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第14話:これ以上惚れさせないで下さい
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声の方をゆっくり振り向くと、そこにはアデル様が。瞳からは怒りが感じ取れる。
「アデル様、お可哀そうに。ローズ嬢に脅され、無理やり付き合わされているのですよね?でももう大丈夫ですわ。私がこの女を改心させますから、どうぞご安心を」
さっきまで私に見せていた顔とは打って変わり、猫なで声でアデル様にすり寄る巻髪令嬢。凄いわ、あの演技力!
「君は何を言っているんだ。僕たちは愛し合って付き合っているのだ。そもそも、僕から彼女に付き合ってほしいと頼んだんだぞ。それなのに、ティーナを人質にして、僕に無理やり付き合う様に迫っただなんて…本当に言いがかりは止めてくれ!」
「そんな…では本当にこの女を…」
「この女呼ばわりは止めてくれ。彼女は僕の大切な恋人だ。それから君たちの暴言は、ここにしっかり録音させてもらった。この学院では、虐めは退学理由の1つでもある。今回は見逃してやるが、次回もし彼女に酷い事をしたら、ただじゃおかないからな。わかったら、もう二度と僕たちの前には現れないでくれ!」
「…あの…申し訳ございませんでした…」
泣きながら去っていく巻髪令嬢、取り巻きたちも一緒に去って行った。おっと、アデル様にお礼を言わないと。
「アデル様、助けて頂き…」
「ローズ嬢、僕のせいで嫌な思いをさせてしまって、本当にすまない。君には色々と協力してもらっているのに…でも安心して欲しい、もう二度と君を傷つけさせはしないから」
アデル様が必死に私に頭を下げている。どうやら私の事を、気にしてくれている様だ。ただの恋人役でしかない私を…
「アデル様、助けて頂きありがとうございます。どうか頭をあげて下さい。悪口を言われるのは慣れておりますから。それに、アデル様が助けて下さったこと、本当に嬉しく思っているのです」
「ローズ嬢…君って子は…でも、僕のせいで嫌な思いをさせたのは事実だ。とにかく、もう二度とあの様な事が起こらない様、僕も気を付けよう。今回の事は、兄上にも報告しておくよ」
「ありがとうございます。でも、あまり大事にはしたくないので、どうかグラス様には黙っておいてください。もちろん、ティーナ様にも。もし私が暴言を吐かれていると知ったら、お優しいティーナ様が悲しみますわ」
ティーナ様は本当に心優しい。もしかしたら私の為に涙を流すかもしれない。ティーナ様の悲しむ姿は、見たくない。
「ティーナの事まで気に掛けてくれているんだね。分かったよ、ありがとう」
「私にとってティーナ様は、大切なお友達ですので。さあ、そろそろティーナ様のところに参りましょう。きっと心配していらっしゃいますわ」
「そうだね、急ごう」
アデル様と肩を並べ、急いでティーナ様とグラス様の元へと向かった。さっきのアデル様、本当にかっこよかったわ。自分の気持ちを封印したはずなのに、こんな事をされたら、また気持ちが溢れ出してしまう。
でも…
それだけは絶対に出来ない。だって私の気持ちがアデル様にバレたら、きっと彼は私から離れて行ってしまうから…
「ローズ嬢…やっぱりさっきの件、辛い思いをさせてしまったみたいだね。ごめんね…」
私が悲しそうな顔をしていた事に気が付いたのか、アデル様が再び謝ってきた。
「ごめんなさい、別の事を考えていましたの。本当にさっきの件は大丈夫ですので」
手をブンブン振って否定した。それにしてもこの人、どこまで優しいのかしら?そこまで私の事を心配してくれるなんて。お願い、これ以上私に優しくしないで…
「それならいいのだが…」
何とも言えない空気が流れる。話題を変えないと!そう思った時だった。
「ローズ様、アデル!」
私たちの方にやって来たのは、ティーナ様とグラス様だ。
「ティーナ様、どうされたのですか?」
「ローズ様が中々来ないから、心配して見に来たのです。ローズ様を迎えに行ったアデルもなかなか戻ってこないし…」
心配そうな顔のティーナ様。
「そうだったのですね。ごめんなさい。ちょっと先生に呼び出されてしまって…少し遅くなってしまいましたが、お昼にしましょう。私、今日はティーナ様のお好きな、レモンのドレッシングがたっぷりかかった、サラダを持ってきましたのよ」
「まあ、本当ですか?私もローズ様の好きな、果物のソースが掛かったステーキを持ってきましたの。昨日みたいに交換しながら食べましょう」
「ええ、もちろんです」
ティーナ様の嬉しそうな顔を見ると、私も嬉しくなる。もちろん、アデル様も…
私はティーナ様もアデル様も大切だ。だからこれからも、2人の笑顔を傍で見ていたい。たとえ自分の気持ちを偽る事になったとしても。
「それじゃあ、早速食べようか」
4人でテラスまで戻ると、お弁当を広げ、ティーナ様とお弁当を交換した。
そうだわ!
