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第19話:初めて騎士団を訪れました
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待ちに待った週末がやって来た。今日は初めて騎士団を見学に行く日。今まではなぜかライアンが絶対に騎士団を見に来るな!と言っていた為、行く事が出来なかったのだ。
朝早く目が覚めた私は、早速今日着ていく服選びに取り掛かった。
「お嬢様、ライアン様がいらしております」
「まあ、ライアンが?こんなに朝早くに?」
一体どうしたのかしら?急いでライアンの待つ客間に向かう。
「おはよう、ライアン。こんなに朝早くどうしたの?」
「今日騎士団に来るだろう。その件で、約束事があるんだ。本当は昨日お前の家に来ようと思ったんだけれど、どうしても来られなくてな。今朝来たって訳だ」
なるほど。でも、約束事って一体何かしら?
「いいか、まず今日はこのワンピースを着てこい。それから、俺は先に騎士団に行っているけれど、騎士団の稽古場に着いたら、必ず通信機で連絡を入れろ。これが通信機だ。後、絶対に1人でウロウロするなよ。必ず友人たちと一緒にいる事。それから、この通信機は肌身離さず持っていろよ。この通信機は、居場所が特定できるようになっているんだ。いいな、分かったな」
「ええ…わかったけれど、どうして洋服まで指定するの?確かに可愛いワンピースだけれど…」
ライアンが渡してくれたワンピースは、エメラルドグリーンの可愛らしいワンピースだ。まるでライアンの瞳の色の様に…
「お前に似合うと思って準備したんだよ。いいな、これを絶対に着て来いよ。とにかく騎士団は男ばかりだ。お前は昔誘拐された事があるんだから、十分注意しろ。それじゃあ、俺は先に行っているからな」
そう言うと、ライアンは足早に部屋から出て行った。ライアンの指示通り、早速ワンピースに袖を通す。
「このワンピース、お嬢様にとてもよく似合っておりますわ。それにしてもこのワンピース、ライアン様の色の様ですね」
「リラもそう思う?確かに可愛いワンピースだけれど、何だか私とライアンが恋人同士みたいな感じがしない?」
「そうですわね。でも、このままいったらお嬢様はライアン様と結婚する事になりそうですし、お嬢様もライアン様がお嫌いではないのでしょう?」
「確かに親同士はそんな事を言っているけれど、私もライアンも、結婚するつもりはないわよ」
「あら、そうでしょうか?お嬢様はライアン様がお嫌いですか?」
なぜだか今日のリラは、グイグイ質問してくる。
「う~ん、嫌いじゃないわよ…でも、ずっと一緒にいたからね。今さら男として見ろと言われても…」
「あら、ライアン様はとても魅力的な令息ですわよ。そんな事を言っている間に、他の令嬢に取られても知りませんよ」
そう言ってクスクス笑っている。もう、人の事をからかって!そもそもライアンが令嬢と楽しそうに話しをしている姿なんて、見た事がないから想像が出来ない。
「さあ、お嬢様、そろそろ出発しないと間に合いませんよ」
「そうね、それじゃあ、行ってくるわ」
急いで馬車に乗り込み、騎士団を目指す。しばらく走ると、騎士団が見えてきた。その敷地はとても大きく、いくつもの建屋が立ち並んでいる。
騎士団の入り口まで来ると、既に令嬢たちが待っていた。
「マリア、遅いわよ。早く行きましょう」
「ごめんなさい。待って、その前に、ライアンに通信を入れないと」
急いで通信機を取り出し、ライアンに連絡を入れようとした時だった。
「マリア、やっと来たな」
なんとライアンがこちらに向かって走って来るではないか。
「あなた、どうして私が騎士団に着いたことがわかったの?」
「お前の通信機の位置情報を確認していたんだよ。さあ、中に入って」
ライアンに連れられ、騎士団の中に入って行く。今日は一般公開日とあって、たくさんの人が見に来ていた。特に令嬢が多い。稽古の様子がよく見える場所に来ると
「とりあえずここで見ていろよ。いいか、騎士団員に声を掛けられても、無視するんだ。わかったな」
そう言って、ライアンは急いで騎士団の稽古場へと戻って行った。
「ライアン様、よほどマリアの事が心配なのね。それよりも、あなたのワンピース。やっぱりあなた達、付き合っていたのね」
そう言ってクスクス笑っているリリア。
「もう、からかわないでよ。このワンピースは、その…ちょっと事情があって着ているだけよ」
「あら、そうなの?でも、周りを見て。沢山の令嬢が、あなたと同じエメラルドグリーンの服を着ているわよ。ライアン様、ものすごく人気があるものね」
確かに周りの令嬢の多くが、エメラルドグリーンの服を着ていた。まさか、皆ライアン目当てなのかしら?
