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第12話:最近の俺はどうかしている~ウィリアム視点~
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翌日、寝ている女を叩き起こした。そして討伐へと連れて行く。期待はしていなかったが、やはり弱かった。こんなに弱い奴がいると、一気に部隊の質が落ちる。
そんな思いをあの女にぶつけた。震えながらも黙って聞いている女。普通ここまで言われれば泣いて帰るのに。涙一つ見せず
「申し訳ございません」
そう言って頭を下げるだけだ。何なんだこの女は!
午後からは俺が女の稽古を付けてやった。きっと令嬢なら秒殺で逃げ出すだろう、そう思っていたのに、必死に食らいついて来る。
さらに稽古の後、晩飯まで作って出してきやがった。今まで腹さえ膨れればいいと思っていたが、これははっきり言って美味い。
隣でデビッドが
「クレアって料理も出来るんだね。まさかこんなにも美味しいご飯が食べられるなんて思っていなかったよ。それにこの料理、魔力が込められているね。食べた人間を元気にしてくれる魔力。これはいい!毎日食べたいよ。僕、おかわり貰って来る」
そう言ってあの女の元へと向かった。確かに力がみなぎる。あの女、一体何なんだ?そして翌日から、あの女が飯を作る様になった。
翌日
グーグー寝ていたら叩き起こしてやろうと思い、テントに向かうと、既に姿が無かった。もう起きたのか。なんとなく料理を作るスペースに向かうと、あの女が嬉しそうな顔をして料理を作っていた。
でも次の瞬間、急に何かを思い出したかのように、泣き出したのだ。周りをキョロキョロ確認し、涙をぬぐう女。
きっと誰にも見られていないか確認したのだろう。その姿を見た時、一瞬心臓がドキッとした。落ち着け!女の涙などでドキッとするなんて、あり得ない!
その時だった。女の元にハルがやって来た。楽しそうに話をしている。あいつはあんなふうに笑うのか…て、何を考えているんだ!そうだ、朝練をしよう!
1人で黙々と攻撃魔法を掛けて行く。
「ウィリアム、おはよう。朝からそんなに攻撃魔法をバンバン使ったら、魔力無くなるよ」
「デビッド、俺を舐めているのか。こんな事で無くなる訳がないだろう!」
ギロリとデビッドを睨みつけた。
「おぉ怖!ほら、そろそろご飯だよ。今日もクレアの美味しいご飯が食べられると思うと、朝からテンションが上がるよ」
そう言うと、去って行ったデビッド。今日の朝食はサンドウィッチと野菜スープだ。確かにデビッドの言う様に美味い。だからって、俺はあの女を認めるつもりはない。さっさと追い返さないと!
今日はデビッドに討伐を任せ、あの女を徹底的にしごき上げる。ただ、こいつ向上心と根性だけはある様で、必死に食らいついて来る。それに、上達速度も恐ろしいほど早い。もしかして、いずれ部隊の中心人物になるかもしれない。
さらにこの日を境に、夜中と早朝までも稽古を始めた女。必死に稽古をする姿は、美しい…じゃなくて、素晴らしい事だ。そのうち朝の稽古では、ジークやハルもあの女に付き合いだした。
ジークやハルに笑いかけるその姿を見ると、なぜかイライラする。俺にはあんな風に笑いかけて来たことは一度もないのに…て、何を考えているんだ!そもそもあの女が誰に笑いかけようと、俺には関係のない事だ!
「ウィリアム、またここにいるのかい?朝と夜中、毎回クレアを物陰から見つめて、気持ち悪い」
俺をジト目で睨んでいるのは、デビッドだ。
「人聞きの悪い事を言うな!俺は部下が一生懸命練習しているから、騎士団長として様子を伺っていただけだ!」
「はいはい、そう言えばクレアが来てから、この隊も明るくなったよね。彼女を狙っている隊員も多いし。まあ、僕もその1人だけれどね」
そう言ってあの女の元に向かったデビッド。女に全く興味の無いデビッドが、あの女に興味があるだって!あり得ない…
そしてあの女は技術を磨き、討伐部隊に戻ってからも、魔物たちを次々と倒していく。いつの間にか、他の隊員より強くなっているのではないか!そう思う程、どんどん成長していく。
そしてあの女が来てから2週間が過ぎた。魔物がある程度いなくなったので、もう少し奥に引っ越す事にしたのだ。早速出発しようとした時、あの女がジークと楽しそうに話している。
一気にイライラが湧いてきて、気が付いたらあの女の元へと向かっていた。どうやら馬に乗れない様で、ジークが乗せてやると言ったみたいだ。よく考えたら元令嬢なのだから、当たり前の事だ。
そもそも馬に乗せるという事は、体を密着させるという事だ。ふざけるな!とにかく俺が乗せる!そう伝えたのだが、なぜか困った顔をして、あろう事かデビッドに目で助けを求めやがった。
嬉しそうにこちらにやって来るデビッド。ふざけるな!誰がデビッドなんかに渡すか!無理やり女を俺の馬に乗せ、引っ越し場所へと向かう。
とにかく落馬したら大変だ。しっかり後ろから抱きしめないと。それにしても、こいつの体、柔らかいな。それに、いい匂いもするし…て、俺は何を考えているんだ!こいつはただの部下で、馬に乗れないから乗せてやっているだけだ!
