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第57話:マイケル様とスイーツを食べに行きます【後編】
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やって来たパフェは、予想通りかなり大きい。これは食べられるかしら?そう思いつつ、早速シェアしながら食べていく。
「ここのパフェはフルーツもとてもみずみずしくて美味しいね。これは病みつきになりそうだ」
そう言ってマイケル様が嬉しそうにパフェを頬張っている。カルミアやファリサもどんどん食べ進めている。私も負けてはいられない。それにしても、本当に美味しいわ。
気が付くと、ペロリとパフェを平らげていた。
「ローズ、あなたなんだかんだ言って、綺麗に食べているじゃない」
そう言ってファリサが笑っている。
「そうね、美味しくて気が付くと平らげていたわ」
私もつられて笑った。
「さあ、お腹もいっぱいになったし、そろそろ帰りましょうか?」
「そうね」
4人でお店を出て、それぞれ馬車に乗り込もうとしたのだが…
「ローズ、ちょっと寄りたいところがあるのだけれど、いいかな?」
私に話しかけてきたのは、マイケル様だ。一体どうしたのかしら?
「ええ…構いませんよ。どこに行くのですか?」
「それは内緒だよ。さあ、行こうか」
とりあえずマイケル様の馬車に乗り込んだ。そして、ゆっくり走り出す馬車。辺りは薄暗くなってきた。
「あの…マイケル様。一体どこに行くのですか?」
「とても素敵なところだよ」
そう言うと、マイケル様がにっこり微笑んだ。でも、マイケル様の笑顔とは裏腹に、森の奥に入って行くではないか。なんだか怖くなってきたわ。
しばらく走ると、開けた場所に来た。
「まあ、何なのですか?あの美しい光は」
窓の外は薄暗いのに、あちらこちらで青い光が奇麗に輝いているのだ。
「あれはね、ルキオラと呼ばれる珍しい昆虫が光を発しているんだ。どうだい?とても綺麗だろう?せっかくだから、馬車から降りてみよう」
マイケル様に連れられ、馬車から降りた。それにしても、本当に綺麗だ。まるで青い宝石をちりばめたみたいな、幻想的は風景が広がっている。
「マイケル様、とても素敵ですわ。こんなにも美しい風景、初めて見ました」
「それは良かったよ」
そう言うと、なぜか私の方を真っすぐ見つめるマイケル様。
「ローズ、俺は君に初めて会った時から、君の優しさ、相手を思いやる心に衝撃を受けた。それと同時に、この子を守りたい、共に歩んでいきたいと思ったんだ。俺はローズが好きだ」
「え…」
思いがけないマイケル様の言葉に、頭が真っ白になる。マイケル様が、私を好き?それって…
「ローズは鈍いからね。俺の気持ちなんて全く気が付いていなかっただろう?」
「はい…私はマイケル様の事を、良き友達の1人だと…ですから…」
「ストップ!ローズ、君の気持ちは分かっているよ。今日はね、ローズに少しでも意識してもらいたくて、気持ちを伝えたんだ。だから、返事は今は言わないで欲しい。今聞いても、きっと断られるだけだからね」
「それなら、どうして気持ちを?」
「ローズに意識してもらうためだよ。このままじゃあ、いつまでたっても俺たちは友達のままだ。俺は、少しでも可能性があるなら、それに掛けてみたいと思ったんだ。ローズに気持ちを伝えた事で、君が俺を意識してくれたら嬉しいなって思って。それに今のローズ、すごく俺の事を意識しているでしょ?」
マイケル様がニヤリと笑ってそんな事を言っている。
「い…意識しているに決まっているじゃないですか!そんな事を言われて、意識しない人なんていません」
きっと私の顔は今真っ赤だろう。まさかマイケル様が私を好きだなんて…
「それなら、俺の作戦は成功だ。これからもよろしくね。ローズ」
よろしくねと言われても…
「さあ、少し冷えてきたね。そろそろ帰ろうか」
マイケル様に促され、そのまま馬車に乗り込んだ。いつもの様に普通に話しかけてくるマイケル様。この人、本当に私事を好きなのかしら?そう思うくらい、普通なのだ。
当の私はと言うと、完全に動揺してしまい、しどろもどろになってしまった。
「少しは意識してくれると嬉しいと思っていたけれど、そこまで動揺してくれるなんてね」
そう言って、マイケル様が苦笑いしていた。そうこうしている間に、我が家に着いた。
「送って頂き、ありがとうございます。それでは、また明日…」
「ああ、今日は付き合ってくれてありがとう。ローズ、また明日ね」
マイケル様を見送ると、フラフラと屋敷に入る。
「お嬢様、今何時だと思っているのですか?いくらお坊ちゃまがグラシュ国に戻られたからといっても、さすがに遅すぎです…て、お嬢様、顔が真っ赤ですよ。熱があるのではないですか?」
お兄様が帰った後、口うるさくなった執事が私に文句を言っている。でも、今はそれどころではない。
「私は大丈夫よ…遅くなってごめんなさい。今日は疲れたからもう寝るわ」
「あ、お嬢様!」
後ろで執事が叫んでいるが、そのままフラフラと自室に戻ってきた。ふと鏡を見ると、耳まで真っ赤だ。
「私、ずっとこんな顔をしていたのね…でも…」
さっきの事を思い出し、また顔が赤くなるのを感じる。
まさかマイケル様が私の事を好きだったなんて…
私、これからどうやってマイケル様に接すればいいのかしら?
