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第1話:待つしかありません
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“リリア、どうか2年だけ待っていてくれるか?2年後、必ず迎えに来るから。そしたら2人で一緒に暮らそう”
“分かったわ。私、待っているから。2年後、必ず迎えに来て”
“ああ、約束だ。それじゃあ、俺は行くよ”
笑顔で手を振り歩いていく姿を見つめ、彼に向かって手を振った。それが私が彼を見た最後の姿。
あれから3年…
「リリア、何をしているのだい?掃除は終わったのかい?やらなければいけない事は、山ほどあるのだよ。本当にグズな子だね。あんたは居候なのだから、しっかり働きな!」
「はい、叔母さん」
今日も私は、朝早くから夜遅くまで、働き続ける。家の事はもちろん、叔父夫婦が経営している食堂も、ほぼ1人で切り盛りしている。私の両親は、私が12歳の時に事故で亡くなった。まだ幼かった私を、隣に住む父方の叔父夫婦が引き取ってくれたのだ。
ただ、叔父夫婦は私の事を快く思っていなかった。泣く事も許されず、朝から晩まで働かされた。毎日怒鳴られ、殴られる日々。
そんな私を支えてくれたのが、幼馴染で2歳年上のクロードだった。いつも私を支えてくれたクロード。彼だけが私の唯一の味方だった。
クロードはお母さんを早くに亡くし、お父さんと一緒に生活をしていたが、3年前お父さんも病気で命を落としたのだ。
”俺はこんな貧乏な村じゃなく、シャールン市に出ようと思っているんだ”
”シャールン市ですって?でもあの街は大きい分、治安もよくないと聞くわ。もしクロードの身に何かあったら、私は…”
”心配しなくて大丈夫だよ。リリア、俺は必ずシャールン市で成功してみせる。生活の基盤が出来たら、必ずリリアを迎えに行く。2年だけ、俺を待っていてくれないか?2年後必ず迎えに来るから。そしたら、一緒に暮らそう”
”そんな…2年もクロードと離れるだなんて。お願い、私も連れて行って。私もしっかり働くから”
”ダメだ、シャールン市は、とても危険な街なんだ。それに身一つで行くのだよ。今日食べるものも住む場所もない状況なんだ。そんな状況の中、リリアを連れていく事は出来ない。だからどうか、俺を待っていて欲しい。かならず2年で君を迎えに行くから”
”分かったわ。どうか無理だけはしないでね。あなたが2年後、迎えに来てくれることを待っているから。約束よ、必ず2年後、迎えに生きてね”
”ああ、約束だ。それじゃあ、俺は行くよ”
大きな荷物を持って、笑顔で手を振って去って行ったクロード。彼が旅立ってからは、不安で眠れない夜を過ごした。
クロード、お腹を空かせていないかしら?悪い人たちに酷い事をされていないかしら?
不安で押しつぶされそうになる。でも私には、待つ事しか出来ない。そんな中、1ヶ月後クロードから手紙が届いたのだ。
そこには、住む家と仕事が見つかった事、必ず迎えに行くことが書かれていた。クロードが無事にシャールン市で生活を始めたことが嬉しくてたまらなかった。その手紙は、私にとって今でも宝物だ。
その日から私は、クロードを信じ、待ち続けている。どんなに酷い仕打ちを受けても、いつかクロードが迎えに来てくれると信じて…
でも…
約束の2年は既に過ぎている。もしかしてクロードの身に、何かあったのかしら?そんな不安が私を襲った。
それでも私は、この村で彼を待ち続けるしかないのだ。
「リリア、何をしているのだい?店を開ける準備をするよ。本当にのろまな子だね」
「ごめんなさい、叔母さん。すぐに準備をします」
考え事をしている暇はない、すぐにお店の準備をしないと!
叔父さんや叔母さん、従姉弟たちが食べた食事の後片付けを急いで終わらせ、お店の準備に取り掛かった。
ちなみに私は、1日1食しか与えられないため、朝食を食べない。昔あまりにもお腹がすきすぎてつまみ食いをしたことがあったのだが、叔母さんにバレて酷い暴力を受けてから、彼らの食事には手を付けない様にしているのだ。
とはいえ、そんな私を不憫に思ってくれている村の人たちが、食べ物やお金を与えてくれるため、なんとか生きているが…
この日も食堂で忙しく働いた後、家事を済ませた。
気が付くと夜中になっていた。
両親が残してくれた家に、1人戻る。
ふと夜空を眺める。
「綺麗な星ね。この綺麗な星を、クロードも見ているのかしら?」
思い出すのはクロードの事ばかり。もしかしたらこのまま、クロードは迎えに来てくれないのかもしれない。
ついそんな事を考えてしまう。
「ダメよ、弱気になったら。きっとクロードも迎えに来られない何かがあるのよ。それに私は、クロードを信じて待つと決めたのだから…」
~あとがき~
新連載始めました。
よろしくお願いいたします。
※おしらせ
「離縁前提で嫁いだのにいつの間にか旦那様に愛されていました」
こちらの文庫本が、レジーナブックスで発売されました!
