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第22話:避難開始です
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一度自室に戻るが、やはり落ち着かない。いつの間にか日も沈み、雨も降りだしてきた。結局この日旦那様と会う事は出来なかった。
翌日
「レアンヌ、昨日国王と騎士団本部、それから各貴族たちと緊急会合を開いた。鳥たちが録画してきてくれた映像が決定打となり、皆信じてくれて、今騎士たちがこの地へ向かっている。早馬で向かっているとの事なので、明後日の朝には着きそうだ。この地は再び決戦の場になる。レアンヌ、君は今すぐ王都へ避難するんだ!」
「旦那様や使用人たちは、どうなさるおつもりですか?リサは…」
「私はこの地に残って、民たちの避難を手伝いますわ。レアンヌ様は、どうか王都に…」
「それなら私も、民たちの避難のお手伝いをいたしますわ。世間一般では私は旦那様の妻、公爵夫人です。その私が、我先に逃げ出す訳にはいきません。それに私は、王都になど行きたくありませんわ。あそこには、辛い思いでしかありませんから!」
「ダメだ!この地は危険だ。とにかく今すぐ…」
「旦那様がなんと言おうと、私はこの地を離れません。リサ、早速民たちに避難を促しましょう。どうすればいいの?」
「ありがとうございます。既に民たちには隣国が攻めてくるため、避難する様に連絡しております。ですので、ありったけの馬車を提供し、街の人間を乗せる手助けを一緒に行ってくださいますか?」
「ええ、もちろんよ。早速行きましょう」
「レアンヌ…待て、君は…」
「旦那様、レアンヌ様がこの地に残ると自分の意思で決められたのです。レアンヌ様の意思を尊重して差し上げましょう」
「…分かったよ。でも、無理はしないでくれ。それから、もし我が国が劣勢に陥ったら、その時はどうか逃げてくれ…」
「分かりましたわ。旦那様もどうかご無理なさらずに」
旦那様は戦いに向けての準備、私は民たちの避難を促す。しばらくは別行動だ。もしかしたら、今生の別れになるかもしれない…そう思ったら、胸が締め付けられる気分だ。
「レアンヌ、これ、通信機だ。何かあったらすぐに連絡をくれ」
旦那様が通信機を渡してくれた。そして…
「どうか無理はしないでくれ。必ずまた会おう」
そう言って抱きしめてくれた旦那様。
「ええ、もちろんですわ。旦那様も、どうかお命を大切にしてください」
ギュッと旦那様に抱き着く。大きくてがっちりとした体。それでいて、もとても温かい。
「団長、そろそろ参りましょう」
「ああ、分かっている。団長か…私はもう騎士団を引退した身だ。団長ではないぞ」
「それでもあなた様は、私たちの騎士団長です。再び戦が始まるのですから、あの時と同じようにそう呼ばせてください。それでは奥様、団長はお借りします」
そう言って騎士たちが旦那様を連れて行った。そういえば旦那様は、かつて騎士団のトップ、騎士団長をしていたと聞いたことがある。
「レアンヌ様、私たちも参りましょう」
「ええ、そうね。出来るだけたくさんの人たちを、避難させましょう」
早速街に降りると、既に街は大混乱。荷物を持った人たちが、不安そうな顔で馬車を待っていた。
「皆様、どうか焦らないで下さい。戦争はまだ始まりませんわ。どうかゆっくりと馬車に乗り込んでください。慌てなくても、次の馬車は来ますから。どうか押さずにゆっくりの乗ってください」
必死に民たちに声を掛ける。
「大丈夫ですか?ゆっくり馬車に乗り込んでくださいね」
「ありがとうございます。あなた様は、高貴な身分の方の様な気がしますが…」
「あの、私は…」
何て答えたらいいのかしら?
「彼女はスティーファン公爵夫人の、レアンヌ様ですわ。皆様のお手伝いをしたいと、自ら避難の手助けを買って出て下さったのです。ですので皆さんも、どうか落ち着いて避難してください」
近くにいたリサが、大きな声で皆に説明している。
「スティーファン公爵夫人自ら避難の手助けをして下さるだなんて…有難い事だ。皆、夫人がこうやってわざわざ出向いてくれているのだ。焦らずに、ゆっくり避難しよう」
「公爵夫人様、私共の為に、ありがとうございます」
そう言って皆が馬車に乗り込んでいく。こんな風に感謝されると、やはり嬉しいし、なんだか恥ずかしいわ。
その日は乗せられるだけ馬車に乗せた。その次の日も、また次の日も皆を馬車に乗せる。ただ、避難する人が多すぎて、全ての人を馬車に乗せる事が出来ないかもしれない。
「少し窮屈になりますが、出来る限り沢山の人を乗せましょう」
リサの指示で、極力沢山の人を馬車に乗せた。今夜ついに戦いが始まる。早く皆を避難させないと!
