彼の幸せを願っていたら、いつの間にか私も幸せになりました

Karamimi

文字の大きさ
56 / 87

第56話:マイケル様とスイーツを食べに行きます【前編】

しおりを挟む
無事パーティーが終わり、お兄様が国に帰ってから1週間が過ぎた頃。

「ローズ、以前君が行って美味しかったって言っていたパフェのお店なのだが、もし君さえよければ、今日一緒に行かないかい?」

「今日ですか?」

お昼休憩の勉強タイムの時、話しかけてきたマイケル様。

「そうだよ。今日はアデルもいないしね」

そういえば今日は、いつも勉強タイムに参加しているアデル様がいない。どうやら先生に呼び出されているらしい。

「私は構いませんが…さすがに2人きりというのは…」

「それじゃあ、カルミア嬢とファリサ嬢も誘おう。それなら問題ないだろう。俺はずっと、あのパフェが食べたかったんだ。頼むよ」

「分かりましたわ、それじゃあ、行きましょう。カルミア、ファリサ、いいわよね?」

隣にいた2人に声を掛ける。

「もちろんよ、私もあそこのパフェ、大好きなのよね」

「色々な種類を頼んで、シェアしましょうよ」

2人も乗り気だ。

「それじゃあ、行きましょう。やっとお兄様が帰ってくれたら、遅くなっても大丈夫よ」

中々国に帰ってくれなかったお兄様が、やっと帰ってくれたのだ。これで少しは自由にできる。

「ローズ、兄上はきっとローズが心配で、あれこれ言っていたのだろう。それなのに、兄上を邪険にしては可哀そうだよ」

「それはそうですけれど…」

「パーティーのときにご挨拶をさせていただいたが、妹思いのいい兄上だったではないか。ローランド殿の気持ちを、大切にしてあげないとね」

「あの時は、本当に失礼しました。どう謝ればいいか…」

まさかマイケル様にあんな暴言を吐くなんて…
本当に顔から火が出るくらい恥ずかしかったわ。思い出したら、また恥ずかしくなってきた。

「俺は気にしていないよ。ローランド殿が言っていたことは正論だ。それに、最後は俺を認めてくれていた様だし…とにかく、ローランド殿に心配を掛けないようにしないとね」

そう言ってにっこり笑ったマイケル様。本当に彼の寛大さには、頭が下がるわ。ただ、最後に認めてくれたとは、どういう意味かしら?

マイケル様に聞こうかと思ったが、ちょうど勉強タイムが終わる時間になったため、聞く事が出来なかった。

そして放課後。
門の前でカルミアとファリサと一緒にマイケル様を待っていると…

「ローズ、今日は3人でお出掛けかい?」

話しかけてきたのは、アデル様だ。ここはとりあえず、そうだと言っておいた方がよさそうね。

「ええ…今日はパフェを食べに行こうと思っていまして…」

「そうか、あそこのパフェ、ローズは随分と気に入っていたものね。今度僕とも行こうね」

ん?甘いものが苦手なアデル様と?あぁ、ティーナ様もご一緒にって事ね。

「ええ、また4人で行きましょうね」

「…僕は2人で行きたいのだが…」

何やらボソボソと呟いているアデル様。ただ、声が小さすぎて何も聞こえない。もう一度聞き返そうとしたのだが…

「さあ、ローズ、早く行きましょう。私もう、お腹ペコペコよ」

そう言うと、私を馬車に押し込んだカルミア。ファリサも乗り込んできて、馬車が走り出した。

「ちょっと、マイケル様は?」

「マイケル様ならきっと、後から来るわよ。さっき目で合図を送っておいたから。あのままマイケル様が出ていけば、きっとアデル様と喧嘩になるでしょう?あの2人、なんだか仲が悪い様だし…」

確かにあの場でマイケル様が現れれば、きっと言い合いになっていつまでたってもパフェのお店に行けなかっただろう。それにしても、どうしてあんなに仲が悪いのかしら?

「とにかく、今日はパフェを思う存分食べましょう。あぁ、もっと早く教えてくれたら、お昼ご飯を軽めにしたのに!」

「確かにそうよね。でも、私はもうお腹ペコペコ。今日は一番大きなパフェに挑戦するつもりよ」

「あら、私もそのつもり」

どうやら2人は大きなパフェを食べる様だ。さすがね。

そんな話をしているうちに、お店に着いた。しばらく待っていると、マイケル様もやって来たので、早速お店の中に入る。

「マイケル様、ここはとにかく種類が豊富にあるのですよ。せっかくですので、皆でシェアして食べようという話になっているのですが…よろしいでしょうか?」

「もちろんだよ!俺も色々な味が食べたいしね。さあ、早速食べよう。俺はこの特大のパフェがいいな」

「あら、マイケル様もですか?私たちもその大きいのにしようと思っておりますの。ローズはどうする?」

「私も…せっかくだから特大のにするわ。でも、食べられるかしら?」

「ローズ、大丈夫だよ。食べられなければ、俺が食べるから。大きい方にチャレンジすればいい」

そう言って胸を叩いているマイケル様。これは心強いわ。

「それでしたら私は、この大きなパフェの苺にしますわ」

「それじゃあ私はバナナに」

「私は洋ナシ」

「俺はチョコにするよ」

それぞれが別の味を頼んだ。前回ティーナ様と来た時に食べたパフェと被らなくてよかったわ。さあ、思う存分パフェを楽しみましょう!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく

たまこ
恋愛
 10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。  多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。  もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。

【完結】記憶にありませんが、責任は取りましょう

楽歩
恋愛
階段から落ちて三日後、アイラは目を覚ました。そして、自分の人生から十年分の記憶が消えていることを知らされる。 目の前で知らない男が号泣し、知らない子どもが「お母様!」としがみついてくる。 「状況を確認いたします。あなたは伯爵、こちらは私たちの息子。なお、私たちはまだ正式な夫婦ではない、という理解でよろしいですね?」 さらに残されていたのは鍵付き箱いっぱいの十年分の日記帳。中身は、乙女ゲームに転生したと信じ、攻略対象を順位付けして暴走していた“過去のアイラ”の黒歴史だった。 アイラは一冊の日記を最後の一行まで読み終えると、無言で日記を暖炉へ投げ入れる。 「これは、焼却処分が妥当ですわね」 だいぶ騒がしい人生の再スタートが今、始まる。

【完結】愛しき冷血宰相へ別れの挨拶を

川上桃園
恋愛
「どうかもう私のことはお忘れください。閣下の幸せを、遠くから見守っております」  とある国で、宰相閣下が結婚するという新聞記事が出た。  これを見た地方官吏のコーデリアは突如、王都へ旅立った。亡き兄の友人であり、年上の想い人でもある「彼」に別れを告げるために。  だが目当ての宰相邸では使用人に追い返されて途方に暮れる。そこに出くわしたのは、彼と結婚するという噂の美しき令嬢の姿だった――。 新聞と涙 それでも恋をする  あなたの照らす道は祝福《コーデリア》 君のため道に灯りを点けておく 話したいことがある 会いたい《クローヴィス》  これは、冷血宰相と呼ばれた彼の結婚を巡る、恋のから騒ぎ。最後はハッピーエンドで終わるめでたしめでたしのお話です。 第22回書き出し祭り参加作品 2025.1.26 女性向けホトラン1位ありがとうございます 2025.2.14 後日談を投稿しました

【完結】彼を幸せにする十の方法

玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。 フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。 婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。 しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。 婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。 婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。

【完結】そんなに好きならもっと早く言って下さい! 今更、遅いです! と口にした後、婚約者から逃げてみまして

Rohdea
恋愛
──婚約者の王太子殿下に暴言?を吐いた後、彼から逃げ出す事にしたのですが。 公爵令嬢のリスティは、幼い頃からこの国の王子、ルフェルウス殿下の婚約者となるに違いない。 周囲にそう期待されて育って来た。 だけど、当のリスティは王族に関するとある不満からそんなのは嫌だ! と常々思っていた。 そんなある日、 殿下の婚約者候補となる令嬢達を集めたお茶会で初めてルフェルウス殿下と出会うリスティ。 決して良い出会いでは無かったのに、リスティはそのまま婚約者に選ばれてしまう── 婚約後、殿下から向けられる態度や行動の意味が分からず困惑する日々を送っていたリスティは、どうにか殿下と婚約破棄は出来ないかと模索するも、気づけば婚約して1年が経っていた。 しかし、ちょうどその頃に入学した学園で、ピンク色の髪の毛が特徴の男爵令嬢が現れた事で、 リスティの気持ちも運命も大きく変わる事に…… ※先日、完結した、 『そんなに嫌いなら婚約破棄して下さい! と口にした後、婚約者が記憶喪失になりまして』 に出て来た王太子殿下と、その婚約者のお話です。

王太子妃専属侍女の結婚事情

蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。 未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。 相手は王太子の側近セドリック。 ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。 そんな二人の行く末は......。 ☆恋愛色は薄めです。 ☆完結、予約投稿済み。 新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。 ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。 そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。 よろしくお願いいたします。

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて

ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」 お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。 綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。 今はもう、私に微笑みかける事はありません。 貴方の笑顔は別の方のもの。 私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。 私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。 ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか? ―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。 ※ゆるゆる設定です。 ※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」 ※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド

後妻の条件を出したら……

しゃーりん
恋愛
妻と離婚した伯爵令息アークライトは、友人に聞かれて自分が後妻に望む条件をいくつか挙げた。 格上の貴族から厄介な女性を押しつけられることを危惧し、友人の勧めで伯爵令嬢マデリーンと結婚することになった。 だがこのマデリーン、アークライトの出した条件にそれほどズレてはいないが、貴族令嬢としての教育を受けていないという驚きの事実が発覚したのだ。 しかし、明るく真面目なマデリーンをアークライトはすぐに好きになるというお話です。

処理中です...