前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません

Karamimi

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第49話:ファラオ様の事をたくさん知れました

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「ミャァァァ」

 可愛らしい猫の親子がやって来たのだ。この子、まさか…

「あなたは私が昔助けた子猫なの?あんなにやせ細っていたのに、すっかり丸くなって」

 そっと子猫を抱き上げた。あの時はとても汚れていて痩せていたけれど、今はとても毛並みが奇麗で丸々している。

「ソフィーナ、その子は君が助けた子猫ではないよ。君が助けた子猫は、君の足元にいる子だよ」

「私の足元にいる子?」

 足元を見ると、母猫が私にすり寄っていたのだ。まさかこの子が、私が助けた子なの?

「あなたがあの時の子猫なの。あんなに小さかったのに、こんなに大きくなって。それもお母様になったの?」

 確かに子猫を助けたのは、もう1年以上前の話だ。まさかあの小さかった子が、こんなに立派になっただなんて。でも、どうしてここにいるのかしら?

「もしかして殿下が、この子を保護してくださったのですか?」

「まあね。あの後、親子でまたここに来ていたのだよ。せっかくソフィーナが助けた子猫が、万が一命を落とすような事があったら、ソフィーナが悲しむかと思って…野生で生きるのは大変だから、僕が王宮で飼う事にしたんだ。とはいえ、元々野生の子だから、中庭の一角で面倒を見ていたのだよ。

 そうしたら、いつの間にか子供を生んでいてね。ほら、あそこにも子供たちがいるだろう?」

 殿下の指さす方向には、他にも2匹の子猫の姿が。

「そうだったのですね。あなた、優しい飼い主を見つけたのね。良かったわね。こんなに立派になって」

「ミャァァ」

 私の言葉に応えるかのように、返事をしてくれる猫。なんて可愛らしいのかしら?あの日、気まぐれではあったものの、助けてよかったわ。

「あなた、お母様と一緒にいたわよね。お母様はどうしたの?」

 猫の頭を撫でながら話しかける。

「母猫も一緒にいるよ。そこら辺を飛び回っているのではないかな?ただ、これ以上猫を増やす訳にはいかないから、オス猫が侵入しない様に、対策をとろうと思っていてね。この子たちが安心して暮らせる環境を作るのも、僕の役割だから」

 そう言って殿下が、猫を撫でた。その眼差しが、とても優しくてつい私も笑みがこぼれる。

「あなた達、優しい人に見つけてもらえてよかったわね」

 まさかこんな形で、またあの子に再会できるとは思ってもいなかった。殿下は私がどうしようもない我が儘で傲慢な時から、私を見てくれていたのだろう。そう思うと、何だか胸の奥が温かいもので包まれるような感覚を覚える。

 この気持ちは、一体何なのだろう。

「ソフィーナ、日が沈もうとしている。きっと公爵が心配しているだろう。そろそろ戻ろうか」

「はい、今日はありがとうございました。とても楽しい1日でしたわ。この1日で、殿下の事もたくさん知る事が出来ましたし」

「それは良かったよ。花のお世話もあるだろうから、明日から出来るだけ王宮に足を運んでくれたら嬉しいな」

「ええ、そうさせていただきますわ。私が植えたお花たちのお世話を、しっかりさせていただきます。それに、あの猫たちにもまた会いたいですし」

「そう言ってくれると嬉しいよ。あのさ、ソフィーナ。1つだけお願いがあるのだけれど」

「お願いですか?私に聞けることであれば」

「出来ればその…僕の事、殿下じゃなくて名前で呼んで欲しいんだ。殿下と呼ばれると、なんだか距離がある様な気がして、寂しくて」

「分かりましたわ。それではファラオ様と呼ばせていただきますね。ファラオ様、今日は素敵な時間を、本当にありがとうございました」

「僕の方こそ、幸せな時間をありがとう。ソフィーナとこんな風に過ごせるだなんて、夢の様だよ」

「まあ、ファラオ様ったら大げさなのだから」

 そう言って2人で笑った。今日1日で、一気にファラオ様との距離が縮まった気がする。それに、もっとファラオ様の事を知りたいと思った。

 お花のお世話もあるし、明日から王宮に通うのが楽しみだ。
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