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第47話:殿下と過ごす時間
「今の段階という事は、今後は僕と婚約を結ぶこともありうるという事でいいのかい?」
「はい、正直申しますと、まだ殿下の事を何も知りません。それに今は、殿下に対して申し訳ないという気持ちの方が大きいですし。もっと殿下の事を知って、それでもしお互い惹かれ合う事になれば、話を進めれたら。それが私の希望ですわ」
「なるほど、確かにソフィーナとは、こうやってゆっくり話した事がなかったね。君の言う事は、一理あるよ。わかった、それじゃあ僕の事をいっぱい知って欲しい。僕もソフィーナに振り向いてもらえる様に、頑張るから」
「はい、よろしくお願いします」
「それじゃあ、お茶にしよう。ソフィーナはオレンジティが好きだったね」
「私の好みをご存じなのですか?」
「ああ、君はいつもオレンジティを飲んでいただろう。気持ち悪いと思われるかもしれないが、ずっとソフィーナの事を見ていたからね。君が他の人に酷い暴言を吐いた後、一瞬悲しそうな顔をしていたことも、汚れた子猫を助け、親猫の元に返してあげて事も全部知っているよ。
ソフィーナは根っから悪い子なのではなく、どうしていいか分からなかったのだろうと。だからこそ、僕がもっと寄り添ってあげられたらよかったのだけれど…」
殿下がそんな風に私の事を思って下さっていただなんて、全く知らなかった。まさか子猫の件まで、知られていただなんて。
「あの頃の私は、本当にどうしようもない人間でしたので、殿下が責任を感じる必要はありませんわ。ただ…そんな風に私を見て下さっている人がいただなんて」
あんな最低な私の事を、少しでも理解しようとしてくれていた人がいただなんて。なんだか心の奥が熱くなる。なんだろう、この気持ちは。
「それでも僕も、君から避けていた部分もあったからね。今こうやってソフィーナと話が出来ていることが、奇跡なのかもしれない。そう思っているくらいだよ」
「奇跡ですか。それくらい昔の私は酷かったですものね。でもこれからは、これが当たり前の光景にできるように、私も頑張りますわ。それでは殿下の事を教えてくださいますか?殿下は何がお好きで、何が苦手なのですか?普段は何をして過ごされているのですか?好きな色は?」
思いつく事を、次々と質問していった。
「僕は嫌いなものはないよ。好きな食べ物はステーキとかお肉系かな。好きな色は銀色と紫。普段は公務をこなしたり、勉学や武術を磨いたり。あとは…ソフィーナの事を考えたりして生活をしているよ」
「紫と銀が好きなのですね。そういえば殿下のお誕生日の時も、紫のタキシードを着ていましたね」
「そうだよ、紫はソフィーナの瞳の色だからね。ちなみにソラ嬢はあの日、ルドルフ殿の瞳の色のドレスを着ていたね。皆勘違いしていた様だけれど、僕たちはあの日、しっかり意思表示をしていたのだよ」
「そうだったのですね。私を含めた皆様、すっかり騙されましたね」
あの日、会場にいた全ての人が、殿下とソラ様、お互いの色を意識した衣装を選んだと思っていたが、どうやらそうではなかった様だ。
「ソフィーナが思っている以上に、僕は君の事が好きなのだよ。だからこうやって君と一緒にお茶が出来る事が、嬉しくてたまらないんだ。そうだ、君は王宮の中庭を喜んで見ていたね。今から中庭を案内するよ」
「まあ、よろしいのですか?ぜひお願いします」
王宮の中庭には、非常に興味があったのだ。夜の中庭がとても素敵だった。きっと昼間も美しいのだろう。
「それじゃあ行こうか」
すっと私の手を取って歩き出した殿下。なんだかドキドキするのはなぜだろう。
「ソフィーナは、アレックやセシルと2人きりで出かけたらしいね。あの2人とも、仲がいいのかい?」
「はい、殿下のお誕生日パーティの時に、私の事を非常に気にかけて下さっていて。あの日以降、交流を続けておりますわ」
アレック様ともセシル様とも、随分仲良くなった。
「そうなんだね…それで、アレックやセシルの事を君は…いいや、何でもないよ。これからは僕とも2人で出かけようね。そうだな、街にも行きたいし、山にも行きたいな。2人とも行ったのだから、もちろん僕とも言ってくれるよね」
「ええ、もちろんですわ…」
なぜだろう、笑顔なのだがなんだか怒っている様な気がするのは…心なしか、繋いでいる手に力が入っている様な気がする。
