転生公爵令嬢は悲劇の運命しかない推しを守りたい!

Karamimi

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第48話:目覚めた王太子の話はあまりにも衝撃的でした

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その日の夜、早速通信機越しに今度王宮図書館にはいつ行けるのか、クラウド様に詰め寄った。

“その事なんだが、王宮に帰ってすぐ兄上が目を覚ましたという連絡を受けてね。そっちの方で父上も僕も手一杯で、まだ図書館の許可を取っていないんだよ”

「まあ、王太子殿下が目覚めたのですか!早速ソフィー様に伝えないと!それではクラウド様、これで失礼します!王宮図書館への入館許可は、早く取っておいてくださいね!」

“え…ミレニア…”

通信機を切ると、急いでソフィー様の部屋へと向かった。

コンコン
「ソフィー様、王太子殿下の意識が戻った様ですわ!」

「まあ、それは本当ですか!良かった!」

そう言って涙を流すソフィー様。

「早速明日会いに行きましょうね!」

ソフィー様にそっと近づき、そう声を掛けた。泣きながらも嬉しそうに頷くソフィー様。とにかく、王太子が目覚めて良かったわ!それに、王太子には色々と聞きたい事もあるし!


翌日
早速クラウド様とソフィー様と一緒に、王太子の病室を訪ねた。部屋に入ると、ベッドに座り、窓の外を眺めている王太子が目に入る。

「マシュー様!目覚められたのですね。良かったです!私を庇ったばかりにこの様な事になってしまい、申し訳ございません」

泣きながら王太子に抱き着くソフィー様。そんなソフィー様の頭を優しく撫でる王太子。

「ソフィー、君のせいじゃないよ。だから、そんなに泣かないでくれ。君は笑っている方がずっと可愛いからね」

「マシューさまぁぁぁ!!!」

この状況は、完全に私とクラウド様はお邪魔虫よね。でも、今日はこのまま帰る訳にはいかない。しばらく2人の感動の再会を見守った後、早速本題に入る事にした。

「王太子殿下、まず目覚められて良かったです。今回放たれた矢には、ポレスティレイ王国でのみ栽培されていた草の毒が使われておりました。この毒は、ソフィー様の時と同じ毒です。単刀直入に聞きます、あなたは一体何を知っているのですか?そして、何を隠しているのですか?」

王太子の目を見てはっきりと告げた。

「ミレニア様!まさかマシュー様を疑っているのですか?それはあんまりです!」

「そうだ、さすがに兄上を疑うのは筋違いだよ。ミレニア!」

2人から抗議の声が上がる。

「疑っている訳ではありません。ただ、ソフィー様が襲われる前に、王太子殿下は私にこう言ったのです。“俺にもしもの事があったら、ソフィーを頼む”と。これって、この後何が起こるか知っていたのではないですか?そして自らを犠牲にして、ソフィー様を助けると決めていた。だからあんな事を言ったのではありませんか?」

俯いたまま私の話を聞いていた王太子が、ゆっくりと顔を上げた。

「さすがミレニアだな。わかったよ、全てを話そう」

そう言うと、大きく深呼吸をした王太子。

「俺はクラウドの事件以降、母上を疑う様になった。特に母上はソフィーとクラウドを毛嫌いしている。きっとまた2人の命を狙うだろうと思ったんだ。だからグラディス先生に頼んで、盗聴器を母上に仕掛けた。そしたら、出るは出るは、恐ろしい証拠の数々。そんな時、今回のソフィー襲撃事件を知った。有難い事に、詳細までしっかり話してくれてね」

そう言うと、寂しそうに笑う王太子。その姿を見て、胸が押しつぶされそうになる。

「それで自分を犠牲にしてまで、ソフィー様を守ったのですか?そもそも計画を知っていたなら、未然に防ぐことも出来たはずです!なぜあんなにも危険な事をしたのですか?一歩間違えれば、命を落としていたのかもしれないのですよ!」

