87 / 103
第87話:因果応報とはこのことです
しおりを挟む
早速馬車で向かう。それにしても、豪華な馬車だ。こんな豪華な馬車が村を走っているせいか、村人たちが驚いてこちらを見つめている。
そりゃそうよね、こんな小さな村に、立派な馬車が何台も走っていたら、何事かと思うわよね。
「ゼルス様、リースおばあさん、伯父さん、あれが両親と住んでいた家ですわ。そして隣が、叔父夫婦の家です」
懐かしいわね。あの家で私は生まれ育ったのだ。両親が亡くなった後は、叔父さんたちに酷い目に遭わされていたが、それでも私にとっては大切な故郷。
「あの意地悪そうな女が、リリアを虐めていた叔母か?」
豪華な馬車がやって来たから、叔母さんが見に来た様だ。
「はい、そうですわ」
「そうか、リリアはここで待っていてもいいぞ」
「いえ、大丈夫ですわ。一緒に降ります」
皆と一緒に馬車から降りる。すると…
「リリア、あんたリリアじゃないか!あんたのせいで、我が家は今大変な事になっているんだよ。この恩知らずが!」
何を思ったのか、叔母さんが私を見つけるなり殴りかかって来たのだ。ただ…
「ぎゃぁぁぁ!!!痛い!」
「貴様、よくも俺の可愛いリリアを虐めてくれたな。タダで済むと思うなよ!」
ゼルス様が叔母さんを捕まえ、思いっきり地面にたたきつけたのだ。さらに、首根っこを掴み、地面に押さえつけている。
「ゼルス、その辺にしておきなさい。こんなゴミくずのような人間でも、傷つけるのは良くないわ」
「あら、いいじゃない。この女は、私の可愛い孫娘を虐めていた女でしょう?あなた、よくも私の可愛いリリアちゃんを虐めたわね。あなた、クレッセル侯爵家の人間に酷い事をするだなんて、いい度胸ね。タダで済むとは思っていないわよね」
なんと車いすのリースおばあさんが立ち上がり、叔母さんの顔を踏みつけたのだ。あんなに穏やかなおばあさんが、こんな事をするだなんて。
「母上、気持ちは分かるが、リリアが驚いている。すまない、リリア、こう見えて母上は気性が荒くて。さあ、ゼルス殿もこの辺にして、レアが住んでいた家を見せてもらおう」
「レアって、まさか…」
「そうよ、あなたの義姉、レアさんは、クレシレス王国のクレッセル侯爵令嬢だったのよ。そういえばあなたの家、今非常に苦しいらしいわね。そりゃそうよね、今までリリアちゃんをこき使い、そのお金で生きていたのだから。
そうそう、あなた達がやっていたことは、村人たちが色々と話してくれたわ。近々あなた達を裁判にかけるつもりだから、そのつもりでね。さあ、この犯罪者たちを連れて行きなさい」
「「「承知いたしました」」」
「ちょっと待って…そんな、私はリリアがそんな高貴な身分の女性とは知らなかったのです。それにこの子は、夫と血のつながった姪…」
「たとえ姪であっても、虐待は犯罪よ。しっかり裁きを受ける事ね。もちろん、あなたの夫と子供たちも、連行していくから安心して」
笑顔で近くに控えていた騎士たちに指示を出す、アロマおばあさん。この人、優しそうに見えて、やるときはやる人だ。そこもゼルス様に似ている。
「そんな…リリア、お願い。助けて。あなたを育ててあげた恩を忘れたの?」
「私は叔母さんに育ててもらった記憶はありませんわ。殴られたりご飯を与えられなかったり、寝る暇もなく働かされた記憶しか…」
「そんな…あんたって子は!」
「早くこの性悪女を連れて行け!これ以上リリアの視界に、この女を入れさせるな!」
「申し訳ございません。さあ、こっちにこい!」
泣き叫びながら連れていかれる叔母さん。さらに家の中にいた叔父さんや従兄弟達も連れていかれた。
「さあ、厄介者も片付いたし、リリアちゃんの家に行きましょう」
気を取り直して、皆で私が住んでいた家へと向かった。家の中に入ると、私が出て行ったままになっていた。
そりゃそうよね、こんな小さな村に、立派な馬車が何台も走っていたら、何事かと思うわよね。
「ゼルス様、リースおばあさん、伯父さん、あれが両親と住んでいた家ですわ。そして隣が、叔父夫婦の家です」
