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第22話:僕の大切な人~ルイス視点~
「殿下、アナスタシア様が見つかったそうです」
「それは本当かい?それで、アナスタシアはどこにいるのだい?」
「はい、バーイン王国にいらっしゃるとの事です。わざわざバーイン王国の使者がいらして、教えてくださいました」
「バーイン王国…あそこは少し前まで隣国と争いをしていた国だ。どうしてそんなところに…」
「はい、使者の話では、どうやらアナスタシア様はこの国で誘拐され、船で移動中、嵐に合い難破したそうです。そしてたまたまバーイン王国の王宮所有の海岸で意識を失っているところを、助けられたそうです」
「そうだったのか…可哀そうに、すぐにアナスタシアを迎えに行こう」
「お待ちください、殿下。使者の話では、アナスタシア様は国に帰る事を拒んでいるとの事です。殿下がアナスタシア様を探しているという事を知ったあちらの国王陛下の指示で、生存の報告をと思って、わざわざ我が国に来てくださったそうで。それにあちらの国王陛下は、アナスタシア様を妻として迎え入れたいそうでして…」
「国に帰りたくないとは、どういうことだ?それにアナスタシアを妻にするだって?ふざけないでくれ!確かにあの時、アナスタシアは親友でもあるマルモットに裏切られ、絶望の淵にいた。それに、僕とマルモットが結婚した事にも、ショックを受けていたのも知っている。でも今は、あの女はもうこの世にはいない。アナスタシアには改めて、正室として僕に嫁いできてくれたらと考えているのだ。きっとアナスタシアも、今の状況を知れば、帰って来てくれるはず。とにかく、バーイン王国に向かおう」
「…分かりました。それでは準備が整い次第、出発いたしましょう」
アナスタシア…よかった、生きていたのだね。彼女がいなくなって半年、彼女が生きている事をずっと願ってきた。
そんなアナスタシアが、生きている。そう思ったら、涙が込みあげてきた。思い返してみればこの3年半、僕はずっと彼女を求め続けてきた。
アナスタシアと出会ったのは、僕たちが7歳の時。王宮で行われたお茶会だった。僕のお妃になりたい令嬢たちが僕を囲む中、なぜか王宮で飼っている犬のマルに夢中だったのが、アナスタシアだ。
無邪気にマルと遊ぶ姿が可愛くて、後日彼女を王宮に呼び出した。そこでも僕に媚を売ることなく、楽しそうにマルと遊ぶ無邪気な姿を見た瞬間、僕は彼女に恋をしたのだ。それからと言うもの、僕はずっと彼女に寄り添って生きて来た。
両親から冷遇されていたアナスタシアだったが、そんな事をみじんも感じさせず、いつも元気いっぱいだった彼女に、僕はどんどん惹かれて行った。そしてアナスタシアは、自分の意見をはっきりと言う令嬢だった。
彼女が“側室を持たないで欲しい”と、事あるごとに言っていたので、僕は側室を絶対持たないとも約束した。僕が約束すると、それはそれは嬉しそうに笑ったアナスタシア。孤児院にも積極的に出向き、どんな子にも分け隔てなく優しさと愛情を与えるアナスタシア。
王妃教育も、泣き言一つ言わずにこなしていた。誰にでも優しく、それでいて芯が通っている彼女を、父上や母上もとても気に入っていた。このまま僕たちは結婚して、幸せに暮らす、そう思っていた。でも…
事件は起きた。そう、アナスタシア毒殺未遂事件だ。アナスタシアは学院内で毒を盛られたのだ。犯人は捕まり、即刻処刑された。そして当のアナスタシアはなんとか一命を取り留めたが、毒のせいでずっと眠ったまま。
それでも僕は、アナスタシアが目覚めてくれるのを待ち続けた。でも、1年が過ぎた頃、あの女が僕に近づいて来たのだ。そう、アナスタシアの親友、マルモットだ。
「殿下、申し訳ございません。私がそばにいながら、大切な親友、アナスタシアを守れませんでした。あの日からもう1年も経つと言うのに、私の心はずっとあの日から止まったまま…殿下、私はあなた様の気持ちが痛いほどわかるのです。だって私たちは、共に大切な人を思い、心から目覚めるのを待ち続けているのですから…」
そう言って僕の手を握ったマルモット。そうか、彼女も親友を思って、ずっと苦しんでいるのだな。誰も僕の辛さを分かってくれない…そう思っていた。でも、マルモットだけは、僕の気持ちを分かってくれる。
その日から、僕たちは仲を深めて行った。そしてアナスタシアが意識を失ってから2年半後、僕たちは結婚した。アナスタシアの父親は怒っていたが、アナスタシアが目覚めない以上、どうする事も出来ないのだ。
それにマルモットは、僕の気持ちを誰よりも理解してくれていた。僕がアナスタシアの事を思っている事も知っているため
「私はルイス様が、どれほどアナスタシアを愛しているか知っておりますわ。だから、万が一アナスタシアが目覚めたら、その時は身を引いてもいいと考えておりますの。私にとって、2人の幸せが一番の幸せなので」
そう常々言ってくれていた。本当にマルモットは優しくていい子だ。それでもやっぱり僕は、アナスタシアが一番好きだけれど…
アナスタシア、君の為に2人で色々と準備を整えているよ。だからどうか目覚めて欲しい、そう僕は願っていた。
