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第38話:最後に一目だけでも彼女に会いたい~クラウド視点~
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「クラウド殿下、お着替えを済ませましたか?そろそろお時間ですよ」
僕の元にメイドが呼びに来た。そう、今から陛下と王妃、さらに第一王子と食事という、物凄く面倒な場所に行かなければいけないのだ。そう言えば学院から帰る時、ミレニアが珍しく不安そうな顔をしていたな。
あんなに不安そうなミレニアは初めてみた。でも、それだけ僕の事を心配してくれているという事か。そう思ったら、嬉しくてたまらない。毒を感知するスプーンも持ったし、きっと大丈夫だろう。
早速今日の食事会場へと向かった。会場に着くと、既に陛下・王妃・第一王子が待っていた。
「待たせして申し訳ございません」
とりあえず謝っておいた。僕の姿を見て、なぜか嬉しそうな王妃が気になるが、とにかく席に着いた。
「それじゃあ、頂こうか」
陛下の言葉で、食事スタートのはずが…
「王太子殿下、その食事を召し上がってはいけません!」
1人のメイドが急に叫んだのだ。メイドの方を見ると、緑の髪にオレンジの瞳をしていた。そう言えばこの女、離宮に少し前に入ったメイドで、やたら僕に絡んできていたな。
「食べてはいけないとはどういう事だ?」
第一王子が怪訝そうな顔でメイドに問いかけた。確かに食べてはいけないとは、どういう事だろう。
「実はその食事には、クラウド殿下の指示で毒が入れられているのです。ですから、絶対に食べないで下さい!クラウド殿下、申し訳ございません。でも、私は王太子殿下を暗殺する事は出来ません!うぁぁぁぁぁぁん」
今この女は一体何といったのだ?僕の指示で毒を入れただと?そんな事、僕は言っていない。状況が全く飲み込めず、頭が真っ白になった。
「とにかく、マシューの食事を調べなさい!それから、第二王子を牢に!」
王妃が近くにいた護衛騎士に指示を出す。
「待ってくれ!僕はそんな事をした覚えはない!何かの間違いだ!」
そう訴えたが、そのまま地下牢へと放り込まれてしまった。
一体何が起こっているのか、さっぱり分からない。でも、考えられる事は1つしかない。きっと僕は誰かに嵌められたのだ!
その後、第一王子の食事から毒が検出されたらしい。そしてなぜか僕の部屋からも、同じ毒が見つかったと知らせが入った。
「僕は何もやっていない!無実だ!」
そう何度も訴えたが、誰も信じてくれなかった。今何時だろう…食事が終わったら、ミレニアに通信をすると約束したのに…
きっと僕の事を心配しているだろう。そう言えば、今回の食事もミレニアは物凄く心配していた。もし今回の食事を断っていたら、こんなの事にはならなかったのかな…
そう思いながら、冷たい地下牢で一夜を過ごした。
翌日
ミレニアの父でもあるマーケッヒ公爵が地下牢にやって来た。
「クラウド殿下!大丈夫ですか?」
「マーケッヒ公爵、ミレニアは?ミレニアはどうしていますか?泣いていませんか?食事はちゃんと食べていますか?」
僕の問いかけに、困った様に笑う公爵。
「クラウド殿下、君はミレニアの事を随分と心配してくれるんだね。自分の置かれている状況を、わかっているのですか?」
「分かっているからこそ、ミレニアが心配なのです!」
僕はミレニアが世界で一番大切なんだ。だから、ミレニアが悲しんだり苦しんだりしていると思うと、胸が張り裂けそうになる。
「ミレニアの事をそこまで心配してくれて、ありがとうございます!随分と君の事を心配しているが、大丈夫ですよ。それよりも、私は君の無実を信じています。もちろん、陛下も!出来る事はやってみるつもりだから、諦めないで下さい」
そう言って去って行った公爵。僕の為に色々と動いてくれる公爵には、感謝しかない。
公爵と話して、どれくらい時間が経っただろうか。考える事と言えば、ミレニアの事ばかり。もし僕が居なくなったら、ミレニアはどうするのだろう。他の令息と恋仲になって、いつかは結婚するのかな?
