彼の幸せを願っていたら、いつの間にか私も幸せになりました

Karamimi

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第12話:頼もしい友人たちです

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「それで、ローズ様はアデルのどんな所がお好きなのですか?」

目を輝かせて聞いてくるティーナ様。

「えっと…それは…」

さすがに本人のいる前でどこが好きかなんて恥ずかしくて言えないわ。それに、素直に答えたら、私がアデル様を好きな事が本人にバレてしまうかもしれないし…

「ティーナ、さすがに本人がいる前だと答え辛いのではないか?」

珍しく助け船を出してくれたのは、グラス様だ。

「ごめんなさい、私ったらつい嬉しくて。そうですわよね、さすがに恥ずかしいですわよね」

ティーナ様がシュンとしている。これはマズイ、なんとかしないと!

「ティーナ様、今度ティーナ様のお宅に遊びに行った時に、そういったお話をたくさんしましょう。ティーナ様のお家でしたら、2人でゆっくり恋のお話が出来ますわ」

「まあ、我が家でですか?それは楽しみですわね。それでしたら、今週末にでも…」

「ティーナ、落ち着きなさい。家の都合とかもあるだろうから。それに、やっぱりまだ2人だけで会わせるのは心配だ。もう少し、4人で過ごしてからにしよう」

グラス様がすかさず話に入って来た。それにしても、2人で会わせるのが心配って…私をどういう人間だと思っているのかしら…ついジト目でグラス様を睨んでしまった。

「兄上、ローズは兄上が心配する様な女性ではありません。そもそも、本人を前に失礼すぎませんか?」

「アデル様、私を庇ってくださっているのですね。ありがとうございます」

思いがけず、アデル様が庇ってくれたことが嬉しくて、ついお礼を言ってしまった。それを見たティーナ様が

「2人とも、既に仲睦まじいのですね。なんだか素敵ですわ」

そう言ってクスクス笑っている。

その後は和やかなムードのまま、4人でお茶を楽しみ、家路に着いた。

家に着くと、既にカルミアとファリサが待っていた。そうだったわ、2人が夕方から来ることになっていたのだった。

「2人ともお待たせしてごめんなさい」

急いで着替えを済ませ、2人の待つ客間へと向かった。

「ローズ、気にしないで。私たちが早く来すぎただけだから。それよりも、一体どういう事よ。帰りもアデル様が迎えに来るし。皆あなたとアデル様が付き合っているのではないかと、大騒ぎになっているわよ」

カルミアがすごい勢いで話をする。ファリサも真剣な表情でこちらを見ていた。

「あのね…えっと…実はアデル様と付き合う事になって…」

「「はぁぁ!!!どういう事?」」

「えっと…昼食の後、ちょっと2人きりになる時間が出来て…それで話をしているうちに意気投合して…それで付き合う事になったの…」

どこまで話していいか分からず、とりあえず濁すように話した。でも…

「ローズ、あなた、何か隠しているでしょう?私たちに隠し事をしようとしても無駄よ」

「本当にローズは隠し事が下手ね。それで、一体どうして付き合う事になったのよ」

う…
この2人、勘が鋭いのだから。これ以上隠すのもなんだか気が引ける。でも、アデル様がティーナ様の事を好きという事を話してもいいものかしら?

う~ん…

「はぁ…ローズったら…もしかしてアデル様がティーナ様をお慕いしていて、それでアデル様に協力するために、あなたとアデル様が付き合っている事にしたとか?」

「ファリサ、あなた超能力者なの?少し違うけれど、大方合っているわ!」

「そんな事だろうと思ったわ。アデル様がティーナ様をお慕いしているというのは、昔から噂されていたし。でも、ティーナ様にはグラス様がいらっしゃるでしょう?あの兄弟も色々とあるみたいよ…それで、詳しく話を聞かせてくれる?」

アデル様がティーナ様の事を好きという事がバレているのなら、もう隠す必要は無いわよね。私は2人に、今日の出来事を詳しく話した。

「なるほどね。でも、アデル様はお兄様からティーナ様を奪おうと考えている訳ではないのね。それなら、あなたにもまだ可能性はあるのではなくって?」

「それはないわ。私はアデル様にはっきりと“僕の事は好きにならないでくれ”と言われているのですもの。だから私の気持ちが、絶対にアデル様にバレてはいけないの…」

私の気持ちは、墓場まで持って行くつもりだ。

「はぁ…ローズ、あなたって子は。それでもアデル様の近くにいられるなら、それはそれで幸せかもしれないわね。でもローズ、もしも辛くて苦しくて限界が来たら、迷わず別れるのよ。それに、アデル様はものすごく人気が高いの。もしかしたら、あなたも酷い嫌がらせをされるかもしれないわ」

嫌がらせか…

きっとある事ないこと言われるのだろう。もしかしたら直接嫌がらせをしてくる人もいるかもしれない。それでも私は、アデル様の力になりたい。決して報われないとしても…

「嫌がらせは覚悟の上よ。それに私、陰口を叩かれるのは慣れているし…」

そう、私は両親の件で、散々色々と言われてきたのだ。だから、多少の事なら耐えられるはず…

「もうローズは。あなたはそうやっていつも無理をするのだから。陰口になれる事なんてないのよ!もしあなたに酷い事をする人がいたら、私たちが退治してあげるから」

「そうよ、ローズは私たちの大切な友達なのよ。醜い嫉妬心丸出しの令嬢たちなんかに、あなたを傷つけられてたまるものですか。いい、ローズ、明日から出来るだけ1人にならないように気を付けるのよ」

真っすぐに私の方を見つめる2人。本当にこの子達は…

「ありがとう、2人とも」

「お礼なんていらないわ。それに私たち、まだ何にもしていないしね」

「そうよ、でもこれだけは覚えておいてね。私たちはいつでもどんな時も、あなたの味方だからね」

「うん…私、2人みたいな友達がいて本当に幸せだわ」

気が付くと涙が溢れていた。いつも私に寄り添ってくれる2人。それが嬉しくてたまらないのだ。

「もう、泣き虫なんだから。さあ、この話しは終わり。そろそろ晩御飯にしない?私、お腹ペコペコ」

「私も。あなたの家のお料理、とても美味しいものね」

「2人とも食いしん坊なんだから。でも、私もお腹すいちゃった。そろそろ食堂に行きましょう」

その後3人で食事を楽しみつつ、話しに花を咲かせたのであった。
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