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本編
第21話:無事帰って来ました
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翌日王都に戻る為、皆で帰る準備をする。昨日夜遅くまで祝勝会を行っていたこともあり、多くの兵士たちはまだ眠そうだ。中には飲みすぎたのか、ぐったりしている人たちもいる。
「大丈夫ですか。今治療いたしますね」
私は飲みすぎて体調の悪そうな人たちに、片っ端から治癒魔法をかけていった。
「おお、頭も痛くないし吐き気も治まった!ありがとうございます、シャーロット様!」
嬉しそうな兵士たちの顔を見ていると、なんだか私まで嬉しくなるわ。
「シャーロット、こんな酔っ払いども、放っておけばいいんだ!」
「お兄様の言う通りよ。馬鹿みたいにガバガバ飲んで」
喜ぶ兵士たちを横目に怒っているのは、アイラン様とオルビア様。後ろでは真っ青な顔をしたアルテミル様とファビオ様が立っていた。どうやら2人も飲みすぎたようだ。
そっと2人に近づき、治癒魔法をかける。
「おお、体調が良くなった。シャーロットちゃんありがとう」
「ありがとう、シャーロット嬢」
2人からも感謝された。“ありがとう”と言われるのは、本当に嬉しいものね。
「お前たちまでシャーロットの手を煩わせるなんて、団長失格だぞ!」
怒るアイラン様。
「アイラン様、これくらいなら全然大丈夫です。むしろ、私は魔力が多いので少し放出した方がいいくらいですから」
「シャーロットがそう言うなら…でも、あまり他の男に魔法は使わないで欲しい…」
顔を赤くし、小声で呟くアイラン様。
「お兄様、男の嫉妬は見苦しいわよ」
隣で呆れ顔のオルビア様。そんな2人を見ていると、なんだか笑いが込み上げてきた。
私がなぜ笑っているのかわからないと言った顔をしている2人。さらに笑いが込み上げる。
「なんだかこう言うのって、いいわね」
ふと、オルビア様が呟いた。
「確かに、平和を手に入れたって実感する」
アイラン様も呟く。アルテミル様達も、嬉しそうに頷いた。そうか、ここに居る人たちは、ずっと死の恐怖に怯えていたものね。でも、もう大丈夫、これからは彼らの命を狙うものもいない。もしいたとしたら、また私が魔力を使ってやっつけちゃうんだから。
「陛下、後片付けも終わりました。そろそろ王都へと戻るご準備を!」
おしゃべりしている間に、どうやら片付けが終わったようだ。私、何も手伝わなかったけれど、良かったかしら?
「さあ、シャーロット、民たちが待つ王都へ戻ろう」
アイラン様に差し出された手を取り、2人でマックスに乗り込む。
「マックス、あなたも疲れているのに、帰りも乗せてもらってごめんね」
“何言っているんだよ、シャーロット。君のおかげで、僕も生き長らえたんだ。君には感謝しかないよ!ありがとう”
マックスにまでお礼を言われてしまったわ。でも、命の恩人でもあるアイラン様やオルビア様を守ることが出来た。これで少しは恩返し出来たかしら?
「シャーロット、何だか嬉しそうだね。何を考えているんだい?」
急にアイラン様に話しかけられた。
「えっと、今回の戦いで、少しはアイラン様とオルビア様に恩返しが出来たかなと思いまして」
「何を言っているんだ。恩返しどころか、君は俺たちの命の恩人だ!シャーロット、君は随分謙虚だね。もうちょっと大きな顔をしても良いんだぞ!」
急に後ろから叫ぶアイラン様。マックスもびっくりした様で、今グラッと揺れたわよね。
「アイラン様、ありがとうございます!そうですわ。王都に戻ったら私と街を散策して頂けますか?後、海も見たいですわ」
戦争前にアイラン様に誘われたのだが、魔力を込めるのに忙しく、あの時は断ってしまった。無事勝利も収めたし、ぜひアイラン様とデートがしたいわ。
「もちろんだ、王都に戻ったらすぐに2人で出かけよう!」
アイラン様も快く承諾してくれた。そうだわ、以前オルビア様と行った、あの魚料理のお店、また行きたいわ。凄く美味しかったのよね。
そうこうしているうちに、王都の街並みが見えてきた。もちろん、美しい海も目に入った。たった2日離れていただけなのに、随分懐かしい気持ちになるのはなぜだろう。
そして、王都の街へと入った時だった。
沿道には溢れんばかりの民たちが待っていた。
「お帰りなさいませ、国王陛下!オルビア王女!」
それはそれは、もの凄い歓声が沸き上がる。
「陛下、我が国を救っていただきありがとうございます!」
「我がフェミニア王国にバンザーイ」
「「「「「バンザーイ」」」」」
思い返せば出発時は、誰もが負けを覚悟し、絶望や悲しみがにじみ出ていた。それが今では、皆が喜びと希望に満ちた顔をしている。私、やっぱり聖女と戦ってよかったわ。だって、こんなにも沢山の人の喜ぶ顔が見られたんですもの。
