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第22話:夢じゃないですよね
私を抱きかかえ、近くにあったベンチに腰を下ろしたハリー様。なぜか膝の上に乗せられたままだ。そっと降りようとしたのだが、動く事が出来ない。
「なぜ急に泣き出したのか聞く前に、まずはあのメイドについて教えてくれるかい?あのメイドは一体何者だったんだい?」
「あのメイドは…私にもよくわからないのです。急に私に話しかけて来て“私と一緒に帰りましょう”とか“あの方が待っている”とか、訳の分からない事を言っていたのです。それで、なんだか怖くなってしまって、抵抗したところで魔力を無力化するリングを付けられてしまって…」
「なるほど。要するに、君を狙っている“誰か”に、誘拐されそうになったという事だね!そういえばあのメイド、壁に穴まで開けていたね。この王宮は君も知っている通り、魔力を張り巡らされている。それもここは、王宮魔術師たちが行きかう塔の近く。その者たちにバレずに穴を開けるなんて、かなりの魔力持ちかもしれないな」
かなりの魔力持ちか。そんな人間が、私に何の用かしら?あの方とは一体…
「カトリーナは、国宝級の魔力持ちだからね。それに一緒に帰ろうという事は、単純に考えて、マレッティア王国に帰ろうという事だろう。という事は、マレッティア王国の誰かが、君を呼び戻したがっているのだろう」
「それはないですわ。私は誰からも、必要とされていませんでしたので」
あの国では、誰も私に見向きもしなかった。そう、ほぼいないものとして、扱われてきたのだ。
「とにかく、少なくとも君をマレッティア王国に連れて帰りたいと考えている人間がいるという事だろう。いいかい、カトリーナ。これからは1人で行動するのは慎んでほしい。今回の件で、王宮内でも危険が潜んでいるとわかったからね。とにかくすぐに父上に話しをして、メイドや護衛騎士たちの身元調査を行おう。それから、警備も強化しないと!」
「でも私は魔力量も多いので、自分で何とか…」
「何を言っているんだ!現に俺が来なければ、そのまま連れ去られていたのかもしれないのだよ!わかっているのかい?」
珍しく怖い顔で詰め寄られた。確かにハリー様が来てくれなければ、そのまま馬車に乗せられていたかもしんれない。
「これからは必ず、メイドと護衛騎士を伴って行動する事。そうだ、君の専属メイドを増やそう。いいかい、これはもう決定事項だ。君に拒否する権利はないからね」
「…わかりましたわ…」
あまりの迫力に、つい了承してしまった。でも、もう私は価値のない人間なのだが…
「さあ、この話しはもう終わりにしよう。それで、どうしてカトリーナは、あんなにも悲しそうな顔で部屋を出て行ったんだい?」
真っすぐ私の目をみながら、そう聞いてくるハリー様。どうしよう、何て答えたらいいのかしら?素直に答えたら軽蔑されるかしら?
どう答えていいかわからず固まっている私に、ハリー様が語り掛けて来た。
「カトリーナ、実は俺はまだ病気は完治していないんだ。きっとこの病気は、一生完治する事はないだろう」
「何をおっしゃっているのですか?もうお医者様が、魔力欠乏症は完治したとおっしゃっていらしたではありませんか?」
「そうだね。魔力欠乏症は完治した。でもね、あの日初めて俺の元を訪れたカトリーナは、魔力と一緒に、俺に生きる力を与えてくれた。あの時自分さえいなくなれば、皆幸せになると思っていた俺に“自分が魔力で支えるから、どうか生きてほしい。皆の為にも”そう言ってくれたよね。あの時、俺は心の病気にかかったんだ。そう、カトリーナと一生離れたくはないという病気に」
「それは一体…」
「カトリーナ、俺にとって君は、いなくてはならない存在なんだ。きっと君がいないと、もう生きていけないだろう。君がいてくれるだけで、俺はこれからも生きていけるし、幸せになれると確信している。俺は君を愛している。どうかこれから、俺と共に歩んでいってほしい」
真っすぐ私を見つめ、そう言い切ったハリー様。これは夢?またダーク様の様に、私の思い込みなの?
