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第1話:こんな窮屈な生活は耐えられません!
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今日もいつもの様に、中庭でお茶をする。ふと門の方を見ると、お姉様がお茶会に行く為、嬉しそうに馬車に乗り込んでいる姿が目に入った。
「お姉様は良いわね…お茶会にも参加させてもらえるのですもの…私なんて…」
私の名前はエリー・スクワーディス。魔力大国でもあるモールズ王国の公爵令嬢だ。わが国には、かつて聖なる魔力を持つ一族という人たちが存在していたらしい。でも、彼らの存在を疎ましく思ったかつての王が、独断で皆殺しにしたらしい。
そんな中、唯一の生き残ったのが、私の曾祖母にあたるエリザひいおばあ様だ。エリザひいおばあ様によって、今でも聖なる魔力を持つ一族の血は、王族を中心にひっそりと受け継がれている。
でも近年、聖なる魔力を持つ一族の証でもある虹色の髪の女性が、めっきり産まれなくなった。そう、聖なる魔力を持つ女性は、虹色の髪をしているらしい。家にも姉が2人いるが、お姉さまたちは銀色の髪をしている。そして唯一私だけが、虹色の髪を受け継いだのだ。
でもそのせいで、私は両親からかなり過保護に育てられている。ほとんど屋敷の外に出る事を許されない。
お父様曰く
「お前は聖なる魔力を持つ貴重な人間なんだ。万が一誘拐されでもしたら大変だからな!とにかく、聖なる魔力を持つ一族の末裔と結婚して、この公爵家を継ぐんだ!」
それが口癖だ。そもそも、聖なる魔力を持つ一族って、皆私の親戚じゃない!そして今、私の婚約者として有力なのが、お父様の従兄弟の子供、ジンである。でもジンはまだ4歳なのよ!どうして私がそんな子供と結婚しないといけないのよ!そう思っても、私には反論する権利も与えられていない。
そして私が勝手に出て行かない様に、護衛騎士を5人も付けているのだ。もちろん、お茶会や夜会なども参加させてもらえない。唯一外出が許されている事と言えば、王宮に行く時と聖なる魔力を持つ者達が惨殺された場所への、お参りのみだ。
正直私は虹色の髪が大嫌い!だってこの髪のせいで、自由を奪われているのだから!
「クウゥゥゥゥン」
「ごめんね、ルル。ちょっと考え事をしていたのよ。そうだ、ルル、一緒に遊びましょう」
私の足に絡みついて来たのは、私の分身のルル。私の唯一のお友達で、虹色の毛並みをしたオオカミ、私の分身だ。
ルルと遊んでいると、お母様が話しかけて来た。
「エリー、今から王宮に行くの!あなたも来なさい」
王宮か…まあ、ここに居るよりはいいだろう。お母様と一緒に王宮に向かう。と言っても、お母様は王妃様と話しをしているので、私は暇だ。いつもの様に、王宮の図書館で本を読む。
どの本にしようかしら?色々な本を手に取っていると、本の奥に何やら見た事も無い古ぼけた本を見つけた。何かしら?
