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第42話:次期王妃を殺そうとした罪は重いぞ【前編】~ワイアット視点~
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アリアを見送った後、急いで馬に乗ろうとした時だった。
「あらお兄様、今からどこに行くの?」
話しかけてきたのはスカーレットだ。クソ、絶妙なタイミングで話しかけてきやがった!
「今ちょうどアリアを送り出したところだから、ちょっと夜風にでもあたりに行こうと思ってね。それじゃあまた」
そう言って馬に乗ろうとしたのだが
「夜の散歩か、いいわね。ねえ、たまには私も乗せてよ!」
何なんだこいつは!こうしている間にも、アリアの乗った馬車は進んでいる!
「悪いがまた今度でいいかな?今日は1人で思いっきり走らせたい気分なんだ!」
「あら、お兄様ったら意地悪ね。そうそう、アリア嬢とは最近うまくいっているの?」
一体どういうつもりだ!いつも俺になんて、ほとんど話しかけてこないくせに!
「ああ、いっているよ!それじゃあ俺はもう行くから」
「待ってよ!ちょっとぐらい兄妹の会話を楽しんだっていいじゃない!相変わらず冷たいわね」
そう言って頬を膨らませている。正直こんな女に構っている余裕はない。適当にあしらい、馬にまたがりアリアの元へと急ぐ。結局こいつのせいで、随分と時間を取られてしまった。
今アリアは何処にいるんだ?そう、アリアの居場所がいつでも分る様、アリアに贈ったルビーのネックレスに居場所を特定できる機械を取り付けているのだ。そのため、いつでもどこでもアリアがどこにいるか分かる。
クソ!随分と遠くまで行っているな!とにかく急ごう!
馬を全速力で飛ばす。どうやら目的地についた様で、アリアの動きが止まった。ヤバイ!このままだと間に合わない!さらに馬を飛ばす。しばらく走ると、アリアの姿が見えた。男が少しずつアリアに近付いている!このままではマズい!
「アリアから離れろ!」
自分でもびっくりする程、大きな声で叫んだ。すると男たちは俺に気がついた様で、こっちを見て固まっている。すぐに馬から飛び降りると、一気に男4人をなぎ倒す。
スカーレット、お前もうちょっと腕っぷしが良い奴を雇えなかったのかよ…そう思うくらい、こいつらは弱かった。俺の登場を待っていた護衛騎士たちが、一気に4人を縛り上げる。
もちろん、ここまで馬車でアリアを連れて来た御者も捕まえる。奴らを倒し、すぐにアリアの元へと向かった。よほど怖かったのか、ポロポロと涙を流し、俺に必死にしがみついて来るアリア。やっぱりアリアは可愛いな…ふとアリアの足元を見ると、血が出ていた。
嘘だろ…
俺の可愛いアリアが、怪我をしている…
もしかして、他にも怪我をしているのか?とにかく一度王宮に戻ろう。近くにいた騎士達に、伯爵家に事情を説明する様に伝えると同時に、一足先に王宮に戻り、医者を手配する様に指示を出す。
そしてアリアを抱きかかえ、馬車に乗り込んだ。アリアの話しでは、馬車が急ブレーキをかけた時、体をぶつけたとの事。クソ!まさか急ブレーキで怪我をさせられるなんて!
完全に俺の考えが甘かったんだ!アリアに怪我をさせてしまった事が物凄く申し訳なくて、ギューッとアリアを抱きしめた。王宮に着くと、すぐに医師に見せた。その結果、背中の打撲と足を捻挫している事が分かった。
あぁ、何て事だ…
まさかアリアにこんな酷い怪我をさせてしまうなんて…自分の浅はかな考えを、物凄く後悔した。それと同時に、スカーレットへの怒りが爆発する!あの女だけは許さない!
アリアを寝かせた後は、早速家臣たちと一緒にあの女が犯人だという証拠をまとめる。そう、明日にでもこの証拠を持って、父上と母上に話をするつもりだ。ただあの両親の事だ、きっと泣きながら
「スカーレットにチャンスを与えてやってくれ!」
何てふざけた事をほざくのだろう…そう、だから俺はある作戦を考えているんだ!
ある程度証拠をまとめたところで、アリアの部屋へと向かった。スースー眠るアリア。そんなアリアのベッドにそっと入る。そしてアリアを抱きしめた。アリア、おやすみ!君の仇は100倍返しにして返すからね。
そう伝えて、俺も眠りについた。
翌朝、先に目が覚めた俺は、アリアの寝顔を見つめる。長いまつ毛、すっと伸びた鼻、ぽってりとした赤い唇、ペロリと唇を舐めると、くすぐったかったのかくるりと反対側を向いてしまった。
一旦ベッドから出て、反対側に回った。しばらく眺めていると、ゆっくり瞼が上がり、ルビーの様な美しい瞳と目が合った。俺の顔を見ると、嬉しそうに微笑んだアリア。そしてギューッと抱き着いて来た。
あぁ…なんて可愛いいんだろう…今後はずっとアリアと一緒だ!ずっとこの可愛い姿を見て居られる…そう思うと、嬉しくてたまらない!アリアが起きたところで、2人で朝食を食べる。
食後は再びアリアをベッドに寝かせ、早速父上と母上、さらに大臣たちも呼び出した。大臣は基本的に公爵や侯爵たちがやっている。もちろん、アルフレッドの父親も大臣の1人だ!