「私は自国で誰からも必要とされない人間です。こんな私を、本当に愛してくださるのですか?」
ハリー様の言葉が信じられなくて、つい聞き返してしまった。
「もちろんだ。そもそも、君のような魅力的な女性に興味を示さないなんて、マレッティア王国の人間はよほど見る目がないのだろう。でも、そのお陰で君がこの国に来てくれたのだから、ある意味有難いけれどね」
そう言って笑ったハリー様。戸惑う私に向かって、さらに語り掛ける。
「カトリーナ、君の素直な気持ちを聞かせてほしい。君が嫌なら、無理強いはしないつもりだ。ただ、諦める事は出来そうにないから、もし断られても今後もアプローチはさせてもらうけれどね」
「私は…ずっと今まで誰からも相手にされなくて、唯一私に優しくてくれ、信じていた婚約者にも裏切られて…正直いくら望んでも、私を愛してくれる人なんて現れないと思っていました。でも、ハリー様に出会い、共に過ごし優しさに触れていくうちに、急激に惹かれていきました。私も、ハリー様をお慕いしております。でも、本当に私で宜しいのですか?やっぱり嫌だといいませんか?」
「嫌いだなんて言う訳がないだろう!こんなにも愛おしくてたまらないのに。もう絶対に離さないよ。そうだ、君が逃げられない様に、すぐに婚約しよう。それから、今度のパーティーには、俺の婚約者として君を他の貴族に紹介しないとね」
「えっ!私をですか?」
「そうだよ。君は既に注目の的だからね。一部の貴族の前で、あんなにもすごい魔力を披露したんだ。注目されるのは当然だろう。あぁ、俺の可愛いカトリーナを、あまり他の男に見せたくはないが、仕方ないか…カトリーナ、愛しているよ」
そう言うと、ゆっくり顔が近づいてきて、唇が重なった。初めて感じる感触に、一気に顔が赤くなるのがわかる。
「赤くなって、カトリーナは可愛いね。さあ、そろそろ部屋に戻ろう。父上や母上、兄上も心配しているよ。そうだ、早速皆に報告しないとね。きっと泣いて喜ぶよ」
そう言うと、私を抱きかかえたまま歩き出したハリー様。本当に私、この人と気持ちが通じ合ったのね。まるで夢みたいだわ。
でも…
本当に私の事を愛してくださっているのかしら?もしかしたら、私が命の恩人だから…て、そんな事を考えるのは止めよう。私はハリー様を信じたい。彼の真っすぐな瞳には、嘘偽りなんてなかったわ。
だから…
今度は信じても大丈夫よね。
きっと…
「なぜ急に泣き出したのか聞く前に、まずはあのメイドについて教えてくれるかい?あのメイドは一体何者だったんだい?」
「あのメイドは…私にもよくわからないのです。急に私に話しかけて来て“私と一緒に帰りましょう”とか“あの方が待っている”とか、訳の分からない事を言っていたのです。それで、なんだか怖くなってしまって、抵抗したところで魔力を無力化するリングを付けられてしまって…」
「なるほど。要するに、君を狙っている“誰か”に、誘拐されそうになったという事だね!そういえばあのメイド、壁に穴まで開けていたね。この王宮は君も知っている通り、魔力を張り巡らされている。それもここは、王宮魔術師たちが行きかう塔の近く。その者たちにバレずに穴を開けるなんて、かなりの魔力持ちかもしれないな」
かなりの魔力持ちか。そんな人間が、私に何の用かしら?あの方とは一体…
「カトリーナは、国宝級の魔力持ちだからね。それに一緒に帰ろうという事は、単純に考えて、マレッティア王国に帰ろうという事だろう。という事は、マレッティア王国の誰かが、君を呼び戻したがっているのだろう」
「それはないですわ。私は誰からも、必要とされていませんでしたので」
あの国では、誰も私に見向きもしなかった。そう、ほぼいないものとして、扱われてきたのだ。
「とにかく、少なくとも君をマレッティア王国に連れて帰りたいと考えている人間がいるという事だろう。いいかい、カトリーナ。これからは1人で行動するのは慎んでほしい。今回の件で、王宮内でも危険が潜んでいるとわかったからね。とにかくすぐに父上に話しをして、メイドや護衛騎士たちの身元調査を行おう。それから、警備も強化しないと!」
「でも私は魔力量も多いので、自分で何とか…」
「何を言っているんだ!現に俺が来なければ、そのまま連れ去られていたのかもしれないのだよ!わかっているのかい?」
珍しく怖い顔で詰め寄られた。確かにハリー様が来てくれなければ、そのまま馬車に乗せられていたかもしんれない。
「これからは必ず、メイドと護衛騎士を伴って行動する事。そうだ、君の専属メイドを増やそう。いいかい、これはもう決定事項だ。君に拒否する権利はないからね」
「…わかりましたわ…」
あまりの迫力に、つい了承してしまった。でも、もう私は価値のない人間なのだが…
「さあ、この話しはもう終わりにしよう。それで、どうしてカトリーナは、あんなにも悲しそうな顔で部屋を出て行ったんだい?」
真っすぐ私の目をみながら、そう聞いてくるハリー様。どうしよう、何て答えたらいいのかしら?素直に答えたら軽蔑されるかしら?
