
「……継母、ですって?」
白雪姫は大きな漆黒の双眸を見開いて道化師を見上げた。
「あんた、あの女が今どこにいるか知っているのね?」
「あぁ、うん知ってるよー。っていうかこれ、前にも言った気がするなぁ」
「知っているなら、答えなさい。あの女、役目も放り出して逃げやがったわ。今、どこで何をしているのよ!」
「何で聞いてるのにこんなに偉そうなんだろこの子。全然教える気にならない……」
まともに取り合おうとしない男に苛立ちを隠さず、白雪姫は彼の胸元に掴みかかった。
「御託はいいのよ!! 早く吐きなさいッ」
「うわぁ怖こわ。悪いこととかしてないんだから尋問しないでよ~」
男は白雪姫の手を取って胸元から外させる。皺になっちゃった、と胸元を叩きながら、
「仕方ないなぁ。とりあえず継母ちゃんは、この森の中にいます」
「何ですって!?」
薔薇のように赤い唇を歪め睨み付けてくる白雪姫を無視し、道化師は再び爆弾発言を落とした。
「で、妖精たちと現在同棲中」
予想だにしない事実に、白雪姫の顔は怒りで真っ赤になった。
「あんた……何てことしてくれたのよ!! 妖精はね、私に恋する運命なのよ!? それなのにあの女が妖精と同棲しているですって!? 冗談じゃないわ!! 止めなさいよ!!」
自信満々に告げられ、道化師は何とも言えない顔になった。
「……うん。そうだね。なら、何でそんなに怒るのさ。君に恋する運命なら、彼女が妖精の元にいたってさして困らないでしょ」
「ふざけないでよ! 悪役のくせに、図々しいにもほどがあるわ! あの女が妖精たちの顔を見られるのなんて、私を殺しに来た時だけのはずじゃない!! そもそも鏡以外の攻略対象に顔を合わせることさえ許されないはずだわ!!」
「あー、そう。何かもう君の理屈はどうでもいいから、僕の話を聞いてくれる?」
おざなりな態度に白雪姫はさらに顔を歪めたが、道化師の次の発言で顔色を変えた。
「君は現在、森に入ることができません」
「な、……何ですって?」
動揺する白雪姫に、道化師は口の端を吊り上げた。
「ちなみにそれをやったの僕ね。ほら、前に君に変な呪文掛けたでしょ。あれがそれー」
「あ、あの……天にも地にも私以上に美しい女の子は見たことがないっていう奴ね!?」
「…………うん? そんなことを言った覚えはないけど。でもまぁ多分君が言っている奴で合ってる……かな?」
凄まじい脳内変換に道化師はやや引いたが、一応頷いた。
「ふざけないでよ、何てことしてくれたの!? これじゃあ妖精たちは私に会えないじゃない!!」
「まぁ君に会えなくて妖精が困ることはないと思うけどねー」
「はぁあ!? あんた頭おかしいんじゃないの!? 妖精たちはね、私に出会って初めて救われるのよ!? 私がいなきゃ、彼らが可哀想じゃない!!」
「さぁねぇ。彼らが誰に救われようが、僕には関係ないし。まぁいいから、少しは落ち着いて僕の話を聞いてくれる? 今は、何月?」
「四月よ! 私の誕生月! 私がこの誕生日を迎えたら、物語は始まるはずでしょ!?」
苛立った様子で答える白雪姫に、道化師は笑った。
「そう。今年、君の望む「白雪姫」の世界が本格的に始まるわけだよね。そこは問題ないんだけど。ではここで質問です。白雪姫のトレードマークってなーんだ?」
「トレードマーク? 林檎のこと?」
望み通りの答えだったのだろう、道化師は笑みを深くした。
「そうそう。で、林檎って一体いつのものー?」
「秋……というか、冬の初め?」
「わかってるじゃん~。そういうこと。君は勘違いしてるみたいだけど、君がその年齢になったから始まるわけじゃないの。ちゃんとした時期にならないと、君は君の望む物語を展開できないわけ」
「じゃあ、秋の終わりまで待たなければならないの?」
「そゆこと。僕は君をこの世界に導いた人の友人なんだけど、「彼女」は説明が苦手……というか面倒くさがりだからろくに説明を挟まない。だから君に誤解を与えちゃったと思うんだけど、君は、あと約半年待たなきゃダメなんだよね」
ごめんね~、と謝罪の色を見せない謝罪を受け、白雪姫は不愉快そうに眉をひそめた。
「あぁそう。わかったわ。仕方ないわね、私は優しいから待ってあげるわ」
「まぁ待ちたくなくても待つ事になるだろうけど」
「うるさいわ黙りなさい。それで? それとあの女が妖精たちの元にいることに、何の関係があるのよ!」
たまりかねたように、再び道化師にどなりつける白雪姫。そんな彼女の甲高い声に道化師は眉を顰め、耳を両手で塞ぎながら渋々といった体で答えた。
「そのほうが、僕たちが楽しいから」
「な、何ですって?」
「僕たちも慈善事業じゃないんだよねぇ。君を転生させてあげたのは、僕たちにとっても意味のあることなわけ」
「はぁあ? あんたねぇ、ふざけるのも大概にしなさいよ! あたしはこの世界の主人公なのよ? その私に断りもなしに、あの女を妖精たちと同棲させるだなんて、冗談にしては度が過ぎているわ!」
「いやまったくもって冗談じゃないんだけど」
道化師の言葉に、今度こそ白雪姫は怒りでさながら林檎のように真っ赤になった。
「あんたねぇ……っ」
「何か君の相手してるの面倒くさくなってきたから、僕帰るね。じゃね~」
「はぁああ!? ちょっと待ちなさい、呪いを解きなさいよ!!」
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