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第10話:出来る事はやります
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「だが…」
「お気遣いいただき、ありがとうございました。今日は疲れたので、休ませていただきます。それではおやすみなさい」
極力笑顔を作り、男性に頭を下げ、先ほど男性から使ってもよいと言われたお部屋に入った。
ただ、お部屋は食べ物の残りかすやお酒の瓶が沢山転がっていたのだ。
「すまない、先日騎士団の後輩たちが泊まりに来て、そのままになっていたのだった。近いうちに清掃員を手配しようと思っていたのだが、忙しくて…そうだ、今日は俺の部屋を使ってくれ」
さっきまでクールだった男性が、急に慌てだしたのだ。
「この程度なら、今から片づけますので大丈夫ですわ」
「だが、その様な事は…」
「私は居候の身です。これ位させてください。それに掃除は得意なので」
子供の頃から、家事全般を1人でこなしてきたのだ。その上、お店もほぼ1人で切り盛りしていた。これくらい朝飯前だ。
手際よく掃除をしていく。すると、何を思ったのか男性も手伝ってくれている。
「お手伝いいただき、ありがとうございます。ですがあなた様のお手を煩わせる訳にはいきません。どうかあなた様は、お休みください」
そう伝えたのだが…
「いいや、俺たちが汚した部屋だからな。それに客人にこのような事をさせる訳には…」
「私は客人ではありません。ただの居候なのです。それにしても、この街の人は皆、親切な方ばかりですね」
アロマおばあさんといい、道を教えてくれた女性といい、この男性といい、みんな親切な人ばかりだ。
「色々な人間がこの街に住んでいるから。いい人間ばかりではないよ。むしろ、悪い奴の方が多いかもしれない。大きな街に住んでいると、出世するチャンスも多い。欲に目がくらみ、悪い道に足を踏み入れる者も多いからな…」
「そうなのですね…」
騎士様がそうおっしゃるのだから、実際そうなのだろう。クロードもきっと、私が知らないところで沢山苦労をして来たのだろう。もしかしたら一緒に住んでいた女性が、クロードを支えてくれていたのかもしれない。
今更考えても、どうにもならないけれど…
「ある程度片付いたな。これでゆっくり休めるだろう」
「ありがとうございます。とてもきれいになりましたわ」
2人で片づけたお陰で、あっと言う間に綺麗になった。
「それじゃあ俺はこれで。先に湯あみをしてもらって構わないから」
「はい、ありがとうございます。では、お言葉に甘えさせていただきます」
居候の身で湯あみだなんて贅沢だが、せっかくなのでお言葉に甘えさせてもらった。昨日と今日、2日連続で湯あみが出来るだなんて、幸せだ。髪をしっかり乾かし、ベッドに横になる。
騎士様、最初はとても恐ろしい方かと思ったけれど、悪い人ではなさそうだ。こんなどこの馬の骨かもわからない私を、泊めて下さるだなんて…
隊長様と言っていたわね。きっと使命感から私を置いて下さっているのだろう。とはいえ、このままお言葉に甘えさせていただき続ける訳にもいかないし、ただの居候として大きな顔をして置いてもらう訳にはいかない。
せっかくご厚意でしばらく置いてもらえることになったのだ。私が出来る事をしっかりやって、少しでも恩返しができるように頑張ろう。
そんな思いで、眠りについた。
翌日
朝いつもの様に目が覚めた私は、キッチンとお風呂、トイレの掃除を行う。私は居候の身、昨日の夜、私が出来る事は何かと考えた結果、掃除や洗濯など家事全般を行う事だと思ったのだ。
掃除が終わると、恐る恐る外に出た。周りにはたくさんのお店や家が立ち並んでいる。既にたくさんの人が歩いていて、お店も開いている。こんな時間からお店が開いているだなんて、やっぱりシャールン市はすごいわ。
少ない所持金を握りしめ、周りを見て回る。私でも買えるものかつ、食べ応えがありそうな食材を選んで買っていく。騎士様は体力勝負と聞いたことがある。きっと朝から、がっつり食べるだろう、そう思ったのだ。
買い物を終え、家に戻ると、早速朝食の準備に取り掛かる。早く作らないと、騎士様が起きていらっしゃるわ。そんな思いで、いつもの様に手際よく料理を作っていく。
その時だった。
