花の王さま

辻本瞬

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王さまは疲れました

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疲れた王さまは元通りの格好で元の位置に座りました。
頭に手をやると、黄金に輝く冠の花びらがもうありません。
すみれはねこじゃらしをえらびました。
雨は一向に止みません。

何という日でしょうか。

しかし、王さまの心の内は晴れやかでした。
すみれの祝福が出来た事が嬉しかったのです。
重たい花弁の冠も、もう誰に見せることもないでしょう。
一番大事なすみれはねこじゃらしと生きる事をえらんだのですから。

身体が冷たくなってきました。

花たちはまだ、青煉瓦の花壇で愛の歌を歌っています。

歌が遠くに心地よく聞こえます。

王さまは目を閉じました。
そのまま雨に打たれて眠ってしまいました。

おしまい。
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