考えただけで、胸が張り裂けそうだ!その時だった、第一王子がやって来た。
「思ったより元気そうで良かった」
僕の顔を見るなり、そう言った第一王子。
「明後日、お前が処刑される事が決まったよ」
そうか…僕は明後日殺されるのか…
こいつ、わざわざそんな事を言いに来たのか。きっと僕が殺される事を喜んでいるのだろう。だからわざわざこんな所まで報告に来たんだ。でも、それにしては元気がないのはなぜだろう…
「俺は、お前が無実だって思っている。多分、母上がお前に無実の罪を着せたのだろう。それに、お前に指示されて毒を盛ったというメイドも、姿をくらわせている!俺が必ずそのメイドを見つけだし、お前の無実を証明してやるから、絶対に諦めるなよ!」
なぜか僕に向かって必死に叫ぶ第一王子。まさか、僕を助けるつもりなのか?
「君は僕の事が嫌いだったのではないのかい?」
「ああ、嫌いだった!でも、ミレニアやソフィー、それにお前と一緒に昼ごはんを食べているうちに、そこまで悪い奴では無い様な気がして…それにお前が死んだら、ミレニアが悲しむ!俺は散々ミレニアを傷つけて来た。だから、これ以上ミレニアを傷つけたくはない!」
僕の目を見てはっきりとそう告げた第一王子。
「だから絶対に諦めるなよ、クラウド!」
今、僕の名前を呼んだ?名前を呼ばれただけなのに、なんだか少しだけ心の奥に温かい気持ちが生れた。
「ありがとう、マシュー」
「そこは兄上と呼ぶべきだろう」
兄上か…
「分かったよ、兄上!とにかく、ミレニアが心配だ。僕は元気だと伝えてもらえるかい?」
「もちろんだ、きっとミレニアも諦めていないはずだ!絶対にお前の事は死なせないから!」
そう言って去って行った兄上。
でも、後1日では、どうにもならないだろう。
ミレニア…
きっと僕の処刑を聞いたら、ショックを受けるだろう。僕に初めて人の温もりを教えてくれたミレニア。最後に1度だけでいい!ミレニアに会いたい…
きっと叶わない願いであっても、願わずにはいられない。神様、せめてもう一度だけでも、ミレニアに会わせてください、どうかお願いします。
~あとがき~
クラウド殿下とマシュー殿下。いつしか見えない絆が生まれていた様です。
引き続き、どうぞよろしくお願いしますm(__)m
僕の元にメイドが呼びに来た。そう、今から陛下と王妃、さらに第一王子と食事という、物凄く面倒な場所に行かなければいけないのだ。そう言えば学院から帰る時、ミレニアが珍しく不安そうな顔をしていたな。
あんなに不安そうなミレニアは初めてみた。でも、それだけ僕の事を心配してくれているという事か。そう思ったら、嬉しくてたまらない。毒を感知するスプーンも持ったし、きっと大丈夫だろう。
早速今日の食事会場へと向かった。会場に着くと、既に陛下・王妃・第一王子が待っていた。
「待たせして申し訳ございません」
とりあえず謝っておいた。僕の姿を見て、なぜか嬉しそうな王妃が気になるが、とにかく席に着いた。
「それじゃあ、頂こうか」
陛下の言葉で、食事スタートのはずが…
「王太子殿下、その食事を召し上がってはいけません!」
1人のメイドが急に叫んだのだ。メイドの方を見ると、緑の髪にオレンジの瞳をしていた。そう言えばこの女、離宮に少し前に入ったメイドで、やたら僕に絡んできていたな。
「食べてはいけないとはどういう事だ?」
第一王子が怪訝そうな顔でメイドに問いかけた。確かに食べてはいけないとは、どういう事だろう。
「実はその食事には、クラウド殿下の指示で毒が入れられているのです。ですから、絶対に食べないで下さい!クラウド殿下、申し訳ございません。でも、私は王太子殿下を暗殺する事は出来ません!うぁぁぁぁぁぁん」
今この女は一体何といったのだ?僕の指示で毒を入れただと?そんな事、僕は言っていない。状況が全く飲み込めず、頭が真っ白になった。
「とにかく、マシューの食事を調べなさい!それから、第二王子を牢に!」
王妃が近くにいた護衛騎士に指示を出す。
「待ってくれ!僕はそんな事をした覚えはない!何かの間違いだ!」
そう訴えたが、そのまま地下牢へと放り込まれてしまった。
一体何が起こっているのか、さっぱり分からない。でも、考えられる事は1つしかない。きっと僕は誰かに嵌められたのだ!
