前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません

Karamimi

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第48話:お花を育てます

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「約束だよ。絶対に2人きりで行こうね。他にもソフィーナと行きたいところが、沢山あるんだよ。これからは沢山思い出を作って行こうね」

「はい、もちろんですわ」

せっかく殿下とも、こうやって縁あって交流する事になったのだ。これから沢山思い出を作って行きたい。

「ソフィーナ、ここが中庭だよ。今日は僕が、色々と案内するね。まずはこっちから行こう。ここがバラ園だよ。赤やピンク、白などのほかにも、青や黒のバラも咲いているんだ」

「まあ、こんなに広いバラ園、初めて見ましたわ。さすが王宮のバラ園ですね」

「こっちにはこの国にしか咲かない、珍しい花も咲いているよ。こっちはこの前夜に見た、虹色に輝く花だよ。昼間は太陽の光を浴びて、夜とはまた違った輝きがあるだろう?」

「本当ですわ。太陽の光に照らされて、とても綺麗です。殿下、こっちは何があるのですか?ソフィーナ園?」

虹色に輝く花の奥には、何やら扉があった。そしてそこには“ソフィーナ園”と書かれていたのだ。ここは一体?

「ここはね、ソフィーナの事を思って、僕が作った庭なんだ。僕が自ら花の世話をしているから、そこまで大きくはないが。いつか僕が育てた花を、ソフィーナに見てもらえたらと思って」


そう言って少し恥ずかしそうに笑った殿下。彼が自らお世話をしているだなんて。

「殿下、ぜひ見せて下さい!私、殿下が育てた花々を見てみたいですわ」

私を思って作ってくれたお庭。ぜひ見てみたい。

「それじゃあ、行こうか」

殿下がドアのカギを開ける、そして2人で中に入ると…

「まあ、なんて可愛らしいお庭なのかしら?私の好きなダリアがこんなにたくさん。それにバラもあるわ。花の上方ひとつにもこだわっているのですね。このテーブルとイスも、とても可愛らしいです。せっかくなので、ここでお茶をしませんか?」

「ああ、もちろんだよ。それじゃあここでお茶をしよう」

2人並んで、お茶を頂く。それにしても、とても素敵なお庭だ。ここを殿下が手掛けただなんて。

「殿下、このお庭、とても素敵ですね。私も自分の手で、お花を育ててみたいですわ」

自分が育てたお花が奇麗に咲いてくれたら、こんなうれしい事はない。

「それじゃあ、今から一緒に種を植えよう。ソフィーナは、何の花を植えたい?」

「いいのですか?ですが、私にお花を育てられるかしら?」

「ソフィーナならきっと大丈夫だよ。僕も一緒にお世話をするし、庭師もいるから」

「それでは、ぜひ育てたいです。私にも育てやすいお花から育ててみたいのですが」

「それじゃあ庭師に相談して、ソフィーナにも育てられそうな種を植えよう」

早速庭師の方に教えてもらいながら、種を植えていく。初めて触る土。前世の時、1度だけ土いじりをさせてもらった事があった。あの時の楽しかった気持ちが蘇り、つい気合が入る。

植える感覚を意識して、丁寧に植えていく。ちなみに今回私が植えたのは、クレマチスだ。素人にも比較的育てやすい花の様だ。

「殿下、何とか植える事が出来ましたわ。この子たちが無事育つように、これからしっかりお世話をしないと」

私が植えたのだから、人任せにせずに私の手でしっかり育てたい。今から育つのが楽しみだわ。

「今回はここにクレマチスの種を植えたけれど、ここ一帯をソフィーナ専用の庭にしたから、他にも庭師と相談しながら、好きな花の種を植えよう。色とかも意識して、自分だけのお庭を作ってみるといいよ」

「はい、そうさせていただきますわ。私専用の庭園だなんて、なんだかワクワクしてきますね。他にはどんな花を植えようかしら?花が咲いた時、色鮮やかだと見た目も華やかよね。チューリップやパンジーなんかもいいわね。考えるだけで、なんだか楽しくなってきましたわ」

考えただけで、楽しくてたまらない。まさか王宮のお庭で、お花を育てる事になるだなんて。

その時だった。
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