さあ、あの女の悪事を裁こう!
「あらお兄様、今からどこに行くの?」
話しかけてきたのはスカーレットだ。クソ、絶妙なタイミングで話しかけてきやがった!
「今ちょうどアリアを送り出したところだから、ちょっと夜風にでもあたりに行こうと思ってね。それじゃあまた」
そう言って馬に乗ろうとしたのだが
「夜の散歩か、いいわね。ねえ、たまには私も乗せてよ!」
何なんだこいつは!こうしている間にも、アリアの乗った馬車は進んでいる!
「悪いがまた今度でいいかな?今日は1人で思いっきり走らせたい気分なんだ!」
「あら、お兄様ったら意地悪ね。そうそう、アリア嬢とは最近うまくいっているの?」
一体どういうつもりだ!いつも俺になんて、ほとんど話しかけてこないくせに!
「ああ、いっているよ!それじゃあ俺はもう行くから」
「待ってよ!ちょっとぐらい兄妹の会話を楽しんだっていいじゃない!相変わらず冷たいわね」
そう言って頬を膨らませている。正直こんな女に構っている余裕はない。適当にあしらい、馬にまたがりアリアの元へと急ぐ。結局こいつのせいで、随分と時間を取られてしまった。
今アリアは何処にいるんだ?そう、アリアの居場所がいつでも分る様、アリアに贈ったルビーのネックレスに居場所を特定できる機械を取り付けているのだ。そのため、いつでもどこでもアリアがどこにいるか分かる。
クソ!随分と遠くまで行っているな!とにかく急ごう!
馬を全速力で飛ばす。どうやら目的地についた様で、アリアの動きが止まった。ヤバイ!このままだと間に合わない!さらに馬を飛ばす。しばらく走ると、アリアの姿が見えた。男が少しずつアリアに近付いている!このままではマズい!
「アリアから離れろ!」
自分でもびっくりする程、大きな声で叫んだ。すると男たちは俺に気がついた様で、こっちを見て固まっている。すぐに馬から飛び降りると、一気に男4人をなぎ倒す。
スカーレット、お前もうちょっと腕っぷしが良い奴を雇えなかったのかよ…そう思うくらい、こいつらは弱かった。俺の登場を待っていた護衛騎士たちが、一気に4人を縛り上げる。
もちろん、ここまで馬車でアリアを連れて来た御者も捕まえる。奴らを倒し、すぐにアリアの元へと向かった。よほど怖かったのか、ポロポロと涙を流し、俺に必死にしがみついて来るアリア。やっぱりアリアは可愛いな…ふとアリアの足元を見ると、血が出ていた。
嘘だろ…
俺の可愛いアリアが、怪我をしている…
もしかして、他にも怪我をしているのか?とにかく一度王宮に戻ろう。近くにいた騎士達に、伯爵家に事情を説明する様に伝えると同時に、一足先に王宮に戻り、医者を手配する様に指示を出す。
そしてアリアを抱きかかえ、馬車に乗り込んだ。アリアの話しでは、馬車が急ブレーキをかけた時、体をぶつけたとの事。クソ!まさか急ブレーキで怪我をさせられるなんて!
完全に俺の考えが甘かったんだ!アリアに怪我をさせてしまった事が物凄く申し訳なくて、ギューッとアリアを抱きしめた。王宮に着くと、すぐに医師に見せた。その結果、背中の打撲と足を捻挫している事が分かった。
あぁ、何て事だ…
まさかアリアにこんな酷い怪我をさせてしまうなんて…自分の浅はかな考えを、物凄く後悔した。それと同時に、スカーレットへの怒りが爆発する!あの女だけは許さない!
アリアを寝かせた後は、早速家臣たちと一緒にあの女が犯人だという証拠をまとめる。そう、明日にでもこの証拠を持って、父上と母上に話をするつもりだ。ただあの両親の事だ、きっと泣きながら
「スカーレットにチャンスを与えてやってくれ!」
何てふざけた事をほざくのだろう…そう、だから俺はある作戦を考えているんだ!
ある程度証拠をまとめたところで、アリアの部屋へと向かった。スースー眠るアリア。そんなアリアのベッドにそっと入る。そしてアリアを抱きしめた。アリア、おやすみ!君の仇は100倍返しにして返すからね。
そう伝えて、俺も眠りについた。
翌朝、先に目が覚めた俺は、アリアの寝顔を見つめる。長いまつ毛、すっと伸びた鼻、ぽってりとした赤い唇、ペロリと唇を舐めると、くすぐったかったのかくるりと反対側を向いてしまった。
一旦ベッドから出て、反対側に回った。しばらく眺めていると、ゆっくり瞼が上がり、ルビーの様な美しい瞳と目が合った。俺の顔を見ると、嬉しそうに微笑んだアリア。そしてギューッと抱き着いて来た。
あぁ…なんて可愛いいんだろう…今後はずっとアリアと一緒だ!ずっとこの可愛い姿を見て居られる…そう思うと、嬉しくてたまらない!アリアが起きたところで、2人で朝食を食べる。
食後は再びアリアをベッドに寝かせ、早速父上と母上、さらに大臣たちも呼び出した。大臣は基本的に公爵や侯爵たちがやっている。もちろん、アルフレッドの父親も大臣の1人だ!
さあ、あの女の悪事を裁こう!
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