「クソ、どいつもこいつも陛下陛下って!今回勝利に導いたのはシャーロットだぞ」
なぜか私の後ろで、アイラン様が怒っている。
「アイラン様、いいではありませんか。そもそも敵国の国王を討ち取ったのはアイラン様です。だから、皆がアイラン様に感謝するのは当然ですわ」
「しかし…」
まだ不満げなアイラン様。
「ほら、民の皆さんが手を振っていますわ。振り返さないと失礼ですわよ」
私の言葉に、渋々手を振るアイラン様。
誰が立役者だとか、そんなことどうでもいい。大切な人たちが喜んでくれているのなら。私はそう思う。
大歓声は王宮の入り口まで続いた。
私達は無事王宮の門へとたどり着いた。門の前には、王宮で働く使用人一同が待っていた。もちろん、満面の笑みを浮かべて。
それにしても、3時間の長旅も結構疲れるわね。
「ちょっと、何なのあの民たち。大体今回ガリレゴ王国に勝てたのは、シャーロットのおかげなのに」
ここにもご立腹な人がいた。
「オルビア様、いいではありませんか。こうやって皆で無事王宮に帰ってこられたのですから」
「そうね、シャーロット、本当にありがとう。まさか本当にまたここに戻ってこられるなんて…グスン…思わなかったわ。ウワァァァァン」
子供の様に泣きじゃくるオルビア様。きっと張りつめていた糸が切れたのだろう。隣でフェアラ様も泣いている。私は2人を抱きしめた。
「お2人とも今までよく頑張りましたね。これからは、きっと幸せな未来が待っておられますよ」
私の言葉に、さらに泣き出す2人。アルテミル様とファビオ様も、目に涙を浮かべている。
「さあ、何時までも子供の様に泣くな。今から俺たちにはやらなければいけない事がたくさんあるんだからな」
そう言って、オルビア様の肩を叩いたのはアルテミル様だ。そう言えば、この2人、もう障害はなくなったから、すぐにでも結婚するのかしら?気になるけれど、さすがに今は聞けないわ。
「いい加減もう中に入ろう。使用人たちも、さっきから門の外で待っていてくれているし」
「そうね、グスン。早くお部屋に戻りましょう。私、2日も湯あみをしていないから、グスン、体が気持ち悪いわ」
確かに私も湯あみがしたいわ。あの聖女のせいで、砂ぼこりを沢山被ったものね。早くきれいになりたい。
「ねえ、シャーロット、フェアラ。私の部屋で3人で湯あみをしましょう」
オルビア様はそう言うと、私とフェアラ様の手を取り走り出した。
後ろでアイラン様が何か叫んでいたが、あまりよく聞こえなかった。
そして私達3人は、メイドに手伝ってもらいながら、オルビア様の部屋の大きな浴槽に3人仲良く浸かりながら、戦争の疲れを癒したのであった。
~あとがき~
戦場から帰ったその日は、国中のあちこちで勝利の宴が行われたようです。特に今回兵士として参加した人達は、英雄としてもてはやされ、鼻高々だったとか。
ちなみに今回シャーロットが準備した珊瑚ですが、2,000個ほど残ったようです。これらの珊瑚は、今回の戦争で怪我をした人たち(主にガリレゴ軍)の治療に使われました。
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「シャーロット、こんな酔っ払いども、放っておけばいいんだ!」
「お兄様の言う通りよ。馬鹿みたいにガバガバ飲んで」
喜ぶ兵士たちを横目に怒っているのは、アイラン様とオルビア様。後ろでは真っ青な顔をしたアルテミル様とファビオ様が立っていた。どうやら2人も飲みすぎたようだ。
そっと2人に近づき、治癒魔法をかける。
「おお、体調が良くなった。シャーロットちゃんありがとう」
「ありがとう、シャーロット嬢」
2人からも感謝された。“ありがとう”と言われるのは、本当に嬉しいものね。
「お前たちまでシャーロットの手を煩わせるなんて、団長失格だぞ!」
怒るアイラン様。
「アイラン様、これくらいなら全然大丈夫です。むしろ、私は魔力が多いので少し放出した方がいいくらいですから」
「シャーロットがそう言うなら…でも、あまり他の男に魔法は使わないで欲しい…」
顔を赤くし、小声で呟くアイラン様。
「お兄様、男の嫉妬は見苦しいわよ」
隣で呆れ顔のオルビア様。そんな2人を見ていると、なんだか笑いが込み上げてきた。
私がなぜ笑っているのかわからないと言った顔をしている2人。さらに笑いが込み上げる。
「なんだかこう言うのって、いいわね」
ふと、オルビア様が呟いた。
「確かに、平和を手に入れたって実感する」
アイラン様も呟く。アルテミル様達も、嬉しそうに頷いた。そうか、ここに居る人たちは、ずっと死の恐怖に怯えていたものね。でも、もう大丈夫、これからは彼らの命を狙うものもいない。もしいたとしたら、また私が魔力を使ってやっつけちゃうんだから。
「陛下、後片付けも終わりました。そろそろ王都へと戻るご準備を!」
おしゃべりしている間に、どうやら片付けが終わったようだ。私、何も手伝わなかったけれど、良かったかしら?