どう答えていいかわからず固まっている私に、ハリー様が語り掛けて来た。
「カトリーナ、実は俺はまだ病気は完治していないんだ。きっとこの病気は、一生完治する事はないだろう」
「何をおっしゃっているのですか?もうお医者様が、魔力欠乏症は完治したとおっしゃっていらしたではありませんか?」
「そうだね。魔力欠乏症は完治した。でもね、あの日初めて俺の元を訪れたカトリーナは、魔力と一緒に、俺に生きる力を与えてくれた。あの時自分さえいなくなれば、皆幸せになると思っていた俺に“自分が魔力で支えるから、どうか生きてほしい。皆の為にも”そう言ってくれたよね。あの時、俺は心の病気にかかったんだ。そう、カトリーナと一生離れたくはないという病気に」
「それは一体…」
「カトリーナ、俺にとって君は、いなくてはならない存在なんだ。きっと君がいないと、もう生きていけないだろう。君がいてくれるだけで、俺はこれからも生きていけるし、幸せになれると確信している。俺は君を愛している。どうかこれから、俺と共に歩んでいってほしい」
真っすぐ私を見つめ、そう言い切ったハリー様。これは夢?またダーク様の様に、私の思い込みなの?
「私は自国で誰からも必要とされない人間です。こんな私を、本当に愛してくださるのですか?」
ハリー様の言葉が信じられなくて、つい聞き返してしまった。
「もちろんだ。そもそも、君のような魅力的な女性に興味を示さないなんて、マレッティア王国の人間はよほど見る目がないのだろう。でも、そのお陰で君がこの国に来てくれたのだから、ある意味有難いけれどね」
そう言って笑ったハリー様。戸惑う私に向かって、さらに語り掛ける。
「カトリーナ、君の素直な気持ちを聞かせてほしい。君が嫌なら、無理強いはしないつもりだ。ただ、諦める事は出来そうにないから、もし断られても今後もアプローチはさせてもらうけれどね」
「私は…ずっと今まで誰からも相手にされなくて、唯一私に優しくてくれ、信じていた婚約者にも裏切られて…正直いくら望んでも、私を愛してくれる人なんて現れないと思っていました。でも、ハリー様に出会い、共に過ごし優しさに触れていくうちに、急激に惹かれていきました。私も、ハリー様をお慕いしております。でも、本当に私で宜しいのですか?やっぱり嫌だといいませんか?」
「嫌いだなんて言う訳がないだろう!こんなにも愛おしくてたまらないのに。もう絶対に離さないよ。そうだ、君が逃げられない様に、すぐに婚約しよう。それから、今度のパーティーには、俺の婚約者として君を他の貴族に紹介しないとね」
「えっ!私をですか?」
「そうだよ。君は既に注目の的だからね。一部の貴族の前で、あんなにもすごい魔力を披露したんだ。注目されるのは当然だろう。あぁ、俺の可愛いカトリーナを、あまり他の男に見せたくはないが、仕方ないか…カトリーナ、愛しているよ」
そう言うと、ゆっくり顔が近づいてきて、唇が重なった。初めて感じる感触に、一気に顔が赤くなるのがわかる。
「赤くなって、カトリーナは可愛いね。さあ、そろそろ部屋に戻ろう。父上や母上、兄上も心配しているよ。そうだ、早速皆に報告しないとね。きっと泣いて喜ぶよ」
そう言うと、私を抱きかかえたまま歩き出したハリー様。本当に私、この人と気持ちが通じ合ったのね。まるで夢みたいだわ。
でも…
本当に私の事を愛してくださっているのかしら?もしかしたら、私が命の恩人だから…て、そんな事を考えるのは止めよう。私はハリー様を信じたい。彼の真っすぐな瞳には、嘘偽りなんてなかったわ。
だから…
今度は信じても大丈夫よね。
きっと…
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