邪魔者王女はこの国の英雄と幸せになります

Karamimi

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第39話:やはり王宮は恐ろしいです

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離宮から戻ると、すぐに夕食の時間になった。

「レアンヌ、君は何度も命を狙われたと言っていたね。君の母親も毒殺されたと聞いた。さすがにないとは思うが、万が一の事も考えられる。今すぐこの料理に毒が入っていないか、調べてくれ」

近くにいた使用人に指示を出し、すぐに検査をしている。何やら特殊な紙を料理に付けている。まさかあの様な紙を事前に準備していただなんて。

すると…

「旦那様、見て下さい!」

紙が紫色に変化したのだ。

「これは、何の毒だ?」

「はい、ベノムの葉で作られた毒です。即効性が高く、少量で死に至らしめる恐ろしい毒でございます」

なんと!まさか私の料理に毒を仕込んでいただなんて!さすがにこの場であり得ないわ。そこまでして、私を亡き者にしたいの?

「ふざけているのか!今すぐ国王に会ってくる!それから、すぐにホテルの手配を進めてくれ。こんなところにいたら、命がいくらあっても足りない。リサ、レアンヌを頼む」

「かしこまりました。さあ、レアンヌ様、すぐに城を出ましょう」

リサに促され、王宮を後にする。そして急いで手配したホテルに避難した。まさかお料理に毒が仕込まれているだなんて。

「レアンヌ様、大丈夫ですか?顔色が悪いですわ。まさかお料理に毒を仕込むだなんて、一体何を考えているのでしょうか。おそらく王妃殿下かカトレナ王女が仕込んだのだと思われますが…」

そう言って私に紅茶を出してくれた。

「ありがとう、多分そうだと思うわ。あの人たちは、私の事を相当嫌っていたから」

「大丈夫ですわ。きっと旦那様が、しっかりと抗議をしてきてくださいますわ。そもそも、公爵夫人の食事に毒を入れるだなんて、徹底的に調査も行われるでしょうし…」

そんな調査、行われるかしら?あの人たちは、自分に不利になる様な事は絶対にしない。料理人が勝手に入れたとでも言って、曖昧にするだろう。

その時だった。

「レアンヌ、ただいま。今回の件、国王にしっかり抗議をして来たよ。ちょうどこの国の貴族たちも集まっていて、状況を話してきた。他にもスープなどにも毒が入っていた様で、すぐに調査をすると言っていたが…あまり期待は出来ないかもしれない。とにかく、明日就任式とお披露目パーティーが終わったら、すぐに帰ろう。こんな恐ろしいところに、レアンヌを置いておけないからね」

「それにしても、まさかあの様な場所で毒を盛るだなんて。一体何を考えていらっしゃるのかしら?本当に恐ろしいわ。旦那様、このままでよろしいのですか?あんな狭い家にずっと閉じ込め、命の危機にさらされていた事、さらに今回の毒物事件、私はどうしてもあの方たちが許せません」

いつも穏やかなリサが、珍しく声を荒げて怒っている。

「ありがとう、リサ。きっと旦那様と幸せそうにしていた私を見て、気に入らなかったのでしょう。私とお母様の事を、目の敵にしておりましたので…とにかく、あの人たちには関わらない方がいいですわ。ですから、そっとしておきましょう。明日には王都を去る事ですし。」

王妃様とカトレナ王女は、私の事がとにかく嫌いなのだ。だからこそ、幸せそうにしている私が許せないのだろう。私だけでなく、リサや旦那様に危害を加えられたら大変だもの。そっとしておくのが一番だわ。

「リサの言い分も分かるが、レアンヌの言う通り、あいつらを刺激しない方がいいだろう。とにかく、明日は極力レアンヌの傍を私も離れない様にする。リサも十分警戒をしてくれ」

「旦那様!!」

「私だって、レアンヌがこのような扱いをされていて悔しい。でも今は、耐えてくれ!」

旦那様の言葉に、リサが悔しそうに唇を噛んでいる。こうやって私の為に怒ってくれる人がいる事が嬉しい。

「ありがとうリサ、私の為にそこまで怒ってくれて。私、リサのその気持ちだけで十分嬉しいわ」

「レアンヌ様…あなたって人は!とにかく、王都を出るまで、最大限警戒して参りましょう。ここは敵陣だと考え、私も戦闘態勢で挑ませていただきますわ」

なぜか気合を入れるリサ。

「さあ、そろそろ寝よう。明日も早いし、昼過ぎにはパーティーが終わるから、その足で王都を出る事にしよう」

どうやら就任式後のパーティーは夕方には終わる様だ。あと1日、旦那様もリサもいてくれる。きっと大丈夫だろう。

「レアンヌ、こっちにおいで。もしかしたら、刺客が現れるかもしれないからね。近くに短刀を置いておくことを許して欲しい」

旦那様の枕元には、立派な短刀が置かれている。なんだか物々しい雰囲気ね。それでも万が一に備えて、私を守るための措置なのだろう。

いつもの様に旦那様の腕の中に潜り込む。旦那様のがっちりとした大きな胸、ギュッと包み込む様に抱きしめてくれる大きな腕。旦那様の匂い…全てが私にとって、安らぎを与えてくれる。

さっきまでは恐怖を感じていたが、旦那様の温もりを感じたら一気に落ち着き、あっと言う間に眠りについたのだった。
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