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第16話:マリアは何を考えているんだ~ライアン視点~
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騎士団に着いても、マリアの事が心配で稽古に集中できない。先輩騎士に何度も注意を受けてしまった。やっと騎士団の稽古が終わり、急いでマリアの家に向かう。
さすがにもう帰って来ているだろう。
マリアの家に着くと、おばさんが出迎えてくれた。
「おばさん、マリアはどうだったんだ?マリアに会いたいんだ!」
するとおばさんは、少し困った顔をしている。
「ライアン、マリアを心配してくれてありがとう。あの子、泣きながら帰って来たのよ。どうやらお茶会で浮いてしまった様で…お妃候補には興味がないのに、どうして私がお茶会に呼ばれたのって…明日陛下には、改めてお妃候補には興味がない旨を伝えようと思っているのよ。可哀そうに、きっと令嬢たちに酷い事を言われたのね…」
泣いて帰ってきただって!でもこれではっきりとした。マリアは王妃にはやっぱり興味がないのだと!
「ライアン、あなたにも心配をかけてごめんなさいね。今疲れて眠っている様なの」
「わかった、それならマリアが起きるまで待つよ」
客間でマリアを待つ事にした。マリアの奴、きっと気の強い令嬢たちにコテンパンにやられたんだろうな。あいつ、ああ見えて意外と繊細なところがあるからな。それにしても、王太子殿下はどうしてマリアを誘ったのだろう。
いくら王太子殿下がマリアに興味を抱いたとしても、マリアがその気にならなければ、決して結ばれることもないのに…
そんな事を考えていると、ガチャリとドアが開く音が。そこには、マリアが立っていた。泣いた後眠ったせいか、少し目が腫れている。俺はすぐにマリアの元に駆けつけた。
抱えていた感情を一気に爆発させるマリア。よほど今日のお茶会が嫌だったのだろう。必死に俺に訴えかけてくる。
そんなマリアをなだめた。なぜそこまで王太子殿下がマリアに執着する理由が分からなくて、夜会の時何かあったのかと聞くと、中庭で話をしたとの事。
なるほど、美しいマリアに一目ぼれしたって訳か。でもいくら殿下が一目ぼれしようが、マリアにその気がないのなら諦めるしかない。
でも、相手が殿下でよかった。もし公爵令息とか、家やマリアの家よりも身分の高い貴族に気に入られたら、さすがに断れないもんな。これ以上マリアを野放しにしておくのは危険だ。
出来るだけ傍にいよう。
いっその事、このままいけば俺たちは婚約するという事を伝えようか?いや、ダメだ。マリアが15歳になるまでは、マリアにも俺にも他の貴族を選ぶ権利があるんだ。
そういえば来月には貴族学院に入学するんだよな。貴族学院か…あそこは男も多いからな…
マリアには、これ以上男に目を付けられるような事は控えろと、厳しく言っておいた。絶対に男を近づかせないようにしないと、そう思っていたのに…
入学式早々、なぜかまだ諦めていない様子の王太子殿下に絡まれた。その時点で、俺はイライラしていた。さらにクラスの男どもが、マリアをチラリラ見ている。これ以上マリアに男を近づかせる訳にはいかない。さっさと帰ろうとしたのだが、あろう事か
「せっかく同じクラスになれたのですもの。皆で今から街に出ませんか?一緒に昼食を食べながら、仲を深めましょう」
何て言いだしたんだ。こいつ、バカなのか?そんな事をしたら、令息どもが集まって来るだろう。案の定、たくさんの令息が一緒に行きたいと言い出した。
チラリと王太子殿下の方を見ると、自分も行きたいというような顔をしていたが、令嬢に囲まれて身動きが取れない様だった。
仕方なく馬車に乗り合わせて、店へと向かう。ジンが執事に頼んで、一足先に店の準備を依頼していた。
「マリア嬢、めちゃくちゃ感じのいい子じゃないか?誰だよ、マリア嬢はとっつきにくくて、話しかけても無視するとか言ったやつは」
「本当にな。笑顔も向けてくれたし。それに、やっぱりあの子、めちゃくちゃ可愛いな…」
鼻の下を伸ばす男ども。クソ、マリアは俺のなのに…でも、まだ正式に婚約を結んでいる訳ではない。マリアが15歳になるまで、まだ10カ月近くもあるのか…
お店に着くと急いでマリアの隣をキープした。そんな俺を見たジャックが、俺とマリアはいずれ婚約するのか?と、聞いて来たのだ。
するとマリアが
「私たちはただの幼馴染ですわ。それにライアンは騎士団にしか興味がない様なので、私たちが婚約を結ぶことはあり得ないですの」
と、これまたふざけた事を言いだしたんだ。こいつは何を言っているんだ?俺がなぜ結婚しない事になっているんだ!そもそも俺は侯爵家の嫡男だぞ!
