花の王さま

辻本瞬

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王さまは勇気を出して

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王さまは悲しくてたまりませんでしたが、大好きなすみれの幸せな姿を一目見て
祝福してあげたいと思いました。

「すみれちゃんのお祝いに行かなくちゃ」

周りで忙しくしている花たちと同じように、ようやく重い腰を上げて隣の花壇に行く事を
王さまは決意しました。

ところがあんまり長い間威張って座ってばかりいたので、そう簡単には立ち上がれません。

うんとこしょ。よっこいしょ。

重たいお尻を何とかして、あるけるようになったのはお昼前の事でした。
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