「はい、アデル様も。せっかくなら、皆でシェアして食べましょう」
「え…僕もかい?それじゃあ、せっかくなので頂くよ」
どさくさに紛れて、ティーナ様のお弁当をアデル様にあげた。嬉しそうに頬張るアデル様を見たら、私も嬉しくなった。
「ローズ様とアデル、本当に幸せそうね。私達も負けてはいられないわね。ほら、これ食べて」
すかさずティーナ様がグラス様の口に食べ物を入れた。
「ティーナが食べさせてくれるなんて、嬉しいな。それじゃあ、今度は僕が」
あら?
目の前でティーナ様とグラス様のイチャイチャ合戦が始まってしまった。
これは…私の作戦ミスね…
チラリとアデル様を見つめると、何とも言えない顔をしていた。そんなアデル様に向かって、申し訳なさそうに頭を下げた。
私ったら一体、何をしているのかしら…
ただ…
昨日までの絶望に満ちた瞳をしていないから、まあいいか。
とにかくあまりティーナ様とグラス様がイチャイチャさせないように、上手く立ち振る舞わないと。
「アデル様、お可哀そうに。ローズ嬢に脅され、無理やり付き合わされているのですよね?でももう大丈夫ですわ。私がこの女を改心させますから、どうぞご安心を」
さっきまで私に見せていた顔とは打って変わり、猫なで声でアデル様にすり寄る巻髪令嬢。凄いわ、あの演技力!
「君は何を言っているんだ。僕たちは愛し合って付き合っているのだ。そもそも、僕から彼女に付き合ってほしいと頼んだんだぞ。それなのに、ティーナを人質にして、僕に無理やり付き合う様に迫っただなんて…本当に言いがかりは止めてくれ!」
「そんな…では本当にこの女を…」
「この女呼ばわりは止めてくれ。彼女は僕の大切な恋人だ。それから君たちの暴言は、ここにしっかり録音させてもらった。この学院では、虐めは退学理由の1つでもある。今回は見逃してやるが、次回もし彼女に酷い事をしたら、ただじゃおかないからな。わかったら、もう二度と僕たちの前には現れないでくれ!」
「…あの…申し訳ございませんでした…」
泣きながら去っていく巻髪令嬢、取り巻きたちも一緒に去って行った。おっと、アデル様にお礼を言わないと。
「アデル様、助けて頂き…」
「ローズ嬢、僕のせいで嫌な思いをさせてしまって、本当にすまない。君には色々と協力してもらっているのに…でも安心して欲しい、もう二度と君を傷つけさせはしないから」
アデル様が必死に私に頭を下げている。どうやら私の事を、気にしてくれている様だ。ただの恋人役でしかない私を…
「アデル様、助けて頂きありがとうございます。どうか頭をあげて下さい。悪口を言われるのは慣れておりますから。それに、アデル様が助けて下さったこと、本当に嬉しく思っているのです」
「ローズ嬢…君って子は…でも、僕のせいで嫌な思いをさせたのは事実だ。とにかく、もう二度とあの様な事が起こらない様、僕も気を付けよう。今回の事は、兄上にも報告しておくよ」
「ありがとうございます。でも、あまり大事にはしたくないので、どうかグラス様には黙っておいてください。もちろん、ティーナ様にも。もし私が暴言を吐かれていると知ったら、お優しいティーナ様が悲しみますわ」
ティーナ様は本当に心優しい。もしかしたら私の為に涙を流すかもしれない。ティーナ様の悲しむ姿は、見たくない。
