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第15話:ひっそりとこの地で暮らそうと思っていたのに…~アントニオ視点~
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9年間も続いた戦争が終わり、私は英雄として国王はもちろん、沢山の貴族や平民からもてはやされた。でも私は、そんな人間ではない。平和になった今、私の願いはただ1つ。
リサ叔母上と従妹たちと、故郷でもあるファレッスの街で平和に暮らすことだ。その願いを叶えるため、私は新たにファレッスの街を治める公爵になった。正直公爵位という爵位は必要ないと思ったのだが、やはり街を治めるためには爵位が必要だったのだ。
さらに国王や貴族たちが、何が何でも私に爵位を与えようと必死だったため、仕方なく公爵位を賜った。
早速リサ叔母上と従妹たちを呼び戻し、公爵としての生活が始まった。私の執事や護衛たちは、かつて私の支えてくれた部下たちだ。
ただ…
「私はずっと平民として生きて来たから、急に貴族の様な生活をしろと言われても無理よ。アントニオ、私はあなたの家のメイドとして、働かせてもらうわ」
そう言ったのはリサ叔母上だ。何を言っているのだろう、この人は。必死に叔母上を説得したが
「私はあなたをメイドとして支えますわ。旦那様」
私の事を旦那様と呼び、メイドの衣装を着て甲斐甲斐しく私の世話をするリサ叔母上。さらに従妹からも
「母は働くのが好きなのよ。アントニオお兄様、母の我が儘を聞いてあげて下さい」
と言われた。さらに
「私はメイドよ。これから私の事は、リサと呼び捨てにして頂戴。他の使用人に気を遣わせるのは嫌だから、私とあなたの関係は内緒ね。いい?バレたら私は、この屋敷を出るから!」
そう言っていた。本当にリサ叔母上は頑固なのだから…
それでも嬉しそうに働くリサの姿を見ていたら、それはそれでいいか…そう思う様になった。
とにかく昔の様に、この街が平和になった事が嬉しくてたまらない。早速お爺様とおばあ様、さらに母上の墓を作った。これからはこの街で、ひっそりと暮らそう。もちろん、公爵として社交界に出るつもりもないし、王都に出向くつもりもない。とにかく私は、この街でひっそりと暮らしたいのだ。
結婚もする気もない、いずれ公爵位は従妹の子供にでも引き継がせよう。そう思っていた。それなのに…
あろう事か国王が、勝手に自分の娘を私に嫁がせてきたのだ。ふざけるな!私は嫁などいらないとあれほど伝えてあったのに!
確かこの国の王女は、カトレナという非常に我が儘な女だったな。一度戦争に勝利した時のお祝いのパーティに来ていたが、使用人たちを顎で使い、本当に感じの悪い女だった。あんな女が私の屋敷に来るだなんて!
すぐに追い返そうと思ったのだが…
私の前に会わられたのは、エメラルドグリーンの髪に青い瞳をした別の女性だった。誰だ?この女性は…そう思っていると。
「あの…お初にお目にかかります。第二王女のレアンヌ・ミル・ファリシアと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
そう言って穏やかな表情でカーテシーをきめた。第二王女だと?一体どういう事だ?私が混乱していると、自分は国王の愛人の子供で、もう帰る場所がないとの事。
きっとあの意地悪そうな王妃と王女に、虐められてきたのだろう。
よく見ると手も荒れているし、やせ細っている。
愛人の子か…
彼女の悲しそうな瞳を見ていたら、かつて伯爵家で虐められていた自分と母上が重なった。気が付くと、好きなだけ屋敷にいてもいいと言ってしまっていたのだ。ただ、自分には関わらないで欲しいとも伝えた。
その言葉通り、彼女は私に関わってこなかったし、私も彼女との関りをもたない様にしていた。
ただ…
専属メイドとして、レアンヌ殿の傍にいるリサは、すっかり彼女の事が気に入った様で、事あるごとに彼女の話を私にして来た。
「レアンヌ様は、7歳で母君を失い、たった1人で離宮で生きて来たそうですわ。ほとんど人間と触れ合う事がなかったそうで。まだ16歳だというのに、相当苦労された様で…」
そう言って涙を流していた。さらに
「レアンヌ様のお母様は、どうやら王妃様に毒殺されたそうです。レアンヌ様がこっそりと教えてくださいました。自分も何度か毒殺されかけたとの事で、“ここは命を狙われることはないので、安心して生活が出来ますわ。本当にありがとうございます”そう言って、嬉しそうに笑ったのですよ。王女として生まれたのに、常に命を狙われるだなんて…」
