彼の幸せを願っていたら、いつの間にか私も幸せになりました

Karamimi

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第28話:怪我の原因を作った令息が私に会いに来ました

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翌日、なんだかティーナ様に会うのが気まずくて、午前中に退院手続きを行い、屋敷に戻ってきた。一応ティーナ様にはもう退院したことを伝えてもらう様、使用人にお願いしておいた。

1日ぶりの我が家、やっぱり我が家は落ち着くわ。家に着くと、まずは紅茶でティータイムだ。一応私は令嬢なので、包帯とガーゼが取れるまでは学院をお休みしようと思っている。

先生の話では、2週間くらいで取れるだろうとの事だ。ただ最初はやはり傷口が目立ってしまうため、出来れば前髪で隠したいのだが、生憎剣が飛んできた時、前髪も上手に切れてしまっている為、傷が丸見えだ。

こうなったら、前髪だけでもカツラを被ろうかしら?そんな事を考えていると、メイドがやって来た。

「お嬢様、カルミア様とファリサ様がいらっしゃいました」

「まあ、2人が来てくれたの?」

どうやら私を心配して、2人がお見舞いに来てくれた様だ。急いで2人が待つ客間へと向かった。

「カルミア、ファリサ、来てくれたのね。ありがとう」

「ローズ…あぁ、何て事なの…可哀そうに…」

そう言って私を抱きしめてくれたカルミア。

「それにしても、令嬢が近くにいるのに剣の練習をするだなんて。本当に何を考えているのかしら。そうそう、あなたが今回怪我をした件、学院内でもかなりの噂になっているわよ」

そう教えてくれたのは、カルミアだ。

「噂になっているのね…お昼休みに中庭で怪我をしたのだから、仕方がないわよね…」

「それで、相手の令息たちは謝りに来たの?令嬢の顔を傷つけたのですもの。ただじゃ済まさないわよ!」

「そうよね、慰謝料をたっぷり貰わないと!そもそもこんな酷い怪我を負わせておいて、お咎めなしだなんて、本当にこの学院はどうかしているわ!ローズ、ここはしっかりと抗議をした方がいいわよ」

私の為に怒ってくれる2人、有難いわ。でも…

「私の為に怒ってくれてありがとう。でも私は、彼らを罰して欲しいとは思わないわ。きっと彼らもわざとではないのだから…それからね、実は昨日、アデル様から恋人役の契約を解除されたの…」



「やっぱり噂は本当だったのね。ローズとアデル様が別れたって、クラスの令嬢たちが騒いでいたの。どうやらアデル様自ら流したみたいだから、どうなっているのかあなたに聞こうと思っていたのよ。でもアデル様も酷いわよね。怪我をした令嬢に向かって、急に契約を解除しようだなんて。周りも“ローズ様がお顔に怪我をしてすぐに別れを切り出すなんて…”て、あなたに同情的だったわよ」

「そんな!お優しいアデル様はきっと、私の事を考えて契約を解除してくださったのよ。それなのにアデル様を悪く言うなんて…」

なんだか胸が締め付けられる。

「落ち着いて、ローズ。それでもアデル様は人気が高いから、他の令嬢たちが今度は自分と付き合ってもらおうと、既にアデル様にまとわりついているから、大丈夫よ!」

既にアデル様に、令嬢たちがまとわりついているのね…それはそれで、なんだか複雑だわ。

「とにかく、あなたは怪我を治すことだけを考えてね。しばらく学院はお休みするのでしょう?授業に遅れないように、しっかりノートをとっておくから、安心して」

「ありがとう、そうしてくれると助かるわ。そうだ、せっかく来てくれたのだから、お茶にでもしましょう。すぐに準備するわね」

近くにいたメイドに指示を出した時だった。

「お嬢様、マイケル・クラステーヌ様という方がお見えになっておりますが、どうなされますか?」

「マイケル様?一体誰かしら?」

聞いたことがない方だ。そう思っていると

「ローズ、あなたに怪我をさせた張本人よ。きっと謝りに来たのよ。どうする?あなたが会いたくないなら、私たちが追い払ってあげるわよ」

「それじゃあ、剣の打ち合いをしていた殿方なのですね。せっかく来ていただいたのだから、会うわ。隣の客間に通してくれるかしら?」

「はい、かしこまりました」

メイドが急いで部屋から出て行った。

「ごめんね、2人とも。少し彼と話をしてくるから、ここで待っていてくれるかしら?」

「何言っているの!私たちも一緒に行くわ。ローズにこんな酷い傷を負わせたのですもの。一言文句を言ってやらないと、気が済まないわ!」

えっ…文句…

「ちょっと2人とも、文句だなんて…」

さすがに止めて!そう言おうとしたのだが

「さあ、早速行きましょう」

凄い勢いの2人に圧倒され、これ以上何もいう事が出来なかった。結局2人に連れられ、隣の客間へと向かったのであった。
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