27 / 53
第27話:ジャンヌに会いたい~シャーロン視点~
「お願いします、もう一度ジャンヌに会わせて下さい。僕の口からきちんと説明したのです。どうかお願いします」
「申し訳ないのだけれど、ジャンヌとは会わせられません。ジャンヌはもうあなた様の事を忘れ、前に進んでおります。どうかシャーロン様も、前にお進みください。あなた様ならジャンヌよりも、もっと素敵な令嬢とご婚約できるでしょう」
「僕はジャンヌの事を愛しているのです。お願いです。少しでいい、ジャンヌに会わせてください」
何度も何度も夫人に頭を下げた。でも…
「何度頭を下げられても、もうジャンヌには会わせられません。それに今、ジャンヌは屋敷にはおりませんので。あの日、もうジャンヌには関わらないとお約束して頂きましたよね。これ以上我が家に押しかけていらっしゃる様でしたら、あなた様有責で婚約破棄したことを公表しますよ。それでは失礼いたします」
夫人はそう言うと、屋敷に入って行ってしまった。
今日もジャンヌに会えなかった…
僕は何度もジャンヌの屋敷に足を運び、ジャンヌに会わせてもらえる様に懇願したが、全く会わせてもらえないのだ。いっその事、無理やり屋敷に侵入して…
いいや、ああ見えて夫人は、かつて女騎士として活躍した女性だ。未だに体を鍛えていると聞く、そこら辺の護衛よりもずっと強い彼女を振り切るのは困難だろう。それに伯爵家には、鍛え抜かれた護衛も沢山いる。
さすがにそれは無理だ。
仕方ない、帰るか…
馬車に乗り込み、屋敷に戻ってきた。あれ?あれは伯爵家の執事。どうして彼が我が家に…
すると
「シャーロン、お前は何を考えているのだ。今マリアーズ伯爵家の使いの者がやって来て、毎日マリアーズ伯爵家に出向いては、ジャンヌ嬢に会わせろと騒いでいるそうじゃないか。“これ以上我が家にやって来るなら、真実を話します!”と、言われたぞ」
「せっかく穏便に済ませたのだから、どうかこれ以上騒ぎを大きくしないで頂戴。令嬢はジャンヌ嬢だけではないのよ。もっと爵位も高くて、美しい令嬢を見つけたらいいじゃない。あなたは令嬢たちからの人気も高いのだから」
両親が必死に訴えている。ふざけるな、僕はずっとジャンヌだけを愛してきたのだ。今更別の女と結婚だなんて、絶対にいやだ。
「シャーロン、ジャンヌ嬢は騎士団に再入団した様だ。だからマリアーズ伯爵家には日中いくら行ってもいない。これ以上無駄足を運ぶような事はするな」
何だって!騎士団に再入団しただって。確かにジャンヌは、騎士団が大好きだった。でもあそこには、あの男がいる。
グラディオン!
グラディオンは未だに婚約者もいなければ、社交界にすら顔を出していない。きっとまだ、ジャンヌの事を諦めていないのだろう。
だとすると!大変だ、このままだと、グラディオンにジャンヌを取られてしまうかもしれない。
「父上、僕もすぐに騎士団に再入団したいです。手続きを行ってください」
絶対にグラディオンなんかに、ジャンヌを渡さない!僕もすぐに騎士団に入団しないと。
「残念だが騎士団長から、シャーロンの入団は断固として認めないと言われている。そもそもシャーロンは、騎士団になんて興味がないのだろう?ジャンヌ嬢を追って騎士団に入団するだなんて、私も反対だ。いい加減ジャンヌ嬢の事は諦めなさい」
そう言われてしまったのだ。
それでも僕は、何とかしてジャンヌと接触したくて、騎士団の稽古場へと向かった。ただ…
「シャーロン殿、何をしにいらしたのですか?ここは騎士団員以外の立ち入りは禁止されております。どうかお帰り下さい。今日は忠告で済ませますが、次はありませんよ!」
言葉は綺麗がだが、明らかに殺気立っている騎士団長にあっさりと追い払われた。どうやら僕が万が一騎士団の稽古場にやってきたら、すぐに報告する様にと門番に伝えていた様だ。
結局ジャンヌに会えないまま、時間だけが過ぎて行った。
そんな日々を過ごす事3ヶ月、正直何もする気にもなれない。一応僕は貴族なので、定期的に夜会には参加しているが、ジャンヌの居ない夜会なんて、虚しいだけだ。相変わらず令嬢たちが話しかけてくるのが、煩わしい。
このままずっとジャンヌに会えなかったら、どうしよう…
「申し訳ないのだけれど、ジャンヌとは会わせられません。ジャンヌはもうあなた様の事を忘れ、前に進んでおります。どうかシャーロン様も、前にお進みください。あなた様ならジャンヌよりも、もっと素敵な令嬢とご婚約できるでしょう」
「僕はジャンヌの事を愛しているのです。お願いです。少しでいい、ジャンヌに会わせてください」