「ここのパフェはフルーツもとてもみずみずしくて美味しいね。これは病みつきになりそうだ」
そう言ってマイケル様が嬉しそうにパフェを頬張っている。カルミアやファリサもどんどん食べ進めている。私も負けてはいられない。それにしても、本当に美味しいわ。
気が付くと、ペロリとパフェを平らげていた。
「ローズ、あなたなんだかんだ言って、綺麗に食べているじゃない」
そう言ってファリサが笑っている。
「そうね、美味しくて気が付くと平らげていたわ」
私もつられて笑った。
「さあ、お腹もいっぱいになったし、そろそろ帰りましょうか?」
「そうね」
4人でお店を出て、それぞれ馬車に乗り込もうとしたのだが…
「ローズ、ちょっと寄りたいところがあるのだけれど、いいかな?」
私に話しかけてきたのは、マイケル様だ。一体どうしたのかしら?
「ええ…構いませんよ。どこに行くのですか?」
「それは内緒だよ。さあ、行こうか」
とりあえずマイケル様の馬車に乗り込んだ。そして、ゆっくり走り出す馬車。辺りは薄暗くなってきた。
「あの…マイケル様。一体どこに行くのですか?」
「とても素敵なところだよ」
そう言うと、マイケル様がにっこり微笑んだ。でも、マイケル様の笑顔とは裏腹に、森の奥に入って行くではないか。なんだか怖くなってきたわ。
しばらく走ると、開けた場所に来た。
「まあ、何なのですか?あの美しい光は」
窓の外は薄暗いのに、あちらこちらで青い光が奇麗に輝いているのだ。
「あれはね、ルキオラと呼ばれる珍しい昆虫が光を発しているんだ。どうだい?とても綺麗だろう?せっかくだから、馬車から降りてみよう」
マイケル様に連れられ、馬車から降りた。それにしても、本当に綺麗だ。まるで青い宝石をちりばめたみたいな、幻想的は風景が広がっている。
「マイケル様、とても素敵ですわ。こんなにも美しい風景、初めて見ました」
「それは良かったよ」
そう言うと、なぜか私の方を真っすぐ見つめるマイケル様。
「ローズ、俺は君に初めて会った時から、君の優しさ、相手を思いやる心に衝撃を受けた。それと同時に、この子を守りたい、共に歩んでいきたいと思ったんだ。俺はローズが好きだ」
「え…」
思いがけないマイケル様の言葉に、頭が真っ白になる。マイケル様が、私を好き?それって…
「ローズは鈍いからね。俺の気持ちなんて全く気が付いていなかっただろう?」
「はい…私はマイケル様の事を、良き友達の1人だと…ですから…」
「ストップ!ローズ、君の気持ちは分かっているよ。今日はね、ローズに少しでも意識してもらいたくて、気持ちを伝えたんだ。だから、返事は今は言わないで欲しい。今聞いても、きっと断られるだけだからね」
「それなら、どうして気持ちを?」
「ローズに意識してもらうためだよ。このままじゃあ、いつまでたっても俺たちは友達のままだ。俺は、少しでも可能性があるなら、それに掛けてみたいと思ったんだ。ローズに気持ちを伝えた事で、君が俺を意識してくれたら嬉しいなって思って。それに今のローズ、すごく俺の事を意識しているでしょ?」
マイケル様がニヤリと笑ってそんな事を言っている。
「い…意識しているに決まっているじゃないですか!そんな事を言われて、意識しない人なんていません」
きっと私の顔は今真っ赤だろう。まさかマイケル様が私を好きだなんて…
「それなら、俺の作戦は成功だ。これからもよろしくね。ローズ」
よろしくねと言われても…
「さあ、少し冷えてきたね。そろそろ帰ろうか」
マイケル様に促され、そのまま馬車に乗り込んだ。いつもの様に普通に話しかけてくるマイケル様。この人、本当に私事を好きなのかしら?そう思うくらい、普通なのだ。
当の私はと言うと、完全に動揺してしまい、しどろもどろになってしまった。
「少しは意識してくれると嬉しいと思っていたけれど、そこまで動揺してくれるなんてね」
そう言って、マイケル様が苦笑いしていた。そうこうしている間に、我が家に着いた。
「送って頂き、ありがとうございます。それでは、また明日…」
「ああ、今日は付き合ってくれてありがとう。ローズ、また明日ね」
マイケル様を見送ると、フラフラと屋敷に入る。
「お嬢様、今何時だと思っているのですか?いくらお坊ちゃまがグラシュ国に戻られたからといっても、さすがに遅すぎです…て、お嬢様、顔が真っ赤ですよ。熱があるのではないですか?」
お兄様が帰った後、口うるさくなった執事が私に文句を言っている。でも、今はそれどころではない。
「私は大丈夫よ…遅くなってごめんなさい。今日は疲れたからもう寝るわ」
「あ、お嬢様!」
後ろで執事が叫んでいるが、そのままフラフラと自室に戻ってきた。ふと鏡を見ると、耳まで真っ赤だ。
「私、ずっとこんな顔をしていたのね…でも…」
さっきの事を思い出し、また顔が赤くなるのを感じる。
まさかマイケル様が私の事を好きだったなんて…
私、これからどうやってマイケル様に接すればいいのかしら?
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