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本編
第10話:聖女について調べてみます
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部屋を出た後、すぐに自室に戻ろうかと思ったが、アイラン様が話していた聖女の事が気になる。
そもそも聖女は神に認められた存在だ。邪を退け人々を平和へと導く女性。やっぱりおかしい、私は王宮の図書館に向かい、ガリレゴ王国について調べた。
ガリレゴ王国は大陸の東側に位置する小さな国で、作物もあまり育たない場所とのこと。その為、ずっと最弱国だったそうだ。しかし10年ほど前、聖女と名乗る女性が現れたことで、現状は一変する。
雷や炎などを操ることが出来る聖女によって、次々と近隣諸国を攻め落としていき、今では大陸のほとんどがガリレゴ王国の領土になっている。そしてガリレゴ王国は非常に残忍で、降伏した国であっても片っ端から王族を殺し、その国の民たちを奴隷とし、死ぬまで過酷な労働を課しているとのこと。
「なるほど、アイラン様の言った通りね。でも1つ気になるのが聖女の存在だわ。通常聖女は、温かな光で邪悪なものを浄化するって以前読んだ本に書いてあったわ。でもここに書かれている聖女と呼ばれる女は、雷や炎を操るのよね。本当にこの女、聖女なのかしら?」
調べれば調べるほど、疑問がわく。もしかして、私と同じ魔力を持った国の出身って言うだけなのかもしれないわね。
そもそも私は聖女という存在を信じていない。私の周りの聖女と名乗る女性(エミリー様)は、性格が悪く人を見下すのが大好きだ。だから、私は聖女なんて大っ嫌い。
て、私の事はどうでもいいのよ!もっと聖女について調べないと。他の本も読んでみよう。
私が他の本を手に取った時だった。
「シャーロット、ここに居たのね。少し良いかしら?」
オルビア様に声をかけられた。
「ここでは話が出来ないわ。私の部屋に来て」
初めて入るオルビア様の部屋は、やはりとても豪華だ。さすが王女様ね。
オルビア様に促され、席に着く。
「単刀直入に聞くけれど、お兄様の言っていた事、あなたはどうするつもりでいるの?」
本当にストレートに聞いて来るのね。
「オルビア様。私も単刀直入に言います。この国を離れる気はございません」
私の言葉に大きく目を見開くオルビア様。
「なんとなくそう言いそうな気はしていたけれど!そこまではっきり言われると、ちょっと動揺しちゃうわね」
そう言いながらも、クスクス笑うオルビア様。全然動揺しているようには見えないのですが…
「でもお兄様は何が何でもあなたを逃がすつもりよ。秘策はあるの?」
「逃がすも何も、私が転移魔法を使わなければ、逃げられないのでしょう?ならば、私に決定権がありますわ」
「アハハハハ、あなた言うわね!でも、そんなシャーロットも好きよ。ありがとう、シャーロット。少しだけ昔話をしても良いかしら」
そう言うと、オルビア様はゆっくりと話し始めた。
「この国はね、小さいけれど海もあるし作物も育つし、それなりに裕福だったのよ。大陸内も比較的安定していて、近隣諸国とも貿易が盛んにおこなわれていた。でも、10年前ガリレゴ王国に聖女が現れてから、事態は一変した。次々に大国を攻め込み、自分の領土にしていくガリレゴ王国。聖女の力で、一気に領土を広めたわ。そして、5年前、わが国にも攻め込んできたの…」
オルビア様は悲しそうな顔で、遠くを見つめている。きっと、今から辛いことを話すのだろう。
「当時国王だった父が必死に抑え込み、何とか我が領土は守れたの。ただし、毎年大量の真珠を納めるという約束でね。でもその戦いが原因で、父は命を落とした。母は元々からだが弱くてね。
父を追う様に亡くなったわ。そして、当時16歳だったお兄様が即位したの。この時の戦いで、アルテミルやフェアラのお父様たちも大けがを負い、もう戦いには行けなくなってしまったわ」
そうだったのね。だから国王を始め、国を支えている人達が若いのね。それなら納得いくわ。
「私達王族は、10年前からいつ殺されてもいいように、婚約者を作らないことに決めていた。もし婚約者だとガリレゴ側にバレれば、王族とみなされ一緒に殺されてしまうかもしれないから。たとえ和解できたとしても、いつあの国が裏切って攻めてくるかわからない。ずっとそんな不安を抱えていたのよ」
だからオルビア様とアルテミル様は婚約していないのね。理由があって婚約できないと言っていたのは、このことだったのか!
