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第54話:分かっていた事なのに…~アレックス視点~
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「アレックス、いつまで屋敷に籠っているつもりだい?君の気持ちも分かるが、いつまでも落ち込んでいても仕方がないだろう」
「そうよ、アレックス。そもそもあなたがもっとユーリちゃんを大切にしていれば、こんな事にはならなかったのではなくって?ユーリちゃん、せっかく婚約が決まったのに、元気がないそうよ。あなたが少しでもユーリちゃんに幸せになって欲しいと思っているのなら、いい加減前に進まないと」
「父上や母上に言われなくても、分かっています。とにかく出て行ってください」
両親を部屋から追い出すと、勢いよくドアを閉めた。
ディアンとユーリが結ばれてから、早1ヶ月。今日も両親が、説得に来ている。
僕だってそんな事は分かっている、でも、心がついていかないのだ。
“アレックス様、大好きです。どうか私と共に歩んでください”
あの日、もし僕がユーリの気持ちを受け入れていれば…いいや、それ以前に、僕が愚かな考えを持たずに、ユーリとの幸せだけを考えていれば…ユーリは僕の傍にずっといてくれたのに…
目をつぶると、ユーリの弾ける笑顔が脳裏に浮かぶ。
”アレックス様、大好きです!“
いつも当たり前の様に、傍にいてくれたユーリ。そんなユーリに甘え、我が儘を言い、彼女を傷つけた。きっとあの日…ユーリが真剣なまなざしで僕に気持ちを伝えてくれた日が、僕にとってのラストチャンスだったのだろう。
僕はあの日、最後のチャンスを自ら手放したのだ。本当は分かっていた、ユーリはもう、僕の事を忘れ前に進みだしているということを…
ユーリはああ見えて、非常に頑固なところがある。ユーリがもう僕との未来を諦めた時点で、僕がどうあがこうが、見込みがない事を…
それでも往生際悪く、ユーリに付きまとっていた。周りの令息たちを味方に付け、時間をかけ真剣にユーリと向き合えば、きっといつか頑固なユーリも折れてくれると、心のどこかで信じていた。
でも…
ディアンが王都に戻ってきた時点で、僕の敗北は確定していたのだ。僕の知らないところで、ユーリとディアンは再会を果たしていた。きっとディアンは、自分との約束を破り、ユーリを泣かせた僕を恨んでいるだろう。
それなのに、ディアンは僕を責める事はなかった。ユーリの幸せを願い、僕にユーリを託し身を引いたディアン。彼がどんな思いで身を引いたのか、今ならわかる。
きっと身を引き裂かれる思いだったのだろう。そんなディアンの気持ちをも、僕は踏みにじった。
そう、これは僕に与えられた罰なのだろう。大切な幼馴染のディアンとの約束を破り、誰よりも大切な女性、ユーリを利用し苦しめ傷つけたのだから…
だからこそ僕は、ユーリとディアンを誰よりも祝福しないといけないのに…
散々苦しめ傷つけて来たユーリに僕が出来る事、それは彼女の幸せを願う事だ。頭では分かっているが、どうしても心が付いていかないのだ…
「僕はどこまで自分に甘い人間なのだろう…自らユーリを傷つけておきながら、ディアンに奪われたらこんな風に引きこもってしまうだなんて…」
本当に情けなくて、自分が嫌になる。きっとディアンは呆れているだろうな…いや、もしかすると、いい気味と思っているのかもしれない。僕は愛するユーリを苦しめ、ディアンとの約束を踏みにじる最低な奴なのだから。
いっその事、僕も領地で生活をしようかな…
そうすればユーリも僕に気を使わなくてもすむし、ディアンも僕の顔を見なくてせいせいするだろう…僕が2人の為に出来る事は、もしかしたら2人の前から姿を消す事なのかもしれない。
ついそんな事を考えてしまう。
その時だった。
「おぼちゃま、カスタマーディス伯爵令息様がお見えになっております」
「えっ?ディアンが?」
どうしよう、正直今、ディアンにどんな顔で会えばいいのか分からない。でも…わざわざ僕の為にディアンが来てくれたのだから、会うべきだよな…
