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第25話:皆が帰ってきました
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屋敷に避難していた街の人たちを見送った後、1人自室に戻ってきた。リサも旦那様もいない。なんだか不思議ね…
“レアンヌ、うるさいのもいないし、今から森に行こうよ。前に話した、綺麗な滝がある場所に今から案内するよ”
嬉しそうに話しかけてきてくれたのは、以前マックと喧嘩をしていたリスだ。
「う~ん、行きたいのは山々なんだけれど、旦那様から森には近づいてはいけないと言われていて…」
“だから今行くんだよ。うるさいのが帰ってきたら、また森に行けなくなっちゃうよ”
さあ、行こうよ。と言わんばかりに、私の肩に乗って来たリス。どうしよう…そう思っていた時だった。
「レアンヌ様!!」
私の部屋に入って来たのは、何とリサだ。
「リサ、あなた、もう戻って来られたの?」
「実はあの後、どうしてもレアンヌ様が心配で、戻って来ていたのです。それにしても、いくら私のためとはいえ、1人でこの地に残るだなんて…」
そう言って泣きながら私を抱きしめるリサ。
「ごめんなさい。あなたの娘さんとお孫さんを見たら、どうしても彼女たちと一緒に逃げて欲しかったの…」
「レアンヌ様は本当にお優しい方ですわね。でも、私はもうあなた様の事も家族だと思っております。ですから、どうか今後は、私たちから離れる様なことはしないで下さいませ」
「私もリサの家族?」
「そうでございます。私も旦那様も、皆家族ですわ。あなた様は私の甥の妻なのですから」
そう言ってリサがほほ笑んだ。
家族…
私の家族と言えば、お母様だけだった。父親でもある陛下や、異母姉のカトレア王女は、血は繋がっていたが家族と呼べる関係ではなかった。
ここに来て、新しい家族が出来ただなんて。
「ありがとう、リサ。私、あなたと家族になれて嬉しいわ」
「それでしたら、もう二度と、勝手な事はなさらないで下さい。本当に心配したのですからね」
再び私を抱きしめてくれるリサ。私も彼女を抱きしめ返した。
その後、避難していた使用人たちも続々も戻って来て、いつもの生活を取り戻した。
ただ、旦那様はまだ戻って来ていない。どうやら後片付けが長引いている様だ。その間、動物たちから何度も“森に行こう”と誘われたが、旦那様の許可を取るまで待って欲しいと伝えた。
そして1週間後、やっと旦那様が帰って来たのだ。
「旦那様、おかえりなさいませ」
玄関の外で、旦那様をお出迎えだ。
「ただいま、レアンヌ。君と動物たちのお陰で、我が軍の被害を最小限に抑える事が出来たよ。本当に君には感謝しかない。ありがとう」
「私はただ、動物たちの声をそのまま伝えただけですわ。マックもお疲れ様」
そっとマックに近づき、頭を撫でる。
“久しぶりに暴れまわって、楽しかったぜ。それよりもレアンヌ、俺たちがいない間に、あのチビ助たちに森に連行されたりしていないだろうな?”
「ええ、行っていないわよ。私はちゃんと言いつけは守る子だもの」
“それならいい。あいつら、今もこっちを見ているからな。本当に油断は出来ない”
ふとマックの視線の先を見ると、動物たちの姿があった。どうやら旦那様とマックが帰ってくるとあって、様子を見に来たようだ。最近よく屋敷にも遊びに来てくれる動物たち。
「皆、今日も来てくれたのね。よかったら中に入って。旦那様もお疲れでしょう。どうぞ中へ。私がマックを馬小屋まで連れて行きますわ。マック、行きましょう」
「待って。私も行こう」
私と旦那様、マック、それに動物たちも一緒に、馬小屋を目指す。
「レアンヌ、いつの間にか森の動物たちが屋敷に来ている様だが…」
「ええ、隣国が攻めて来た日に、私の事を心配してわざわざ森から来てくれたのです。それから毎日の様に、屋敷に遊びに来てくれているのですわ」
「そうか、それで森には…」
「行っていませんわ。旦那様から許可を頂いてからの方がいいと思いまして」
「そうか、それなら良かった。そうそう、今回の件で、君は公爵夫人として民たちの避難を助け、逃げ遅れた民をこの屋敷に避難させたと聞いた。色々と動いてくれてありがとう。今巷では、君の噂でもちきりだよ。危険を顧みず、民を守った公爵夫人とな」
そう言って旦那様が声を上げて笑っている。
「そんな風に噂されているのですか?恥ずかしいですわ。私は旦那様の妻として、当たり前の事をしたまでですのに…」
「その当たり前のことが出来ない貴族も多いからな。ただレアンヌ、今回はたまたまうまく行ったが、街に敵軍が攻めて来たことも十分考えられた。どうか次からは、自分の身の安全を第一に考えて行動して欲しい。君にもしもの事があったら、私は…」
「分かりましたわ。でも、隣国の将軍は旦那様が倒したのでしょう?それなら、もう攻めてこないのではありませんか?」
「そうだな、隣国も我が国の支配下に置く事になったし、もう攻めてくることはないだろう」
“アントニオの言う通りだ。敵国は徹底的に潰したから、安心しろ!”
