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第64話:やっぱりおかしいです
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「キャリーヌ、君のお陰で随分と体調がよくなったよ。ありがとう」
サミュエル様が体調を崩された翌日、熱も下がり随分と顔色も良くなった。
「随分と顔色もよろしいですね。熱も下がったようですし。でも、まだ病み上がりなのです。今日はどうか、ゆっくり休んでください。サミュエル様が完全によくなるまで、私がお世話をいたしますわ」
「もう僕は十分元気なのだけれどな…でも、こうやってキャリーヌがお世話をしてくれる事なんて、そうそうないだろうから、今日は甘えようかな」
「それでは、朝食にしましょう。私が食べさせて差し上げますね。はい、あ~んして下さい」
早速食事をサミュエル様の口に運ぶ。こうやってサミュエル様に食事を食べさせて差し上げられるだなんて、本当に幸せね。このまま元気になってくれると嬉しいな。
「僕ばかり食べていては申し訳ないから、僕もキャリーヌに食べさせてあげるよ。はい、あ~んして」
なぜか私の口に、食べ物を運ぶサミュエル様。無意識に食べてしまったが…
「サミュエル様、私はあなた様の看病をするために、ここにいるのですよ。私の事は、気にしなくてもよいのです」
「でも僕は、キャリーヌと一緒に朝食を食べたいんだよ。その方が、僕はもっと元気になると思うよ」
そう言って、私の口に食べ物を運ぶサミュエル様。嬉しそうに食べさせてくれるサミュエル様を見たら、さすがにこれ以上何も言えない。
結局2人仲良く食事を済ませ、その後はサミュエル様に薬を飲ませた。
「サミュエル様、あなた様は病み上がりなのです。とにかくお休みください」
食後は、サミュエル様をベッドに寝かせた。
「もう元気なんだけれどな…それに眠くないし」
「ダメです!とにかく休んでください。サミュエル様が眠るまで、私が手を握って差し上げますね」
ギュッとサミュエル様の手を握った。
「キャリーヌが手を握っていてくれるのなら、なんだか眠れそうだよ」
「それは良かったですわ。とにかくゆっくり休んでください」
サミュエル様に向かって、にっこり微笑んだ。私の顔を見ながら、瞼を閉じたサミュエル様。薬が効いているのか、あっと言う間に眠ってしまった。
こうやってサミュエル様の寝顔を、ゆっくり見るのは初めてね。昨日は心配すぎて、寝顔なんてゆっくり見ている余裕はなかった。
すっと手を伸ばし、サミュエル様の髪に触れる。サラサラで気持ちいい。よく見ると、サミュエル様はやっぱり男前ね。私の意地のせいで、彼には本当に気苦労を掛けてしまった。
もしかしたら、そういった苦労が積もり積もって、今回体調を崩したのかもしれない。そう考えると、本当に申し訳ない。
あら?なんだか急に、サミュエル様の手が熱くなってきた気がするわ。
「う…ん」
さらにサミュエル様が、急にうなされだしたのだ。
「サミュエル様、大丈夫ですか?すぐにお医者様を呼んで」
近くに控えていたメイドに指示を出す。
「キャリーヌ…」
「大丈夫ですわ。すぐにお医者様がいらっしゃいますから」
どんどん顔色が悪くなり、息遣いも荒くなっていく。急にどうしたのかしら?一気に不安になる。
「サミュエル殿下、容態が悪化したとお伺いしました。すぐに診察を行います」
急いでやって来たお医者様が、診察を行ってくれたのだが…
「特に異常は見当たらないですね。もしかしたら、まだ完全に完治しておらず、ぶり返してしまったのかもしれません。お薬を出しておきますので、今日は安静にしてください」
特に異常がないですって?こんな風にぶり返す事なんてあるのかしら?
なぜかわからないが、言いようのない不安が私を襲う。本当にただの疲れなの?
