大好きだった人には振られましたが、なぜかヤンデレ王太子に溺愛されました

Karamimi

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第43話:次期王妃を殺そうとした罪は重いぞ【中編】~ワイアット視点~

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「今日は皆に急遽集まってもらったのは他でもありません。昨日アリアが盗賊に襲われました。そしてその盗賊を雇い、アリアを殺そうとした犯人を特定したのでご報告いたします」

「ワイアット、それは本当なのか!一体誰なんだ!」

父上が前のめりになって聞いて来た。母上や大臣たちも、目を大きく見開いている。

「大変いいにくいのですが、スカーレットです」

「スカーレットだと…」

周りから一気にざわめきが起きる。そりゃそうだろう!まさか王女が実の兄の婚約者を殺そうとしたのだからな。

「ワイアット、それは本当なの?確かにあの子はアリアちゃんを嫌っていたけれど…」

そんな事をする子ではない!そう言いたかったのだろうが、そんな事をする様な女だという事は、母上も分かっている。だからこれ以上言えなかったのだろう。

「これがスカーレットがアリアを襲わせたという証拠たちです。スカーレットが盗賊たちと、打ち合わせをしている会話も残っています」

たとえスカーレットが“自分ではない”と言ったところで、ここまで証拠を揃えたんだ!絶対に言い逃れは出来ない!

皆に分かるよう、ゆっくりと時間を掛けて証拠を説明していく。どんどん真っ青になっていく父上と母上。家臣たちはなぜかニヤケている奴がいる。そう言えば、こいつらもスカーレットには嫌な思いをさせられているもんな。気持ちはわかる。

「父上、母上、スカーレットは王太子でもある俺の婚約者を、亡き者にしようとしたのです!さすがに容認は出来ません!厳罰を望みます!」

そうはっきりと告げた。

「とにかくスカーレットを呼んで来い!」

近くにいた執事に、スカーレットを呼んで来る様指示を出す父上。しばらくすると、不機嫌そうなスカーレットがやって来た。

「一体何の用?」

相変わらずふてぶてしい女だ!

「昨日アリアが盗賊に襲われた。そしてその盗賊に、アリアを襲う様指示を出したのはお前だな、スカーレット!」

「はっ?何を言っているの?言いがかりはよしてよ!証拠はあるの?証拠は?」

出た!証拠証拠ってうるさい女だ!

「証拠ならここに並んでいる!」

また1つずつ証拠の数々をスカーレットに見せた。見る見る真っ青になって行くスカーレット。でも次の瞬間

「そうよ、私がやったのよ!そもそも伯爵令嬢の分際で図々しいのよ!だから消そうと思っただけ!悪い?」

ついに開き直ったスカーレット。この女、ふざけているのか!体中から怒りが込み上げる!

「スカーレット、何て事をしたんだ!アリアは次期王妃だぞ!こんな事をして、ただで済むと思っているのか!」

さすがの父上も怒鳴りつけている。母上は泣き出してしまった。

「はっ?私は王女なのよ。たとえ次期王妃になると言っても、所詮伯爵令嬢。私の方が上でしょう?」

「お前はバカか!次期王妃の方が上に決まっているだろう…」

父上が呆れ顔でそう言った。

「次期王妃を亡き者にしようとしたんだ。極刑が妥当だ!」

スカーレットにはっきりと告げた。

「そんな…あんな女の為に、どうして私が殺されないといけないのよ。嫌よ!」

「ワイアット、さすがに極刑は厳しすぎるわ!しばらく謹慎でどうかしら?」

謹慎だと?母上は俺を舐めているのか?いくら何でも緩すぎるだろう…でも、母上ならそう言うと思ったよ。

「王妃様、お言葉ですがいくら何でも謹慎では軽すぎます。次期王妃様を何だと思っているのですか!」

さすがに家臣たちからも、抗議の声が上がった。

「だからって極刑は厳しすぎるわ。ワイアット、お願い、あなたの血の分けた妹でしょう!どうかスカーレットに、やり直すチャンスを与えてあげて!」

「私からも頼む、ワイアット。お前がアリアをどれほど大切に思っているかは知っている。でも、お前の妹だ!どうかスカーレットの事も、考えてあげて欲しい!」

必死に訴える両親。本当にこいつらは…まあいいだろう。

「分かりました、では1年間修道院に入ると言うのはどうでしょう。修道院は俺が手配します。そこでスカーレットの根性を徹底的に叩き直してもらいましょう。もし1年経っても今のままなら、さらに1年延長すると言うのはどうですか?」

「修道院ですって!嫌よ、あんなところ!」

自分がどれほど恐ろしい事をしたのかも忘れ、言いたい放題のスカーレット。だが、この条件は飲んでもらう。

「嫌なら極刑だな!国外追放でもいいぞ!」

そう言ってニヤリと笑ってやった。

「ワイアット、分かったわ。スカーレットを修道院に預けましょう。スカーレット、1年の辛抱よ!」

そう言って必死にスカーレットをなだめる母上。嫌だと言ってスカーレットが大暴れしたので、とりあえずまた明日改めて話をする事になった。

ただ、1年間の修道院送りは決まりだろう。

早速アリアの部屋に向かった。ちょうどアルフレッドとバービレス嬢が、お見舞いに来てくれていた。ただアルフレッドはものすごい勢いでアリアに、

「ワイアットが油断したのが悪い!」

そう言って詰め寄っていた。さりげなくアルフレッドからアリアを離し、スカーレットの事を伝えた。優しいアリアは了承してくれたが、アルフレッドは不満を爆発させていた。確かにアルフレッドの言う様に、罪が軽すぎると思われても仕方がない。

そんなアルフレッドをなだめてくれたのは、バービレス嬢だ。彼女のおかげで、何とか納得してくれたアルフレッド。

でも…アルフレッドの言う通り、アリアが怪我をしたのは俺のせいだ!俺がもっとしっかり計画を立てていれば、アリアは怪我をしなかったのかもしれない。だからこそ、今度は絶対に失敗する訳にはいかないんだ!

そう、絶対に…
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