手に取って中を見てみる。これは!日記だわ!それも曾祖母でもあるエリザひいおばあ様の物ね。本には、エリザひいおばあ様の生い立ちやこの国にやってくるまで、さらに魔術師ザードと戦った事も細かく記されていた。
そう言えば、ジャックひいおじい様のおじい様が、聖なる魔力を持つ一族を皆殺しにしたのよね。その時殺された一族の1人がザードで、怨念となって人間に乗り移り、モールズ王国を攻めた。その際、当時の王族は皆殺しにされた。ただ第一王子だったジャックひいおじい様だけが、エリザひいおばあ様のお陰で生き残ったのよね…
そしてエリザひいおばあ様と一緒に、ザードを倒した。でもザードも被害者と言えば被害者よね。元々、一族を皆殺しにしなければ、こんな悲しい事件は起こらなかったはずなのに…エリザひいおばあ様の日記にも、私と同じ思いが綴られていた。
さらに、かつて愛した元婚約者に対する思いも…エリザひいおばあ様も、随分と苦労しているのね。もちろん、ジャックひいおじい様もだけれど。それにしても、このイライジャって言う元王太子も気の毒ね…
でもエリザひいおばあ様を裏切って、他の女性を浮気をしていたのだから自業自得か。う~ん、それでもやっぱり可哀そうだわ!ザードと一体化さえしなければ、きっと若くして亡くなる事も無かったのに…
そう言えば、この元王太子も聖なる魔力を持つ者のお墓で一緒に眠っているのか…今度お参りに行った時、彼の事も供養しよう。
もっと詳しく日記を読みたい!そう思った私は、こっそり屋敷に持ち帰る事にした。早速エリザおばあ様の日記を詳しく読む。へ~、魔法が使えない国があるのね。レンガの家か。それに、森の中の生活も楽しそう!
そう、この日記には、ジャックひいおじい様と逃亡生活をしていた時の様子が、事細かく書かれているのだ。外の世界には、今まで私が想像もしなかった世界が広がっているのね…なんて素敵なのかしら!そもそも私は、このお屋敷と王宮くらいしか知らない。
もし1人で外の世界に出られたら、どんなに素敵かしら!よし、決めた!この国から脱出しよう。そもそも、私はもう14歳!きっとこのまま両親の言う事を聞いていたら、一生家の外から出して貰えないわ!
そして10歳も年下のジンと、結婚させられるのよ!そんなのは絶対に嫌。そうと決まれば、早速脱出しよう。でもこの家には結界が張られていて、転移魔法が使えなくなっている。
待って、私は聖なる魔力を持つ一族の血を受け継いでいるのよね。という事は、この家で一番魔力を持っているのは私!という事は、こんな結界、簡単に破れるはずだわ!
あぁ、どうしてこんな簡単な事に気が付かなかったのかしら?よし、決行日は皆が寝静まった夜中にしよう!そうと決まれば、準備開始ね!
「お姉様は良いわね…お茶会にも参加させてもらえるのですもの…私なんて…」
私の名前はエリー・スクワーディス。魔力大国でもあるモールズ王国の公爵令嬢だ。わが国には、かつて聖なる魔力を持つ一族という人たちが存在していたらしい。でも、彼らの存在を疎ましく思ったかつての王が、独断で皆殺しにしたらしい。
そんな中、唯一の生き残ったのが、私の曾祖母にあたるエリザひいおばあ様だ。エリザひいおばあ様によって、今でも聖なる魔力を持つ一族の血は、王族を中心にひっそりと受け継がれている。
でも近年、聖なる魔力を持つ一族の証でもある虹色の髪の女性が、めっきり産まれなくなった。そう、聖なる魔力を持つ女性は、虹色の髪をしているらしい。家にも姉が2人いるが、お姉さまたちは銀色の髪をしている。そして唯一私だけが、虹色の髪を受け継いだのだ。
でもそのせいで、私は両親からかなり過保護に育てられている。ほとんど屋敷の外に出る事を許されない。
お父様曰く
「お前は聖なる魔力を持つ貴重な人間なんだ。万が一誘拐されでもしたら大変だからな!とにかく、聖なる魔力を持つ一族の末裔と結婚して、この公爵家を継ぐんだ!」
それが口癖だ。そもそも、聖なる魔力を持つ一族って、皆私の親戚じゃない!そして今、私の婚約者として有力なのが、お父様の従兄弟の子供、ジンである。でもジンはまだ4歳なのよ!どうして私がそんな子供と結婚しないといけないのよ!そう思っても、私には反論する権利も与えられていない。
そして私が勝手に出て行かない様に、護衛騎士を5人も付けているのだ。もちろん、お茶会や夜会なども参加させてもらえない。唯一外出が許されている事と言えば、王宮に行く時と聖なる魔力を持つ者達が惨殺された場所への、お参りのみだ。
正直私は虹色の髪が大嫌い!だってこの髪のせいで、自由を奪われているのだから!