「たとえ未然に防いだとしても、またソフィーが狙われるだけだ!俺が体を張る事で、しばらくの間はソフィーを狙う事はないだろう、そう思ったんだよ!万が一俺が命を落とせば、あの組織の目的も果たせなくなるしな…」

あの組織?王太子は一体どこまで知っているのだろう。

「あの組織とは、今の国王の血筋を途絶えさせようとしている組織の事ですか?」

「ああ、そうだよ!どうやら俺は、父上の子供ではない様なんだ…」

何ですって?今なんて言った?クラウド様も、口をぽっかり開けて固まっている。

「兄上、それは一体どういう事なのですか?」

「俺はどうやら母上の愛人の子供の様なんだ。ただ、その愛人が誰なのかは分からないが、その愛人が今回の事件に大きく関係している事は間違いない。そしてその愛人こそが、クラウドとソフィーの命を狙っている張本人であり、組織のトップだと俺は思っている」

そう言うと、ため息を付く王太子。あまりにも衝撃的な話で、頭が付いて行けない。でも王太子の話が本当なら、ステフの言っていた“今の国王の血筋を途絶えさせる組織”と言った言葉の辻褄が合う。

要するに、国王の血を引いているクラウド様を抹殺し、今の国王の血を引いていない王太子を王にする為の組織という事よね。

「でも王太子殿下、あなたは既に王太子として次期国王になる事が決まっています。それなのに、どうしてクラウド様やソフィー様の命を狙うの?そんな事をしなくても、王太子殿下は王になれるのに…」

「確かにミレニアの言う通り、このまま行けば俺が王になる事は決まっている。それでも、万が一を心配しているのだろう。クラウドは今の国王の血を引く唯一の人間だからね。ソフィーは俺とミレニアの婚約解消に導いた女として、組織内で毛嫌いされている様だし。まあ、ただの逆恨みに近いみたいだよ。それに万が一男爵令嬢のソフィーと俺が結婚したいと言いただしたら、公爵令嬢と付き合っているクラウドに、王太子の座が行くのではないかと怯えている様だ。全く、自分勝手すぎて頭が痛いよ…」

なるほど。 それにしても、まさか王太子が陛下の子供ではなかったなんて…

「それで、兄上はこれからどうするつもりなのですか?僕は正直、このまま兄上が王の座についてくれたらいいと思っている」

「いいや、俺にはその権利はない!父上を騙してまで、王位になんて付きたくはない。そもそも、俺はお前とソフィーを殺そうとした奴の子供なんだ!幸い、母上や愛人の男たちのやり取りは全て録音してある。この証拠を付きつければ、もう言い逃れは出来ないだろう。ただ…俺の本当の父親でもある愛人が誰だか分からないんだ…」

悔しそうに唇を噛む王太子。

「王太子殿下、そんな事をすれば、王妃様もあなた様もただでは済みません!それでも、陛下に全てを話すおつもりですか?」

この話が明るみに出れば、王妃は国家反逆罪で極刑。王太子も殺されはされないまでも、きっと身分をはく奪され、今後の生活に困るだろう。ただでさえ王族として今まで何不自由ない生活を送って来たのだ。たちまち路頭に迷うのは目に見えている。

「たとえそうであっても、このまま放っておく訳にはいかない!それに、俺はもうソフィーもクラウドも傷つけたくはない。もちろん父上に嘘を付いたまま、一生生きて行くのは嫌なんだ!」

私の目を見て、真っすぐそう言った王太子!きっと相当な覚悟があるのだろう。

「わかりました、それなら私もあなた様に協力いたしましょう。クラウド様とソフィー様はどうしますか?」

「僕も協力するよ。それから兄上、あなたを1人にする事は絶対しませんから、安心してください!そうだろう?ミレニア」

「もちろんです!」

「私も協力いたしますわ。と言っても、男爵令嬢の私では大したことは出来ませんが!マシュー様の為なら、何だってする覚悟です!」

「ありがとう。とにかく俺は怪我を治す事に専念するよ」

そう言って笑った王太子!彼の決意を無駄にしない様に、とにかくやれる事はやろう。そう決意したミレニアであった。
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