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第23話:これで一石三鳥と思ったのに
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「そんな…はく奪だなんて…どうかお考え直し下さい。これからはこのような事は致しませんから。どうかお許しを」
必死に陛下に縋りつくカルティア様。彼女が縋りつくのも無理はない。なぜなら、お妃候補の資格をはく奪されると言う事は、非常に不名誉な事なのだ。家の評判が落ちるのはもちろん、はく奪された令嬢は難ありと判断され、まともなところに嫁ぐことが出来ない。一生独身の可能性だってあるのだ。
さすがにちょっとかわいそうな気がするわ。
その時だった。
「カルティア、お前、なんて事をしたのだ。陛下、ディーノ殿下、王妃殿下、本当に申し訳ございませんでした。どうか…どうかお妃候補者の資格はく奪だけはお許しください」
必死に頭を下げる侯爵。隣でカルティア様も泣きながら頭を下げている。
「侯爵、謝る相手が違うだろう?被害者のヴィクトリア嬢に謝るべきではないのか?」
陛下の言葉にハッとしたのか
「ヴィクトリア嬢、この度は本当に娘が申し訳なかった。娘もほんの出来心だったのだ。どうか許してやって欲しい」
私に頭を下げた侯爵。
「許せだって?ふざけているのかい?カルティア嬢はあろう事か、今日の夜会で着るドレスをメイドに盗ませ、ボロボロにしたのだよ。許せと言う方が無理だ。とにかく、僕はもう君の顔なんて見たくない。今すぐ王宮から立ち去ってくれ!」
「そんな…どうかご慈悲を…」
珍しく茹でダコの様に真っ赤な顔をした殿下が怒っている。その顔を見た瞬間、笑いが込みあげてきた。
「アハハハハ」
私の笑い声を聞いて、一斉に皆がこちらを見たのだ。
「殿下、今のあなた様のお顔、茹でダコみたいでしたわよ。その様なお顔はお止めになった方がよろしいですわ。それから、陛下。確かにカルティア様の行いは良くありません。でも、私もまんまと彼女が雇ったメイドを部屋にいれてしまったという、落ち度がございます。それに、カルティア嬢はまだ13歳。まだまだ子供です。1度の過ちに目くじらを立てて、お妃候補者の権利をはく奪するだなんて、さすがにあんまりですわ」
カルティア嬢は私達と同じ、13歳。はっきり言ってまだまだ子供なのだ。そんな彼女に、今後の人生を棒に振る様な厳しい対応は、さすがに可哀そうだ。
「ヴィクトリア、君は何を言っているのだい?彼女はずっと、君に酷い事をしていたではないか?」
「酷い事ですか?そんな事をされた記憶はありませんが?」
コテンと首を傾げた。
「それではヴィクトリア嬢は、カルティア嬢にお妃候補でいて欲しいと言う事かい?」
陛下が語り掛けている。
「それは私が決める事ではありませんわ。カルティア様が決める事だと思います」
正直カルティア様が居なくなった方が私も静かになって有難い。でもその件に関して、いちお妃候補の私がとやかく言う事ではない。
「私は…お妃候補を辞退したいです…」
小さな声で呟いたカルティア様。
「侯爵、カルティア嬢が辞退したいと言っているが、父親でもある君はどうしたいかい?」
「私は…娘が辞退したいと申すのであれば、辞退させていただきたいです。それにこれ以上、醜態をさらす訳にはいきません。もう一度侯爵家で再教育をと考えております」
「辞退の旨、承知した。すぐに手配を進めよう。今日の夜会はどうする?」
「夜会は、侯爵令嬢として参加させます。陛下、寛大な対応感謝いたします。それから、ヴィクトリア嬢も。娘の事を考えて下さり、ありがとうございます」
侯爵に頭を下げられた。とにかくこれで、侯爵家の評判が下がる事もないだろう。その上、うるさいのもいなくなって一石二鳥…いや、ドレスはビリビリだから私は夜会には出なくていいから、一石三鳥ね。
そう思っていたのだが…
「お嬢様、殿下から新しいドレスが届いておりますわ。最初のものよりも立派なエメラルドグリーンのドレスです」
「何ですって!どういうことなの?これじゃあ、夜会に出ないといけないじゃない。そうだわ、このドレス、さっさと抹消しましょう」