懐かしいわね。あの家で私は生まれ育ったのだ。両親が亡くなった後は、叔父さんたちに酷い目に遭わされていたが、それでも私にとっては大切な故郷。
「あの意地悪そうな女が、リリアを虐めていた叔母か?」
豪華な馬車がやって来たから、叔母さんが見に来た様だ。
「はい、そうですわ」
「そうか、リリアはここで待っていてもいいぞ」
「いえ、大丈夫ですわ。一緒に降ります」
皆と一緒に馬車から降りる。すると…
「リリア、あんたリリアじゃないか!あんたのせいで、我が家は今大変な事になっているんだよ。この恩知らずが!」
何を思ったのか、叔母さんが私を見つけるなり殴りかかって来たのだ。ただ…
「ぎゃぁぁぁ!!!痛い!」
「貴様、よくも俺の可愛いリリアを虐めてくれたな。タダで済むと思うなよ!」
ゼルス様が叔母さんを捕まえ、思いっきり地面にたたきつけたのだ。さらに、首根っこを掴み、地面に押さえつけている。
「ゼルス、その辺にしておきなさい。こんなゴミくずのような人間でも、傷つけるのは良くないわ」
「あら、いいじゃない。この女は、私の可愛い孫娘を虐めていた女でしょう?あなた、よくも私の可愛いリリアちゃんを虐めたわね。あなた、クレッセル侯爵家の人間に酷い事をするだなんて、いい度胸ね。タダで済むとは思っていないわよね」
なんと車いすのリースおばあさんが立ち上がり、叔母さんの顔を踏みつけたのだ。あんなに穏やかなおばあさんが、こんな事をするだなんて。
「母上、気持ちは分かるが、リリアが驚いている。すまない、リリア、こう見えて母上は気性が荒くて。さあ、ゼルス殿もこの辺にして、レアが住んでいた家を見せてもらおう」
「レアって、まさか…」
「そうよ、あなたの義姉、レアさんは、クレシレス王国のクレッセル侯爵令嬢だったのよ。そういえばあなたの家、今非常に苦しいらしいわね。そりゃそうよね、今までリリアちゃんをこき使い、そのお金で生きていたのだから。
そうそう、あなた達がやっていたことは、村人たちが色々と話してくれたわ。近々あなた達を裁判にかけるつもりだから、そのつもりでね。さあ、この犯罪者たちを連れて行きなさい」
「「「承知いたしました」」」
「ちょっと待って…そんな、私はリリアがそんな高貴な身分の女性とは知らなかったのです。それにこの子は、夫と血のつながった姪…」
「たとえ姪であっても、虐待は犯罪よ。しっかり裁きを受ける事ね。もちろん、あなたの夫と子供たちも、連行していくから安心して」
笑顔で近くに控えていた騎士たちに指示を出す、アロマおばあさん。この人、優しそうに見えて、やるときはやる人だ。そこもゼルス様に似ている。
「そんな…リリア、お願い。助けて。あなたを育ててあげた恩を忘れたの?」
「私は叔母さんに育ててもらった記憶はありませんわ。殴られたりご飯を与えられなかったり、寝る暇もなく働かされた記憶しか…」
「そんな…あんたって子は!」
「早くこの性悪女を連れて行け!これ以上リリアの視界に、この女を入れさせるな!」
「申し訳ございません。さあ、こっちにこい!」
泣き叫びながら連れていかれる叔母さん。さらに家の中にいた叔父さんや従兄弟達も連れていかれた。
「さあ、厄介者も片付いたし、リリアちゃんの家に行きましょう」
気を取り直して、皆で私が住んでいた家へと向かった。家の中に入ると、私が出て行ったままになっていた。
675
あなたにおすすめの小説
【完結】契約の花嫁だったはずなのに、無口な旦那様が逃がしてくれません
Rohdea
恋愛
──愛されない契約の花嫁だったはずなのに、何かがおかしい。
家の借金返済を肩代わりして貰った代わりに
“お飾りの妻が必要だ”
という謎の要求を受ける事になったロンディネ子爵家の姉妹。
ワガママな妹、シルヴィが泣いて嫌がった為、必然的に自分が嫁ぐ事に決まってしまった姉のミルフィ。
そんなミルフィの嫁ぎ先は、
社交界でも声を聞いた人が殆どいないと言うくらい無口と噂されるロイター侯爵家の嫡男、アドルフォ様。
……お飾りの妻という存在らしいので、愛される事は無い。
更には、用済みになったらポイ捨てされてしまうに違いない!
