全てを失ったと思ったのですが…騎士団の隊長に拾われ溺愛されました

Karamimi

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第67話:俺の過ち【その1】~クロード視点~

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 リリアを部屋に送り届けた後、俺も自室に戻ってきた。この家は、クレシレス王国の貴族、レティ様が俺とリリアの為に準備してくれた仮暮らしの家だ。

 当面の生活費も出してくれたレティ様には、本当に感謝しかない。

 ただ…

 久しぶりにあったリリアは、どうやら助けてくれた騎士団の隊長に未練がかなりあるようだ。だが彼は、元侯爵家の人間。かたやリリアは、小さな村出身の身寄りのない娘。どう考えても、釣り合わない。

 その説明の受けてもなお“ゼルス様に会わせて”と、言ってくる。確かに約束を破ったのは悪かったが、俺だってこの3年半、大変な思いをして来たんだ。

 それなのにリリアは…

 ~3年半前~


「リリア、どうか後2年だけ待っていてくれるか?2年後、必ず迎えに来るから。そしたら2人で一緒に暮らそう」

 俺はそう言ってリリアと別れ、マルモル村を後にして、大都市シャールン市へとやって来た。子供の頃から俺は、あんな小さな村にいる事が苦手だった。閉鎖的で村全体が貧しいあの村が。

 そんな俺には、大切な幼馴染がいた。そう、リリアだ。リリアの両親は、リリアが12歳の時に事故で命を落とした。独りぼっちになったリリアを引き取ったのは、リリアの父親の弟夫婦だったのだが、こいつらがろくでもない奴だった。

 リリアをこき使い、気に入らないと暴力まで振るっていたのだ。なんとかリリアを助けたい、でも、知り合いのいないシャールン市にリリアを連れていく訳にはいかない。

 もしかしたら仕事が見つからず、野垂れ死んでしまうかもしれない。たとえあんなろくでもない叔父叔母でも、あいつらの元にさえいれば、リリアは生きていける。それなら、俺だけがまずはシャールン市に向かい、生活の基盤を作ったらすぐに迎えに行こう。うまく行けば、リリアにもいい生活をさせてあげられるかもしれない。

 一応期限は2年と決めたが、もっと早く迎えに行ってあげたい。リリアを早くあの地獄から救い出してあげたい。そんな思いで、俺は少ない資金を握りしめ、シャールン市へと旅立った。

 有難い事にすぐに仕事も見つかり、住み込みで働かせてもらえることになった。初めてもらった給料で家を借り、リリアに手紙を書いた。もう少し生活が安定したら、すぐにリリアを迎えに行こう。そう思っていたのだが…

「クロードは地方の村出身なんだよな。それじゃあ、都会の楽しみを知らないだろう?いいところに連れて行ってやるよ」

 仕事先の先輩に連れていかれたのは、綺麗な女性がいる酒屋だ。そこで俺は、衝撃を受けた。見た目はもちろん、ナイスなボディをした女性が、俺にすり寄って来たのだ。

「クロードさんって言うのね。なんて素敵なのかしら?お腹が空いているでしょう?これも食べて。はい、あーん」

 綺麗な女性が、俺を目いっぱいもてなしてくれる。何なんだ、この素晴らしい世界は。俺はすっかりその店の虜になってしまい、生活費をその店に全てつぎ込んでしまう様になった。

 さらに女性から、別の店も紹介され、そっちの店に行くようにもなった。村では味わう事がなかった、大人の女性との時間に、完全にはまってしまったのだ。

 シャールン市はこんなにも魅力的な店だったのだな。もっと早くあんなちんけな村、出ればよかった。

 この頃の俺は、リリアの存在などすっかり忘れ、シャールン市の夜の街を謳歌していた。そんな中出会ったのが、アナリスだった。アナリスは、俺が通っていたお店の女性の1人。

「クロードって、とても魅力的ね。私、クロードのことを好きになっちゃった」

 上目使いで見つめられ、大きなバストを押し当てられたら、拒否できる男なんて存在しないだろう。すっかり俺は、アナリスの虜になってしまった。アナリスの為に、増々店に通い、お金を落とす。

 アナリスは寮で生活をしているのだが、意地悪な先輩がいて一緒に生活をするのが辛いというので、俺の家で一緒に生活をする事になった。

 とはいえ、アナリスとの事を本当に愛しているかと言われれば、そうではない。俺が愛しているのは、やはりリリアただ1人だ。ただ…アナリスとは、特に体の相性がいいため、中々手放すことが出来なかった。

 気が付けば村を出て2年が過ぎようとしてた。そう、リリアと約束した期限がやって来たのだ。きっとけなげなリリアは、俺の事を待ち続けているだろう。

 リリアの為にも、早くアナリスとは関係を絶たないと。でも、やっぱりアナリスの体は魅力的過ぎて、どうしても手放せない。後少しだけアナリスを堪能したら、手放そう。もう少しだけ…
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