きっと気のせいだろう。
「はい、正直申しますと、まだ殿下の事を何も知りません。それに今は、殿下に対して申し訳ないという気持ちの方が大きいですし。もっと殿下の事を知って、それでもしお互い惹かれ合う事になれば、話を進めれたら。それが私の希望ですわ」
「なるほど、確かにソフィーナとは、こうやってゆっくり話した事がなかったね。君の言う事は、一理あるよ。わかった、それじゃあ僕の事をいっぱい知って欲しい。僕もソフィーナに振り向いてもらえる様に、頑張るから」
「はい、よろしくお願いします」
「それじゃあ、お茶にしよう。ソフィーナはオレンジティが好きだったね」
「私の好みをご存じなのですか?」
「ああ、君はいつもオレンジティを飲んでいただろう。気持ち悪いと思われるかもしれないが、ずっとソフィーナの事を見ていたからね。君が他の人に酷い暴言を吐いた後、一瞬悲しそうな顔をしていたことも、汚れた子猫を助け、親猫の元に返してあげて事も全部知っているよ。
ソフィーナは根っから悪い子なのではなく、どうしていいか分からなかったのだろうと。だからこそ、僕がもっと寄り添ってあげられたらよかったのだけれど…」
殿下がそんな風に私の事を思って下さっていただなんて、全く知らなかった。まさか子猫の件まで、知られていただなんて。
「あの頃の私は、本当にどうしようもない人間でしたので、殿下が責任を感じる必要はありませんわ。ただ…そんな風に私を見て下さっている人がいただなんて」
あんな最低な私の事を、少しでも理解しようとしてくれていた人がいただなんて。なんだか心の奥が熱くなる。なんだろう、この気持ちは。
「それでも僕も、君から避けていた部分もあったからね。今こうやってソフィーナと話が出来ていることが、奇跡なのかもしれない。そう思っているくらいだよ」
「奇跡ですか。それくらい昔の私は酷かったですものね。でもこれからは、これが当たり前の光景にできるように、私も頑張りますわ。それでは殿下の事を教えてくださいますか?殿下は何がお好きで、何が苦手なのですか?普段は何をして過ごされているのですか?好きな色は?」
思いつく事を、次々と質問していった。
「僕は嫌いなものはないよ。好きな食べ物はステーキとかお肉系かな。好きな色は銀色と紫。普段は公務をこなしたり、勉学や武術を磨いたり。あとは…ソフィーナの事を考えたりして生活をしているよ」
「紫と銀が好きなのですね。そういえば殿下のお誕生日の時も、紫のタキシードを着ていましたね」
「そうだよ、紫はソフィーナの瞳の色だからね。ちなみにソラ嬢はあの日、ルドルフ殿の瞳の色のドレスを着ていたね。皆勘違いしていた様だけれど、僕たちはあの日、しっかり意思表示をしていたのだよ」
「そうだったのですね。私を含めた皆様、すっかり騙されましたね」
あの日、会場にいた全ての人が、殿下とソラ様、お互いの色を意識した衣装を選んだと思っていたが、どうやらそうではなかった様だ。
「ソフィーナが思っている以上に、僕は君の事が好きなのだよ。だからこうやって君と一緒にお茶が出来る事が、嬉しくてたまらないんだ。そうだ、君は王宮の中庭を喜んで見ていたね。今から中庭を案内するよ」
「まあ、よろしいのですか?ぜひお願いします」
王宮の中庭には、非常に興味があったのだ。夜の中庭がとても素敵だった。きっと昼間も美しいのだろう。
「それじゃあ行こうか」
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「ソフィーナは、アレックやセシルと2人きりで出かけたらしいね。あの2人とも、仲がいいのかい?」
「はい、殿下のお誕生日パーティの時に、私の事を非常に気にかけて下さっていて。あの日以降、交流を続けておりますわ」
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「そうなんだね…それで、アレックやセシルの事を君は…いいや、何でもないよ。これからは僕とも2人で出かけようね。そうだな、街にも行きたいし、山にも行きたいな。2人とも行ったのだから、もちろん僕とも言ってくれるよね」
「ええ、もちろんですわ…」
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きっと気のせいだろう。
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