そんな覚悟で嫁いだのに、
旦那様となったアドルフォ様は確かに無口だったけど───……
一方、ミルフィのものを何でも欲しがる妹のシルヴィは……
公爵様のバッドエンドを回避したいだけだったのに、なぜか溺愛されています
六花心碧
恋愛
お気に入り小説の世界で名前すら出てこないモブキャラに転生してしまった!
『推しのバッドエンドを阻止したい』
そう思っただけなのに、悪女からは脅されるし、小説の展開はどんどん変わっていっちゃうし……。
推しキャラである公爵様の反逆を防いで、見事バッドエンドを回避できるのか……?!
ゆるくて、甘くて、ふわっとした溺愛ストーリーです➴⡱
◇2025.3 日間・週間1位いただきました!HOTランキングは最高3位いただきました!
皆様のおかげです、本当にありがとうございました(ˊᗜˋ*)
(外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
【完結】没落寸前の貧乏令嬢、お飾りの妻が欲しかったらしい旦那様と白い結婚をしましたら
Rohdea
恋愛
婚期を逃し、没落寸前の貧乏男爵令嬢のアリスは、
ある日、父親から結婚相手を紹介される。
そのお相手は、この国の王女殿下の護衛騎士だったギルバート。
彼は最近、とある事情で王女の護衛騎士を辞めて実家の爵位を継いでいた。
そんな彼が何故、借金の肩代わりをしてまで私と結婚を……?
と思ったら、
どうやら、彼は“お飾りの妻”を求めていたらしい。
(なるほど……そういう事だったのね)
彼の事情を理解した(つもり)のアリスは、その結婚を受け入れる事にした。
そうして始まった二人の“白い結婚”生活……これは思っていたよりうまくいっている?
と、思ったものの、
何故かギルバートの元、主人でもあり、
彼の想い人である(はずの)王女殿下が妙な動きをし始めて……
【完結】想い人がいるはずの王太子殿下に求婚されまして ~不憫な王子と勘違い令嬢が幸せになるまで~
Rohdea
恋愛
──私は、私ではない“想い人”がいるはずの王太子殿下に求婚されました。
昔からどうにもこうにも男運の悪い侯爵令嬢のアンジェリカ。
縁談が流れた事は一度や二度では無い。
そんなアンジェリカ、実はずっとこの国の王太子殿下に片想いをしていた。
しかし、殿下の婚約の噂が流れ始めた事であっけなく失恋し、他国への留学を決意する。
しかし、留学期間を終えて帰国してみれば、当の王子様は未だに婚約者がいないという。
帰国後の再会により再び溢れそうになる恋心。
けれど、殿下にはとても大事に思っている“天使”がいるらしい。
更に追い打ちをかけるように、殿下と他国の王女との政略結婚の噂まで世間に流れ始める。
今度こそ諦めよう……そう決めたのに……
「私の天使は君だったらしい」
想い人の“天使”がいるくせに。婚約予定の王女様がいるくせに。
王太子殿下は何故かアンジェリカに求婚して来て───
★★★
『美人な姉と間違って求婚されまして ~望まれない花嫁が愛されて幸せになるまで~』
に、出て来た不憫な王太子殿下の話になります!
(リクエストくれた方、ありがとうございました)
未読の方は一読された方が、殿下の不憫さがより伝わるような気がしています……
婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~
白井
恋愛
「我が伯爵家に貴様は相応しくない! 婚約は解消させてもらう」
枯葉のような地味な容姿が原因で家族から疎まれ、婚約者を姉に奪われたステラ。
土下座を強要され自分が悪いと納得しようとしたその時、謎の美形が跪いて手に口づけをする。
「美しき我が光……。やっと、お会いできましたね」
あなた誰!?
やたら綺麗な怪しい男から逃げようとするが、彼の執着は枯葉令嬢ステラの想像以上だった!
虐げられていた令嬢が男の正体を知り、幸せになる話。
英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない
百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。
幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる