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第16話:せっかく2人きりで話をしていたのに…
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バンと勢いよくドアが開いたと思ったら、息を切らしたグラス様が部屋に乱入してきた。そして、そのままティーナ様を抱きしめたのだ。
「グラス、一体どうしたの?まだ30分も経っていないと思うのだけれど…」
「どうもこうもない。君とローズ嬢の会話が急に聞こえなくなったから、心配で見に来たんだ。何ともないかい?」
なるほど…
悪びれもなく盗聴しようとしたが、その盗聴が上手く出来ていない事を知って、飛んできた訳ね…
「グラス様、ご安心を。私がグラス様の“盗み聞き”を阻止させていただいただけですわ。そもそも、令嬢たちのお話を盗み聞きするだなんて、少しはしたないのではございませんか?」
「ローズ嬢が邪魔していたのか!僕はティーナの婚約者だ。君がティーナに酷い事を言わないか、監視する義務がある。それなのに、盗聴防止の機械まで準備したうえ、僕に向かってはしたないだなんて、君は一体何を考えているのだ」
「はしたないからはしたないと言ったまでです。いくらティーナ様があなた様の婚約者だからって、盗聴は良くないですわ。あなたがやっている事は、私とティーナ様が入っているお風呂場をのぞいているのと同じ事ですわよ」
「風呂場だって…僕はさすがにそんな事はしない!風呂場と一緒にするな」
「いいえ、一緒です!とにかく私たちはまだ話したりませんので、どうかお引き取り下さい」
グラス様を追い出そうとしたのだが…
「いいや、もう君と2人きりに何て出来ない!僕は部屋から出て行かないからな。おい、アデル、君は恋人にどんな教育をしているんだ。ローズ嬢が僕を、はしたない呼ばわりしたんだぞ」
挙句の果てに、傍にいたアデル様に文句まで言っている。
「兄上、ローズは間違った事を言っていません。そもそも、僕の恋人の会話を盗み聞きするのは、いかがなものかと…」
「アデルにも話の内容を聞かせてやっていたじゃないか!とにかく、これ以上ローズ嬢とティーナを2人きりにはさせないからな」
完全に頭に血が上っているグラス様。本当に面倒な男だ。
「グラス、いい加減にしないか。やっと出来たティーナの友達に向かって、暴言を吐くなんて!」
私たちの間に入って来たのは、ティーナ様のお兄様だ。それにしてもこの人、美しいわね…
普段美しい男女を見慣れている私でも、つい目をそらしてしまうほどの美しさ…そんな美しいティーナ様のお兄様が、なぜか私を真っすぐ見つめた。ちょっと、そんなお美しいお顔で見つめないで。鼻血が出そうだわ!
「ローズ嬢、グラスがすまなかったね。それにしても、ティーナが君を気に入るのもうなずける。あのグラスにあれだけ反論が出来るのだから。ねえ、せっかくだから、5人でお茶にしない?ローズ嬢の事、もっと知りたいと思って」
それはそれはお美しいお顔でほほ笑まれてしまった。何なの、この美しさは。
「もう、お兄様まで。ローズ様、兄がごめんなさい」
「いいえ、私は大丈夫ですわ…」
ただ、こんなにもお美しい男性とお茶だなんて、さすがに緊張するので勘弁して欲しいのが本音だ…
「ほら、ローズ嬢も大丈夫と言ってくれているではないか。さあ、ローズ嬢、一緒にお茶でもしよう。僕の隣にどうぞ」
何を思ったのか、ティーナ様のお兄様が私の手を取ったのだ。
「ディーオン兄さん、ローズに気安く触れるのはよしてくれるかい?」
何を思ったのか、アデル様がティーナ様のお兄様から私の手を奪い取ったのだ。一体何が起こったのか分からず、固まる。
「ごめんごめん、そういえばローズ嬢はアデルの恋人だったね。それにしてもアデル、君でも嫉妬するんだ。いやぁ、いいもの見せてもらったよ。それじゃあ、僕はこれで」
そう言って去っていくティーナ様のお兄様。一体何がしたかったのかしら?
と、次の瞬間、急に手を振り払われた。
「す…すまない。気安く君に触れてしまった。本当に申し訳ない」
なぜか真っ赤な顔のアデル様が、私に向かって頭を下げていた。
「いえ…私は大丈夫ですわ」
アデル様が赤くなるから、なんだか私まで恥ずかしくなって頬を赤らめてしまった。
「アデル、何赤くなっているんだ。ローズ嬢と君は付き合っているのだから、手ぐらい普通に触れても問題ないだろう。それにしても君たち、本当にウブだな」
「本当ね。でも、そういうの、私は好きよ」
なぜかグラス様とティーナ様がクスクス笑っている。もう、何が可笑しいのよ。
「さあ、せっかくだから4人でお茶にしましょう。本当はローズ様とまだまだ2人きりでお話がしたかったのですが、致し方ありませんね。ローズ様、またいつか2人きりでお茶をしましょうね」
どうやら2人きりのお茶会はこれでお開きの様だ。もう、グラス様のせいで全然ティーナ様とお話が出来なかったわ。
それでも、ティーナ様はどうやらグラス様が大好きで、グラス様の気持ち悪いほどの束縛も嫌ではない様だ。それは良かったのだが…
チラリとアデル様の方を見る。
なぜか自分の手を見つめ固まっている。一体何をしているのかしら?
私の視線に気が付いたのか、目が合った。すると
「僕は別に…君の手が柔らかくて温かくて触れ心地が良くて、また触れたいだなんて思っていないよ…」
「へっ?」
なぜか意味不明な事を叫んだアデル様。
「いいや、何でもない」
再び顔を真っ赤にして俯いてしまった。この人は、どうしたのかしら?
とにかく、ティーナ様の本心をアデル様に聞かれなくてよかった。もしティーナ様がグラス様を心から愛しているという言葉をアデル様が聞いたら、きっとショックを受けるものね。
結局その後は、4人でお茶をした。ただ、なぜかずっと動揺していたアデル様。本当に、一体どうしたのかしら?
※次回アデル視点です。
「グラス、一体どうしたの?まだ30分も経っていないと思うのだけれど…」
「どうもこうもない。君とローズ嬢の会話が急に聞こえなくなったから、心配で見に来たんだ。何ともないかい?」
なるほど…
悪びれもなく盗聴しようとしたが、その盗聴が上手く出来ていない事を知って、飛んできた訳ね…
「グラス様、ご安心を。私がグラス様の“盗み聞き”を阻止させていただいただけですわ。そもそも、令嬢たちのお話を盗み聞きするだなんて、少しはしたないのではございませんか?」
「ローズ嬢が邪魔していたのか!僕はティーナの婚約者だ。君がティーナに酷い事を言わないか、監視する義務がある。それなのに、盗聴防止の機械まで準備したうえ、僕に向かってはしたないだなんて、君は一体何を考えているのだ」
「はしたないからはしたないと言ったまでです。いくらティーナ様があなた様の婚約者だからって、盗聴は良くないですわ。あなたがやっている事は、私とティーナ様が入っているお風呂場をのぞいているのと同じ事ですわよ」
「風呂場だって…僕はさすがにそんな事はしない!風呂場と一緒にするな」
「いいえ、一緒です!とにかく私たちはまだ話したりませんので、どうかお引き取り下さい」
グラス様を追い出そうとしたのだが…
「いいや、もう君と2人きりに何て出来ない!僕は部屋から出て行かないからな。おい、アデル、君は恋人にどんな教育をしているんだ。ローズ嬢が僕を、はしたない呼ばわりしたんだぞ」
挙句の果てに、傍にいたアデル様に文句まで言っている。
「兄上、ローズは間違った事を言っていません。そもそも、僕の恋人の会話を盗み聞きするのは、いかがなものかと…」
「アデルにも話の内容を聞かせてやっていたじゃないか!とにかく、これ以上ローズ嬢とティーナを2人きりにはさせないからな」
完全に頭に血が上っているグラス様。本当に面倒な男だ。
「グラス、いい加減にしないか。やっと出来たティーナの友達に向かって、暴言を吐くなんて!」
私たちの間に入って来たのは、ティーナ様のお兄様だ。それにしてもこの人、美しいわね…
普段美しい男女を見慣れている私でも、つい目をそらしてしまうほどの美しさ…そんな美しいティーナ様のお兄様が、なぜか私を真っすぐ見つめた。ちょっと、そんなお美しいお顔で見つめないで。鼻血が出そうだわ!