「それは本当かい?それで、アナスタシアはどこにいるのだい?」
「はい、バーイン王国にいらっしゃるとの事です。わざわざバーイン王国の使者がいらして、教えてくださいました」
「バーイン王国…あそこは少し前まで隣国と争いをしていた国だ。どうしてそんなところに…」
「はい、使者の話では、どうやらアナスタシア様はこの国で誘拐され、船で移動中、嵐に合い難破したそうです。そしてたまたまバーイン王国の王宮所有の海岸で意識を失っているところを、助けられたそうです」
「そうだったのか…可哀そうに、すぐにアナスタシアを迎えに行こう」
「お待ちください、殿下。使者の話では、アナスタシア様は国に帰る事を拒んでいるとの事です。殿下がアナスタシア様を探しているという事を知ったあちらの国王陛下の指示で、生存の報告をと思って、わざわざ我が国に来てくださったそうで。それにあちらの国王陛下は、アナスタシア様を妻として迎え入れたいそうでして…」
「国に帰りたくないとは、どういうことだ?それにアナスタシアを妻にするだって?ふざけないでくれ!確かにあの時、アナスタシアは親友でもあるマルモットに裏切られ、絶望の淵にいた。それに、僕とマルモットが結婚した事にも、ショックを受けていたのも知っている。でも今は、あの女はもうこの世にはいない。アナスタシアには改めて、正室として僕に嫁いできてくれたらと考えているのだ。きっとアナスタシアも、今の状況を知れば、帰って来てくれるはず。とにかく、バーイン王国に向かおう」
「…分かりました。それでは準備が整い次第、出発いたしましょう」
アナスタシア…よかった、生きていたのだね。彼女がいなくなって半年、彼女が生きている事をずっと願ってきた。
そんなアナスタシアが、生きている。そう思ったら、涙が込みあげてきた。思い返してみればこの3年半、僕はずっと彼女を求め続けてきた。
アナスタシアと出会ったのは、僕たちが7歳の時。王宮で行われたお茶会だった。僕のお妃になりたい令嬢たちが僕を囲む中、なぜか王宮で飼っている犬のマルに夢中だったのが、アナスタシアだ。
無邪気にマルと遊ぶ姿が可愛くて、後日彼女を王宮に呼び出した。そこでも僕に媚を売ることなく、楽しそうにマルと遊ぶ無邪気な姿を見た瞬間、僕は彼女に恋をしたのだ。それからと言うもの、僕はずっと彼女に寄り添って生きて来た。
両親から冷遇されていたアナスタシアだったが、そんな事をみじんも感じさせず、いつも元気いっぱいだった彼女に、僕はどんどん惹かれて行った。そしてアナスタシアは、自分の意見をはっきりと言う令嬢だった。
彼女が“側室を持たないで欲しい”と、事あるごとに言っていたので、僕は側室を絶対持たないとも約束した。僕が約束すると、それはそれは嬉しそうに笑ったアナスタシア。孤児院にも積極的に出向き、どんな子にも分け隔てなく優しさと愛情を与えるアナスタシア。
王妃教育も、泣き言一つ言わずにこなしていた。誰にでも優しく、それでいて芯が通っている彼女を、父上や母上もとても気に入っていた。このまま僕たちは結婚して、幸せに暮らす、そう思っていた。でも…
事件は起きた。そう、アナスタシア毒殺未遂事件だ。アナスタシアは学院内で毒を盛られたのだ。犯人は捕まり、即刻処刑された。そして当のアナスタシアはなんとか一命を取り留めたが、毒のせいでずっと眠ったまま。
それでも僕は、アナスタシアが目覚めてくれるのを待ち続けた。でも、1年が過ぎた頃、あの女が僕に近づいて来たのだ。そう、アナスタシアの親友、マルモットだ。
「殿下、申し訳ございません。私がそばにいながら、大切な親友、アナスタシアを守れませんでした。あの日からもう1年も経つと言うのに、私の心はずっとあの日から止まったまま…殿下、私はあなた様の気持ちが痛いほどわかるのです。だって私たちは、共に大切な人を思い、心から目覚めるのを待ち続けているのですから…」
そう言って僕の手を握ったマルモット。そうか、彼女も親友を思って、ずっと苦しんでいるのだな。誰も僕の辛さを分かってくれない…そう思っていた。でも、マルモットだけは、僕の気持ちを分かってくれる。
その日から、僕たちは仲を深めて行った。そしてアナスタシアが意識を失ってから2年半後、僕たちは結婚した。アナスタシアの父親は怒っていたが、アナスタシアが目覚めない以上、どうする事も出来ないのだ。
それにマルモットは、僕の気持ちを誰よりも理解してくれていた。僕がアナスタシアの事を思っている事も知っているため
「私はルイス様が、どれほどアナスタシアを愛しているか知っておりますわ。だから、万が一アナスタシアが目覚めたら、その時は身を引いてもいいと考えておりますの。私にとって、2人の幸せが一番の幸せなので」
そう常々言ってくれていた。本当にマルモットは優しくていい子だ。それでもやっぱり僕は、アナスタシアが一番好きだけれど…
アナスタシア、君の為に2人で色々と準備を整えているよ。だからどうか目覚めて欲しい、そう僕は願っていた。
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