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第2章
第12話:メイソン様のお母様がやって来ました
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メイソン様の快気祝いをしてから、一週間が経とうとしていた。あれ以来旦那様は屋敷にいる時は、私からひと時も離れなくなった。そして、常にメイソン様を監視している。
実はお祝いの翌日
「荷物をまとめて国に帰れ!」
と、メイソン様に怒鳴った旦那様。
「嫌だ、まだアーサー兄さんの元で騎士の修行をしたい。俺はアーサー兄さんの様に強くなりたいんだ!」
そう必死に訴えたメイソン様に根負けして、ここに残る事が許された。ただし、私に必要以上に近付かない、触れない事。もし破ったら、問答無用で追い出すとの条件付きだが…
今は三人で朝食を食べている。相変わらず旦那様はメイソン様を警戒しており、必ず私を隣に座らせるのだ。そんなに警戒しなくても大丈夫と伝えているのだが
「ローラは鈍すぎるんだ!」
そう言って毎回怒られるのだ。私が鈍いのではなく、旦那様が心配性なだけなんだけれどな…
その時だった。
「メイソン、会いたかったわ」
金髪の髪を腰まで伸ばした、美しい女性がメイソン様を抱きしめている。確かメイソン様は極度の女嫌いだったはずなのだが…
「母上!どうしてここに居るのですか?」
え?今母上って言った?この超絶美人さんが?そう言えば、よく見るとお義母様によく似ている。
「コラ、クロエ。勝手に屋敷の中に入っては駄目でしょう!」
後ろからお義母様が入って来た。やはりこの女性はお義母様の妹で、メイソン様のお母様なのね。
「ごめんなさい。早くメイソンに会いたかったのよ」
そう言って嬉しそうにメイソン様に抱き着いているメイソン様のお母様。
「叔母上、久しぶりですね。メイソン、今日は騎士団を休んで、叔母上の相手をしてやれ」
「アーサー、久しぶりね。そう言えばあなた、結婚したそうね。あなたがローラちゃんね、お姉様から話しは聞いているわ。メイソンの我が儘を直してくれたのですってね。ありがとう」
そう言って手を握られた。正直お礼を言われる様な事はしていない。ただ口うるさく言い続けただけだ。おっといけない、挨拶をしないと。
「お初にお目にかかります。ローラと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
最近していなかったカーテシーを決めた。
「まあ、ご丁寧にありがとう。それにしても、本当に女性がいてもメイソンがギャーギャー言わないのね。なんだか不思議だわ」
そう言ってクスクス笑っている。
「そうだわ、せっかくだから、今日はローラちゃんも私とメイソンに付き合ってくれるかしら?久しぶりに街にも出たいし。ね、いいでしょう?アーサー」
「駄目です!ローラは俺の妻です。今日は俺がどうしても外せない会議が入っているから、騎士団を休む事が出来ないので。とにかく俺がいないのに、ローラを連れ出す事は認められません!」
そう言ってすかさず私の腰に手を回した。
「まあ、あの女嫌いのアーサーが、女性の腰に手を回しているわ。お姉様、天変地異でも起こるのではなくって!」
真剣に驚いているメイソン様のお母様…て、長いわね。クロエ様とお呼びしよう。よほど旦那様が私に触れた事が信じられないようで、お義母様の肩をバシバシ叩きながら、必死に訴えている。
「クロエ…落ち着きなさい。だからローラちゃんは特別なのよ…」
「まあ、そうなのね。それにしても、アーサーは嫉妬深くて嫌ね。別にメイソンとローラちゃんを二人きりで出掛けさせるって言っている訳ではないのだから良いでしょう?私もお姉様も一緒よ!ねぇ、お姉様」
「そう言えば、私もローラちゃんと一緒に街に出た事は無かったわね。アーサー、今日一日ローラちゃんを借りるわね。メイソンが少し邪魔だけれど、女同士楽しくショッピングでもしましょう」
「母上、勝手な事を言うのは止めてくれ!とにかくローラは…」
「お黙りなさい!そもそも、誰がローラちゃんを連れて来たと思っているの!私たちがローラちゃんを連れてきたから、あなたは今幸せに暮らしているのでしょう?一日くらい、ローラちゃんを借りてもバチは当たらないわ」
それを言われたら、さすがの旦那様も何も言えないだろう。
「旦那様、四人で出掛けるのですから、問題ないと思いますわ」
「…わかった。ただし、キーキを…いいや、あいつは面倒ごとになると、すぐに逃げだすからな。そうだな…モカラも行かせるから。それから、俺が屋敷に帰ってくるまでには、ローラを解放する事。これだけは守ってくれ!」
どうやらモカラを監視役で付けるらしい。それでも何とか許可が下りた様だ。
「それじゃあ、早速街に行きましょう!最近出来たスィーツのお店が気になるのよね。この前、メイドに頼んで買ってきてもらったのだけれど、とても美味しかったの。今度はお店で食べたいわ!」
「スイーツ、いいわね。お姉様、早速行きましょう!」
なぜかお義母様とクロエ様が盛り上がっている。とりあえず旦那様を見送ってから、出発する事になった。
「旦那様、気を付けて行ってらっしゃいませ」
「ローラ、くれぐれもメイソンとの距離は保つんだぞ。あと年増二人が暴走したら、放置して帰って来ていいからな!分かったな」
年増二人て…
「ちょっとアーサー、誰が年増よ!」
ほら、お義母様とクロエ様が怒っているわ。隣でメイソン様も苦笑いしている。
「とにかく、嫌なら帰ってきたらいいからな!それじゃあ、行って来る。なるべく早く帰ってくるようにするから」