「ローズ嬢、グラスがすまなかったね。それにしても、ティーナが君を気に入るのもうなずける。あのグラスにあれだけ反論が出来るのだから。ねえ、せっかくだから、5人でお茶にしない?ローズ嬢の事、もっと知りたいと思って」
それはそれはお美しいお顔でほほ笑まれてしまった。何なの、この美しさは。
「もう、お兄様まで。ローズ様、兄がごめんなさい」
「いいえ、私は大丈夫ですわ…」
ただ、こんなにもお美しい男性とお茶だなんて、さすがに緊張するので勘弁して欲しいのが本音だ…
「ほら、ローズ嬢も大丈夫と言ってくれているではないか。さあ、ローズ嬢、一緒にお茶でもしよう。僕の隣にどうぞ」
何を思ったのか、ティーナ様のお兄様が私の手を取ったのだ。
「ディーオン兄さん、ローズに気安く触れるのはよしてくれるかい?」
何を思ったのか、アデル様がティーナ様のお兄様から私の手を奪い取ったのだ。一体何が起こったのか分からず、固まる。
「ごめんごめん、そういえばローズ嬢はアデルの恋人だったね。それにしてもアデル、君でも嫉妬するんだ。いやぁ、いいもの見せてもらったよ。それじゃあ、僕はこれで」
そう言って去っていくティーナ様のお兄様。一体何がしたかったのかしら?
と、次の瞬間、急に手を振り払われた。
「す…すまない。気安く君に触れてしまった。本当に申し訳ない」
なぜか真っ赤な顔のアデル様が、私に向かって頭を下げていた。
「いえ…私は大丈夫ですわ」
アデル様が赤くなるから、なんだか私まで恥ずかしくなって頬を赤らめてしまった。
「アデル、何赤くなっているんだ。ローズ嬢と君は付き合っているのだから、手ぐらい普通に触れても問題ないだろう。それにしても君たち、本当にウブだな」
「本当ね。でも、そういうの、私は好きよ」
なぜかグラス様とティーナ様がクスクス笑っている。もう、何が可笑しいのよ。
「さあ、せっかくだから4人でお茶にしましょう。本当はローズ様とまだまだ2人きりでお話がしたかったのですが、致し方ありませんね。ローズ様、またいつか2人きりでお茶をしましょうね」
どうやら2人きりのお茶会はこれでお開きの様だ。もう、グラス様のせいで全然ティーナ様とお話が出来なかったわ。
それでも、ティーナ様はどうやらグラス様が大好きで、グラス様の気持ち悪いほどの束縛も嫌ではない様だ。それは良かったのだが…
チラリとアデル様の方を見る。
なぜか自分の手を見つめ固まっている。一体何をしているのかしら?
私の視線に気が付いたのか、目が合った。すると
「僕は別に…君の手が柔らかくて温かくて触れ心地が良くて、また触れたいだなんて思っていないよ…」
「へっ?」
なぜか意味不明な事を叫んだアデル様。
「いいや、何でもない」
再び顔を真っ赤にして俯いてしまった。この人は、どうしたのかしら?
とにかく、ティーナ様の本心をアデル様に聞かれなくてよかった。もしティーナ様がグラス様を心から愛しているという言葉をアデル様が聞いたら、きっとショックを受けるものね。
結局その後は、4人でお茶をした。ただ、なぜかずっと動揺していたアデル様。本当に、一体どうしたのかしら?
※次回アデル視点です。
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