あまりにもふざけた事を言うものだから、ついマリアに向かって怒ってしまった。オロオロするマリア。そんな俺たちを宥めたジャックによって、その話は終わったが、それでも俺のイライラは止まらない。
楽しそうに男どもと話すマリアを睨みつけてやったが、とうの本人は全く気が付いていない。本当に鈍い女だ!
そして食事会はやっとお開きになり、行きと同じように馬車に乗り込んだ。
「いやぁ、マリアちゃん。本当に素敵な子だよな。お妃候補にも興味がない様だし、俺、マリアちゃんが15歳になったら、結婚を申し込もうかな?」
「俺も今同じことを考えていたんだよ。何だ、やっぱりライバルが多いのか…そうだよな。でも負けないからな」
何てふざけたとこを話している男ども。そもそもマリアは、俺と婚約する事が決まっているんだ。イヤ…まだ決まっていないのか…15歳になって、お互い好きな人がいなかったら婚約するという親同士のルールがある。
もちろん俺たちが好き同士なら問題ないが、少なくともマリアは、俺の事を異性としてあまり見ていない気がする。
このままではとにかくマズイ。何とかしないと…
さすがにもう帰って来ているだろう。
マリアの家に着くと、おばさんが出迎えてくれた。
「おばさん、マリアはどうだったんだ?マリアに会いたいんだ!」
するとおばさんは、少し困った顔をしている。
「ライアン、マリアを心配してくれてありがとう。あの子、泣きながら帰って来たのよ。どうやらお茶会で浮いてしまった様で…お妃候補には興味がないのに、どうして私がお茶会に呼ばれたのって…明日陛下には、改めてお妃候補には興味がない旨を伝えようと思っているのよ。可哀そうに、きっと令嬢たちに酷い事を言われたのね…」
泣いて帰ってきただって!でもこれではっきりとした。マリアは王妃にはやっぱり興味がないのだと!