その後、第一王子の食事から毒が検出されたらしい。そしてなぜか僕の部屋からも、同じ毒が見つかったと知らせが入った。
「僕は何もやっていない!無実だ!」
そう何度も訴えたが、誰も信じてくれなかった。今何時だろう…食事が終わったら、ミレニアに通信をすると約束したのに…
きっと僕の事を心配しているだろう。そう言えば、今回の食事もミレニアは物凄く心配していた。もし今回の食事を断っていたら、こんなの事にはならなかったのかな…
そう思いながら、冷たい地下牢で一夜を過ごした。
翌日
ミレニアの父でもあるマーケッヒ公爵が地下牢にやって来た。
「クラウド殿下!大丈夫ですか?」
「マーケッヒ公爵、ミレニアは?ミレニアはどうしていますか?泣いていませんか?食事はちゃんと食べていますか?」
僕の問いかけに、困った様に笑う公爵。
「クラウド殿下、君はミレニアの事を随分と心配してくれるんだね。自分の置かれている状況を、わかっているのですか?」
「分かっているからこそ、ミレニアが心配なのです!」
僕はミレニアが世界で一番大切なんだ。だから、ミレニアが悲しんだり苦しんだりしていると思うと、胸が張り裂けそうになる。
「ミレニアの事をそこまで心配してくれて、ありがとうございます!随分と君の事を心配しているが、大丈夫ですよ。それよりも、私は君の無実を信じています。もちろん、陛下も!出来る事はやってみるつもりだから、諦めないで下さい」
そう言って去って行った公爵。僕の為に色々と動いてくれる公爵には、感謝しかない。
公爵と話して、どれくらい時間が経っただろうか。考える事と言えば、ミレニアの事ばかり。もし僕が居なくなったら、ミレニアはどうするのだろう。他の令息と恋仲になって、いつかは結婚するのかな?
考えただけで、胸が張り裂けそうだ!その時だった、第一王子がやって来た。
「思ったより元気そうで良かった」
僕の顔を見るなり、そう言った第一王子。
「明後日、お前が処刑される事が決まったよ」
そうか…僕は明後日殺されるのか…
こいつ、わざわざそんな事を言いに来たのか。きっと僕が殺される事を喜んでいるのだろう。だからわざわざこんな所まで報告に来たんだ。でも、それにしては元気がないのはなぜだろう…
「俺は、お前が無実だって思っている。多分、母上がお前に無実の罪を着せたのだろう。それに、お前に指示されて毒を盛ったというメイドも、姿をくらわせている!俺が必ずそのメイドを見つけだし、お前の無実を証明してやるから、絶対に諦めるなよ!」
なぜか僕に向かって必死に叫ぶ第一王子。まさか、僕を助けるつもりなのか?
「君は僕の事が嫌いだったのではないのかい?」
「ああ、嫌いだった!でも、ミレニアやソフィー、それにお前と一緒に昼ごはんを食べているうちに、そこまで悪い奴では無い様な気がして…それにお前が死んだら、ミレニアが悲しむ!俺は散々ミレニアを傷つけて来た。だから、これ以上ミレニアを傷つけたくはない!」
僕の目を見てはっきりとそう告げた第一王子。
「だから絶対に諦めるなよ、クラウド!」
今、僕の名前を呼んだ?名前を呼ばれただけなのに、なんだか少しだけ心の奥に温かい気持ちが生れた。
「ありがとう、マシュー」
「そこは兄上と呼ぶべきだろう」
兄上か…
「分かったよ、兄上!とにかく、ミレニアが心配だ。僕は元気だと伝えてもらえるかい?」
「もちろんだ、きっとミレニアも諦めていないはずだ!絶対にお前の事は死なせないから!」
そう言って去って行った兄上。
でも、後1日では、どうにもならないだろう。
ミレニア…
きっと僕の処刑を聞いたら、ショックを受けるだろう。僕に初めて人の温もりを教えてくれたミレニア。最後に1度だけでいい!ミレニアに会いたい…
きっと叶わない願いであっても、願わずにはいられない。神様、せめてもう一度だけでも、ミレニアに会わせてください、どうかお願いします。
~あとがき~
クラウド殿下とマシュー殿下。いつしか見えない絆が生まれていた様です。
引き続き、どうぞよろしくお願いしますm(__)m
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