58 / 87
第58話:どう接していいかわかりません
しおりを挟む
翌日、まだ動揺を隠せない私は、朝から盛大に紅茶をこぼしてしまうという失態を犯した。私ったら、一体何をしているのかしら?
昨日の夜は、マイケル様の事を色々と考えていて眠れなかったし…
そんな私を見た執事が
「お嬢様、一体どうされたのですか?昨日の夜から変ですよ。私でよければ相談に乗ります。何なりとお話しください」
真剣の表情で話してくれた。でも…さすがに執事に恋の相談なんて出来る訳がない。
「ありがとう。でも、大丈夫よ。それじゃあ、私はそろそろ行くわね」
「お嬢様、そちらは壁…」
執事の叫び声と同時に、豪快に壁にぶつかってしまった。私ったら何をやっているのかしら…本当に情けない。
「今すごい音がしましたが、大丈夫ですか?お嬢様、おでこが赤くなっております。お嬢様はどうやらおでこに怪我をするのが、得意の様ですね。すぐに冷やすものを持ってきますから」
「…大丈夫よ、大したことはないわ。それじゃあ、行ってくるわね」
気を取り直して、馬車へと乗り込む。おでこに怪我をするが得意だなんて、どさくさに紛れて失礼な事を言ってくれるじゃない。本当にもう…
それにしても、マイケル様にどんな顔をして会えばいいのかしら?どうしよう、急に緊張してきたわ。私、いつも通り接する事が出来るかしら?
急に不安になってきた。そんな事を考えているうちに、学院に着いてしまった。とにかく落ち着かないと。深呼吸をして馬車から降りようとした時、校門の前で待っているマイケル様が目に入った。
「え…」
その瞬間…
ゴン!
豪快に馬車の扉の上の部分で、おでこをぶつけてしまった。さっき家でも壁にぶつけたばかりだ。さすがに痛くて、その場にうずくまってしまった。
「ローズ、大丈夫かい?」
マイケル様が私のところに飛んできてくれた。
「マイケル様、おはようございます。大したことはございませんので大丈夫ですわ。それでは、ごきげんよう」
涙目になりながらも、極力平然を装い、マイケル様の元を去ろうとしたのだが…
「何が大したことないだ。たんこぶが出来ているではないか?これは冷やさないと。すぐに医務室へ」
「いえ…本当に大したことはございませんわ。オホホホホ」
私ったら、なにがオホホホよ!完全におかしな子じゃない。
「ローズ、大丈夫かい?その傷はどうしたんだ。まさか、マイケルにやられたのかい?」
私の元にやって来たのは、アデル様だ。
「いえ、馬車から降りるとき、ちょっとおでこをぶつけただけですわ。本当に大したことはありませんの。それではこれで」
「何が大したことないだ。腫れて赤くなっているではないか。すぐに医務室に行こう。おいで、ローズ」
「ローズは俺が医務室に連れていくから、アデルは教室に戻っていてくれ」
「マイケルこそ、教室に戻ったらどうですか?2年生教室は1年生教室より少し離れているでしょう?」
「俺の目の前でローズは怪我をしたのだ。俺が連れていくのが筋だろう!ローズ、ごめんね、昨日俺が動揺させる事を言ったから…」
「マイケル様、私は決して動揺している訳ではありませんわ。それにしても、昨日のパフェ、美味しかったですわね。オホホホホ」
私ったら、だから何がオホホホよ。それにパフェの事まで話して…
「ローズ、パフェとはどういう事だい?友人と行ったのではないのかい?」
「昨日は俺も一緒に行ったんだよ。皆でシェアして、とても美味しかった。また行こうね、ローズ」
「シェアだって!どういう事だ、ローズ。昨日は友人と3人で行くと、言っていたではないか?」
「甘いものが嫌いな君が押しかけてきたら困ると思って、とっさにそう言っただけだろう?何でもかんでもついてくるものではない」
「何ですって!」
「なんだよ」
なぜかマイケル様とアデル様がヒートアップし始めた。どうしよう、止めないと。
「ローズ様、とりあえず2人はグラスに任せて、医務室に向かいましょう」
私に声を掛けてきてくれたのは、ティーナ様だ。スッと私の手を取ると、そのまま医務室へと向かった。どうやらグラス様は2人の仲裁に入るつもりでいるらしい。
「グラス様は、よかったのですか?いつもティーナ様にベッタリなのに…」
「ええ、いいのよ。グラス、最近アデルの事が心配な様で。さっきも私に“あの2人は僕が見ているから、ティーナはローズ嬢を医務室に連れて行ってやってくれ”て言ったのよ」
そう言ってティーナ様が笑っていた。まさかあのグラス様がティーナ様から離れるだなんて。意外過ぎてこれまた衝撃だ。
「ローズ様、大丈夫ですか?おでこ。それから、なんだかマイケル様とお話している時のローズ様、様子が変でしたが、なにかありましたか?昨日マイケル様と、お出掛けをしたのでしょう?」
心配そうに話しかけてくるティーナ様。どうしよう、ティーナ様に相談しようかしら?でも…
「もしかして、マイケル様から告白されたとかですか?」
「え…」
昨日の夜は、マイケル様の事を色々と考えていて眠れなかったし…
