邪魔者王女はこの国の英雄と幸せになります

Karamimi

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第38話:面会後の王族の会話~カトレナ視点~

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「お父様、一体どういうことですの?アントニオ様があれほどまでにお美しい男性だなんて、聞いておりませんわ」

スティーファン公爵こと、アントニオ様は非常にお強い反面、常に鉄の仮面を被っていた。長きにわたる戦争が終わった時、一度お見かけしたが、非常に不愛想で感じの悪い男だと思っていた。

あんな感じの悪い男の元に何て、嫁ぎたくない。そう思い、レアンヌに押し付けたのに。まさかあれほどまでに、お美しい男性だっただなんて!

「今回の戦が終わった後の報告会議で、初めて私も素顔を見たのだよ。確かに美しい顔をしていたな。他の貴族たちも、相当驚いていた。画面越しでも美しかったが、実物はもっと美しかったな」

そう言って笑っていた。

「アントニオ様は、今後隣国の国王に就任されるのでしょう?そんなお方の妻が、いくらあなたの血が入っているとはいえ、男爵令嬢の娘だなんて。やはり良くないのではなくって?」

「お母様の言う通りですわ。そもそも離宮からほとんど出た事のない世間知らずのレアンヌが、王妃何て務まるとは思いません。ねえ、お父様、私がレアンヌの代わりに、アントニオ様に嫁ぎたいのですが」

「それがいいわ。あの女の子供が、隣国の王妃になるだなんて!それにカトレナの方があの女の子供よりも、美しくて聡明ですもの。すぐにアントニオ様に話しをして。そして、明日の就任式に正式に発表いたしましょう」

お母様も話に乗ってきてくれた。そうよ、あんなにも美しくて素敵で、国王にまでなる事が決まっている方の妻は、やはり私じゃないと!そう思っていたのだが…

「それは無理だ。スティーファン公爵はすっかりレアンヌの事を気に入っている様で、国王になる事を引き受けたのもレアンヌの為だと言っていた。もしその様な事を提案すれば、スティーファン公爵は激怒し、国王就任を辞退するかもしれない」

「あなたは国王でしょう。そんな弱気でどうするの?あなたはこの国で一番偉いのだから、平民上がりの英雄に気を使う必要は無いのよ!」

「そうよ、お父様。私は絶対に、アントニオ様の元に嫁ぎたいわ!」

「そうは言っても、スティーファン公爵の人望は驚くほどあつい。それに恐ろしいほど強いのだぞ。彼を敵に回すという事は、私たち王族の存続の危機にもなりかねないのだ」

お父様が必死に訴えてくる。いつも私たちの言いなりのくせに、こんな時ばかり強気で出るだなんて。

「とにかく、この話しは終わりだ」

「ちょっと、待ちなさいよ!話はまだ終わっていないのよ!!」

お母様が怒って叫んでいるが、お父様は無視して出て行ってしまった。

「お母様、私はやっぱりアントニオ様の元に嫁ぎたいですわ。それにレアンヌなんかに、アントニオ様は勿体なさすぎます」

「そうよね。あなたこそが王妃にふさわしいのに、あの人は何を考えているのかしら?大丈夫よ、お母様に任せなさい。そもそもレアンヌなんかよりも、カトレナの方がずっと魅力的なのですもの。もしかしたらあなたが嫁いでくると思っていたのに、あんな貧相な女が来た事を、怒っていらっしゃるのかもしれないわね」

「きっとそうですわ。だからあんなレアンヌなんかを大切にしてますアピールをしていらっしゃるのよ。本当は私と結婚したかったに違いありませんわ」

そうよ、そうに決まっているわ。レアンヌなんかより、私の方がずっと魅力的なのだから。

それにしてもレアンヌの奴、アントニオ様に寄り添って、本当に感じが悪い事この上ないわ。そうだわ、いい事を思いついた。アントニオ様が心置きなく私を妻にできるように、お手伝いをしないと。

私ってやっぱり、天才だわ!


~あとがき~
カトレナは王妃に甘やかされて育ったため、非常に我が儘で、なおかつ短絡的でおバカな性格です。ちなみに、カトレナはレアンヌの1歳年上の、17歳。彼女には7歳年下の弟がいます。

同じく王妃の溺愛を受けてはおりますが、王太子という事で比較的家庭教師たちから厳しく育てられている為、聡明で物事を冷静に判断できるタイプの人間で、頭が悪く癇癪持ちの母や姉を嫌っています。
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