私はこの人と生きていきたいです!

Karamimi

文字の大きさ
2 / 26

第2話:無事国を出られましたが…

しおりを挟む
深夜、眠い目を擦りながら何とか起きる事が出来た。早速隠しておいたスーツケースを取り出し、着替えを済ませる。何かの役に立つかもしれないから、エリザひいおばあ様の日記も持って行こう。

よし、準備は完了したわ。早速転移魔法を掛けてこの国から脱出ね。行先は…よく分からないから、適当でいいわ!

魔力を集中させ、“出来るだけ遠くに移動せよ”そう念じた。やはり強力な結界が張ってあるせいで、思う様に転移できない!魔力同士が衝突する感覚を全身で感じる!でも、負けるものですか!一気に魔力を込めた瞬間、物凄い衝撃と共にその場に倒れ込んだ。

ゆっくり目を開けると、そこは真っ暗な森だ!やったわ、転移で来た。でも、きっとすぐに両親に見つかってしまうかもしれない。とにかく、何度も転移魔法を掛けないとね!

その後も何度も何度も転移魔法を使って転移する。さすがに疲れたわね…ふと辺りを見渡すと、太陽が昇り始めていた。私ったら1晩中転移していたのね。駄目だ…眠い…

つい木の下で、ウトウトと眠ってしまったのだった。


「おい、起きろ!お前は誰だ!どうやってこの森に入った!」

男の人の怒鳴り声で目を覚ました。そこには、斧や弓を持った男性たちが5人、怖い顔をして私を囲っていた。

「あなた達こそ、一体誰なのですか?」

恐怖で身を縮こませた。

「それはこっちのセリフだ。この森は俺たちが所有している森だ!通行許可証が無いと入れない森なんだ!お前は通行許可証を持っていないだろう!一体どうやって入ったんだ!」

そう言って、私の喉元に斧を突き付ける男性。恐怖でその場を動く事が出来ず、ただ涙を流す事しか出来ない。

どうしよう…どうしよう…

その時だった!

「どうしたのですか?そんなに大きな声を出して!」

私たちの前に現れたのは、金色の髪に深緑の瞳をした若い男性だ。

「あんたは旅の方か!いや、この女が通行許可証を持たずにここに居たから、不法侵入者として問い詰めているところだ!」

不法侵入者って一体何なの?そもそも、ここは森でしょう?何なの、この人たちは!

「すみません、その子、僕の連れです!ちょっとはぐれちゃって!この子の通行許可証をこれで発行して頂けますか?」

そう言うと、男性は金貨を男たちに渡していた。

「あなたの連れでしたか!お金さえ払ってくれれば、私たちは構いませんよ!はい、これ。通行許可証です!」

カバンから紙を出し、男性に渡した男達。

「それでは俺たちはこれで」

そう言って去って行った。男たちが去った後、私の方にやって来た男性。

「君、大丈夫かい?って…エリザ?」

なぜか私の顔を見て、物凄く驚いている。一体どうしたのだろう?それに、今エリザって言ったわよね…

「助けていただき、ありがとうございます。私はエリー・スクワーディスと言います。あなた、亡くなったエリザひいおばあ様を知っているのですか?」

「エリザは…亡くなったのかい?」

「はい、10年前に」

私の言葉を聞き、物凄く悲しそうな顔をする男性。

「そうか…すまない、さっき言った事は忘れてくれ。僕はイジャ。色々な国を回っているんだ。君はどうしてこんな場所に、通行許可証も持たずにいたんだい?」

今色々な国を回っているって言ったわよね。素敵だわ!