何度も何度も夫人に頭を下げた。でも…
「何度頭を下げられても、もうジャンヌには会わせられません。それに今、ジャンヌは屋敷にはおりませんので。あの日、もうジャンヌには関わらないとお約束して頂きましたよね。これ以上我が家に押しかけていらっしゃる様でしたら、あなた様有責で婚約破棄したことを公表しますよ。それでは失礼いたします」
夫人はそう言うと、屋敷に入って行ってしまった。
今日もジャンヌに会えなかった…
僕は何度もジャンヌの屋敷に足を運び、ジャンヌに会わせてもらえる様に懇願したが、全く会わせてもらえないのだ。いっその事、無理やり屋敷に侵入して…
いいや、ああ見えて夫人は、かつて女騎士として活躍した女性だ。未だに体を鍛えていると聞く、そこら辺の護衛よりもずっと強い彼女を振り切るのは困難だろう。それに伯爵家には、鍛え抜かれた護衛も沢山いる。
さすがにそれは無理だ。
仕方ない、帰るか…
馬車に乗り込み、屋敷に戻ってきた。あれ?あれは伯爵家の執事。どうして彼が我が家に…
すると
「シャーロン、お前は何を考えているのだ。今マリアーズ伯爵家の使いの者がやって来て、毎日マリアーズ伯爵家に出向いては、ジャンヌ嬢に会わせろと騒いでいるそうじゃないか。“これ以上我が家にやって来るなら、真実を話します!”と、言われたぞ」
「せっかく穏便に済ませたのだから、どうかこれ以上騒ぎを大きくしないで頂戴。令嬢はジャンヌ嬢だけではないのよ。もっと爵位も高くて、美しい令嬢を見つけたらいいじゃない。あなたは令嬢たちからの人気も高いのだから」
両親が必死に訴えている。ふざけるな、僕はずっとジャンヌだけを愛してきたのだ。今更別の女と結婚だなんて、絶対にいやだ。
「シャーロン、ジャンヌ嬢は騎士団に再入団した様だ。だからマリアーズ伯爵家には日中いくら行ってもいない。これ以上無駄足を運ぶような事はするな」
何だって!騎士団に再入団しただって。確かにジャンヌは、騎士団が大好きだった。でもあそこには、あの男がいる。
グラディオン!
グラディオンは未だに婚約者もいなければ、社交界にすら顔を出していない。きっとまだ、ジャンヌの事を諦めていないのだろう。
だとすると!大変だ、このままだと、グラディオンにジャンヌを取られてしまうかもしれない。
「父上、僕もすぐに騎士団に再入団したいです。手続きを行ってください」
絶対にグラディオンなんかに、ジャンヌを渡さない!僕もすぐに騎士団に入団しないと。
「残念だが騎士団長から、シャーロンの入団は断固として認めないと言われている。そもそもシャーロンは、騎士団になんて興味がないのだろう?ジャンヌ嬢を追って騎士団に入団するだなんて、私も反対だ。いい加減ジャンヌ嬢の事は諦めなさい」
そう言われてしまったのだ。
それでも僕は、何とかしてジャンヌと接触したくて、騎士団の稽古場へと向かった。ただ…
「シャーロン殿、何をしにいらしたのですか?ここは騎士団員以外の立ち入りは禁止されております。どうかお帰り下さい。今日は忠告で済ませますが、次はありませんよ!」
言葉は綺麗がだが、明らかに殺気立っている騎士団長にあっさりと追い払われた。どうやら僕が万が一騎士団の稽古場にやってきたら、すぐに報告する様にと門番に伝えていた様だ。
結局ジャンヌに会えないまま、時間だけが過ぎて行った。
そんな日々を過ごす事3ヶ月、正直何もする気にもなれない。一応僕は貴族なので、定期的に夜会には参加しているが、ジャンヌの居ない夜会なんて、虚しいだけだ。相変わらず令嬢たちが話しかけてくるのが、煩わしい。
このままずっとジャンヌに会えなかったら、どうしよう…
あなたにおすすめの小説
奪われる人生とはお別れします 婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
◇レジーナブックスより書籍発売中です!
本当にありがとうございます!
【完結】愛され令嬢は、死に戻りに気付かない
かまり
恋愛
公爵令嬢エレナは、婚約者の王子と聖女に嵌められて処刑され、死に戻るが、
それを夢だと思い込んだエレナは考えなしに2度目を始めてしまう。
しかし、なぜかループ前とは違うことが起きるため、エレナはやはり夢だったと確信していたが、
結局2度目も王子と聖女に嵌められる最後を迎えてしまった。
3度目の死に戻りでエレナは聖女に勝てるのか?
聖女と婚約しようとした王子の目に、涙が見えた気がしたのはなぜなのか?
そもそも、なぜ死に戻ることになったのか?
