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第26話:街に出ます【2】
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「リリア、どうしたのだい?もしかして馬車酔いでもしたのかい?」
心配そうな顔で、ゼルス様が私の顔を覗き込んできたのだ。
「いえ…ここに来た時、ゼルス様と同じように、私に親切にして下さったおばあさんがいたのです。その方の事を考えていて…」
「そうか、俺の前に、君に親切にしていた婆さんがいたのか。俺の前に…」
「ゼルス様?」
「いや、何でもない。ちょうど西の街に着いた様だ。ここら辺は治安も比較的いい方だから、ゆっくりみてまわれるだろう。さあ、行こうか」
「はい、楽しみですわ」
2人で馬車を降りた。
「リリア、あっちにショッピングエリアがあるから行ってみよう。いつもリリアには休みなしで働いてもらっているから、欲しいものがあれば遠慮なく言ってくれ」
「そんな、私は大したことはしておりませんわ。それなのに、沢山のお給料を頂いております。どうかこれ以上は、気を使わないで下さい」
これ以上何かをしてもらうだなんて、さすがに図々しすぎる。そう思っていたのだが…
1軒目の少し高級そうな服屋さんに誘導されて入っていたのだが、入って早々…
「まあ、ゼルス隊長ではございませんか。あら?お隣にいらっしゃるのは、彼女ですか?なんて可愛らしい方なのでしょう。今日は彼女へのプレゼントを探しにいらしたのですか?それでしたらこれはいかがでしょう。このスカイブルーのワンピースも、彼女の瞳の色と同じで、とてもお似合いですよ。この帽子も!」
次から次へと進めてくる女性に
「ああ、全て頂こう」
そう言っているゼルス様。
「あの、ゼルス様…」
「まあ、さすが隊長様ですわ。すぐにお包みしますから。お会計はこちらです」
なんて手際がいいのかしら?あっという間に会計まで誘導する女性。さらに近くでは他の女性たちが、次々と商品を袋に詰めている。
「ありがとうございました!またお越しください」
私が唖然としている間に、あっと言う間に見送られてしまった。
「あの、ゼルス様。こちらの洋服代は…」
「これは俺が買ったのだから、君は気にしないでくれ。キースの話どおり、かなり強引な店主だったな…まあ、そのお陰でしっかり買い物は出来たが…」
何やらゼルス様がブツブツと言っている。一体どうしたのだろう。それにしても、凄い荷物だ。一旦馬車に荷物を置きに行き、再び街に出る。
「ゼルス様、あちらに可愛らしい小物が売っているお店がありますわ。少し見てもいいですか?」
「ああ、構わないよ。君が見たい店を見たらいいよ」
次のお店は、あまり高価なものが売っていないお店にしよう。そう決めていた私は、自分でも購入できそうなお店に入った。あわよくば、ゼルス様に何かプレゼント出来たらいいな。そう思い、お店に入ったのだが…
「まあ、このネックレス、とても綺麗だわ」
綺麗な貝殻を使った可愛らしいネックレスを見つけたのだ。これなら私にも買えそうだ。そう思い、自分で買おうとしたのだが…
「女性に財布を出させるのは良くないと、キースが言っていた。ここは俺が払わせてもらうよ」
そう言うと、さっさと会計を済ませてしまったゼルス様。ここでもゼルス様にお金を使わせてしまった。なんだか申し訳ない。
「ゼルス様、あの程度でしたら私でも払えますわ。ですので…」
「いいや、今日は君へのねぎらいの意味も込めて街に出たのだから、リリアはお金を出す必要はない。リリア、どうか今日だけは、俺に甘えて欲しい。俺の願いを聞き入れてくれないだろうか…」
でも…
「リリアさん、ゼルスはこう見えて金だけは無駄に持っているから、遠慮なく出させたらいいよ。本当に趣味も何にもない、つまらない男だからな。お金の使い方も知らないのだから」
「ちょっと、キース。言いすぎよ!それにしても、ゼルス隊長にこんな可愛らしい彼女がいただなんて。本当にかわいい子ね」
えっ?
