オンラインゲームしてたらいつの間にやら勇者になってました(笑)

こばやん2号

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第2章:パーティーができあがるまで

19話「勇者の仕事」

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バイゼル司教に呼び出された大和は現在
クリスト神殿の扉の前に立っていた


歴史的な造詣ぞうけい深い彫刻があしらわれた重厚感のある扉は
その神殿が作られてからの歴史をまざまざと物語ってくる


扉を開ける手に力を込め
「ぎぎー」っという音と共に扉が開かれる


中に入ると数十人の神官たちの視線が
こちらに向けられているのがわかる
そして、神官たちの誰もが大和に向ける視線は
敬意と尊敬の眼差しが含まれていた


あるものは感嘆の声を
そしてあるものは黄色い声を
あるものは神の化身を崇めるような声を上げ
大和の動きを目で追っていた


そんな居心地の悪さから早く解放されたい一心で
自分をこの場所に呼んだ張本人の元へと歩を進める


「バイゼルさん、おはようございます」



「これはこれはゆうしゃっ」



バイゼルの言葉を遮り大和が言葉を発する



「ヤマトでいいですよバイゼルさん」



「では、ヤマト様
お呼び立てして申し訳ありません」



そう言って右手を胸に当て軽く一礼する
その仕草は神殿の責任者としては素晴らしく
まるで高貴な貴族を思わせるような上品さを持っていた



「いえ、大丈夫ですよバイゼルさん
それで呼ばれた訳を教えてくださいませんか?」



コホンと軽く咳払いをしてからバイゼルが大和の疑問に答える



「それはヤマト様の勇者としての使命についててです」



それはできれば触れられたくない問題だ
大和にとって勇者=面倒事を引き受ける職業という
方程式が成り立ってしまっているため
このあとのバイゼルが何を話すのかは想像に難くない


「勇者としてこの世界に来ていただいた以上
ヤマト様には魔王討伐に行ってもらいたいのです!」



「はいキター!!」と心の中で叫ぶ大和
【勇者になったら必ずやらされる事ランキング】第1位魔王討伐
できれば御免こうむりたい案件だ


大きなため息を吐きつつ大和が問いかける



「どうしても行かなければならないですか?」



大和の言葉を聞きバイゼルの目が大きく見開かれる



「何を言われる、ヤマト様がこの世界に来たのも
全てはあの憎き魔王を打ち滅ぼしていただくため
ただこの世界に旅行をしに来たのではありますまい!」



確かにそうだ
というよりもこちらの意思とは無関係に
この世界に強制的に転移してきたのだ
そんな状態で勇者だの魔王討伐だのを言われたところで
「そんなの知るか!」というのが正直なところだ


とりあえずそのようなわがままは言わずに
目の前の問題を解決するためバイゼルに問いかける



「それで具体的にはどうすればいいんです?
魔王ということは魔王城にいるわけですよね??」



この手の魔王は大概そういうものだ
「さすがは勇者であるヤマト様よくご存じで」と言われたが
全然嬉しくない賛辞だった


その後バイゼルが具体的な魔王城の位置を
持っていた世界地図を広げながら教えてくれた


要約するとこの世界には
「アース」「ビルド」「ラクリシア」「サルバン」「ゲムニ」という名の
5つの大きな大陸があり

魔王城はゲムニ大陸の中枢に位置する
大洞窟の地下深くに存在するという


現在アース大陸にいる大和たちが
魔王城のあるゲムニ大陸へと行くには


アース大陸の西にある
港町から船でビルド大陸へと渡り
陸路でビルド大陸からサルバン大陸へと渡った後
サルバン大陸南端にある港町から船でゲムニ大陸へと上陸するというものだった


「なっ長いですね・・・」


あまりの過酷さに大和の顔が歪む



「ですがこれ以外でのルートとなりますと
魔族の軍勢を相手にしなければならなくなりますので
このルート以外の方法は厳しいかと思います」



無理ゲーにもほどがあるぞという心の声を呟きつつ
ここはRPGゲームでつちかった知識をもとに行動していく



差し当って現在すべきことは主に二つ
一つは都市部の方に赴きこの世界の情報を収集すること
現在は旧王都の外れにある町ジェスタにいるわけだが
ここではめぼしい情報を集めることは難しい

そこで一旦旧王都のフランプールに行き
情報を集めていくのが定石じょうせきだろう


二つ目はパーティーの編成
いくら大和がチート級の強さを持っていても
複数の強者が現れたときに苦戦する可能性がある


何より一人旅は心細い
観光ならともかく目的地が魔王城なら
尚更一人で行きたくないのが正直なところだ


そこで大和と同等とまではいかないまでも
ある程度の強さを持った者が必要なのだ


だがいくら強いパーティーを作っても
連携が取れなければ意味がないチームワークが大切なのだ



とにかく勇者としてこの世界に来た以上
(大和は自分を勇者とは思ってはいないが)
その役割(ロール)を果たす(プレイ)べきだろう



「とにかくそれだけ長い旅となれば
準備も必要ですし、旅に出るまで今しばらく
時間をいただきますが・・・」



「もちろんですヤマト様
十分な準備を整えて出発していただきたい
神殿もできうる限りの協力をいたします」



そこで一呼吸置いてバイゼルが話し出す


「ヤマト様、魔王討伐の旅の供なのですが
シェーラを連れて行ってはくれませんか?」


「・・・はあ?」
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