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第34話:ユーリを諦めたくない~アレックス視点~
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翌日から僕も、半期休みに入った。今頃ユーリは、領地に向かったのかな?もう僕の事なんて、忘れてしまったのかな?
考える事と言えば、ユーリの事ばかり。なんだか何もやる気が起きない。そんな僕に母上が
「アレックス、一体どうしたの?最近元気がないわね。せっかく半期休みに入ったのだから、領地に行って来たら。去年はユーリちゃんも一緒に、領地に行ったのよね。今年はユーリちゃんは、自分の領地に行っているそうね。リリーが言っていたわ」
「その様ですね。母上、去年はユーリが僕の家の領地に遊びに来たのですよね。今年は僕がユーリの家の領地に遊びに行きたいのですが」
そうだ、今年は僕がユーリの領地に遊びに行けばいいんだ。そう思い、母上にお願いしたのだが…
「もう既にユーリちゃんは領地に向かって、旅立ってしまったのでしょう?さすがに無理よ。アレックスは自分の領地でゆっくりすればいいじゃない。お母様も一緒に、領地に行こうかしら?」
そう言われてしまったのだ。正直僕は、領地になんて行きたくない。王都にいれば、もしかしたらユーリが帰ってくるかもしれない。そもそもユーリは、僕の事をずっと好きでいてくれたのだ。
もしかしたら、僕に会いたくなって、王都に戻ってくるかもしれない。その時僕が領地に行っていたら、きっとユーリはがっかりするだろう。もうユーリに、悲しい思いをさせたくはない。
「母上、今年は王都で過ごします。どうしても領地に行きたいのなら、母上だけ行ってはいかがですか?」
そう伝えておいた。とにかく僕は、王都から離れるつもりはない。そんな思いで、僕は王都に残ったのだ。
毎日毎日、ユーリが訪ねて来ないか密かに待ちながら。でも、ユーリは一向に僕を訪ねてくることはなかった。どうしても我慢できなくなった僕は、ファルスィン伯爵家を訪ねた。もしかしたらもう、ユーリが領地から帰っているかと思ったのだ。でも…
「ごめんなさい、ユーリはまだ領地にいるのです。どうかお引き取り下さい」
そうユーリの母親に言われてしまったのだ。どうしてもユーリに会いたい僕は
「それでしたら、僕がユーリの家の領地にお邪魔してはいけませんか?どうしてもユーリに会いたいのです。お願いします」
必死にユーリの母親に頭を下げたのだが。
「ごめんなさい。それは出来ませんわ。何度も申し上げておりますが、ユーリは今、あなた様を忘れようと必死なのです。どうかそっとしておいてあげてください」
「その件なのですが、僕は今更ながら、ユーリの大切さに気が付いたのです。僕はユーリを心から愛しています。ですから、ユーリに無理に僕の事を忘れてもらう必要はありません。ユーリさえよければ、すぐにでも婚約を結びたいと思っております。ですから、どうかユーリに合わせて下さい」
そうだ、ユーリは僕を忘れようと辛い思いをしているのだ。僕がユーリの事を思っている事を伝えれば、ユーリは苦しみから解放されるかもしれない。
「今更その様な事を言われましても…とにかくユーリは、今領地に行っておりますので。本当にごめんなさい」
そう言うと夫人は屋敷に入ってしまったのだ。
その後もめげずに僕は伯爵家に足を運んだが、あれ以来夫人に会う事も出来ずに、使用人から門前払いをくらう日々。どうして夫人は、頑なにユーリを僕に会わせてくれないのだろう。娘が可愛くないのだろうか…
ユーリに会えないまま、気が付けば半期休みも残すところ後わずかになった頃。いつもの様に伯爵家を訪ねると、なんとユーリが対応してくれたのだ。
約1ヶ月ぶりに見るユーリに、嬉しくて抱きしめようとしたのだが、スルリとかわされてしまった。それが地味にショックだった。それでもユーリに会えたのだ。嬉しくてたまらない。
とにかくユーリと話がしたい、僕の気持ちを伝えたい。そう思ったのだが、またしても夫人に邪魔されてしまった。
