全てを失ったと思ったのですが…騎士団の隊長に拾われ溺愛されました

Karamimi

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第4話:おばあさんと出会いました

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「ここを真っすぐ進むと、シャールン市行きの夜行汽車が停車していますよ」

「何から何までご親切にして頂き、ありがとうございます」

 終点、マルドロ駅に着いたところで、再び親切な駅員さんが、道を教えてくれた。今日は付いているわね、こんなに色々な人に親切にしてもらえるだなんて…

 やっぱり勇気を出して、家を出てよかった。

 それにしても、ここも大きな街だ。夜なのに昼間の様に明るいし、人も沢山いる…て、感心している場合ではない。確か駅員さんが、30分後には最終の汽車が出てしまうと言っていた。汽車に乗り遅れてしまったら、今日はここに泊まらないといけなくなる。

 村長の奥さんから頂いたお金があるとはいえ、今ここでお金を使う訳にはいかない。とにかく急がないと!

 そう思い、急ぎ足で教えてもらった道を進んでいく。きっとあの汽車ね。大きな汽車が見えてきた。嬉しくて走ろうとした時だった。

「おい、ばあさん!こんなところでのろのろ歩いているなよ!邪魔だな」

 大きな声が聞こえたと思ったら、転んでいるおばあさんと、怒鳴りつけている男の人が。なんてひどいことをするのかしら?

「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」

 急いでおばあさんの元に駆けつけた。どうやらケガはなさそうだけれど…

「ありがとう、大丈夫よ。やだねぇ、歳をとると足腰が弱ってしまって…」

 そう言って笑うおばあさん。

「どこに向かわれるのですか?もしよろしければ、私がお荷物を運びますよ」

 大きな荷物を抱きかかえ、おばあさんに話しかけた。それにしてもこの荷物、重いわね。

「ありがとう、親切なお嬢さん。あの汽車に乗って、シャールン市に戻るところなの」

「まあ、シャールン市ですか?私もシャールン市に向かうところなのですよ。確かもうすぐ汽車が出てしまうと聞いております。急ぎましょう」

 おばあさんの手を引き、汽車へと向かう。出来るだけ急ぎ足で、それでもおばあさんの歩調に合わせて歩く。なんとか間に合った。

「ありがとう、お嬢さんのお陰で、ホテルをとらなくて済んだわ。良かったら、汽車でもご一緒してくださらないかしら?1人だとつまらないでしょう?」

「私でよければ、ぜひお供いたしますわ」

 まさかここにきて、誰かと一緒に行動する事になるだなんて。ずっと1人だと思っていたから、嬉しい。

「実はね、指定席をとってあるの。こっちよ」

 おばあさんが進む方に向かう。すると、何やら扉が。そこにはスーツを着た男性が立っている。そしておばあさんが、何やら男性と話をしている。

「お待ちしておりました。どうぞこちらです」

 扉を開き、待っている男性たち。

「さあ、行きましょう」

 笑顔のおばあさんについていく。ちょっと待って、ここは…

 奥には部屋になっており、大きなベッドとソファ、机が置いてある。ちょっと待って、ここが汽車の中なの?ここって、どう見ても特別な部屋よね。さすがにこんな所には、泊まれないわ。

 そっとおばあさんの荷物を下ろした。

「あの…私はこれで失礼いたします」

 ペコリと頭を下げ、その場を立ち去ろうとしたのだが…

「待って頂戴。もうすぐ食事も運ばれてくるわ。一緒に食べましょう。それにこの部屋、1人で使うには広すぎるし」

「ですが…私には立派過ぎますし…」

 何よりも落ち着かないのだ。

「あなたは本当に謙虚な子なのね…孫のお嫁さんに欲しいくらいだわ…て、今はそんな話はどうでもいいわ。私ね、今回初めて1人で旅行をしたの。でもやっぱり1人は寂しいわね。だからどうか、私に付き合ってくれないかしら?これも婆助けだと思って」

 シワシワの手を一生懸命合わせるおばあさん。その可愛らしい姿に、嫌だなんて言えない。

「それでは、お供させていただきますわ。ですが私、そんなにお金を持っていなくて…」

「お金の事は気にしなくてもいいわ。付き合ってくれるだけで、私は嬉しいから。さあ、遅くなったけれど、夕食にしましょう」

 こんな私がこんな立派なお部屋を使わせてもらうだなんて、本当に申し訳ない。でも、おばあさんもこう言って下さっているし、ここはお言葉に甘えるとしましょう。
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