そう言って怒っていた。彼女は私とは比べ物にならないくらい、冷遇されてきた様だ。7歳で母親を毒殺されるだなんて…いったいどれほど辛かっただろうか…
考えただけで、胸が締め付けられた。それでも私は、彼女と関わるつもりはなかったのだ。
リサ叔母上と従妹たちと、故郷でもあるファレッスの街で平和に暮らすことだ。その願いを叶えるため、私は新たにファレッスの街を治める公爵になった。正直公爵位という爵位は必要ないと思ったのだが、やはり街を治めるためには爵位が必要だったのだ。
さらに国王や貴族たちが、何が何でも私に爵位を与えようと必死だったため、仕方なく公爵位を賜った。
早速リサ叔母上と従妹たちを呼び戻し、公爵としての生活が始まった。私の執事や護衛たちは、かつて私の支えてくれた部下たちだ。
ただ…
「私はずっと平民として生きて来たから、急に貴族の様な生活をしろと言われても無理よ。アントニオ、私はあなたの家のメイドとして、働かせてもらうわ」
そう言ったのはリサ叔母上だ。何を言っているのだろう、この人は。必死に叔母上を説得したが
「私はあなたをメイドとして支えますわ。旦那様」
私の事を旦那様と呼び、メイドの衣装を着て甲斐甲斐しく私の世話をするリサ叔母上。さらに従妹からも
「母は働くのが好きなのよ。アントニオお兄様、母の我が儘を聞いてあげて下さい」
と言われた。さらに
「私はメイドよ。これから私の事は、リサと呼び捨てにして頂戴。他の使用人に気を遣わせるのは嫌だから、私とあなたの関係は内緒ね。いい?バレたら私は、この屋敷を出るから!」
そう言っていた。本当にリサ叔母上は頑固なのだから…
それでも嬉しそうに働くリサの姿を見ていたら、それはそれでいいか…そう思う様になった。
とにかく昔の様に、この街が平和になった事が嬉しくてたまらない。早速お爺様とおばあ様、さらに母上の墓を作った。これからはこの街で、ひっそりと暮らそう。もちろん、公爵として社交界に出るつもりもないし、王都に出向くつもりもない。とにかく私は、この街でひっそりと暮らしたいのだ。
結婚もする気もない、いずれ公爵位は従妹の子供にでも引き継がせよう。そう思っていた。それなのに…
あろう事か国王が、勝手に自分の娘を私に嫁がせてきたのだ。ふざけるな!私は嫁などいらないとあれほど伝えてあったのに!
確かこの国の王女は、カトレナという非常に我が儘な女だったな。一度戦争に勝利した時のお祝いのパーティに来ていたが、使用人たちを顎で使い、本当に感じの悪い女だった。あんな女が私の屋敷に来るだなんて!
すぐに追い返そうと思ったのだが…
私の前に会わられたのは、エメラルドグリーンの髪に青い瞳をした別の女性だった。誰だ?この女性は…そう思っていると。
「あの…お初にお目にかかります。第二王女のレアンヌ・ミル・ファリシアと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
そう言って穏やかな表情でカーテシーをきめた。第二王女だと?一体どういう事だ?私が混乱していると、自分は国王の愛人の子供で、もう帰る場所がないとの事。
きっとあの意地悪そうな王妃と王女に、虐められてきたのだろう。
よく見ると手も荒れているし、やせ細っている。
愛人の子か…
彼女の悲しそうな瞳を見ていたら、かつて伯爵家で虐められていた自分と母上が重なった。気が付くと、好きなだけ屋敷にいてもいいと言ってしまっていたのだ。ただ、自分には関わらないで欲しいとも伝えた。
その言葉通り、彼女は私に関わってこなかったし、私も彼女との関りをもたない様にしていた。
ただ…
専属メイドとして、レアンヌ殿の傍にいるリサは、すっかり彼女の事が気に入った様で、事あるごとに彼女の話を私にして来た。
「レアンヌ様は、7歳で母君を失い、たった1人で離宮で生きて来たそうですわ。ほとんど人間と触れ合う事がなかったそうで。まだ16歳だというのに、相当苦労された様で…」
そう言って涙を流していた。さらに
「レアンヌ様のお母様は、どうやら王妃様に毒殺されたそうです。レアンヌ様がこっそりと教えてくださいました。自分も何度か毒殺されかけたとの事で、“ここは命を狙われることはないので、安心して生活が出来ますわ。本当にありがとうございます”そう言って、嬉しそうに笑ったのですよ。王女として生まれたのに、常に命を狙われるだなんて…」
そう言って怒っていた。彼女は私とは比べ物にならないくらい、冷遇されてきた様だ。7歳で母親を毒殺されるだなんて…いったいどれほど辛かっただろうか…
考えただけで、胸が締め付けられた。それでも私は、彼女と関わるつもりはなかったのだ。
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