文庫本だけの書下ろしもあります。
アーニーが少し成長したお話しです
宜しければお手に取って頂けると嬉しいです(*^-^*)
よろしくお願いします。
“分かったわ。私、待っているから。2年後、必ず迎えに来て”
“ああ、約束だ。それじゃあ、俺は行くよ”
笑顔で手を振り歩いていく姿を見つめ、彼に向かって手を振った。それが私が彼を見た最後の姿。
あれから3年…
「リリア、何をしているのだい?掃除は終わったのかい?やらなければいけない事は、山ほどあるのだよ。本当にグズな子だね。あんたは居候なのだから、しっかり働きな!」
「はい、叔母さん」
今日も私は、朝早くから夜遅くまで、働き続ける。家の事はもちろん、叔父夫婦が経営している食堂も、ほぼ1人で切り盛りしている。私の両親は、私が12歳の時に事故で亡くなった。まだ幼かった私を、隣に住む父方の叔父夫婦が引き取ってくれたのだ。
ただ、叔父夫婦は私の事を快く思っていなかった。泣く事も許されず、朝から晩まで働かされた。毎日怒鳴られ、殴られる日々。
そんな私を支えてくれたのが、幼馴染で2歳年上のクロードだった。いつも私を支えてくれたクロード。彼だけが私の唯一の味方だった。
クロードはお母さんを早くに亡くし、お父さんと一緒に生活をしていたが、3年前お父さんも病気で命を落としたのだ。
”俺はこんな貧乏な村じゃなく、シャールン市に出ようと思っているんだ”
”シャールン市ですって?でもあの街は大きい分、治安もよくないと聞くわ。もしクロードの身に何かあったら、私は…”
”心配しなくて大丈夫だよ。リリア、俺は必ずシャールン市で成功してみせる。生活の基盤が出来たら、必ずリリアを迎えに行く。2年だけ、俺を待っていてくれないか?2年後必ず迎えに来るから。そしたら、一緒に暮らそう”
”そんな…2年もクロードと離れるだなんて。お願い、私も連れて行って。私もしっかり働くから”
”ダメだ、シャールン市は、とても危険な街なんだ。それに身一つで行くのだよ。今日食べるものも住む場所もない状況なんだ。そんな状況の中、リリアを連れていく事は出来ない。だからどうか、俺を待っていて欲しい。かならず2年で君を迎えに行くから”
”分かったわ。どうか無理だけはしないでね。あなたが2年後、迎えに来てくれることを待っているから。約束よ、必ず2年後、迎えに生きてね”
”ああ、約束だ。それじゃあ、俺は行くよ”
大きな荷物を持って、笑顔で手を振って去って行ったクロード。彼が旅立ってからは、不安で眠れない夜を過ごした。
クロード、お腹を空かせていないかしら?悪い人たちに酷い事をされていないかしら?
不安で押しつぶされそうになる。でも私には、待つ事しか出来ない。そんな中、1ヶ月後クロードから手紙が届いたのだ。
そこには、住む家と仕事が見つかった事、必ず迎えに行くことが書かれていた。クロードが無事にシャールン市で生活を始めたことが嬉しくてたまらなかった。その手紙は、私にとって今でも宝物だ。
その日から私は、クロードを信じ、待ち続けている。どんなに酷い仕打ちを受けても、いつかクロードが迎えに来てくれると信じて…
でも…
約束の2年は既に過ぎている。もしかしてクロードの身に、何かあったのかしら?そんな不安が私を襲った。
それでも私は、この村で彼を待ち続けるしかないのだ。
「リリア、何をしているのだい?店を開ける準備をするよ。本当にのろまな子だね」
「ごめんなさい、叔母さん。すぐに準備をします」
考え事をしている暇はない、すぐにお店の準備をしないと!
叔父さんや叔母さん、従姉弟たちが食べた食事の後片付けを急いで終わらせ、お店の準備に取り掛かった。
ちなみに私は、1日1食しか与えられないため、朝食を食べない。昔あまりにもお腹がすきすぎてつまみ食いをしたことがあったのだが、叔母さんにバレて酷い暴力を受けてから、彼らの食事には手を付けない様にしているのだ。
とはいえ、そんな私を不憫に思ってくれている村の人たちが、食べ物やお金を与えてくれるため、なんとか生きているが…
この日も食堂で忙しく働いた後、家事を済ませた。
気が付くと夜中になっていた。
両親が残してくれた家に、1人戻る。
ふと夜空を眺める。
「綺麗な星ね。この綺麗な星を、クロードも見ているのかしら?」
思い出すのはクロードの事ばかり。もしかしたらこのまま、クロードは迎えに来てくれないのかもしれない。
ついそんな事を考えてしまう。
「ダメよ、弱気になったら。きっとクロードも迎えに来られない何かがあるのよ。それに私は、クロードを信じて待つと決めたのだから…」
~あとがき~
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よろしくお願いいたします。
※おしらせ
「離縁前提で嫁いだのにいつの間にか旦那様に愛されていました」
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