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第1話:公爵様が診療所を訪ねて来ました
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今日も街の診療所で、治癒師として怪我や病気の人の治療に当たっている。私、セリーナ・ミルトンは、12歳の時この街の診療所で働き始めた。あれから2年、最年少ではあるが、同じ治癒師の同僚や先輩たちは良い人ばかり。毎日楽しく働いている。
ちなみに私は、一応伯爵令嬢だ。それならなぜこんなところで治癒師として働いているかって?それはもちろん、我が家が物凄く貧乏だからだ。
元々そこまで貧乏ではなかったのだが、3年前、領地が洪水と飢餓に襲われた。その時、領民を放っておけなかったお父様が、あちこちから借金をして、必死に立て直したのだ。そのせいで、我が家は借金だらけ。
さらに私の下に、弟が2人、妹が3人もいる。この子達には、貴族としてしっかり学んで欲しいと思っている。その為両親の反対を押し切って、魔力が人一倍強い私が、治癒師として働いているという訳だ。
私達の住んでいるマーケッヒ王国は、魔力大国だ。全ての民が、多かれ少なかれ魔力を持っている。その中でも、魔力量が多い少ないはあるが、やはり多い方が優遇される。
そんな私は、なぜだか魔力が異常なほど高いらしい。そのおかげで、高い報酬が得られる治癒師の仕事が出来ているのだから、魔力には感謝しかない。
「はい、治療が完了しましたよ」
「本当だ、あんなに痛かった肩がすっかり良くなった。ありがとう、セリーナ先生!これで今日から仕事が出来る」
嬉しそうに帰って行く男性。
その時だった。
「セリーナ、私達では手に負えない患者が来ているの。ちょっと見てくれるかしら?」
「分かった、すぐに行くわ」
同僚に呼ばれ、急いで別の診察室へと向かう。診察室には、真っ青な顔の男性がベッドに寝かされていた。
「奥さんの話では、さっき急に苦しみだし、泡を吹いて倒れたらしいの!早く治してあげて」
「分かったわ」
早速男性に手をかざし「ヒール」と唱える。手から温かい光が出て、男性を包み込む。
ゆっくり目を覚ます男性。
「あれ、俺は一体…」
どうやら成功した様だ。ホッと胸をなでおろす。
「良かったわ、あなた!」
男性に抱き着く女性。多分奥さんだろう。
「先生、本当にありがとうございます!何とお礼を言っていいのか!」
何度も頭を下げる女性。その姿を見ていると、助けられて良かったなっと思う。確かにお金も大切だけれど、こうやって感謝されるのが一番うれしいのよね。
「やっぱりセリーナは天才ね。私たちが何度やってもダメだったのに、1発で治しちゃうんですもの。ねえ、こんな街の診療所になんていないで、大きな病院に行けばもっと儲かるのに」
「そうよね、本当に勿体ないわ」
そう口々に言う同僚たち。
「何言っているの!大病院は有力貴族の紹介が無いと入れないのよ。私みたいな貧乏貴族は、逆立ちしても雇ってもらえないわ」
そう、大病院で働く為には、侯爵以上の貴族に紹介してもらわないといけないのだ。貧乏貴族と社交界でもバカにされている私を、ご親切に紹介してくれる様なお人好しな上流貴族はいない。
「勿体ないわよね。本当に実力だけはあるのに」
「ありがとう。でも、この診療所でも十分稼げているし。それに大病院の治癒師なんてプライドが高い人が多いと聞くし、そんなところで働いても、きっと潰されるだけだわ!」
この2年で借金を1/4程返す事が出来た。でも、まだまだだけれどね…
その時だった。
先輩が血相を変えて私たちの元にやって来たのだ。
「た、大変よ!ファーレソン公爵様が、あなたを訪ねて来たの」
「ファーレソン公爵様ですって!」
ファーレソン公爵様と言えば、貴族界で3本の指に入る程の大貴族だ。そんな大貴族が、こんな街の診療所に来る事自体あり得ない話なのだが…
「とにかく、所長室でお待ちよ。早く行きなさい!」
先輩に言われ、急いで所長室へと向かったのであった。
~あとがき~
