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第18話:ライアンが騎士団に誘ってくれました
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「マリア、今週末、時間あるか?」
貴族学院に入学して1週間が過ぎた。入学早々、皆と仲良くなった私は、楽しい学院ライフを送っている。もちろん、ライアンとも一緒にいる。
「ええ、あるわよ。急にどうしたの?」
「騎士団の練習風景を見たいって、以前言っていたよな。ちょうど今週末、一般公開があるんだ。だから、俺のいう事を聞くなら来てもいいぞ」
「本当?私、ずっと騎士様の練習風景を見たいと思っていたのよね」
強くて優しい騎士たちが普段どうやって練習をしているのか、気になっていた。それに、ライアンの騎士団での様子も見てみたいし。
「よし、それなら決まりだ。ただし当日は俺のいう事をちゃんと聞くんだぞ。騎士団は男ばかりだ。くれぐれもウロウロするなよ」
「分かっているわよ。そうだわ、リリアやミリアナも連れて行ってもいい?」
「ああ、いいぞ」
「それなら、私たちもいいかしら?」
話しかけてきたのは、クラスの令嬢たちだ。
「もちろんよ。皆で行きましょう」
「それじゃあ、みんな気を付けて来いよ」
そう言うと、ライアンは他の令息たちのところに行ってしまった。
「ねえ、マリア。ライアン様とマリアって、本当に付き合っていないの?とても仲がいいみたいだけれど」
1人の令嬢が話かけて来た。
「ええ、付き合っていないわ。ライアンと私は、幼馴染なの。小さい頃からずっと一緒にいたから、仲がいいのよ」
「そうなのね。それなら、私たちにもまだチャンスはあるわね」
「チャンス?」
「そうよ、だってライアン様、とても素敵じゃない。ライアン様を狙っている令嬢も多いのよ」
そういえば、リリアたちもそんな様なことを言っていた。それに夜会デビューの時、令嬢が私を押しのけてライアンを囲っていたし。
それにライアン、結婚に興味があると言っていた。1度目の生の時には結婚しなかったけれど、今回も同じ様に結婚しないとも限らない…
「マリア、どうしたの?」
ミリアナが心配そうな顔で問いかけて来た。
「いいえ、何でもないわ。それより、騎士団の稽古を見せてもらえるのですって。楽しみね」
「あら、あなた達、騎士団なんてむさ苦しいところに行くの?物好きね」
私たちの話しに入って来たのは、お妃候補に名乗りを上げている令嬢たちだ。なぜか私の事が気に入らない様で、何かにつけて絡んでくる。
「別にあなた達には関係ないでしょう」
すかさずミリアナが反論してくれた。
「確かに私たちには関係ないわね。私たちは王妃様からお茶に誘われているの。隣国からとても貴重なお茶が手に入ったのですって。ねえ、あなたは王妃に興味がないのでしょう?それなら、これ以上殿下に絡むのは止めてくれない?」
「私は別に殿下に絡んでいませんわ。変な言いがかりはよしていただけますか」
「じゃあどうして、未だに殿下はあなたを気に掛けるの?おかしいじゃない」
なぜかヒューゴ様は未だに私によく話しかけてくる。何度も私はお妃候補にはならないと言っているのにだ…
「お前たち、いい加減にしろ!マリアはお妃候補にはならないと何度も言っているだろ!文句があるなら、マリアじゃなく、王太子殿下に言えばいいだろう?」
騒ぎを聞きつけたライアンが、私と令嬢たちの間に割って入って来たのだ。いつの間にか私の頭一つ分大きくなったライアン。肩幅もガッチリしている。
ライアンったら、いつの間にこんなに男らしい体になったのかしら…なぜかそんな事を考えてしまう。
その時だった。
「どうしたんだい?なんの騒ぎだい?」
やって来たのは、ヒューゴ様だ。
「王太子殿下、あなたのお妃候補に名乗りを上げている令嬢たちが、マリアにいちゃもんを付けて来たのです。そもそも、マリアは王妃にはならないとはっきりと告げています。どうかこれ以上、マリアに絡むのは止めて…」
「マリア嬢、すまなっかった。彼女たちにまた酷い事を言われたのかい?君たち、候補者に名乗りを上げている者同士、いがみ合うのはいいが、関係のない令嬢を巻き込むのは止めてくれ。あまりにもひどいと、候補者選びを行う際、今回の行いも考慮させてもらうからね。マリア嬢、彼女たちが本当にすまなかった。それで、怪我などはしなかったかい?」
なぜか私の手を取り、心配そうに訪ねて来た。
1度目の生の時は、私に見向きもしなかったくせに…
私が6年間、どれほど寂しかったか…
今更優しくされても、嬉しくもなんともないわ!