それでも翌日、人気のお菓子を持ってユーリの元へと向かった。この日も2時間並んで、やっと手に入れたのだ。でも、なぜだろう、今回は待っている間、苦痛に感じる事はなかった。
ユーリが喜ぶ顔を想像したら、なんだか幸せな気持ちになったのだ。それでも今までユーリにこんな大変な思いをさせてお菓子を買わせていた事。その上、ユーリが頑張って手に入れたものを、あろう事かセレナ嬢に横流ししていたことが、猛烈に悔やまれる。
本当に僕は、なんて最低な男なのだろう。あの時の自分を思い出すと、恥ずかしくてたまらない。
でも、いくら悔やんでも過去は変えられないのだ。とにかく誠心誠意謝って、これからの僕をユーリに見てもらいたい。そんな思いで、ユーリの家に向かった。
考える事と言えば、ユーリの事ばかり。なんだか何もやる気が起きない。そんな僕に母上が
「アレックス、一体どうしたの?最近元気がないわね。せっかく半期休みに入ったのだから、領地に行って来たら。去年はユーリちゃんも一緒に、領地に行ったのよね。今年はユーリちゃんは、自分の領地に行っているそうね。リリーが言っていたわ」
「その様ですね。母上、去年はユーリが僕の家の領地に遊びに来たのですよね。今年は僕がユーリの家の領地に遊びに行きたいのですが」
そうだ、今年は僕がユーリの領地に遊びに行けばいいんだ。そう思い、母上にお願いしたのだが…
「もう既にユーリちゃんは領地に向かって、旅立ってしまったのでしょう?さすがに無理よ。アレックスは自分の領地でゆっくりすればいいじゃない。お母様も一緒に、領地に行こうかしら?」
そう言われてしまったのだ。正直僕は、領地になんて行きたくない。王都にいれば、もしかしたらユーリが帰ってくるかもしれない。そもそもユーリは、僕の事をずっと好きでいてくれたのだ。
もしかしたら、僕に会いたくなって、王都に戻ってくるかもしれない。その時僕が領地に行っていたら、きっとユーリはがっかりするだろう。もうユーリに、悲しい思いをさせたくはない。
「母上、今年は王都で過ごします。どうしても領地に行きたいのなら、母上だけ行ってはいかがですか?」
そう伝えておいた。とにかく僕は、王都から離れるつもりはない。そんな思いで、僕は王都に残ったのだ。
毎日毎日、ユーリが訪ねて来ないか密かに待ちながら。でも、ユーリは一向に僕を訪ねてくることはなかった。どうしても我慢できなくなった僕は、ファルスィン伯爵家を訪ねた。もしかしたらもう、ユーリが領地から帰っているかと思ったのだ。でも…
「ごめんなさい、ユーリはまだ領地にいるのです。どうかお引き取り下さい」
そうユーリの母親に言われてしまったのだ。どうしてもユーリに会いたい僕は
「それでしたら、僕がユーリの家の領地にお邪魔してはいけませんか?どうしてもユーリに会いたいのです。お願いします」
必死にユーリの母親に頭を下げたのだが。
「ごめんなさい。それは出来ませんわ。何度も申し上げておりますが、ユーリは今、あなた様を忘れようと必死なのです。どうかそっとしておいてあげてください」
「その件なのですが、僕は今更ながら、ユーリの大切さに気が付いたのです。僕はユーリを心から愛しています。ですから、ユーリに無理に僕の事を忘れてもらう必要はありません。ユーリさえよければ、すぐにでも婚約を結びたいと思っております。ですから、どうかユーリに合わせて下さい」
そうだ、ユーリは僕を忘れようと辛い思いをしているのだ。僕がユーリの事を思っている事を伝えれば、ユーリは苦しみから解放されるかもしれない。
「今更その様な事を言われましても…とにかくユーリは、今領地に行っておりますので。本当にごめんなさい」
そう言うと夫人は屋敷に入ってしまったのだ。
その後もめげずに僕は伯爵家に足を運んだが、あれ以来夫人に会う事も出来ずに、使用人から門前払いをくらう日々。どうして夫人は、頑なにユーリを僕に会わせてくれないのだろう。娘が可愛くないのだろうか…
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