そう自分に言い聞かす。すると何を思ったのか、俺の方を振り返った女。一気に心臓の音がうるさくなる。気づかれてはマズい!
そんな思いから
「おい!しっかり前を向いていろ!落馬したいのか!!」
そう怒鳴りつけた。
「申し訳ございません」
そう言って再び前を向いた。きっとまた怖がらせてしまったな。俺はどうしてこの女をいつも怖がらせてしまうのだろう…
目的地に到着し、女を降ろすと何を思ったのか、乗馬の練習をすると言い出した。そんな事をしたら、もう女を馬に乗せられなくなる!
そんな思いから、“乗馬の練習なんかしなくていい!”そう言ってしまった。その後皆でテントを建てていく。建て終わった後は昼飯だ。相変わらず女の作った飯は美味い。その時だった。魔物がこっちに向かっていると言う知らせを受けた。
急いで対処したおかげで、大事には至らずホッとしたのも束の間。あろう事がジークの野郎が、女に抱き着いているではないか。体中から怒りが込み上げ、ジークを女から引き離した。
そして難癖をつけ午後は稽古と称し、ジークをしばきまくった。さすがにやりすぎたかな、そう思ったが、ボロボロで地面に横たわるジークを、女が心配そうに治癒魔法を掛けている姿を見たら、一気にそんな感情は吹き飛んだ!
ただ、やはりやりすぎてしまった様で
「ウィリアム、さすがにやりすぎだ!私情を挟むなんて、君らしくないよ!そんな事をすると、増々クレアに嫌われちゃうからね!」
そうデビッドに怒られた。一応ジークにも謝罪した。
「別に謝ってもらわなくてもいいですが、今後は私情を挟まないで下さいよ!」
そうジークにも怒られた。
それにしても、俺は一体何をしているのだろう。あんな小娘相手に取り乱すなんて!とにかく、平常心で行かねば!
そんな思いをあの女にぶつけた。震えながらも黙って聞いている女。普通ここまで言われれば泣いて帰るのに。涙一つ見せず
「申し訳ございません」
そう言って頭を下げるだけだ。何なんだこの女は!
午後からは俺が女の稽古を付けてやった。きっと令嬢なら秒殺で逃げ出すだろう、そう思っていたのに、必死に食らいついて来る。
さらに稽古の後、晩飯まで作って出してきやがった。今まで腹さえ膨れればいいと思っていたが、これははっきり言って美味い。
隣でデビッドが
「クレアって料理も出来るんだね。まさかこんなにも美味しいご飯が食べられるなんて思っていなかったよ。それにこの料理、魔力が込められているね。食べた人間を元気にしてくれる魔力。これはいい!毎日食べたいよ。僕、おかわり貰って来る」
そう言ってあの女の元へと向かった。確かに力がみなぎる。あの女、一体何なんだ?そして翌日から、あの女が飯を作る様になった。
翌日
グーグー寝ていたら叩き起こしてやろうと思い、テントに向かうと、既に姿が無かった。もう起きたのか。なんとなく料理を作るスペースに向かうと、あの女が嬉しそうな顔をして料理を作っていた。
でも次の瞬間、急に何かを思い出したかのように、泣き出したのだ。周りをキョロキョロ確認し、涙をぬぐう女。
きっと誰にも見られていないか確認したのだろう。その姿を見た時、一瞬心臓がドキッとした。落ち着け!女の涙などでドキッとするなんて、あり得ない!
その時だった。女の元にハルがやって来た。楽しそうに話をしている。あいつはあんなふうに笑うのか…て、何を考えているんだ!そうだ、朝練をしよう!
1人で黙々と攻撃魔法を掛けて行く。
「ウィリアム、おはよう。朝からそんなに攻撃魔法をバンバン使ったら、魔力無くなるよ」
「デビッド、俺を舐めているのか。こんな事で無くなる訳がないだろう!」
ギロリとデビッドを睨みつけた。
「おぉ怖!ほら、そろそろご飯だよ。今日もクレアの美味しいご飯が食べられると思うと、朝からテンションが上がるよ」
そう言うと、去って行ったデビッド。今日の朝食はサンドウィッチと野菜スープだ。確かにデビッドの言う様に美味い。だからって、俺はあの女を認めるつもりはない。さっさと追い返さないと!