ビックリして声の方を向くと、そこにいたのは…
心配そうな顔で、ゼルス様が私の顔を覗き込んできたのだ。
「いえ…ここに来た時、ゼルス様と同じように、私に親切にして下さったおばあさんがいたのです。その方の事を考えていて…」
「そうか、俺の前に、君に親切にしていた婆さんがいたのか。俺の前に…」
「ゼルス様?」
「いや、何でもない。ちょうど西の街に着いた様だ。ここら辺は治安も比較的いい方だから、ゆっくりみてまわれるだろう。さあ、行こうか」
「はい、楽しみですわ」
2人で馬車を降りた。
「リリア、あっちにショッピングエリアがあるから行ってみよう。いつもリリアには休みなしで働いてもらっているから、欲しいものがあれば遠慮なく言ってくれ」
「そんな、私は大したことはしておりませんわ。それなのに、沢山のお給料を頂いております。どうかこれ以上は、気を使わないで下さい」
これ以上何かをしてもらうだなんて、さすがに図々しすぎる。そう思っていたのだが…
1軒目の少し高級そうな服屋さんに誘導されて入っていたのだが、入って早々…
「まあ、ゼルス隊長ではございませんか。あら?お隣にいらっしゃるのは、彼女ですか?なんて可愛らしい方なのでしょう。今日は彼女へのプレゼントを探しにいらしたのですか?それでしたらこれはいかがでしょう。このスカイブルーのワンピースも、彼女の瞳の色と同じで、とてもお似合いですよ。この帽子も!」
次から次へと進めてくる女性に
「ああ、全て頂こう」
そう言っているゼルス様。
「あの、ゼルス様…」
「まあ、さすが隊長様ですわ。すぐにお包みしますから。お会計はこちらです」
なんて手際がいいのかしら?あっという間に会計まで誘導する女性。さらに近くでは他の女性たちが、次々と商品を袋に詰めている。
「ありがとうございました!またお越しください」
私が唖然としている間に、あっと言う間に見送られてしまった。
「あの、ゼルス様。こちらの洋服代は…」
「これは俺が買ったのだから、君は気にしないでくれ。キースの話どおり、かなり強引な店主だったな…まあ、そのお陰でしっかり買い物は出来たが…」
何やらゼルス様がブツブツと言っている。一体どうしたのだろう。それにしても、凄い荷物だ。一旦馬車に荷物を置きに行き、再び街に出る。
「ゼルス様、あちらに可愛らしい小物が売っているお店がありますわ。少し見てもいいですか?」
「ああ、構わないよ。君が見たい店を見たらいいよ」
次のお店は、あまり高価なものが売っていないお店にしよう。そう決めていた私は、自分でも購入できそうなお店に入った。あわよくば、ゼルス様に何かプレゼント出来たらいいな。そう思い、お店に入ったのだが…
「まあ、このネックレス、とても綺麗だわ」
綺麗な貝殻を使った可愛らしいネックレスを見つけたのだ。これなら私にも買えそうだ。そう思い、自分で買おうとしたのだが…
「女性に財布を出させるのは良くないと、キースが言っていた。ここは俺が払わせてもらうよ」
そう言うと、さっさと会計を済ませてしまったゼルス様。ここでもゼルス様にお金を使わせてしまった。なんだか申し訳ない。
「ゼルス様、あの程度でしたら私でも払えますわ。ですので…」
「いいや、今日は君へのねぎらいの意味も込めて街に出たのだから、リリアはお金を出す必要はない。リリア、どうか今日だけは、俺に甘えて欲しい。俺の願いを聞き入れてくれないだろうか…」
でも…
「リリアさん、ゼルスはこう見えて金だけは無駄に持っているから、遠慮なく出させたらいいよ。本当に趣味も何にもない、つまらない男だからな。お金の使い方も知らないのだから」
「ちょっと、キース。言いすぎよ!それにしても、ゼルス隊長にこんな可愛らしい彼女がいただなんて。本当にかわいい子ね」
えっ?
ビックリして声の方を向くと、そこにいたのは…
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