「ライアン、あなたにも心配をかけてごめんなさいね。今疲れて眠っている様なの」
「わかった、それならマリアが起きるまで待つよ」
客間でマリアを待つ事にした。マリアの奴、きっと気の強い令嬢たちにコテンパンにやられたんだろうな。あいつ、ああ見えて意外と繊細なところがあるからな。それにしても、王太子殿下はどうしてマリアを誘ったのだろう。
いくら王太子殿下がマリアに興味を抱いたとしても、マリアがその気にならなければ、決して結ばれることもないのに…
そんな事を考えていると、ガチャリとドアが開く音が。そこには、マリアが立っていた。泣いた後眠ったせいか、少し目が腫れている。俺はすぐにマリアの元に駆けつけた。
抱えていた感情を一気に爆発させるマリア。よほど今日のお茶会が嫌だったのだろう。必死に俺に訴えかけてくる。
そんなマリアをなだめた。なぜそこまで王太子殿下がマリアに執着する理由が分からなくて、夜会の時何かあったのかと聞くと、中庭で話をしたとの事。
なるほど、美しいマリアに一目ぼれしたって訳か。でもいくら殿下が一目ぼれしようが、マリアにその気がないのなら諦めるしかない。
でも、相手が殿下でよかった。もし公爵令息とか、家やマリアの家よりも身分の高い貴族に気に入られたら、さすがに断れないもんな。これ以上マリアを野放しにしておくのは危険だ。
出来るだけ傍にいよう。
いっその事、このままいけば俺たちは婚約するという事を伝えようか?いや、ダメだ。マリアが15歳になるまでは、マリアにも俺にも他の貴族を選ぶ権利があるんだ。
そういえば来月には貴族学院に入学するんだよな。貴族学院か…あそこは男も多いからな…
マリアには、これ以上男に目を付けられるような事は控えろと、厳しく言っておいた。絶対に男を近づかせないようにしないと、そう思っていたのに…
入学式早々、なぜかまだ諦めていない様子の王太子殿下に絡まれた。その時点で、俺はイライラしていた。さらにクラスの男どもが、マリアをチラリラ見ている。これ以上マリアに男を近づかせる訳にはいかない。さっさと帰ろうとしたのだが、あろう事か
「せっかく同じクラスになれたのですもの。皆で今から街に出ませんか?一緒に昼食を食べながら、仲を深めましょう」
何て言いだしたんだ。こいつ、バカなのか?そんな事をしたら、令息どもが集まって来るだろう。案の定、たくさんの令息が一緒に行きたいと言い出した。
チラリと王太子殿下の方を見ると、自分も行きたいというような顔をしていたが、令嬢に囲まれて身動きが取れない様だった。
仕方なく馬車に乗り合わせて、店へと向かう。ジンが執事に頼んで、一足先に店の準備を依頼していた。
「マリア嬢、めちゃくちゃ感じのいい子じゃないか?誰だよ、マリア嬢はとっつきにくくて、話しかけても無視するとか言ったやつは」
「本当にな。笑顔も向けてくれたし。それに、やっぱりあの子、めちゃくちゃ可愛いな…」
鼻の下を伸ばす男ども。クソ、マリアは俺のなのに…でも、まだ正式に婚約を結んでいる訳ではない。マリアが15歳になるまで、まだ10カ月近くもあるのか…
お店に着くと急いでマリアの隣をキープした。そんな俺を見たジャックが、俺とマリアはいずれ婚約するのか?と、聞いて来たのだ。
するとマリアが
「私たちはただの幼馴染ですわ。それにライアンは騎士団にしか興味がない様なので、私たちが婚約を結ぶことはあり得ないですの」
と、これまたふざけた事を言いだしたんだ。こいつは何を言っているんだ?俺がなぜ結婚しない事になっているんだ!そもそも俺は侯爵家の嫡男だぞ!
あまりにもふざけた事を言うものだから、ついマリアに向かって怒ってしまった。オロオロするマリア。そんな俺たちを宥めたジャックによって、その話は終わったが、それでも俺のイライラは止まらない。
楽しそうに男どもと話すマリアを睨みつけてやったが、とうの本人は全く気が付いていない。本当に鈍い女だ!
そして食事会はやっとお開きになり、行きと同じように馬車に乗り込んだ。
「いやぁ、マリアちゃん。本当に素敵な子だよな。お妃候補にも興味がない様だし、俺、マリアちゃんが15歳になったら、結婚を申し込もうかな?」
「俺も今同じことを考えていたんだよ。何だ、やっぱりライバルが多いのか…そうだよな。でも負けないからな」
何てふざけたとこを話している男ども。そもそもマリアは、俺と婚約する事が決まっているんだ。イヤ…まだ決まっていないのか…15歳になって、お互い好きな人がいなかったら婚約するという親同士のルールがある。
もちろん俺たちが好き同士なら問題ないが、少なくともマリアは、俺の事を異性としてあまり見ていない気がする。
このままではとにかくマズイ。何とかしないと…
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