そんな私を見た執事が
「お嬢様、一体どうされたのですか?昨日の夜から変ですよ。私でよければ相談に乗ります。何なりとお話しください」
真剣の表情で話してくれた。でも…さすがに執事に恋の相談なんて出来る訳がない。
「ありがとう。でも、大丈夫よ。それじゃあ、私はそろそろ行くわね」
「お嬢様、そちらは壁…」
執事の叫び声と同時に、豪快に壁にぶつかってしまった。私ったら何をやっているのかしら…本当に情けない。
「今すごい音がしましたが、大丈夫ですか?お嬢様、おでこが赤くなっております。お嬢様はどうやらおでこに怪我をするのが、得意の様ですね。すぐに冷やすものを持ってきますから」
「…大丈夫よ、大したことはないわ。それじゃあ、行ってくるわね」
気を取り直して、馬車へと乗り込む。おでこに怪我をするが得意だなんて、どさくさに紛れて失礼な事を言ってくれるじゃない。本当にもう…
それにしても、マイケル様にどんな顔をして会えばいいのかしら?どうしよう、急に緊張してきたわ。私、いつも通り接する事が出来るかしら?
急に不安になってきた。そんな事を考えているうちに、学院に着いてしまった。とにかく落ち着かないと。深呼吸をして馬車から降りようとした時、校門の前で待っているマイケル様が目に入った。
「え…」
その瞬間…
ゴン!
豪快に馬車の扉の上の部分で、おでこをぶつけてしまった。さっき家でも壁にぶつけたばかりだ。さすがに痛くて、その場にうずくまってしまった。
「ローズ、大丈夫かい?」
マイケル様が私のところに飛んできてくれた。
「マイケル様、おはようございます。大したことはございませんので大丈夫ですわ。それでは、ごきげんよう」
涙目になりながらも、極力平然を装い、マイケル様の元を去ろうとしたのだが…
「何が大したことないだ。たんこぶが出来ているではないか?これは冷やさないと。すぐに医務室へ」
「いえ…本当に大したことはございませんわ。オホホホホ」
私ったら、なにがオホホホよ!完全におかしな子じゃない。
「ローズ、大丈夫かい?その傷はどうしたんだ。まさか、マイケルにやられたのかい?」
私の元にやって来たのは、アデル様だ。
「いえ、馬車から降りるとき、ちょっとおでこをぶつけただけですわ。本当に大したことはありませんの。それではこれで」
「何が大したことないだ。腫れて赤くなっているではないか。すぐに医務室に行こう。おいで、ローズ」
「ローズは俺が医務室に連れていくから、アデルは教室に戻っていてくれ」
「マイケルこそ、教室に戻ったらどうですか?2年生教室は1年生教室より少し離れているでしょう?」
「俺の目の前でローズは怪我をしたのだ。俺が連れていくのが筋だろう!ローズ、ごめんね、昨日俺が動揺させる事を言ったから…」
「マイケル様、私は決して動揺している訳ではありませんわ。それにしても、昨日のパフェ、美味しかったですわね。オホホホホ」
私ったら、だから何がオホホホよ。それにパフェの事まで話して…
「ローズ、パフェとはどういう事だい?友人と行ったのではないのかい?」
「昨日は俺も一緒に行ったんだよ。皆でシェアして、とても美味しかった。また行こうね、ローズ」
「シェアだって!どういう事だ、ローズ。昨日は友人と3人で行くと、言っていたではないか?」
「甘いものが嫌いな君が押しかけてきたら困ると思って、とっさにそう言っただけだろう?何でもかんでもついてくるものではない」
「何ですって!」
「なんだよ」
なぜかマイケル様とアデル様がヒートアップし始めた。どうしよう、止めないと。
「ローズ様、とりあえず2人はグラスに任せて、医務室に向かいましょう」
私に声を掛けてきてくれたのは、ティーナ様だ。スッと私の手を取ると、そのまま医務室へと向かった。どうやらグラス様は2人の仲裁に入るつもりでいるらしい。
「グラス様は、よかったのですか?いつもティーナ様にベッタリなのに…」
「ええ、いいのよ。グラス、最近アデルの事が心配な様で。さっきも私に“あの2人は僕が見ているから、ティーナはローズ嬢を医務室に連れて行ってやってくれ”て言ったのよ」
そう言ってティーナ様が笑っていた。まさかあのグラス様がティーナ様から離れるだなんて。意外過ぎてこれまた衝撃だ。
「ローズ様、大丈夫ですか?おでこ。それから、なんだかマイケル様とお話している時のローズ様、様子が変でしたが、なにかありましたか?昨日マイケル様と、お出掛けをしたのでしょう?」
心配そうに話しかけてくるティーナ様。どうしよう、ティーナ様に相談しようかしら?でも…
「もしかして、マイケル様から告白されたとかですか?」
「え…」
10
あなたにおすすめの小説
【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく
たまこ
恋愛
10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。
多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。
もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。
【完結】記憶にありませんが、責任は取りましょう
楽歩
恋愛
階段から落ちて三日後、アイラは目を覚ました。そして、自分の人生から十年分の記憶が消えていることを知らされる。
目の前で知らない男が号泣し、知らない子どもが「お母様!」としがみついてくる。
「状況を確認いたします。あなたは伯爵、こちらは私たちの息子。なお、私たちはまだ正式な夫婦ではない、という理解でよろしいですね?」
さらに残されていたのは鍵付き箱いっぱいの十年分の日記帳。中身は、乙女ゲームに転生したと信じ、攻略対象を順位付けして暴走していた“過去のアイラ”の黒歴史だった。
アイラは一冊の日記を最後の一行まで読み終えると、無言で日記を暖炉へ投げ入れる。
「これは、焼却処分が妥当ですわね」
だいぶ騒がしい人生の再スタートが今、始まる。
【完結】愛しき冷血宰相へ別れの挨拶を
川上桃園
恋愛
「どうかもう私のことはお忘れください。閣下の幸せを、遠くから見守っております」
とある国で、宰相閣下が結婚するという新聞記事が出た。
これを見た地方官吏のコーデリアは突如、王都へ旅立った。亡き兄の友人であり、年上の想い人でもある「彼」に別れを告げるために。
だが目当ての宰相邸では使用人に追い返されて途方に暮れる。そこに出くわしたのは、彼と結婚するという噂の美しき令嬢の姿だった――。
新聞と涙 それでも恋をする
あなたの照らす道は祝福《コーデリア》
君のため道に灯りを点けておく
話したいことがある 会いたい《クローヴィス》
これは、冷血宰相と呼ばれた彼の結婚を巡る、恋のから騒ぎ。最後はハッピーエンドで終わるめでたしめでたしのお話です。
第22回書き出し祭り参加作品
2025.1.26 女性向けホトラン1位ありがとうございます
2025.2.14 後日談を投稿しました
【完結】彼を幸せにする十の方法
玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。
フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。
婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。
しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。
婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。
婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。
【完結】そんなに好きならもっと早く言って下さい! 今更、遅いです! と口にした後、婚約者から逃げてみまして
Rohdea
恋愛
──婚約者の王太子殿下に暴言?を吐いた後、彼から逃げ出す事にしたのですが。
公爵令嬢のリスティは、幼い頃からこの国の王子、ルフェルウス殿下の婚約者となるに違いない。
周囲にそう期待されて育って来た。
だけど、当のリスティは王族に関するとある不満からそんなのは嫌だ! と常々思っていた。
そんなある日、
殿下の婚約者候補となる令嬢達を集めたお茶会で初めてルフェルウス殿下と出会うリスティ。
決して良い出会いでは無かったのに、リスティはそのまま婚約者に選ばれてしまう──
婚約後、殿下から向けられる態度や行動の意味が分からず困惑する日々を送っていたリスティは、どうにか殿下と婚約破棄は出来ないかと模索するも、気づけば婚約して1年が経っていた。
しかし、ちょうどその頃に入学した学園で、ピンク色の髪の毛が特徴の男爵令嬢が現れた事で、
リスティの気持ちも運命も大きく変わる事に……
※先日、完結した、
『そんなに嫌いなら婚約破棄して下さい! と口にした後、婚約者が記憶喪失になりまして』
に出て来た王太子殿下と、その婚約者のお話です。
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
後妻の条件を出したら……
しゃーりん
恋愛
妻と離婚した伯爵令息アークライトは、友人に聞かれて自分が後妻に望む条件をいくつか挙げた。
格上の貴族から厄介な女性を押しつけられることを危惧し、友人の勧めで伯爵令嬢マデリーンと結婚することになった。
だがこのマデリーン、アークライトの出した条件にそれほどズレてはいないが、貴族令嬢としての教育を受けていないという驚きの事実が発覚したのだ。
しかし、明るく真面目なマデリーンをアークライトはすぐに好きになるというお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる