邪魔者王女はこの国の英雄と幸せになります

Karamimi

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第40話:就任式当日を迎えました

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翌日、ホテルで朝食を頂いた後、王宮へと再度向かった。念のため、ホテルの食事にも毒が含まれていないかチェックしてくれたが、特に何も含まれておらず、美味しく頂く事が出来た。

王宮に着くと、すぐに陛下がやって来た。

「スティーファン公爵…いいや、アレクスリア王国の国王陛下、この度は王宮の食事に毒が含まれていたとの事で、本当に申し訳なかった。今早急に調査している」

アレクスリア王国?そう言えば新しい国の名前は、その様な名前になりそうだと言っていたが、ついに決まったのね。

「私ではなく、レアンヌに謝ってくださいますか?実際レアンヌの料理に毒が入れられていたので。それにしても、王宮で提供された料理に毒が入っているだなんて…さすがに問題ではありませんか?」

「そうですな…本当に申し訳ない。レアンヌも、すまなかったな…」

ポツリと謝った陛下。この人が私に謝るだなんて…

「それでは私たちは会場に向かいますので。行こう、レアンヌ」

旦那様と一緒に、今日式典が行われる広間へとやって来た。既にたくさんの貴族たちが集まっていた。

「アントニオ殿、昨日は大変でしたな。もしかして、あなた様がレアンヌ王女…失礼いたしました。レアンヌ妃でいらっしゃいますね。亡くなった母君によく似ていらっしゃる」

「あなた様は、私の母を知っているのですか?」

「ええ、知っていますよ。本当に美しくて聡明な方でした。ここだけの話、陛下に見初められさえしなければ、彼女はもっと幸せになれたでしょうに…そもそも身分が違いすぎると陛下に断りを入れていたあなた様の母親を、無理やり手に入れたのは陛下なのに…」

ポツリと呟いた男性。確かに陛下くらいの年齢の様に見える。

「私もアントニオ国王陛下について、アレクスリア王国に参る所存でございます。もちろん、息子夫婦も一緒に。実は私の妻は、あなた様の母君、レティシア様と友人関係でして。あなた様に会える日を、楽しみにしているのですよ」

そう教えてくれた。

「彼は、シャレック伯爵だ。彼の息子は、私と共に戦ってくれた戦友だ。私が彼の息子に、一緒に私の国に来て欲しいと頼んだんだよ。私の国では、侯爵位を与える予定でいるため、シャレック侯爵と呼んだ方がいいな。まさか、レアンヌの母親と知り合いだったとはな」

「そうだったのですね。シャレック侯爵様、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします」

「侯爵様だなんて、なんだか照れますな」

そう言って笑っていた。その後は、シャレック侯爵の息子でもある、グラシュ様とも挨拶をした。

他にも何名かの貴族が、私たちと一緒にアレクスリア王国に来てくれるとの事。皆、旦那様と共に戦った戦士たちらしい。中には平民だった人物にも、爵位が与えられるとの事。

「我が国に一緒に付いて来てくれる人間たちは、私が絶大な信頼を置いている者たちばかりだ。共に命を懸けて戦い、苦楽を共にした仲間たちが、今後は私と一緒に、国を作り上げてくれようとしている。私は確かに王となるが、全ては彼らの支えがあったからだ」

そう教えてくれた。どうやら旦那様は、沢山の人に支えられて、ここまで来た様だ。

そしていよいよ、就任式が行われた。私も側で、旦那様を見守る。立派な王冠を陛下から賜った旦那様。

「アントニオ・オブ・アレクスリア国王の誕生です。どうか皆様、大きな拍手を」

一斉に貴族たちが拍手をしてくれる。ちなみに、アレクスリア王国でも、改めて国王就任式は行われるらしい。

就任式は無事終わった。次はお披露目パーティーだ。私は今までパーティーというものに出た事がないため、どんなものか全くわからない。

それでもシルバーの立派なドレスに身を包み、大きな宝石が付いたイヤリングとネックレスを付けてもらった。さらに美しいティアラまで頭に乗せられた。

旦那様も立派な衣装にマントまで付けている。どこからどう見ても、国王陛下ね。

「レアンヌ、そのドレス、とても似合っているよ。今日の主役は私達だ。特に君は、今まで公の場にほとんど出たことはないだろう。だから今日、私の妻として正式に皆に報告しようと思っているのだよ」

「旦那様の妻としてですか。私の様な人間で、皆納得してくださるかしら?」

「君はこの国の国王の正当な血を受け継いだ王女なのだよ。何を言っているのだい?それに皆、君に会うのを楽しみにしている。パーティーには夫人たちも来るから、きっと君とも仲良くしてくれるだろう」

そう言って旦那様はほほ笑んでいるが、正直私の様にずっと人と関わってこなかった人間が、急に貴族の夫人たちと仲良く出来るのかしら?

「そろそろ行こうか」

「はい」

不安はあるが、旦那様の手を握り歩き出す。旦那様が隣にいてくれるだけで、なんだか少しだけ不安が和らぐ。そしていよいよ、旦那様と一緒に会場へ入場した。その瞬間、沢山の貴族が私たちの方を向く。

一気に心臓がドキドキするが、そんな私に気が付いた旦那様が、優しく微笑んでくれた。大丈夫だよ。そう言っているような気がする。

そうだわ、私はこれから、旦那様と歩んでいくと決めたのだ。こんなところで、緊張している場合ではない。背筋をスッと伸ばし、2人でゆっくりと歩き出したのだった。
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