「分かったよ、すぐに行く」
悩んだ結果、ディアンに会う事にした。
着替えを済ませ、ディアンの待つ客間へと向かった。
「そうよ、アレックス。そもそもあなたがもっとユーリちゃんを大切にしていれば、こんな事にはならなかったのではなくって?ユーリちゃん、せっかく婚約が決まったのに、元気がないそうよ。あなたが少しでもユーリちゃんに幸せになって欲しいと思っているのなら、いい加減前に進まないと」
「父上や母上に言われなくても、分かっています。とにかく出て行ってください」
両親を部屋から追い出すと、勢いよくドアを閉めた。
ディアンとユーリが結ばれてから、早1ヶ月。今日も両親が、説得に来ている。
僕だってそんな事は分かっている、でも、心がついていかないのだ。
“アレックス様、大好きです。どうか私と共に歩んでください”
あの日、もし僕がユーリの気持ちを受け入れていれば…いいや、それ以前に、僕が愚かな考えを持たずに、ユーリとの幸せだけを考えていれば…ユーリは僕の傍にずっといてくれたのに…
目をつぶると、ユーリの弾ける笑顔が脳裏に浮かぶ。
”アレックス様、大好きです!“
いつも当たり前の様に、傍にいてくれたユーリ。そんなユーリに甘え、我が儘を言い、彼女を傷つけた。きっとあの日…ユーリが真剣なまなざしで僕に気持ちを伝えてくれた日が、僕にとってのラストチャンスだったのだろう。
僕はあの日、最後のチャンスを自ら手放したのだ。本当は分かっていた、ユーリはもう、僕の事を忘れ前に進みだしているということを…
ユーリはああ見えて、非常に頑固なところがある。ユーリがもう僕との未来を諦めた時点で、僕がどうあがこうが、見込みがない事を…
それでも往生際悪く、ユーリに付きまとっていた。周りの令息たちを味方に付け、時間をかけ真剣にユーリと向き合えば、きっといつか頑固なユーリも折れてくれると、心のどこかで信じていた。
でも…
ディアンが王都に戻ってきた時点で、僕の敗北は確定していたのだ。僕の知らないところで、ユーリとディアンは再会を果たしていた。きっとディアンは、自分との約束を破り、ユーリを泣かせた僕を恨んでいるだろう。
それなのに、ディアンは僕を責める事はなかった。ユーリの幸せを願い、僕にユーリを託し身を引いたディアン。彼がどんな思いで身を引いたのか、今ならわかる。
きっと身を引き裂かれる思いだったのだろう。そんなディアンの気持ちをも、僕は踏みにじった。
そう、これは僕に与えられた罰なのだろう。大切な幼馴染のディアンとの約束を破り、誰よりも大切な女性、ユーリを利用し苦しめ傷つけたのだから…
だからこそ僕は、ユーリとディアンを誰よりも祝福しないといけないのに…
散々苦しめ傷つけて来たユーリに僕が出来る事、それは彼女の幸せを願う事だ。頭では分かっているが、どうしても心が付いていかないのだ…
「僕はどこまで自分に甘い人間なのだろう…自らユーリを傷つけておきながら、ディアンに奪われたらこんな風に引きこもってしまうだなんて…」
本当に情けなくて、自分が嫌になる。きっとディアンは呆れているだろうな…いや、もしかすると、いい気味と思っているのかもしれない。僕は愛するユーリを苦しめ、ディアンとの約束を踏みにじる最低な奴なのだから。
いっその事、僕も領地で生活をしようかな…
そうすればユーリも僕に気を使わなくてもすむし、ディアンも僕の顔を見なくてせいせいするだろう…僕が2人の為に出来る事は、もしかしたら2人の前から姿を消す事なのかもしれない。
ついそんな事を考えてしまう。
その時だった。
「おぼちゃま、カスタマーディス伯爵令息様がお見えになっております」
「えっ?ディアンが?」
どうしよう、正直今、ディアンにどんな顔で会えばいいのか分からない。でも…わざわざ僕の為にディアンが来てくれたのだから、会うべきだよな…
「分かったよ、すぐに行く」
悩んだ結果、ディアンに会う事にした。
着替えを済ませ、ディアンの待つ客間へと向かった。
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