「お兄様は16歳で即位してから、自分の事は常に後回しにしてずっと民の為に生きて来た。子供の頃は本当によく笑うお兄様だったのに、即位してからほとんど笑わなくなったのよ。でもね、あなたに出会ってから、お兄様はまた昔の様に笑う様になったの。今回あなたからのネックレスを受け取らなかったのも、あなたを守る為よ」
きっとアイラン様はこの5年、ずっと一人で戦ってきたのか。わずか16歳で国を背負い、何時攻められるかわからない状況に怯えながら…考えるだけで、胸が締め付けられるわ。
「シャーロット、あなたにこんな事を頼むのは図々しいってわかっている。あなたの命に関わることだもの。嫌なら断ってもらってもいいわ。ねえ、シャーロット、お兄様の側に居てあげて。お兄様も間違いなくあなたの事を好きよ。ずっと一緒に居る私にはわかるわ。だから、どうかお願いします」
「オルビア様…」
涙を流し、私に頭を下げるオルビア様。彼女もきっとアイラン様と2人で、必死に国を支えてきたのだろう。いつ殺されるかわからない不安と戦いながら…
やっぱり、私は2人を見捨てることなんてできないわ。
「オルビア様、最初に話した通り、私はこの国から出ることはありません。ですが、その為には、アイラン様に納得していただく必要があります。明日まで待っていただけますか?」
「ありがとう、シャーロット!でも、どうする気?」
「うまくいくかはわかりませんが、やってみます。後、調べ物が残っていますので、私はこれで」
そう、まだ聖女について、もう少し詳しく調べたい。その為には、もう一度図書館に向かわないと。
図書館に着くと、もう一度聖女につて詳しく調べてみる。やっぱり、どの本にも、ガリレゴ王国の聖女は、雷・炎・氷などを操ると書いてある。かなりの広範囲に落雷や炎で攻撃することが出来るらしく、それで敵軍を全滅させたこともあるらしい。
やっぱりどう考えても聖女ではないわね。私と一緒で魔力持ちなんだわ。それも、かなりの魔力量を持っていると見受けられる。
でも、魔力量なら私だって誰にも負けない。国一番の私が負ける訳がない。私、この聖女と戦うわ。自慢じゃないけれど、私だって国1つくらい滅ぼせるくらいの魔力量を持っているのよ。
よし、決めた。アイラン様もオルビア様も殺させない。この国は私が守る。一度失いかけたこの命、恩人の為に全てを捧げるわ。
後は、アイラン様を説得するだけね。でも大丈夫よ。誠心誠意話せばきっとアイラン様も分かってくれるわ。
そもそも聖女は神に認められた存在だ。邪を退け人々を平和へと導く女性。やっぱりおかしい、私は王宮の図書館に向かい、ガリレゴ王国について調べた。
ガリレゴ王国は大陸の東側に位置する小さな国で、作物もあまり育たない場所とのこと。その為、ずっと最弱国だったそうだ。しかし10年ほど前、聖女と名乗る女性が現れたことで、現状は一変する。
雷や炎などを操ることが出来る聖女によって、次々と近隣諸国を攻め落としていき、今では大陸のほとんどがガリレゴ王国の領土になっている。そしてガリレゴ王国は非常に残忍で、降伏した国であっても片っ端から王族を殺し、その国の民たちを奴隷とし、死ぬまで過酷な労働を課しているとのこと。
「なるほど、アイラン様の言った通りね。でも1つ気になるのが聖女の存在だわ。通常聖女は、温かな光で邪悪なものを浄化するって以前読んだ本に書いてあったわ。でもここに書かれている聖女と呼ばれる女は、雷や炎を操るのよね。本当にこの女、聖女なのかしら?」
調べれば調べるほど、疑問がわく。もしかして、私と同じ魔力を持った国の出身って言うだけなのかもしれないわね。
そもそも私は聖女という存在を信じていない。私の周りの聖女と名乗る女性(エミリー様)は、性格が悪く人を見下すのが大好きだ。だから、私は聖女なんて大っ嫌い。
て、私の事はどうでもいいのよ!もっと聖女について調べないと。他の本も読んでみよう。
私が他の本を手に取った時だった。
「シャーロット、ここに居たのね。少し良いかしら?」
オルビア様に声をかけられた。
「ここでは話が出来ないわ。私の部屋に来て」
初めて入るオルビア様の部屋は、やはりとても豪華だ。さすが王女様ね。
オルビア様に促され、席に着く。
「単刀直入に聞くけれど、お兄様の言っていた事、あなたはどうするつもりでいるの?」
本当にストレートに聞いて来るのね。
「オルビア様。私も単刀直入に言います。この国を離れる気はございません」
私の言葉に大きく目を見開くオルビア様。
「なんとなくそう言いそうな気はしていたけれど!そこまではっきり言われると、ちょっと動揺しちゃうわね」