「クウゥゥゥゥン」
「ごめんね、ルル。ちょっと考え事をしていたのよ。そうだ、ルル、一緒に遊びましょう」
私の足に絡みついて来たのは、私の分身のルル。私の唯一のお友達で、虹色の毛並みをしたオオカミ、私の分身だ。
ルルと遊んでいると、お母様が話しかけて来た。
「エリー、今から王宮に行くの!あなたも来なさい」
王宮か…まあ、ここに居るよりはいいだろう。お母様と一緒に王宮に向かう。と言っても、お母様は王妃様と話しをしているので、私は暇だ。いつもの様に、王宮の図書館で本を読む。
どの本にしようかしら?色々な本を手に取っていると、本の奥に何やら見た事も無い古ぼけた本を見つけた。何かしら?
手に取って中を見てみる。これは!日記だわ!それも曾祖母でもあるエリザひいおばあ様の物ね。本には、エリザひいおばあ様の生い立ちやこの国にやってくるまで、さらに魔術師ザードと戦った事も細かく記されていた。
そう言えば、ジャックひいおじい様のおじい様が、聖なる魔力を持つ一族を皆殺しにしたのよね。その時殺された一族の1人がザードで、怨念となって人間に乗り移り、モールズ王国を攻めた。その際、当時の王族は皆殺しにされた。ただ第一王子だったジャックひいおじい様だけが、エリザひいおばあ様のお陰で生き残ったのよね…
そしてエリザひいおばあ様と一緒に、ザードを倒した。でもザードも被害者と言えば被害者よね。元々、一族を皆殺しにしなければ、こんな悲しい事件は起こらなかったはずなのに…エリザひいおばあ様の日記にも、私と同じ思いが綴られていた。
さらに、かつて愛した元婚約者に対する思いも…エリザひいおばあ様も、随分と苦労しているのね。もちろん、ジャックひいおじい様もだけれど。それにしても、このイライジャって言う元王太子も気の毒ね…
でもエリザひいおばあ様を裏切って、他の女性を浮気をしていたのだから自業自得か。う~ん、それでもやっぱり可哀そうだわ!ザードと一体化さえしなければ、きっと若くして亡くなる事も無かったのに…
そう言えば、この元王太子も聖なる魔力を持つ者のお墓で一緒に眠っているのか…今度お参りに行った時、彼の事も供養しよう。
もっと詳しく日記を読みたい!そう思った私は、こっそり屋敷に持ち帰る事にした。早速エリザおばあ様の日記を詳しく読む。へ~、魔法が使えない国があるのね。レンガの家か。それに、森の中の生活も楽しそう!
そう、この日記には、ジャックひいおじい様と逃亡生活をしていた時の様子が、事細かく書かれているのだ。外の世界には、今まで私が想像もしなかった世界が広がっているのね…なんて素敵なのかしら!そもそも私は、このお屋敷と王宮くらいしか知らない。
もし1人で外の世界に出られたら、どんなに素敵かしら!よし、決めた!この国から脱出しよう。そもそも、私はもう14歳!きっとこのまま両親の言う事を聞いていたら、一生家の外から出して貰えないわ!
そして10歳も年下のジンと、結婚させられるのよ!そんなのは絶対に嫌。そうと決まれば、早速脱出しよう。でもこの家には結界が張られていて、転移魔法が使えなくなっている。
待って、私は聖なる魔力を持つ一族の血を受け継いでいるのよね。という事は、この家で一番魔力を持っているのは私!という事は、こんな結界、簡単に破れるはずだわ!
あぁ、どうしてこんな簡単な事に気が付かなかったのかしら?よし、決行日は皆が寝静まった夜中にしよう!そうと決まれば、準備開始ね!
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