翌日
「レアンヌ、昨日国王と騎士団本部、それから各貴族たちと緊急会合を開いた。鳥たちが録画してきてくれた映像が決定打となり、皆信じてくれて、今騎士たちがこの地へ向かっている。早馬で向かっているとの事なので、明後日の朝には着きそうだ。この地は再び決戦の場になる。レアンヌ、君は今すぐ王都へ避難するんだ!」
「旦那様や使用人たちは、どうなさるおつもりですか?リサは…」
「私はこの地に残って、民たちの避難を手伝いますわ。レアンヌ様は、どうか王都に…」
「それなら私も、民たちの避難のお手伝いをいたしますわ。世間一般では私は旦那様の妻、公爵夫人です。その私が、我先に逃げ出す訳にはいきません。それに私は、王都になど行きたくありませんわ。あそこには、辛い思いでしかありませんから!」
「ダメだ!この地は危険だ。とにかく今すぐ…」
「旦那様がなんと言おうと、私はこの地を離れません。リサ、早速民たちに避難を促しましょう。どうすればいいの?」
「ありがとうございます。既に民たちには隣国が攻めてくるため、避難する様に連絡しております。ですので、ありったけの馬車を提供し、街の人間を乗せる手助けを一緒に行ってくださいますか?」
「ええ、もちろんよ。早速行きましょう」
「レアンヌ…待て、君は…」
「旦那様、レアンヌ様がこの地に残ると自分の意思で決められたのです。レアンヌ様の意思を尊重して差し上げましょう」
「…分かったよ。でも、無理はしないでくれ。それから、もし我が国が劣勢に陥ったら、その時はどうか逃げてくれ…」
「分かりましたわ。旦那様もどうかご無理なさらずに」
旦那様は戦いに向けての準備、私は民たちの避難を促す。しばらくは別行動だ。もしかしたら、今生の別れになるかもしれない…そう思ったら、胸が締め付けられる気分だ。
「レアンヌ、これ、通信機だ。何かあったらすぐに連絡をくれ」
旦那様が通信機を渡してくれた。そして…
「どうか無理はしないでくれ。必ずまた会おう」
そう言って抱きしめてくれた旦那様。
「ええ、もちろんですわ。旦那様も、どうかお命を大切にしてください」
ギュッと旦那様に抱き着く。大きくてがっちりとした体。それでいて、もとても温かい。
「団長、そろそろ参りましょう」
「ああ、分かっている。団長か…私はもう騎士団を引退した身だ。団長ではないぞ」
「それでもあなた様は、私たちの騎士団長です。再び戦が始まるのですから、あの時と同じようにそう呼ばせてください。それでは奥様、団長はお借りします」
そう言って騎士たちが旦那様を連れて行った。そういえば旦那様は、かつて騎士団のトップ、騎士団長をしていたと聞いたことがある。
「レアンヌ様、私たちも参りましょう」
「ええ、そうね。出来るだけたくさんの人たちを、避難させましょう」
早速街に降りると、既に街は大混乱。荷物を持った人たちが、不安そうな顔で馬車を待っていた。
「皆様、どうか焦らないで下さい。戦争はまだ始まりませんわ。どうかゆっくりと馬車に乗り込んでください。慌てなくても、次の馬車は来ますから。どうか押さずにゆっくりの乗ってください」
必死に民たちに声を掛ける。
「大丈夫ですか?ゆっくり馬車に乗り込んでくださいね」
「ありがとうございます。あなた様は、高貴な身分の方の様な気がしますが…」
「あの、私は…」
何て答えたらいいのかしら?
「彼女はスティーファン公爵夫人の、レアンヌ様ですわ。皆様のお手伝いをしたいと、自ら避難の手助けを買って出て下さったのです。ですので皆さんも、どうか落ち着いて避難してください」
近くにいたリサが、大きな声で皆に説明している。
「スティーファン公爵夫人自ら避難の手助けをして下さるだなんて…有難い事だ。皆、夫人がこうやってわざわざ出向いてくれているのだ。焦らずに、ゆっくり避難しよう」
「公爵夫人様、私共の為に、ありがとうございます」
そう言って皆が馬車に乗り込んでいく。こんな風に感謝されると、やはり嬉しいし、なんだか恥ずかしいわ。
その日は乗せられるだけ馬車に乗せた。その次の日も、また次の日も皆を馬車に乗せる。ただ、避難する人が多すぎて、全ての人を馬車に乗せる事が出来ないかもしれない。
「少し窮屈になりますが、出来る限り沢山の人を乗せましょう」
リサの指示で、極力沢山の人を馬車に乗せた。今夜ついに戦いが始まる。早く皆を避難させないと!
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