そして、エレナを助けたいと思っているのは誰なのか…
色んな謎に包まれながらも、王子と幸せになるために諦めない、
そんなエレナの逆転勝利物語。
【完結】時戻り令嬢は復讐する
やまぐちこはる
恋愛
ソイスト侯爵令嬢ユートリーと想いあう婚約者ナイジェルス王子との結婚を楽しみにしていた。
しかしナイジェルスが長期の視察に出た数日後、ナイジェルス一行が襲撃された事を知って倒れたユートリーにも魔の手が。
自分の身に何が起きたかユートリーが理解した直後、ユートリーの命もその灯火を消した・・・と思ったが、まるで悪夢を見ていたように目が覚める。
夢だったのか、それともまさか時を遡ったのか?
迷いながらもユートリーは動き出す。
サスペンス要素ありの作品です。
設定は緩いです。
6時と18時の一日2回更新予定で、全80話です、よろしくお願い致します。
【完結】私を忘れた貴方と、貴方を忘れた私の顛末
コツメカワウソ
恋愛
ローウェン王国西方騎士団で治癒師として働くソフィアには、魔導騎士の恋人アルフォンスがいる。
平民のソフィアと子爵家三男のアルフォンスは身分差があり、周囲には交際を気に入らない人間もいるが、それでも二人は幸せな生活をしていた。
そんな中、先見の家門魔法により今年が23年ぶりの厄災の年であると告げられる。
厄災に備えて準備を進めるが、そんな中アルフォンスは魔獣の呪いを受けてソフィアの事を忘れ、魔力を奪われてしまう。
アルフォンスの魔力を取り戻すために禁術である魔力回路の治癒を行うが、その代償としてソフィア自身も恋人であるアルフォンスの記憶を奪われてしまった。
お互いを忘れながらも対外的には恋人同士として過ごす事になるが…。
番外編始めました。
世界観は緩めです。
ご都合主義な所があります。
誤字脱字は随時修正していきます。
愛しているなら何でもできる? どの口が言うのですか
風見ゆうみ
恋愛
「君のことは大好きだけど、そういうことをしたいとは思えないんだ」
初夜の晩、爵位を継いで伯爵になったばかりの夫、ロン様は私を寝室に置いて自分の部屋に戻っていった。
肉体的に結ばれることがないまま、3ヶ月が過ぎた頃、彼は私の妹を連れてきて言った。
「シェリル、落ち着いて聞いてほしい。ミシェルたちも僕たちと同じ状況らしいんだ。だから、夜だけパートナーを交換しないか?」
「お姉様が生んだ子供をわたしが育てて、わたしが生んだ子供をお姉様が育てれば血筋は途切れないわ」
そんな提案をされた私は、その場で離婚を申し出た。
でも、夫は絶対に別れたくないと離婚を拒み、両親や義両親も夫の味方だった。
※独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
元カレの今カノは聖女様
abang
恋愛
「イブリア……私と別れて欲しい」
公爵令嬢 イブリア・バロウズは聖女と王太子の愛を妨げる悪女で社交界の嫌われ者。
婚約者である王太子 ルシアン・ランベールの関心は、品行方正、心優しく美人で慈悲深い聖女、セリエ・ジェスランに奪われ王太子ルシアンはついにイブリアに別れを切り出す。
極め付けには、王妃から嫉妬に狂うただの公爵令嬢よりも、聖女が婚約者に適任だと「ルシアンと別れて頂戴」と多額の手切れ金。
社交会では嫉妬に狂った憐れな令嬢に"仕立てあげられ"周りの人間はどんどんと距離を取っていくばかり。
けれども当の本人は…
「悲しいけれど、過ぎればもう過去のことよ」
と、噂とは違いあっさりとした様子のイブリア。
それどころか自由を謳歌する彼女はとても楽しげな様子。
そんなイブリアの態度がルシアンは何故か気に入らない様子で…
更には婚約破棄されたイブリアの婚約者の座を狙う王太子の側近達。
「私をあんなにも嫌っていた、聖女様の取り巻き達が一体私に何の用事があって絡むの!?嫌がらせかしら……!」
【完結】私を裏切った最愛の婚約者の幸せを願って身を引く事にしました。
Rohdea
恋愛
和平の為に、長年争いを繰り返していた国の王子と愛のない政略結婚する事になった王女シャロン。
休戦中とはいえ、かつて敵国同士だった王子と王女。
てっきり酷い扱いを受けるとばかり思っていたのに婚約者となった王子、エミリオは予想とは違いシャロンを温かく迎えてくれた。
互いを大切に想いどんどん仲を深めていく二人。
仲睦まじい二人の様子に誰もがこのまま、平和が訪れると信じていた。
しかし、そんなシャロンに待っていたのは祖国の裏切りと、愛する婚約者、エミリオの裏切りだった───
※初投稿作『私を裏切った前世の婚約者と再会しました。』
の、主人公達の前世の物語となります。
こちらの話の中で語られていた二人の前世を掘り下げた話となります。
❋注意❋ 二人の迎える結末に変更はありません。ご了承ください。