「おはよう、もう起きていたのか。早いな。それにしても、いい匂いがするのだが」
騎士様が起きて来たのだ。
「お気遣いいただき、ありがとうございました。今日は疲れたので、休ませていただきます。それではおやすみなさい」
極力笑顔を作り、男性に頭を下げ、先ほど男性から使ってもよいと言われたお部屋に入った。
ただ、お部屋は食べ物の残りかすやお酒の瓶が沢山転がっていたのだ。
「すまない、先日騎士団の後輩たちが泊まりに来て、そのままになっていたのだった。近いうちに清掃員を手配しようと思っていたのだが、忙しくて…そうだ、今日は俺の部屋を使ってくれ」
さっきまでクールだった男性が、急に慌てだしたのだ。
「この程度なら、今から片づけますので大丈夫ですわ」
「だが、その様な事は…」
「私は居候の身です。これ位させてください。それに掃除は得意なので」
子供の頃から、家事全般を1人でこなしてきたのだ。その上、お店もほぼ1人で切り盛りしていた。これくらい朝飯前だ。
手際よく掃除をしていく。すると、何を思ったのか男性も手伝ってくれている。
「お手伝いいただき、ありがとうございます。ですがあなた様のお手を煩わせる訳にはいきません。どうかあなた様は、お休みください」
そう伝えたのだが…
「いいや、俺たちが汚した部屋だからな。それに客人にこのような事をさせる訳には…」
「私は客人ではありません。ただの居候なのです。それにしても、この街の人は皆、親切な方ばかりですね」
アロマおばあさんといい、道を教えてくれた女性といい、この男性といい、みんな親切な人ばかりだ。
「色々な人間がこの街に住んでいるから。いい人間ばかりではないよ。むしろ、悪い奴の方が多いかもしれない。大きな街に住んでいると、出世するチャンスも多い。欲に目がくらみ、悪い道に足を踏み入れる者も多いからな…」
「そうなのですね…」
騎士様がそうおっしゃるのだから、実際そうなのだろう。クロードもきっと、私が知らないところで沢山苦労をして来たのだろう。もしかしたら一緒に住んでいた女性が、クロードを支えてくれていたのかもしれない。
今更考えても、どうにもならないけれど…
「ある程度片付いたな。これでゆっくり休めるだろう」
「ありがとうございます。とてもきれいになりましたわ」
2人で片づけたお陰で、あっと言う間に綺麗になった。
「それじゃあ俺はこれで。先に湯あみをしてもらって構わないから」
「はい、ありがとうございます。では、お言葉に甘えさせていただきます」
居候の身で湯あみだなんて贅沢だが、せっかくなのでお言葉に甘えさせてもらった。昨日と今日、2日連続で湯あみが出来るだなんて、幸せだ。髪をしっかり乾かし、ベッドに横になる。
騎士様、最初はとても恐ろしい方かと思ったけれど、悪い人ではなさそうだ。こんなどこの馬の骨かもわからない私を、泊めて下さるだなんて…
隊長様と言っていたわね。きっと使命感から私を置いて下さっているのだろう。とはいえ、このままお言葉に甘えさせていただき続ける訳にもいかないし、ただの居候として大きな顔をして置いてもらう訳にはいかない。
せっかくご厚意でしばらく置いてもらえることになったのだ。私が出来る事をしっかりやって、少しでも恩返しができるように頑張ろう。
そんな思いで、眠りについた。
翌日
朝いつもの様に目が覚めた私は、キッチンとお風呂、トイレの掃除を行う。私は居候の身、昨日の夜、私が出来る事は何かと考えた結果、掃除や洗濯など家事全般を行う事だと思ったのだ。
掃除が終わると、恐る恐る外に出た。周りにはたくさんのお店や家が立ち並んでいる。既にたくさんの人が歩いていて、お店も開いている。こんな時間からお店が開いているだなんて、やっぱりシャールン市はすごいわ。
少ない所持金を握りしめ、周りを見て回る。私でも買えるものかつ、食べ応えがありそうな食材を選んで買っていく。騎士様は体力勝負と聞いたことがある。きっと朝から、がっつり食べるだろう、そう思ったのだ。
買い物を終え、家に戻ると、早速朝食の準備に取り掛かる。早く作らないと、騎士様が起きていらっしゃるわ。そんな思いで、いつもの様に手際よく料理を作っていく。
その時だった。
「おはよう、もう起きていたのか。早いな。それにしても、いい匂いがするのだが」
騎士様が起きて来たのだ。
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