新連載始めました。
多分短編になる予定ですが、長くなったらすみません(;^_^A
よろしくお願いしますm(__)m
ちなみに私は、一応伯爵令嬢だ。それならなぜこんなところで治癒師として働いているかって?それはもちろん、我が家が物凄く貧乏だからだ。
元々そこまで貧乏ではなかったのだが、3年前、領地が洪水と飢餓に襲われた。その時、領民を放っておけなかったお父様が、あちこちから借金をして、必死に立て直したのだ。そのせいで、我が家は借金だらけ。
さらに私の下に、弟が2人、妹が3人もいる。この子達には、貴族としてしっかり学んで欲しいと思っている。その為両親の反対を押し切って、魔力が人一倍強い私が、治癒師として働いているという訳だ。
私達の住んでいるマーケッヒ王国は、魔力大国だ。全ての民が、多かれ少なかれ魔力を持っている。その中でも、魔力量が多い少ないはあるが、やはり多い方が優遇される。
そんな私は、なぜだか魔力が異常なほど高いらしい。そのおかげで、高い報酬が得られる治癒師の仕事が出来ているのだから、魔力には感謝しかない。
「はい、治療が完了しましたよ」
「本当だ、あんなに痛かった肩がすっかり良くなった。ありがとう、セリーナ先生!これで今日から仕事が出来る」
嬉しそうに帰って行く男性。
その時だった。
「セリーナ、私達では手に負えない患者が来ているの。ちょっと見てくれるかしら?」
「分かった、すぐに行くわ」
同僚に呼ばれ、急いで別の診察室へと向かう。診察室には、真っ青な顔の男性がベッドに寝かされていた。
「奥さんの話では、さっき急に苦しみだし、泡を吹いて倒れたらしいの!早く治してあげて」
「分かったわ」
早速男性に手をかざし「ヒール」と唱える。手から温かい光が出て、男性を包み込む。
ゆっくり目を覚ます男性。
「あれ、俺は一体…」
どうやら成功した様だ。ホッと胸をなでおろす。
「良かったわ、あなた!」
男性に抱き着く女性。多分奥さんだろう。
「先生、本当にありがとうございます!何とお礼を言っていいのか!」
何度も頭を下げる女性。その姿を見ていると、助けられて良かったなっと思う。確かにお金も大切だけれど、こうやって感謝されるのが一番うれしいのよね。
「やっぱりセリーナは天才ね。私たちが何度やってもダメだったのに、1発で治しちゃうんですもの。ねえ、こんな街の診療所になんていないで、大きな病院に行けばもっと儲かるのに」
「そうよね、本当に勿体ないわ」
そう口々に言う同僚たち。
「何言っているの!大病院は有力貴族の紹介が無いと入れないのよ。私みたいな貧乏貴族は、逆立ちしても雇ってもらえないわ」
そう、大病院で働く為には、侯爵以上の貴族に紹介してもらわないといけないのだ。貧乏貴族と社交界でもバカにされている私を、ご親切に紹介してくれる様なお人好しな上流貴族はいない。
「勿体ないわよね。本当に実力だけはあるのに」
「ありがとう。でも、この診療所でも十分稼げているし。それに大病院の治癒師なんてプライドが高い人が多いと聞くし、そんなところで働いても、きっと潰されるだけだわ!」
この2年で借金を1/4程返す事が出来た。でも、まだまだだけれどね…
その時だった。
先輩が血相を変えて私たちの元にやって来たのだ。
「た、大変よ!ファーレソン公爵様が、あなたを訪ねて来たの」
「ファーレソン公爵様ですって!」
ファーレソン公爵様と言えば、貴族界で3本の指に入る程の大貴族だ。そんな大貴族が、こんな街の診療所に来る事自体あり得ない話なのだが…
「とにかく、所長室でお待ちよ。早く行きなさい!」
先輩に言われ、急いで所長室へと向かったのであった。
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*** ***
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※小説家になろう様にも掲載しています。
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