今日はデビッドに討伐を任せ、あの女を徹底的にしごき上げる。ただ、こいつ向上心と根性だけはある様で、必死に食らいついて来る。それに、上達速度も恐ろしいほど早い。もしかして、いずれ部隊の中心人物になるかもしれない。
さらにこの日を境に、夜中と早朝までも稽古を始めた女。必死に稽古をする姿は、美しい…じゃなくて、素晴らしい事だ。そのうち朝の稽古では、ジークやハルもあの女に付き合いだした。
ジークやハルに笑いかけるその姿を見ると、なぜかイライラする。俺にはあんな風に笑いかけて来たことは一度もないのに…て、何を考えているんだ!そもそもあの女が誰に笑いかけようと、俺には関係のない事だ!
「ウィリアム、またここにいるのかい?朝と夜中、毎回クレアを物陰から見つめて、気持ち悪い」
俺をジト目で睨んでいるのは、デビッドだ。
「人聞きの悪い事を言うな!俺は部下が一生懸命練習しているから、騎士団長として様子を伺っていただけだ!」
「はいはい、そう言えばクレアが来てから、この隊も明るくなったよね。彼女を狙っている隊員も多いし。まあ、僕もその1人だけれどね」
そう言ってあの女の元に向かったデビッド。女に全く興味の無いデビッドが、あの女に興味があるだって!あり得ない…
そしてあの女は技術を磨き、討伐部隊に戻ってからも、魔物たちを次々と倒していく。いつの間にか、他の隊員より強くなっているのではないか!そう思う程、どんどん成長していく。
そしてあの女が来てから2週間が過ぎた。魔物がある程度いなくなったので、もう少し奥に引っ越す事にしたのだ。早速出発しようとした時、あの女がジークと楽しそうに話している。
一気にイライラが湧いてきて、気が付いたらあの女の元へと向かっていた。どうやら馬に乗れない様で、ジークが乗せてやると言ったみたいだ。よく考えたら元令嬢なのだから、当たり前の事だ。
そもそも馬に乗せるという事は、体を密着させるという事だ。ふざけるな!とにかく俺が乗せる!そう伝えたのだが、なぜか困った顔をして、あろう事かデビッドに目で助けを求めやがった。
嬉しそうにこちらにやって来るデビッド。ふざけるな!誰がデビッドなんかに渡すか!無理やり女を俺の馬に乗せ、引っ越し場所へと向かう。
とにかく落馬したら大変だ。しっかり後ろから抱きしめないと。それにしても、こいつの体、柔らかいな。それに、いい匂いもするし…て、俺は何を考えているんだ!こいつはただの部下で、馬に乗れないから乗せてやっているだけだ!
そう自分に言い聞かす。すると何を思ったのか、俺の方を振り返った女。一気に心臓の音がうるさくなる。気づかれてはマズい!
そんな思いから
「おい!しっかり前を向いていろ!落馬したいのか!!」
そう怒鳴りつけた。
「申し訳ございません」
そう言って再び前を向いた。きっとまた怖がらせてしまったな。俺はどうしてこの女をいつも怖がらせてしまうのだろう…
目的地に到着し、女を降ろすと何を思ったのか、乗馬の練習をすると言い出した。そんな事をしたら、もう女を馬に乗せられなくなる!
そんな思いから、“乗馬の練習なんかしなくていい!”そう言ってしまった。その後皆でテントを建てていく。建て終わった後は昼飯だ。相変わらず女の作った飯は美味い。その時だった。魔物がこっちに向かっていると言う知らせを受けた。
急いで対処したおかげで、大事には至らずホッとしたのも束の間。あろう事がジークの野郎が、女に抱き着いているではないか。体中から怒りが込み上げ、ジークを女から引き離した。
そして難癖をつけ午後は稽古と称し、ジークをしばきまくった。さすがにやりすぎたかな、そう思ったが、ボロボロで地面に横たわるジークを、女が心配そうに治癒魔法を掛けている姿を見たら、一気にそんな感情は吹き飛んだ!
ただ、やはりやりすぎてしまった様で
「ウィリアム、さすがにやりすぎだ!私情を挟むなんて、君らしくないよ!そんな事をすると、増々クレアに嫌われちゃうからね!」
そうデビッドに怒られた。一応ジークにも謝罪した。
「別に謝ってもらわなくてもいいですが、今後は私情を挟まないで下さいよ!」
そうジークにも怒られた。
それにしても、俺は一体何をしているのだろう。あんな小娘相手に取り乱すなんて!とにかく、平常心で行かねば!
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