「さあ、シャーロット、民たちが待つ王都へ戻ろう」
アイラン様に差し出された手を取り、2人でマックスに乗り込む。
「マックス、あなたも疲れているのに、帰りも乗せてもらってごめんね」
“何言っているんだよ、シャーロット。君のおかげで、僕も生き長らえたんだ。君には感謝しかないよ!ありがとう”
マックスにまでお礼を言われてしまったわ。でも、命の恩人でもあるアイラン様やオルビア様を守ることが出来た。これで少しは恩返し出来たかしら?
「シャーロット、何だか嬉しそうだね。何を考えているんだい?」
急にアイラン様に話しかけられた。
「えっと、今回の戦いで、少しはアイラン様とオルビア様に恩返しが出来たかなと思いまして」
「何を言っているんだ。恩返しどころか、君は俺たちの命の恩人だ!シャーロット、君は随分謙虚だね。もうちょっと大きな顔をしても良いんだぞ!」
急に後ろから叫ぶアイラン様。マックスもびっくりした様で、今グラッと揺れたわよね。
「アイラン様、ありがとうございます!そうですわ。王都に戻ったら私と街を散策して頂けますか?後、海も見たいですわ」
戦争前にアイラン様に誘われたのだが、魔力を込めるのに忙しく、あの時は断ってしまった。無事勝利も収めたし、ぜひアイラン様とデートがしたいわ。
「もちろんだ、王都に戻ったらすぐに2人で出かけよう!」
アイラン様も快く承諾してくれた。そうだわ、以前オルビア様と行った、あの魚料理のお店、また行きたいわ。凄く美味しかったのよね。
そうこうしているうちに、王都の街並みが見えてきた。もちろん、美しい海も目に入った。たった2日離れていただけなのに、随分懐かしい気持ちになるのはなぜだろう。
そして、王都の街へと入った時だった。
沿道には溢れんばかりの民たちが待っていた。
「お帰りなさいませ、国王陛下!オルビア王女!」
それはそれは、もの凄い歓声が沸き上がる。
「陛下、我が国を救っていただきありがとうございます!」
「我がフェミニア王国にバンザーイ」
「「「「「バンザーイ」」」」」
思い返せば出発時は、誰もが負けを覚悟し、絶望や悲しみがにじみ出ていた。それが今では、皆が喜びと希望に満ちた顔をしている。私、やっぱり聖女と戦ってよかったわ。だって、こんなにも沢山の人の喜ぶ顔が見られたんですもの。
「クソ、どいつもこいつも陛下陛下って!今回勝利に導いたのはシャーロットだぞ」
なぜか私の後ろで、アイラン様が怒っている。
「アイラン様、いいではありませんか。そもそも敵国の国王を討ち取ったのはアイラン様です。だから、皆がアイラン様に感謝するのは当然ですわ」
「しかし…」
まだ不満げなアイラン様。
「ほら、民の皆さんが手を振っていますわ。振り返さないと失礼ですわよ」
私の言葉に、渋々手を振るアイラン様。
誰が立役者だとか、そんなことどうでもいい。大切な人たちが喜んでくれているのなら。私はそう思う。
大歓声は王宮の入り口まで続いた。
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「ちょっと、何なのあの民たち。大体今回ガリレゴ王国に勝てたのは、シャーロットのおかげなのに」
ここにもご立腹な人がいた。
「オルビア様、いいではありませんか。こうやって皆で無事王宮に帰ってこられたのですから」
「そうね、シャーロット、本当にありがとう。まさか本当にまたここに戻ってこられるなんて…グスン…思わなかったわ。ウワァァァァン」
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「さあ、何時までも子供の様に泣くな。今から俺たちにはやらなければいけない事がたくさんあるんだからな」
そう言って、オルビア様の肩を叩いたのはアルテミル様だ。そう言えば、この2人、もう障害はなくなったから、すぐにでも結婚するのかしら?気になるけれど、さすがに今は聞けないわ。
「いい加減もう中に入ろう。使用人たちも、さっきから門の外で待っていてくれているし」
「そうね、グスン。早くお部屋に戻りましょう。私、2日も湯あみをしていないから、グスン、体が気持ち悪いわ」
確かに私も湯あみがしたいわ。あの聖女のせいで、砂ぼこりを沢山被ったものね。早くきれいになりたい。
「ねえ、シャーロット、フェアラ。私の部屋で3人で湯あみをしましょう」
オルビア様はそう言うと、私とフェアラ様の手を取り走り出した。
後ろでアイラン様が何か叫んでいたが、あまりよく聞こえなかった。
そして私達3人は、メイドに手伝ってもらいながら、オルビア様の部屋の大きな浴槽に3人仲良く浸かりながら、戦争の疲れを癒したのであった。
~あとがき~
戦場から帰ったその日は、国中のあちこちで勝利の宴が行われたようです。特に今回兵士として参加した人達は、英雄としてもてはやされ、鼻高々だったとか。
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