そう言いながらも、クスクス笑うオルビア様。全然動揺しているようには見えないのですが…
「でもお兄様は何が何でもあなたを逃がすつもりよ。秘策はあるの?」
「逃がすも何も、私が転移魔法を使わなければ、逃げられないのでしょう?ならば、私に決定権がありますわ」
「アハハハハ、あなた言うわね!でも、そんなシャーロットも好きよ。ありがとう、シャーロット。少しだけ昔話をしても良いかしら」
そう言うと、オルビア様はゆっくりと話し始めた。
「この国はね、小さいけれど海もあるし作物も育つし、それなりに裕福だったのよ。大陸内も比較的安定していて、近隣諸国とも貿易が盛んにおこなわれていた。でも、10年前ガリレゴ王国に聖女が現れてから、事態は一変した。次々に大国を攻め込み、自分の領土にしていくガリレゴ王国。聖女の力で、一気に領土を広めたわ。そして、5年前、わが国にも攻め込んできたの…」
オルビア様は悲しそうな顔で、遠くを見つめている。きっと、今から辛いことを話すのだろう。
「当時国王だった父が必死に抑え込み、何とか我が領土は守れたの。ただし、毎年大量の真珠を納めるという約束でね。でもその戦いが原因で、父は命を落とした。母は元々からだが弱くてね。
父を追う様に亡くなったわ。そして、当時16歳だったお兄様が即位したの。この時の戦いで、アルテミルやフェアラのお父様たちも大けがを負い、もう戦いには行けなくなってしまったわ」
そうだったのね。だから国王を始め、国を支えている人達が若いのね。それなら納得いくわ。
「私達王族は、10年前からいつ殺されてもいいように、婚約者を作らないことに決めていた。もし婚約者だとガリレゴ側にバレれば、王族とみなされ一緒に殺されてしまうかもしれないから。たとえ和解できたとしても、いつあの国が裏切って攻めてくるかわからない。ずっとそんな不安を抱えていたのよ」
だからオルビア様とアルテミル様は婚約していないのね。理由があって婚約できないと言っていたのは、このことだったのか!
「お兄様は16歳で即位してから、自分の事は常に後回しにしてずっと民の為に生きて来た。子供の頃は本当によく笑うお兄様だったのに、即位してからほとんど笑わなくなったのよ。でもね、あなたに出会ってから、お兄様はまた昔の様に笑う様になったの。今回あなたからのネックレスを受け取らなかったのも、あなたを守る為よ」
きっとアイラン様はこの5年、ずっと一人で戦ってきたのか。わずか16歳で国を背負い、何時攻められるかわからない状況に怯えながら…考えるだけで、胸が締め付けられるわ。
「シャーロット、あなたにこんな事を頼むのは図々しいってわかっている。あなたの命に関わることだもの。嫌なら断ってもらってもいいわ。ねえ、シャーロット、お兄様の側に居てあげて。お兄様も間違いなくあなたの事を好きよ。ずっと一緒に居る私にはわかるわ。だから、どうかお願いします」
「オルビア様…」
涙を流し、私に頭を下げるオルビア様。彼女もきっとアイラン様と2人で、必死に国を支えてきたのだろう。いつ殺されるかわからない不安と戦いながら…
やっぱり、私は2人を見捨てることなんてできないわ。
「オルビア様、最初に話した通り、私はこの国から出ることはありません。ですが、その為には、アイラン様に納得していただく必要があります。明日まで待っていただけますか?」
「ありがとう、シャーロット!でも、どうする気?」
「うまくいくかはわかりませんが、やってみます。後、調べ物が残っていますので、私はこれで」
そう、まだ聖女について、もう少し詳しく調べたい。その為には、もう一度図書館に向かわないと。
図書館に着くと、もう一度聖女につて詳しく調べてみる。やっぱり、どの本にも、ガリレゴ王国の聖女は、雷・炎・氷などを操ると書いてある。かなりの広範囲に落雷や炎で攻撃することが出来るらしく、それで敵軍を全滅させたこともあるらしい。
やっぱりどう考えても聖女ではないわね。私と一緒で魔力持ちなんだわ。それも、かなりの魔力量を持っていると見受けられる。
でも、魔力量なら私だって誰にも負けない。国一番の私が負ける訳がない。私、この聖女と戦うわ。自慢じゃないけれど、私だって国1つくらい滅ぼせるくらいの魔力量を持っているのよ。
よし、決めた。アイラン様もオルビア様も殺させない。この国は私が守る。一度失いかけたこの命、恩人の為に全てを捧げるわ。
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