私の頬に口付けをして、馬車に乗り込んでいった旦那様。隣でお義母様とクロエ様が、ニヤニヤしながらこちらを見ている。旦那様ったら、少し状況を考えて行動して欲しいわ…
実はお祝いの翌日
「荷物をまとめて国に帰れ!」
と、メイソン様に怒鳴った旦那様。
「嫌だ、まだアーサー兄さんの元で騎士の修行をしたい。俺はアーサー兄さんの様に強くなりたいんだ!」
そう必死に訴えたメイソン様に根負けして、ここに残る事が許された。ただし、私に必要以上に近付かない、触れない事。もし破ったら、問答無用で追い出すとの条件付きだが…
今は三人で朝食を食べている。相変わらず旦那様はメイソン様を警戒しており、必ず私を隣に座らせるのだ。そんなに警戒しなくても大丈夫と伝えているのだが
「ローラは鈍すぎるんだ!」
そう言って毎回怒られるのだ。私が鈍いのではなく、旦那様が心配性なだけなんだけれどな…
その時だった。
「メイソン、会いたかったわ」
金髪の髪を腰まで伸ばした、美しい女性がメイソン様を抱きしめている。確かメイソン様は極度の女嫌いだったはずなのだが…
「母上!どうしてここに居るのですか?」
え?今母上って言った?この超絶美人さんが?そう言えば、よく見るとお義母様によく似ている。
「コラ、クロエ。勝手に屋敷の中に入っては駄目でしょう!」
後ろからお義母様が入って来た。やはりこの女性はお義母様の妹で、メイソン様のお母様なのね。
「ごめんなさい。早くメイソンに会いたかったのよ」
そう言って嬉しそうにメイソン様に抱き着いているメイソン様のお母様。
「叔母上、久しぶりですね。メイソン、今日は騎士団を休んで、叔母上の相手をしてやれ」
「アーサー、久しぶりね。そう言えばあなた、結婚したそうね。あなたがローラちゃんね、お姉様から話しは聞いているわ。メイソンの我が儘を直してくれたのですってね。ありがとう」
そう言って手を握られた。正直お礼を言われる様な事はしていない。ただ口うるさく言い続けただけだ。おっといけない、挨拶をしないと。
「お初にお目にかかります。ローラと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
最近していなかったカーテシーを決めた。
「まあ、ご丁寧にありがとう。それにしても、本当に女性がいてもメイソンがギャーギャー言わないのね。なんだか不思議だわ」
そう言ってクスクス笑っている。
「そうだわ、せっかくだから、今日はローラちゃんも私とメイソンに付き合ってくれるかしら?久しぶりに街にも出たいし。ね、いいでしょう?アーサー」
「駄目です!ローラは俺の妻です。今日は俺がどうしても外せない会議が入っているから、騎士団を休む事が出来ないので。とにかく俺がいないのに、ローラを連れ出す事は認められません!」
そう言ってすかさず私の腰に手を回した。
「まあ、あの女嫌いのアーサーが、女性の腰に手を回しているわ。お姉様、天変地異でも起こるのではなくって!」
真剣に驚いているメイソン様のお母様…て、長いわね。クロエ様とお呼びしよう。よほど旦那様が私に触れた事が信じられないようで、お義母様の肩をバシバシ叩きながら、必死に訴えている。
「クロエ…落ち着きなさい。だからローラちゃんは特別なのよ…」
「まあ、そうなのね。それにしても、アーサーは嫉妬深くて嫌ね。別にメイソンとローラちゃんを二人きりで出掛けさせるって言っている訳ではないのだから良いでしょう?私もお姉様も一緒よ!ねぇ、お姉様」
「そう言えば、私もローラちゃんと一緒に街に出た事は無かったわね。アーサー、今日一日ローラちゃんを借りるわね。メイソンが少し邪魔だけれど、女同士楽しくショッピングでもしましょう」
「母上、勝手な事を言うのは止めてくれ!とにかくローラは…」
「お黙りなさい!そもそも、誰がローラちゃんを連れて来たと思っているの!私たちがローラちゃんを連れてきたから、あなたは今幸せに暮らしているのでしょう?一日くらい、ローラちゃんを借りてもバチは当たらないわ」
それを言われたら、さすがの旦那様も何も言えないだろう。
「旦那様、四人で出掛けるのですから、問題ないと思いますわ」
「…わかった。ただし、キーキを…いいや、あいつは面倒ごとになると、すぐに逃げだすからな。そうだな…モカラも行かせるから。それから、俺が屋敷に帰ってくるまでには、ローラを解放する事。これだけは守ってくれ!」
どうやらモカラを監視役で付けるらしい。それでも何とか許可が下りた様だ。
「それじゃあ、早速街に行きましょう!最近出来たスィーツのお店が気になるのよね。この前、メイドに頼んで買ってきてもらったのだけれど、とても美味しかったの。今度はお店で食べたいわ!」
「スイーツ、いいわね。お姉様、早速行きましょう!」
なぜかお義母様とクロエ様が盛り上がっている。とりあえず旦那様を見送ってから、出発する事になった。
「旦那様、気を付けて行ってらっしゃいませ」
「ローラ、くれぐれもメイソンとの距離は保つんだぞ。あと年増二人が暴走したら、放置して帰って来ていいからな!分かったな」
年増二人て…
「ちょっとアーサー、誰が年増よ!」
ほら、お義母様とクロエ様が怒っているわ。隣でメイソン様も苦笑いしている。
「とにかく、嫌なら帰ってきたらいいからな!それじゃあ、行って来る。なるべく早く帰ってくるようにするから」
私の頬に口付けをして、馬車に乗り込んでいった旦那様。隣でお義母様とクロエ様が、ニヤニヤしながらこちらを見ている。旦那様ったら、少し状況を考えて行動して欲しいわ…
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