その時だった。
「キャーーーライアン様ぁぁ!!!」
ものすごい声援が飛んだと思ったら、ライアンが出てきたのだった。
朝早く目が覚めた私は、早速今日着ていく服選びに取り掛かった。
「お嬢様、ライアン様がいらしております」
「まあ、ライアンが?こんなに朝早くに?」
一体どうしたのかしら?急いでライアンの待つ客間に向かう。
「おはよう、ライアン。こんなに朝早くどうしたの?」
「今日騎士団に来るだろう。その件で、約束事があるんだ。本当は昨日お前の家に来ようと思ったんだけれど、どうしても来られなくてな。今朝来たって訳だ」
なるほど。でも、約束事って一体何かしら?
「いいか、まず今日はこのワンピースを着てこい。それから、俺は先に騎士団に行っているけれど、騎士団の稽古場に着いたら、必ず通信機で連絡を入れろ。これが通信機だ。後、絶対に1人でウロウロするなよ。必ず友人たちと一緒にいる事。それから、この通信機は肌身離さず持っていろよ。この通信機は、居場所が特定できるようになっているんだ。いいな、分かったな」
「ええ…わかったけれど、どうして洋服まで指定するの?確かに可愛いワンピースだけれど…」
ライアンが渡してくれたワンピースは、エメラルドグリーンの可愛らしいワンピースだ。まるでライアンの瞳の色の様に…
「お前に似合うと思って準備したんだよ。いいな、これを絶対に着て来いよ。とにかく騎士団は男ばかりだ。お前は昔誘拐された事があるんだから、十分注意しろ。それじゃあ、俺は先に行っているからな」
そう言うと、ライアンは足早に部屋から出て行った。ライアンの指示通り、早速ワンピースに袖を通す。
「このワンピース、お嬢様にとてもよく似合っておりますわ。それにしてもこのワンピース、ライアン様の色の様ですね」
「リラもそう思う?確かに可愛いワンピースだけれど、何だか私とライアンが恋人同士みたいな感じがしない?」
「そうですわね。でも、このままいったらお嬢様はライアン様と結婚する事になりそうですし、お嬢様もライアン様がお嫌いではないのでしょう?」
「確かに親同士はそんな事を言っているけれど、私もライアンも、結婚するつもりはないわよ」
「あら、そうでしょうか?お嬢様はライアン様がお嫌いですか?」
なぜだか今日のリラは、グイグイ質問してくる。
「う~ん、嫌いじゃないわよ…でも、ずっと一緒にいたからね。今さら男として見ろと言われても…」
「あら、ライアン様はとても魅力的な令息ですわよ。そんな事を言っている間に、他の令嬢に取られても知りませんよ」
そう言ってクスクス笑っている。もう、人の事をからかって!そもそもライアンが令嬢と楽しそうに話しをしている姿なんて、見た事がないから想像が出来ない。
「さあ、お嬢様、そろそろ出発しないと間に合いませんよ」
「そうね、それじゃあ、行ってくるわ」
急いで馬車に乗り込み、騎士団を目指す。しばらく走ると、騎士団が見えてきた。その敷地はとても大きく、いくつもの建屋が立ち並んでいる。
騎士団の入り口まで来ると、既に令嬢たちが待っていた。
「マリア、遅いわよ。早く行きましょう」
「ごめんなさい。待って、その前に、ライアンに通信を入れないと」
急いで通信機を取り出し、ライアンに連絡を入れようとした時だった。
「マリア、やっと来たな」
なんとライアンがこちらに向かって走って来るではないか。
「あなた、どうして私が騎士団に着いたことがわかったの?」
「お前の通信機の位置情報を確認していたんだよ。さあ、中に入って」
ライアンに連れられ、騎士団の中に入って行く。今日は一般公開日とあって、たくさんの人が見に来ていた。特に令嬢が多い。稽古の様子がよく見える場所に来ると
「とりあえずここで見ていろよ。いいか、騎士団員に声を掛けられても、無視するんだ。わかったな」
そう言って、ライアンは急いで騎士団の稽古場へと戻って行った。
「ライアン様、よほどマリアの事が心配なのね。それよりも、あなたのワンピース。やっぱりあなた達、付き合っていたのね」
そう言ってクスクス笑っているリリア。
「もう、からかわないでよ。このワンピースは、その…ちょっと事情があって着ているだけよ」
「あら、そうなの?でも、周りを見て。沢山の令嬢が、あなたと同じエメラルドグリーンの服を着ているわよ。ライアン様、ものすごく人気があるものね」
確かに周りの令嬢の多くが、エメラルドグリーンの服を着ていた。まさか、皆ライアン目当てなのかしら?
その時だった。
「キャーーーライアン様ぁぁ!!!」
ものすごい声援が飛んだと思ったら、ライアンが出てきたのだった。
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