名案だと言わんばかりに、手をポンと叩いた。
「酷いなぁ、僕が一生懸命デザインしたドレスなのに…」
この声は…
必死に陛下に縋りつくカルティア様。彼女が縋りつくのも無理はない。なぜなら、お妃候補の資格をはく奪されると言う事は、非常に不名誉な事なのだ。家の評判が落ちるのはもちろん、はく奪された令嬢は難ありと判断され、まともなところに嫁ぐことが出来ない。一生独身の可能性だってあるのだ。
さすがにちょっとかわいそうな気がするわ。
その時だった。
「カルティア、お前、なんて事をしたのだ。陛下、ディーノ殿下、王妃殿下、本当に申し訳ございませんでした。どうか…どうかお妃候補者の資格はく奪だけはお許しください」
必死に頭を下げる侯爵。隣でカルティア様も泣きながら頭を下げている。
「侯爵、謝る相手が違うだろう?被害者のヴィクトリア嬢に謝るべきではないのか?」
陛下の言葉にハッとしたのか
「ヴィクトリア嬢、この度は本当に娘が申し訳なかった。娘もほんの出来心だったのだ。どうか許してやって欲しい」
私に頭を下げた侯爵。
「許せだって?ふざけているのかい?カルティア嬢はあろう事か、今日の夜会で着るドレスをメイドに盗ませ、ボロボロにしたのだよ。許せと言う方が無理だ。とにかく、僕はもう君の顔なんて見たくない。今すぐ王宮から立ち去ってくれ!」
「そんな…どうかご慈悲を…」
珍しく茹でダコの様に真っ赤な顔をした殿下が怒っている。その顔を見た瞬間、笑いが込みあげてきた。
「アハハハハ」
私の笑い声を聞いて、一斉に皆がこちらを見たのだ。
「殿下、今のあなた様のお顔、茹でダコみたいでしたわよ。その様なお顔はお止めになった方がよろしいですわ。それから、陛下。確かにカルティア様の行いは良くありません。でも、私もまんまと彼女が雇ったメイドを部屋にいれてしまったという、落ち度がございます。それに、カルティア嬢はまだ13歳。まだまだ子供です。1度の過ちに目くじらを立てて、お妃候補者の権利をはく奪するだなんて、さすがにあんまりですわ」
カルティア嬢は私達と同じ、13歳。はっきり言ってまだまだ子供なのだ。そんな彼女に、今後の人生を棒に振る様な厳しい対応は、さすがに可哀そうだ。
「ヴィクトリア、君は何を言っているのだい?彼女はずっと、君に酷い事をしていたではないか?」
「酷い事ですか?そんな事をされた記憶はありませんが?」
コテンと首を傾げた。
「それではヴィクトリア嬢は、カルティア嬢にお妃候補でいて欲しいと言う事かい?」
陛下が語り掛けている。
「それは私が決める事ではありませんわ。カルティア様が決める事だと思います」
正直カルティア様が居なくなった方が私も静かになって有難い。でもその件に関して、いちお妃候補の私がとやかく言う事ではない。
「私は…お妃候補を辞退したいです…」
小さな声で呟いたカルティア様。
「侯爵、カルティア嬢が辞退したいと言っているが、父親でもある君はどうしたいかい?」
「私は…娘が辞退したいと申すのであれば、辞退させていただきたいです。それにこれ以上、醜態をさらす訳にはいきません。もう一度侯爵家で再教育をと考えております」
「辞退の旨、承知した。すぐに手配を進めよう。今日の夜会はどうする?」
「夜会は、侯爵令嬢として参加させます。陛下、寛大な対応感謝いたします。それから、ヴィクトリア嬢も。娘の事を考えて下さり、ありがとうございます」
侯爵に頭を下げられた。とにかくこれで、侯爵家の評判が下がる事もないだろう。その上、うるさいのもいなくなって一石二鳥…いや、ドレスはビリビリだから私は夜会には出なくていいから、一石三鳥ね。
そう思っていたのだが…
「お嬢様、殿下から新しいドレスが届いておりますわ。最初のものよりも立派なエメラルドグリーンのドレスです」
「何ですって!どういうことなの?これじゃあ、夜会に出ないといけないじゃない。そうだわ、このドレス、さっさと抹消しましょう」
名案だと言わんばかりに、手をポンと叩いた。
「酷いなぁ、僕が一生懸命デザインしたドレスなのに…」
この声は…
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