「私は大丈夫ですわ。ただ、少し言い合いになっただけですので。それよりも殿下、彼女たちもきっと不安なのでしょう。どうか、未来のお妃になるかもしれない彼女たちを、大切にしてあげて下さい」
これ以上私には関わって欲しくないという意味を込めて伝えた。そもそも、ヒューゴ様に話しかけられるたびに、1度目の時の自分が惨めでならないのだ。あんなにも求めていた時には見向きもして下さらなかったのに、諦めたとたん寄ってこられても困る。
もう私は、ヒューゴ様に何も期待していないし、関わりたくもないのだ。
「マリア嬢は本当に優しいんだね…僕の正式なお妃が決まるまで、まだ2年以上あるんだ。その間に、君の気持ちも変わってくれるかもしれないし…」
何やら訳の分からない事を、ブツブツ言っているヒューゴ様。どう答えていいか分からず固まっていると、先生がやって来て皆席に付いた。
私がお妃候補に名乗りを上げる事はないのだし、あまり気にしない様にしよう。それよりも、今週末の騎士団の見学、楽しみだわ。早く週末にならないかしら。
貴族学院に入学して1週間が過ぎた。入学早々、皆と仲良くなった私は、楽しい学院ライフを送っている。もちろん、ライアンとも一緒にいる。
「ええ、あるわよ。急にどうしたの?」
「騎士団の練習風景を見たいって、以前言っていたよな。ちょうど今週末、一般公開があるんだ。だから、俺のいう事を聞くなら来てもいいぞ」
「本当?私、ずっと騎士様の練習風景を見たいと思っていたのよね」
強くて優しい騎士たちが普段どうやって練習をしているのか、気になっていた。それに、ライアンの騎士団での様子も見てみたいし。
「よし、それなら決まりだ。ただし当日は俺のいう事をちゃんと聞くんだぞ。騎士団は男ばかりだ。くれぐれもウロウロするなよ」
「分かっているわよ。そうだわ、リリアやミリアナも連れて行ってもいい?」
「ああ、いいぞ」
「それなら、私たちもいいかしら?」
話しかけてきたのは、クラスの令嬢たちだ。
「もちろんよ。皆で行きましょう」
「それじゃあ、みんな気を付けて来いよ」
そう言うと、ライアンは他の令息たちのところに行ってしまった。
「ねえ、マリア。ライアン様とマリアって、本当に付き合っていないの?とても仲がいいみたいだけれど」
1人の令嬢が話かけて来た。
「ええ、付き合っていないわ。ライアンと私は、幼馴染なの。小さい頃からずっと一緒にいたから、仲がいいのよ」
「そうなのね。それなら、私たちにもまだチャンスはあるわね」
「チャンス?」
「そうよ、だってライアン様、とても素敵じゃない。ライアン様を狙っている令嬢も多いのよ」
そういえば、リリアたちもそんな様なことを言っていた。それに夜会デビューの時、令嬢が私を押しのけてライアンを囲っていたし。
それにライアン、結婚に興味があると言っていた。1度目の生の時には結婚しなかったけれど、今回も同じ様に結婚しないとも限らない…
「マリア、どうしたの?」
ミリアナが心配そうな顔で問いかけて来た。
「いいえ、何でもないわ。それより、騎士団の稽古を見せてもらえるのですって。楽しみね」
「あら、あなた達、騎士団なんてむさ苦しいところに行くの?物好きね」
私たちの話しに入って来たのは、お妃候補に名乗りを上げている令嬢たちだ。なぜか私の事が気に入らない様で、何かにつけて絡んでくる。
「別にあなた達には関係ないでしょう」
すかさずミリアナが反論してくれた。
「確かに私たちには関係ないわね。私たちは王妃様からお茶に誘われているの。隣国からとても貴重なお茶が手に入ったのですって。ねえ、あなたは王妃に興味がないのでしょう?それなら、これ以上殿下に絡むのは止めてくれない?」
「私は別に殿下に絡んでいませんわ。変な言いがかりはよしていただけますか」
「じゃあどうして、未だに殿下はあなたを気に掛けるの?おかしいじゃない」
なぜかヒューゴ様は未だに私によく話しかけてくる。何度も私はお妃候補にはならないと言っているのにだ…
「お前たち、いい加減にしろ!マリアはお妃候補にはならないと何度も言っているだろ!文句があるなら、マリアじゃなく、王太子殿下に言えばいいだろう?」
騒ぎを聞きつけたライアンが、私と令嬢たちの間に割って入って来たのだ。いつの間にか私の頭一つ分大きくなったライアン。肩幅もガッチリしている。
ライアンったら、いつの間にこんなに男らしい体になったのかしら…なぜかそんな事を考えてしまう。
その時だった。
「どうしたんだい?なんの騒ぎだい?」
やって来たのは、ヒューゴ様だ。
「王太子殿下、あなたのお妃候補に名乗りを上げている令嬢たちが、マリアにいちゃもんを付けて来たのです。そもそも、マリアは王妃にはならないとはっきりと告げています。どうかこれ以上、マリアに絡むのは止めて…」
「マリア嬢、すまなっかった。彼女たちにまた酷い事を言われたのかい?君たち、候補者に名乗りを上げている者同士、いがみ合うのはいいが、関係のない令嬢を巻き込むのは止めてくれ。あまりにもひどいと、候補者選びを行う際、今回の行いも考慮させてもらうからね。マリア嬢、彼女たちが本当にすまなかった。それで、怪我などはしなかったかい?」
なぜか私の手を取り、心配そうに訪ねて来た。
1度目の生の時は、私に見向きもしなかったくせに…
私が6年間、どれほど寂しかったか…
今更優しくされても、嬉しくもなんともないわ!
「私は大丈夫ですわ。ただ、少し言い合いになっただけですので。それよりも殿下、彼女たちもきっと不安なのでしょう。どうか、未来のお妃になるかもしれない彼女たちを、大切にしてあげて下さい」
これ以上私には関わって欲しくないという意味を込めて伝えた。そもそも、ヒューゴ様に話しかけられるたびに、1度目の時の自分が惨めでならないのだ。あんなにも求めていた時には見向きもして下さらなかったのに、諦めたとたん寄ってこられても困る。
もう私は、ヒューゴ様に何も期待していないし、関わりたくもないのだ。
「マリア嬢は本当に優しいんだね…僕の正式なお妃が決まるまで、まだ2年以上あるんだ。その間に、君の気持ちも変わってくれるかもしれないし…」
何やら訳の分からない事を、ブツブツ言っているヒューゴ様。どう答えていいか分からず固まっていると、先生がやって来て皆席に付いた。
私がお妃候補に名乗りを上げる事はないのだし、あまり気にしない様にしよう。それよりも、今週末の騎士団の見学、楽しみだわ。早く週末にならないかしら。
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