「ティーナの事まで気に掛けてくれているんだね。分かったよ、ありがとう」
「私にとってティーナ様は、大切なお友達ですので。さあ、そろそろティーナ様のところに参りましょう。きっと心配していらっしゃいますわ」
「そうだね、急ごう」
アデル様と肩を並べ、急いでティーナ様とグラス様の元へと向かった。さっきのアデル様、本当にかっこよかったわ。自分の気持ちを封印したはずなのに、こんな事をされたら、また気持ちが溢れ出してしまう。
でも…
それだけは絶対に出来ない。だって私の気持ちがアデル様にバレたら、きっと彼は私から離れて行ってしまうから…
「ローズ嬢…やっぱりさっきの件、辛い思いをさせてしまったみたいだね。ごめんね…」
私が悲しそうな顔をしていた事に気が付いたのか、アデル様が再び謝ってきた。
「ごめんなさい、別の事を考えていましたの。本当にさっきの件は大丈夫ですので」
手をブンブン振って否定した。それにしてもこの人、どこまで優しいのかしら?そこまで私の事を心配してくれるなんて。お願い、これ以上私に優しくしないで…
「それならいいのだが…」
何とも言えない空気が流れる。話題を変えないと!そう思った時だった。
「ローズ様、アデル!」
私たちの方にやって来たのは、ティーナ様とグラス様だ。
「ティーナ様、どうされたのですか?」
「ローズ様が中々来ないから、心配して見に来たのです。ローズ様を迎えに行ったアデルもなかなか戻ってこないし…」
心配そうな顔のティーナ様。
「そうだったのですね。ごめんなさい。ちょっと先生に呼び出されてしまって…少し遅くなってしまいましたが、お昼にしましょう。私、今日はティーナ様のお好きな、レモンのドレッシングがたっぷりかかった、サラダを持ってきましたのよ」
「まあ、本当ですか?私もローズ様の好きな、果物のソースが掛かったステーキを持ってきましたの。昨日みたいに交換しながら食べましょう」
「ええ、もちろんです」
ティーナ様の嬉しそうな顔を見ると、私も嬉しくなる。もちろん、アデル様も…
私はティーナ様もアデル様も大切だ。だからこれからも、2人の笑顔を傍で見ていたい。たとえ自分の気持ちを偽る事になったとしても。
「それじゃあ、早速食べようか」
4人でテラスまで戻ると、お弁当を広げ、ティーナ様とお弁当を交換した。
そうだわ!
「はい、アデル様も。せっかくなら、皆でシェアして食べましょう」
「え…僕もかい?それじゃあ、せっかくなので頂くよ」
どさくさに紛れて、ティーナ様のお弁当をアデル様にあげた。嬉しそうに頬張るアデル様を見たら、私も嬉しくなった。
「ローズ様とアデル、本当に幸せそうね。私達も負けてはいられないわね。ほら、これ食べて」
すかさずティーナ様がグラス様の口に食べ物を入れた。
「ティーナが食べさせてくれるなんて、嬉しいな。それじゃあ、今度は僕が」
あら?
目の前でティーナ様とグラス様のイチャイチャ合戦が始まってしまった。
これは…私の作戦ミスね…
チラリとアデル様を見つめると、何とも言えない顔をしていた。そんなアデル様に向かって、申し訳なさそうに頭を下げた。
私ったら一体、何をしているのかしら…
ただ…
昨日までの絶望に満ちた瞳をしていないから、まあいいか。
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