「お嬢様、そんな不安そうな顔をなさらないで下さい。お医者様もぶり返しただけとおっしゃっておりましたし、きっとサミュエル殿下は大丈夫ですわ」
不安そうな私に気が付いたクラミーが、元気付けてくれる。
でも…やっぱりなんだか気になる。
翌日、再びサミュエル様は元気になったものの、やはりまた体調を崩してしまった。その翌日からは、元気になる事すらなく、ずっと体調が悪い状況が続いたのだった。
「先生、さすがにこう何度もぶり返すだなんて、おかしいですわ。それに、日に日に悪化している様に感じます。すぐに精密検査をお願いします」
「キャリーヌちゃんの言う通りだわ。既に倒れてから4日も経っているのに。可哀そうに、こんなにやつれて。このままだと、サミュエルの命が危ないわ」
「今すぐ検査を行ってくれ。サミュエルに、もしものことがあったら…」
さすがに陛下や王妃様もおかしいと思ったのか、私と一緒にお医者様に訴えている。その結果、精密検査を受ける事になったのだが…
「我が国で受けられる検査は全て行いましたが、やはり異常は見当たりませんでした。ただ、私共が見てもやはりサミュエル殿下の状態は異常だと感じますので、他国から優秀な医者を手配して参ります」
大慌てでお医者様たちが部屋から出て行った。
サミュエル様は、一体どんな病気にかかってしまったのだろう。サミュエル様に、もしものことがあったら…
サミュエル様が体調を崩された翌日、熱も下がり随分と顔色も良くなった。
「随分と顔色もよろしいですね。熱も下がったようですし。でも、まだ病み上がりなのです。今日はどうか、ゆっくり休んでください。サミュエル様が完全によくなるまで、私がお世話をいたしますわ」
「もう僕は十分元気なのだけれどな…でも、こうやってキャリーヌがお世話をしてくれる事なんて、そうそうないだろうから、今日は甘えようかな」
「それでは、朝食にしましょう。私が食べさせて差し上げますね。はい、あ~んして下さい」
早速食事をサミュエル様の口に運ぶ。こうやってサミュエル様に食事を食べさせて差し上げられるだなんて、本当に幸せね。このまま元気になってくれると嬉しいな。
「僕ばかり食べていては申し訳ないから、僕もキャリーヌに食べさせてあげるよ。はい、あ~んして」
なぜか私の口に、食べ物を運ぶサミュエル様。無意識に食べてしまったが…
「サミュエル様、私はあなた様の看病をするために、ここにいるのですよ。私の事は、気にしなくてもよいのです」
「でも僕は、キャリーヌと一緒に朝食を食べたいんだよ。その方が、僕はもっと元気になると思うよ」
そう言って、私の口に食べ物を運ぶサミュエル様。嬉しそうに食べさせてくれるサミュエル様を見たら、さすがにこれ以上何も言えない。
結局2人仲良く食事を済ませ、その後はサミュエル様に薬を飲ませた。
「サミュエル様、あなた様は病み上がりなのです。とにかくお休みください」
食後は、サミュエル様をベッドに寝かせた。
「もう元気なんだけれどな…それに眠くないし」
「ダメです!とにかく休んでください。サミュエル様が眠るまで、私が手を握って差し上げますね」
ギュッとサミュエル様の手を握った。
「キャリーヌが手を握っていてくれるのなら、なんだか眠れそうだよ」
「それは良かったですわ。とにかくゆっくり休んでください」
サミュエル様に向かって、にっこり微笑んだ。私の顔を見ながら、瞼を閉じたサミュエル様。薬が効いているのか、あっと言う間に眠ってしまった。
こうやってサミュエル様の寝顔を、ゆっくり見るのは初めてね。昨日は心配すぎて、寝顔なんてゆっくり見ている余裕はなかった。
すっと手を伸ばし、サミュエル様の髪に触れる。サラサラで気持ちいい。よく見ると、サミュエル様はやっぱり男前ね。私の意地のせいで、彼には本当に気苦労を掛けてしまった。
もしかしたら、そういった苦労が積もり積もって、今回体調を崩したのかもしれない。そう考えると、本当に申し訳ない。
あら?なんだか急に、サミュエル様の手が熱くなってきた気がするわ。
「う…ん」
さらにサミュエル様が、急にうなされだしたのだ。
「サミュエル様、大丈夫ですか?すぐにお医者様を呼んで」
近くに控えていたメイドに指示を出す。
「キャリーヌ…」
「大丈夫ですわ。すぐにお医者様がいらっしゃいますから」
どんどん顔色が悪くなり、息遣いも荒くなっていく。急にどうしたのかしら?一気に不安になる。
「サミュエル殿下、容態が悪化したとお伺いしました。すぐに診察を行います」
急いでやって来たお医者様が、診察を行ってくれたのだが…
「特に異常は見当たらないですね。もしかしたら、まだ完全に完治しておらず、ぶり返してしまったのかもしれません。お薬を出しておきますので、今日は安静にしてください」
特に異常がないですって?こんな風にぶり返す事なんてあるのかしら?
なぜかわからないが、言いようのない不安が私を襲う。本当にただの疲れなの?
「お嬢様、そんな不安そうな顔をなさらないで下さい。お医者様もぶり返しただけとおっしゃっておりましたし、きっとサミュエル殿下は大丈夫ですわ」
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でも…やっぱりなんだか気になる。
翌日、再びサミュエル様は元気になったものの、やはりまた体調を崩してしまった。その翌日からは、元気になる事すらなく、ずっと体調が悪い状況が続いたのだった。
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「今すぐ検査を行ってくれ。サミュエルに、もしものことがあったら…」
さすがに陛下や王妃様もおかしいと思ったのか、私と一緒にお医者様に訴えている。その結果、精密検査を受ける事になったのだが…
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