マックも得意そうにそう言っていた。どうやらもう戦争は起こらない様だ。よかったわ。
“レアンヌ、うるさいのもいないし、今から森に行こうよ。前に話した、綺麗な滝がある場所に今から案内するよ”
嬉しそうに話しかけてきてくれたのは、以前マックと喧嘩をしていたリスだ。
「う~ん、行きたいのは山々なんだけれど、旦那様から森には近づいてはいけないと言われていて…」
“だから今行くんだよ。うるさいのが帰ってきたら、また森に行けなくなっちゃうよ”
さあ、行こうよ。と言わんばかりに、私の肩に乗って来たリス。どうしよう…そう思っていた時だった。
「レアンヌ様!!」
私の部屋に入って来たのは、何とリサだ。
「リサ、あなた、もう戻って来られたの?」
「実はあの後、どうしてもレアンヌ様が心配で、戻って来ていたのです。それにしても、いくら私のためとはいえ、1人でこの地に残るだなんて…」
そう言って泣きながら私を抱きしめるリサ。
「ごめんなさい。あなたの娘さんとお孫さんを見たら、どうしても彼女たちと一緒に逃げて欲しかったの…」
「レアンヌ様は本当にお優しい方ですわね。でも、私はもうあなた様の事も家族だと思っております。ですから、どうか今後は、私たちから離れる様なことはしないで下さいませ」
「私もリサの家族?」
「そうでございます。私も旦那様も、皆家族ですわ。あなた様は私の甥の妻なのですから」
そう言ってリサがほほ笑んだ。
家族…
私の家族と言えば、お母様だけだった。父親でもある陛下や、異母姉のカトレア王女は、血は繋がっていたが家族と呼べる関係ではなかった。
ここに来て、新しい家族が出来ただなんて。
「ありがとう、リサ。私、あなたと家族になれて嬉しいわ」
「それでしたら、もう二度と、勝手な事はなさらないで下さい。本当に心配したのですからね」
再び私を抱きしめてくれるリサ。私も彼女を抱きしめ返した。
その後、避難していた使用人たちも続々も戻って来て、いつもの生活を取り戻した。
ただ、旦那様はまだ戻って来ていない。どうやら後片付けが長引いている様だ。その間、動物たちから何度も“森に行こう”と誘われたが、旦那様の許可を取るまで待って欲しいと伝えた。
そして1週間後、やっと旦那様が帰って来たのだ。
「旦那様、おかえりなさいませ」
玄関の外で、旦那様をお出迎えだ。
「ただいま、レアンヌ。君と動物たちのお陰で、我が軍の被害を最小限に抑える事が出来たよ。本当に君には感謝しかない。ありがとう」
「私はただ、動物たちの声をそのまま伝えただけですわ。マックもお疲れ様」
そっとマックに近づき、頭を撫でる。
“久しぶりに暴れまわって、楽しかったぜ。それよりもレアンヌ、俺たちがいない間に、あのチビ助たちに森に連行されたりしていないだろうな?”
「ええ、行っていないわよ。私はちゃんと言いつけは守る子だもの」
“それならいい。あいつら、今もこっちを見ているからな。本当に油断は出来ない”
ふとマックの視線の先を見ると、動物たちの姿があった。どうやら旦那様とマックが帰ってくるとあって、様子を見に来たようだ。最近よく屋敷にも遊びに来てくれる動物たち。
「皆、今日も来てくれたのね。よかったら中に入って。旦那様もお疲れでしょう。どうぞ中へ。私がマックを馬小屋まで連れて行きますわ。マック、行きましょう」
「待って。私も行こう」
私と旦那様、マック、それに動物たちも一緒に、馬小屋を目指す。
「レアンヌ、いつの間にか森の動物たちが屋敷に来ている様だが…」
「ええ、隣国が攻めて来た日に、私の事を心配してわざわざ森から来てくれたのです。それから毎日の様に、屋敷に遊びに来てくれているのですわ」
「そうか、それで森には…」
「行っていませんわ。旦那様から許可を頂いてからの方がいいと思いまして」
「そうか、それなら良かった。そうそう、今回の件で、君は公爵夫人として民たちの避難を助け、逃げ遅れた民をこの屋敷に避難させたと聞いた。色々と動いてくれてありがとう。今巷では、君の噂でもちきりだよ。危険を顧みず、民を守った公爵夫人とな」
そう言って旦那様が声を上げて笑っている。
「そんな風に噂されているのですか?恥ずかしいですわ。私は旦那様の妻として、当たり前の事をしたまでですのに…」
「その当たり前のことが出来ない貴族も多いからな。ただレアンヌ、今回はたまたまうまく行ったが、街に敵軍が攻めて来たことも十分考えられた。どうか次からは、自分の身の安全を第一に考えて行動して欲しい。君にもしもの事があったら、私は…」
「分かりましたわ。でも、隣国の将軍は旦那様が倒したのでしょう?それなら、もう攻めてこないのではありませんか?」
「そうだな、隣国も我が国の支配下に置く事になったし、もう攻めてくることはないだろう」
“アントニオの言う通りだ。敵国は徹底的に潰したから、安心しろ!”
マックも得意そうにそう言っていた。どうやらもう戦争は起こらない様だ。よかったわ。
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