「実は私、訳あって国を逃げて来たんです。転移魔法を繰り返していたら、ここにたどり着いて。それでそのまま眠ってしまって…」

「なるほど。それでこれからどうするんだい?君が思っている程、世間は甘くない!女性の一人旅は結構危険だよ。それにその髪、珍しい虹色をしているね。下手をすると人攫いに連れていかれるかもしれない。さあ、もう国に帰った方がいい!」

イジャ様に帰るよう促された。でも…

「私は国に帰るつもりはありません!あんな窮屈なところで一生生活させられるくらいなら、いっその事危険を承知で自分のやりたい事をやった方がずっといいので!それでは失礼します!」

そもそも、私は魔法が使える。何かあっても魔法で何とかできるわ!転移魔法だって使えるんだもの!そうだ、ボディーガードも兼ねて、ルルを出しましょう。“出でよ、分身”

そう念じると、ルルが出て来た。ルルがいれば寂しくはないものね。そんな私の後ろで

「待って!エリー」

イジャ様の叫び声が聞こえるが、面倒なので再び転移魔法で移動した。次に移動したのは、小さな街だ。でも急に私が現れたものだから

「キャーーー、急に少女とオオカミが現れたわ!何なのこの子たち!」

「魔女だ!!魔女が出た!!」

なぜか周りの皆が物凄く騒ぎ出した。ちょっと、誰が魔女よ!失礼ね!逃げ惑う人々。そして警官と思われる男性数名が、私の方に飛んできた。

「お前は魔女だな!何の目的でここに来た?とにかく、お前を拘束する!」

そう言うと腰に備え付けてあった剣を引き抜き、一斉に私に向かって切り掛かって来た!恐怖でルルをギューッと抱きしめる。そして次の瞬間

「ウワァーー」

男性たちが吹き飛んで行った。どうやら無意識に魔力を使ってしまった様だ。

「キャーー!魔女が攻撃してきた!早く騎士団を呼んで!!」

近くにいた人たちが、さらに騒ぎ始めてしまった。とにかく私が魔女ではない事を、皆に伝えないと!

「私は魔女ではありません。あなた達を傷つけるつもりも無かったのです。ごめんなさい。どうか落ち着いて下さい!」

とにかく私は安全な人物よ!そう伝えたかったのだ。でも…

「嘘を付くな!今警官たちを魔法で攻撃しただろう!とにかくこの女を逃がしたら街が大変な事になる!騎士団が来るまで囲い込め!そう言って、木や鉄の棒などを持って、私の周りを取り囲む人たち。

恐怖と自分が魔女だと言われたショックから完全にパニックになってしまい、どうしていいか分からない。ルルをさらに強く抱きしめた。どうしよう…誰か助けて…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

誰も愛してくれないと言ったのは、あなたでしょう?〜冷徹家臣と偽りの妻契約〜

山田空
恋愛
王国有数の名家に生まれたエルナは、 幼い頃から“家の役目”を果たすためだけに生きてきた。 父に褒められたことは一度もなく、 婚約者には「君に愛情などない」と言われ、 社交界では「冷たい令嬢」と噂され続けた。 ——ある夜。 唯一の味方だった侍女が「あなたのせいで」と呟いて去っていく。 心が折れかけていたその時、 父の側近であり冷徹で有名な青年・レオンが 淡々と告げた。 「エルナ様、家を出ましょう。  あなたはもう、これ以上傷つく必要がない」 突然の“駆け落ち”に見える提案。 だがその実態は—— 『他家からの縁談に対抗するための“偽装夫婦契約”。 期間は一年、互いに干渉しないこと』 はずだった。 しかし共に暮らし始めてすぐ、 レオンの態度は“契約の冷たさ”とは程遠くなる。 「……触れていいですか」 「無理をしないで。泣きたいなら泣きなさい」 「あなたを愛さないなど、できるはずがない」 彼の優しさは偽りか、それとも——。 一年後、契約の終わりが迫る頃、 エルナの前に姿を見せたのは かつて彼女を切り捨てた婚約者だった。 「戻ってきてくれ。  本当に愛していたのは……君だ」 愛を知らずに生きてきた令嬢が人生で初めて“選ぶ”物語。

【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

侯爵家の婚約者

やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。 7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。 その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。 カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。 家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。 だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。 17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。 そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。 全86話+番外編の予定

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく

たまこ
恋愛
 10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。  多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。  もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい

高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。 だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。 クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。 ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。 【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】

処理中です...